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INTERVIEW

2024.09.13

かわいさと楽しさと、大切な友達への思いを全部込めて。吉武千颯&後本萌葉、『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』エンディング主題歌「Happy≒Future」を語りつくす!

かわいさと楽しさと、大切な友達への思いを全部込めて。吉武千颯&後本萌葉、『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』エンディング主題歌「Happy≒Future」を語りつくす!

『スター☆トゥインクルプリキュア』(2019年)と『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』(2022年)でそれぞれプリキュアシンガーとなった吉武千颯後本萌葉。2人は同じ声優アーティストオーディションから事務所に所属し、7年の付き合いになる間柄だ。「プリキュア」シリーズ最新映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』エンディング主題歌となった「Happy≒Future」は、そんな2人がついに声を合わせる記念すべき1曲となる。ホーンセクションとシンセを合わせた四つ打ちによる洗練された楽曲だが、そこに愛らしい2人の歌声が重なることでさらに珠玉のポップスへと昇華した。互いをよく知る2人は自らの声をどのように操ったのか?

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)

仲良しな2人がプリキュアシンガーとして合流するまで

――『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』(以下『わんぷりむーびー』)のエンディング主題歌をこの2人で担当すると聞いたときの気持ちを教えてください。

吉武千颯 嬉しかったです。『デリシャスパーティ♡プリキュア』のときに初めて一緒のライブ(“デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡”)に出させていただいて、その当時は後々2人で歌う楽曲をいただけるとは思っていなかったですし、そもそも、同じオーディションから業界に入って、まさか一緒に「プリキュア」の曲を歌える日がくるとは思っていませんでした。

後本萌葉 私も本当に嬉しかったです。千颯ちゃんとは同期ではありますけど、千颯ちゃんは事務所に入る前から歌もダンスもやっていて、初めて会ったときからとてもすごい方だったので。

吉武 そんなことないよ!(笑)。

――アクターズスクール広島出身ですからね。

後本 そうなんですよ。だからずっと憧れの存在で、こうして同じ作品の曲を歌えることが嬉しかったです。

――お互いを長く見てきたお二人ですが、プリキュアシンガーとしてそれぞれどんな印象を持っていますか?

後本 千颯ちゃんは妖精さんみたいな声で……昔、駅で後ろから「もえちゃん」って呼ばれたとき、幼稚園くらいの子の声かと思ったんです。

吉武 前に言ってたね(笑)。めっちゃ懐かしい。

後本 そんなちっちゃい子の知り合いなんていないから、人違いかと思ってそのまま歩いていたんですけど。

吉武 そう、全然振り向いてくれないの。「もえちゃーん」ってずっと呼んでるのに。

後本 千颯ちゃんだったんですよね(笑)。でも、そんな千颯ちゃんが歌う「プリキュア」の楽曲を聴くと、歌のお姉さんって感じがすごくするんですよ。不思議なんですけど、声はかわいいままでお姉さんみたいな優しさを感じる、そんなホッとするシンガーだと思っています。

吉武 もえちゃんは、初めて会った15歳の頃からいい意味で何も変わらない。

後本 えー!

吉武 変わらずに大きくなりましたね。もえちゃんにしか出せない声と、子どもたちが好きになるような無邪気な歌い方で、真似しようと思っても真似できないかわいさが詰まっていると思います。

後本萌葉

――「Happy≒Future」は、そんな2人が組んだらどんな楽曲になると感じていましたか? お洒落なイントロから入る曲ですが。

後本 そうなんですよね。こういう雰囲気の曲は初めてだったのでどう歌おうか、最初は色々と悩みました。正直、イメージが定まった状態でレコーディングに臨めたわけではなかったですけど、千颯ちゃんのレコーディングが先で、ディレクターさんから「“ちはやお姉さん”の歌が聴けるよ」と言われたんです。

吉武 (笑)。

後本 そこで歌を聴かせてもらったときに方向性が定まった気がします。お洒落な曲ですけど、千颯ちゃんの良さが前面に出ていたので、自分も曲に合わせようとするのではなく、自分のままで歌ってみました。

吉武 私は最初、この曲が映画で流れるシーンを教えてもらってから「思うがままに歌ってみて」というディレクションで歌い始めることになったんです。そのうえで、もえちゃんと歌うとしたら「友達」というポイントが大事な楽曲だと感じていて。最初に歌詞を読んだときも“ココロカヨウセンサーは コトバじゃなく”とか、「わんぷり」らしく「大好き」という思いで通じ合う曲だと感じたので、その「友達」の雰囲気を出すには最適な相手だと思いました。「友達」や「絆」に対する想いがこの2人だからこそすごく出せる、って。

