5年間の成長が培った、歌声への信頼――DIALOGUE＋ 3rdアルバム『DIALOGUE＋3』リリース記念スペシャル対談 PART3：守屋亨香・飯塚麻結×田淵智也

“今のDIALOGUE＋”を表す曲は、「王道」と「新しい風」？

――そんな守屋さんは、1曲おすすめを挙げるなら？

守屋　私も、いっぱいあるから選ぶのが難しいんですけど……「凍てついて秒速」ですかね？この曲、もうホントヤバくて！何度も同じところを聴き直して練習したんですけど、リズムがすごく難しい曲なので、「リズムを取って覚える」より先に田淵さんが歌ってくれている仮歌をそのまままるっと覚えて、そこからリズムにはめていく……みたいな2段階の覚え方をしました。それでも難しかったんですけど。

――それが、お気に入りになっていった？

守屋　そうですね。そうやって練習に時間をかけたというのもありますし、完成版を聴いたときに普段とは違うメンバーの一面を見られたのも嬉しくて。長年一緒にいるから、メンバーごとに歌声の想像がちょっとついたりすることもあるんです。でもこの曲は全然想像がつかなくて（笑）、出来上がったものを聴いて初めて「おー！」ってなりました。

田淵　この曲は、事前に「できなくても落ち込まないでください」ってみんなに伝えておいたんですよ（笑）。僕も説明できないぐらいだから。この曲は基本2人の組み合わせで構成していくようになったんですけど、それはみんなで力を合わせて歌っているほうがDIALOGUE＋っぽくなると思ったから。それとライブで歌いこなしていくことを考えて、得意分野や集中すべきパートに各々が集中するような譜割りを考えたからなんです。なので練習段階でできそうなところに集中してそこのクオリティを上げて、ライブの譜割りでもそこを歌えば成立できるように……という形に、最終的にはしていきました。

――ちなみにこの曲の、守屋さんのパートで特に良かったと感じたところを挙げるなら？

田淵　まずはソロですね。この曲って3人ぐらいしかソロがいないのに、彼女はソロを取っているんですよ。それはアベレージの高さに加えて、サビを筆頭にキーが高い曲というのもあるかもしれません。サビをみんなでせーので歌ったときに、守屋さんがパキッと立っていてくれれば歌にしっかりとした芯が通るから、それをもとに組み合わせを選べるので。

――そういう意味では、元々全体的に頼りになっていた。

田淵　そうですね。そう考えると、一番最後のほうのサビもそうなのかな？「みんなで力を合わせてなんとかしてくれ」という曲としてオーダーしたものなので、その歌声ってライブでより「DIALOGUE＋にしか歌えない曲」になるときに必要になってくるんですよ。

――さて、今回のアルバムは田淵さんの「一度DIALOGUE＋の音楽を完成させる」と宣言のもと制作されています。それがリリースになる今、改めて今のDIALOGUE＋を表す曲をもう1曲作るならどういう曲がいいのか？というものを守屋さんと飯塚さんにお聞きしたいのですが。

飯塚　最初にパッとイメージする“DIALOGUE＋らしい”曲って、例えば「はじめてのかくめい！」とか、最近の表題曲だと「イージー？ハード？しかして進めっ！」とか「ユートピア学概論」みたいな、「みんな頑張ろう！わーい！」みたいなものがあって……「これ以上、大丈夫ですか？」という流れで今来ているんですけど。でもきっとその先がまた来るんだと、思っています（笑）。

――ログっ子さんも含めて、「王道だ」と捉えられている曲のパワーアップ版がさらに来るだろう、と。

飯塚　はい。きっと、さらに来ちゃうんでしょう！でもデビュー曲から毎回「できないよー！」と思いながらやっていますけど、頑張っているうちにライブで楽しく披露できるようになるんですよね（笑）。

守屋　最初は「できない」って思うんだけど、できちゃうんだよね（笑）。

飯塚　ね（笑）。だからきっと、次そういう曲が来ても、できちゃうんだと思います。

――守屋さんはいかがですか？

守屋　うーん、難しいですね……。アルバムを出すたび「最高を更新してる！これ以上なんてあるのかな……？」と思うのに、毎回その“これ以上”が出てくるのですごく難しいんですけど……でも、いつもすごい制作陣の方々に作っていただいてるので、いろんな人たちと一緒にやっていきたいなという気持ちがあって。この先もまだ、一緒にやったことがない人たちとかとやっていくと、何かまた新しい私たちが見えるのかな？という気持ちはあります。

