INTERVIEW
2024.09.21
――さて、お2人が挙げた曲の中のいいテイクのお話に続いて、今回のアルバムの中でのお2人のベストテイクだと感じられたものについて田淵さんにお聞きしたいのですが。
田淵 まず緒方さんは、歌に対してのコンプレックスを持ちながらもずーっと挑戦を続けているので。元々の声質もあって、ソロの一番ドカーン!というところを、特に1番のサビで取るようなことって傾向としてはあまりなかったんです。でもここ1年の頑張りを見て「そこも頑張るんだ」という気持ちが大変伝わってきたのが「everything!」の1サビのソロで。
緒方 「響けファンファーレ 手の鳴る方へ」ですか?
田淵 そう。ここはいい歌を歌えていた子がたくさんいた中でも、「ここまで歌えるようになったんだ……」という感じがすごくあって。そこを自信を持って任せることで、ステージで歌うときの度胸や自信に繋がるかな?という期待も込めて振った、というぐらい好きです。あと宮原さんは1曲の中に必ず1行は、他の子は全く出さないようなドキッとするニュアンスで歌うことがあって。それをいつも「すごいな」と思いながら聴いているので、ひとつに絞るのは悩ましいんですけど……さっきの緒方さんみたいな「ここ歌えるようになったんだ」みたいな話で言うと、繰り返しになりますけど、張って歌うことに恐れがなくなったことがとても嬉しい。僕は彼女のそういう声がすごく好きなので。そういう意味だと、「流星群の向こうで」の「お仕着せの栄光も」というフレーズですかね。たしか本人が力を入れて取り組んでいたのはその前後の行だった気がするんですが(笑)。
宮原 あはは(笑)。
田淵 でも僕は、こっちが指定したものではなく自分が用意してきたニュアンスを入れて「わっ!」と張り上げたときの気持ちいいところが来て嬉しかったし、「この歌い出し最高じゃん!」と思っていました。
――宮原さんご自身としても、張ることへの恐怖感みたいなものがなくなった自覚はあるるんですか?
宮原 あります!元々は私の好きな歌手の歌い方と違っていたので、自分がそういうふうに歌っているのがあまり好きじゃなくて……普通に歌えばもうちょっとうまく歌えるのに、その理想にこだわりすぎてうまくいかないことも結構あったし(笑)、その自覚もあるんです。でもこれも『2』とか『3』あたりから、「あんまり考えないほうが自信を持って歌えるかも」と思うようになって。理想どおりにできずに嫌になっちゃうことが多かったので、「私の理想を叶えるより“嫌”を排除するほうが絶対に早くて、きっといい」と考えて、普通に張って歌うようになったんです。最初は開き直りもありましたけど、田淵さんも「いいねいいね」と言ってくれるので、今は納得しています。
――そして田淵さんは、今回のアルバムで「一度DIALOGUE+の音楽を完成させる」という宣言をされていますが、そんなアルバムが出た今のDIALOGUE+を表す曲を作るとするなら、お2人はどんな曲にしたいですか?
緒方 どんな曲に……悩みますね!やっぱり成長してきたことで、ソロを任せてもらえるというか。初期だったら「複数人で歌わないと、この曲のパワーに負ける」みたいなところがあったと思うんですけど、徐々に「このニュアンスを出したいからここはひとりにして、ここはパワーがほしいから4人で歌う」という積極的な意味で歌割りとかも考えられるようにはなってきたように感じるので、そういう意味でソロがめっちゃ多い曲とかもありかもしれないですけど……でも「そこがおいしさなのか?」って言われたらなんか違う気もしますよね。8人でガンッって歌うからこそすごい勢いが出て“DIALOGUE+らしさ”みたいなものが生まれているのを感じるから、今「うー、難しい!」と思っています(笑)。
宮原 私、思いついた。
緒方 何?何?
宮原 今のところセンターボーカルが2人の曲って、各組み合わせに1曲ずつしかないんですけど、それを別の組み合わせにしてもう一巡する。
緒方 あぁー!