後本 嬉しいー。

吉武 だから、そこを大切にしつつどう歌おうか、ということを考えていました。(吉武が)シンガーとしては一応先輩ですけれども、引っ張るというよりは友達の目線で、隣で手を取り合いながら歌っている姿をイメージしながら歌っていましたね。実は、事前にいただいた音源には楽器がまだしっかり入ってない状態だったんですけど、レコーディングのときには楽器を録ったオケで歌えたところも大きかったかもしれないです。楽器が入ったことですごくワクワクがより増したというか、楽器に歌を合わせた方がいいかもしれないと思って。例えば、“ココロカヨウセンサー”のところはわりと滑らかに歌っていたのを、オケでは楽器がリズミカルに鳴っていたので「コ、コ、ロ」と切る感じで歌うとか。そういうところはアドバイスをいただきながらレコーディングしました。

――録った楽器が反映されていると楽曲の完成形も浮かびますよね。

吉武 「プリキュア」シリーズの楽曲は、完成したオケをレコーディングで聴けることが多いんですけど、私はそれがすごく好きなんです。その時感じた、よりワクワクした気持ちも詰め込みながら歌えるので。だから、楽曲のお洒落感みたいなところも意識しつつ、自分の歌声を(作・編曲の)馬瀬(みさき)さんのサウンドに任せて、みたいな感覚でした。

吉武千颯

隣で歌っている「友達」の声が自然と聴こえてきた

――後本さんがレコーディングで意識したポイントはありましたか?

後本 サビでは、“Ha・Ha・Ha・Happy”、“Fu・Fu・Fu・Future”と追いかけっこのように歌うじゃないですか? 1番では千颯ちゃんが先で、2番では逆になるんですけど……普段の私はいつも千颯ちゃんにくっついている感じなので。

――それは、プライベートでは、ということですね。

吉武 (笑)。

後本 はい。だから、1番はいつもの感じで、2番は千颯ちゃんがちょっと甘えん坊さんになったときのイメージでした。千颯ちゃんって、なんでも私に確認してからやるんですよ。「お菓子食べていいかな?」とか。どこどこに行ってきていいかな、とか。

吉武 確かに。確認しちゃう癖あるな(笑)。

後本 「年上なのにかわいいな」と思っていて。その感じを思い出していました。

吉武 そうだったんだ?

後本 うん。そうやって、2人の(友達)歴が長いからこその部分を出せたら、とは想像していました。

吉武 あと、この楽曲はユニゾンがすごく多くて、落ちサビもずっと一緒に歌っている感じなので、ユニゾン感をイメージしながら歌っていました。本当に隣にいるような、そんな感覚ですね。

――後本さんなら隣でどう歌うと予想されていたんですか?

吉武 何かもう、勝手に脳内再生されてました(笑)。歌い分けが決まっていたので、お家で1人で練習しているときも「こんな感じかな?」「じゃあこんな感じで歌おうかな?」と想像して。でも、完成した曲を聴いたら一致していたので、そこは嬉しかったですね。

――一致していた完成形というのは?

吉武 すっごくかわいい感じになると思っていました。なので、お洒落感強めにお姉さんっぽく歌うよりは、私も一緒にかわいい方がいいかと思ったんです。私の歌い方は「きゅるんきゅるんしている」と言われることが多いんですけど、そのきゅるん感と温かさみたいなものを出したくて。2人が合わさるとかわいさが倍増できるように、とはすごく意識していました。

――一方の後本さんは、吉武さんが歌っている声を聴いて、どのようなイメージが浮かびましたか?

後本 やっぱり隣で歌ってくれている感じというか。実際にレコーディングするときは千颯ちゃんのパートがヘッドホンからは聴こえないんですけど、(歌わずに)待っていると聴こえてくる気がするんですよ、千颯ちゃんの歌声が。

――それは歌いやすいですね。

後本 そうですね。本当に歌いやすかったです。レコーディングっていつまでも慣れなくて、いつも緊張してしまうんですけど、千颯ちゃんが(声真似しながら)「大丈夫だよ」って言ってくれているみたいな。

吉武 今、真似してましたね(笑)。

後本 (また真似しながら)「もえちゃん、歌えるよ」と言ってくれている気がしたので(笑)、2人で録っている感覚がありました。あと、私は声が子供っぽいと言われることが多いんですけど、千颯ちゃんもどちらかというとちっちゃい子みたいじゃないですか? だから、一緒に歌うと手を繋いだり一緒に頑張ったりしている様子が想像しやすいかも、と思っていました。なので、歌うときは千颯ちゃんと手を繋ぎながら歌っているつもりでレコーディングしていました。

次ページ:「わんぷり」ならではの絆とバディー感を歌に込めて

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