田淵　今2人が言っていたことって、実はすごく鋭くて。「音楽を完成させる」ことって、「DIALOGUE＋の音楽ってこれだよね」という基準値を確実なものにするところがあると考えているんですよね。僕は「一流の声の訓練を受けた人たち」である声優さんたちが音楽をやってくれるのなら、そこに人間としての個性をプラスしたい。そのために、ONIGAWARAとか瀬名（航）くんみたいな初期から付き合ってくれている仲間たちの力を借りて、3枚のアルバムをかけてひとつのブランドとして完成させてきたんです。で、これが“完成”すると、今度は他に新たに曲を提供する人がいても、その人が「DIALOGUE＋の音楽」の参考にしながら自分の個性を出したこれまでにない曲を自動的に作ってくれることになるから、こちらとしてもそれはすごく助かるし。そういう曲が増えてくると、今度はこれまでのストーリーのありがたみが出て、昔の曲がまたさらに輝いてくる……という相互作用や相乗効果が起きていくはずなので、“新しい風”はそろそろ必要かなと思っていますね。

●リリース情報
3rdアルバム
『DIALOGUE＋3』
9月18日発売

【きゃにめ限定盤（CD+2BD＋Instrumental CD）】

品番：SCCG-00163
価格：￥8,800（税込）
※フルカラーブックレット(32P)

【初回限定盤（CD+Blu-ray）】

品番：PCCG-02384
価格：￥6,600（税込）
※フルカラーブックレット(32P)

【通常盤（CD only）】

品番：PCCG-02385
価格：￥3,500（税込）

＜CD＞※全形態共通
1.FU-TSU-TSU-KA I love you
作詞・作曲：田淵智也　編曲：Akki
2.everything!
作詞：竹内サティフォ　作曲・編曲：ONIGAWARA
3.ユートピア学概論
作詞・作曲：田淵智也　編曲：瀬尾祥太郎(MONACA)
4.たびのとちゅ
作詞：古屋真　作曲・編曲：星銀乃丈
5.誰かじゃないから
作詞：大胡田なつき　作曲・編曲：成田ハネダ
6.にゃんぼりーdeモッフィー!!
作詞：田淵智也　作曲：瀬名航(SOVA)　編曲：瀬名航(SOVA)、Neko Hacker
7.凍てついて秒速
作詞：田淵智也　作曲・編曲：照井順政
8.これは訓練ではない
作詞・作曲：林直大(SOVA)　編曲：林直大(SOVA)、Nor、堀江晶太
9.イージー？ハード？しかして進めっ！
作詞・作曲：田淵智也　編曲：伊藤翼
10.かすかでたしか
作詞・作曲：田淵智也　編曲：広川恵一（MONACA）
オーケストラアレンジ：滝澤俊輔（TRYTONELABO）
11.dialogue＋kawaii
作詞・作曲・編曲：Neko Hacker
12.わたしたちのラプソディー
作詞：大胡田なつき　作曲：瀬名航(SOVA)　編曲：中山真斗
13.流星群の向こうで
作詞・作曲：田淵智也　編曲：広川恵一(MONACA)

All songs produced by 田淵智也

＜Blu-ray　DISC1＞※初回限定盤・きゃにめ限定盤共通
「FU-TSU-TSU-KA I love you」MV
「FU-TSU-TSU-KA I love you」メイキング
「everything!」MV
「流星群の向こうで」REC MV
LIVE 映像
「ログ×ギグ」セレクション(2024年3月30日開催)

＜Blu-ray　DISC2＞※きゃにめ盤のみ
「DIALOGUE＋BOX THE LIVE!!!! vol.2」セレクション(2024年3月30日開催)
「流星群の向こうで」楽曲制作ドキュメント(ボーカルREC/楽器REC/振り入れ/トラックダウン)

＜Instrumental CD＞※きゃにめ盤のみ
アルバム楽曲のインストゥルメンタル13曲