宮原 2人ずつやったのって、結構前じゃない?だから、今もう1回センターボーカル2人の曲をガッツリ……。
緒方 たしかに。面白い。
宮原 それを作ったらまた違う色が出せたりして、楽しいかな?と思いました。もちろん同じペアでも初期からの変化や成長が出るでしょうから、それも“今のDIALOGUE+”なのかもしれないですし。
緒方 たしかに、比重を変えてみるのは面白いかもね。歌割りって結構平等なんですけど、そこを1回崩してみても面白いかも。
宮原 あのぐらい思いっきり偏るのもいいよね。
――ログっ子さんも、組み合わせなどでいろんな想像が膨らむでしょうし。
宮原 うんうん、わかります。
田淵 いろんなペアの可能性があるからね……いやぁ、こういう話は参考になりますね。それこそ完成しきったあとどうしようかな?と思った記憶があるんですけど……あくまで自分についてなんですけど、新しいことをやりながらまた自分に返ってくるものを探すという時期になるように思ったりもするので。そのときにわかりやすく、2人1組の組み合わせをやるのも面白いかなぁ……あんまり文字にするのもなんなんですが(笑)、でもすごく参考にはなります!
●リリース情報
3rdアルバム
『DIALOGUE+3』
9月18日発売
【きゃにめ限定盤(CD+2BD+Instrumental CD)】
品番:SCCG-00163
価格:¥8,800(税込)
※フルカラーブックレット(32P)
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:PCCG-02384
価格:¥6,600(税込)
※フルカラーブックレット(32P)
【通常盤(CD only)】
品番:PCCG-02385
価格:¥3,500(税込)
<CD>※全形態共通
1.FU-TSU-TSU-KA I love you
作詞・作曲:田淵智也 編曲:Akki
2.everything!
作詞:竹内サティフォ 作曲・編曲:ONIGAWARA
3.ユートピア学概論
作詞・作曲:田淵智也 編曲:瀬尾祥太郎(MONACA)
4.たびのとちゅ
作詞:古屋真 作曲・編曲:星銀乃丈
5.誰かじゃないから
作詞:大胡田なつき 作曲・編曲:成田ハネダ
6.にゃんぼりーdeモッフィー!!
作詞:田淵智也 作曲:瀬名航(SOVA) 編曲:瀬名航(SOVA)、Neko Hacker
7.凍てついて秒速
作詞:田淵智也 作曲・編曲:照井順政
8.これは訓練ではない
作詞・作曲:林直大(SOVA) 編曲:林直大(SOVA)、Nor、堀江晶太
9.イージー?ハード?しかして進めっ!
作詞・作曲:田淵智也 編曲:伊藤翼
10.かすかでたしか
作詞・作曲:田淵智也 編曲:広川恵一(MONACA)
オーケストラアレンジ:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
11.dialogue+kawaii
作詞・作曲・編曲:Neko Hacker
12.わたしたちのラプソディー
作詞:大胡田なつき 作曲:瀬名航(SOVA) 編曲:中山真斗
13.流星群の向こうで
作詞・作曲:田淵智也 編曲:広川恵一(MONACA)
All songs produced by 田淵智也
<Blu-ray DISC1>※初回限定盤・きゃにめ限定盤 共通
「FU-TSU-TSU-KA I love you」MV
「FU-TSU-TSU-KA I love you」メイキング
「everything!」MV
「流星群の向こうで」REC MV
LIVE 映像
「ログ×ギグ」セレクション(2024年3月30日開催)
<Blu-ray DISC2>※きゃにめ盤のみ
「DIALOGUE+BOX THE LIVE!!!! vol.2」セレクション(2024年3月30日開催)
「流星群の向こうで」楽曲制作ドキュメント(ボーカルREC/楽器REC/振り入れ/トラックダウン)
<Instrumental CD>※きゃにめ盤のみ
アルバム楽曲のインストゥルメンタル13曲
DIALOGUE+オフィシャルサイト
https://dialogue-music.jp/
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