――「端程山」以外のSingle収録曲についてもお聞かせください。先ほど小日向さんが共感できると話されていた「輪符雨」には、どんな印象をお持ちですか?
林 とにかくベースがかっこいい!(笑)。「ガルパ」のストーリー的には、CRYCHICへの想いを表している楽曲なので、私も立希を演じる身としては、感情が入る楽曲です。CRYCHICはMyGO!!!!!の前身となるバンドではありますけど、「春日影」の件もあってちょっと腫れ物扱いされている印象があったのですが、「ガルパ」のストーリーとこの楽曲を聴いたら、「別に引きずったままでもいいんだ」と思ったんですよね。雨が降って「あのときはこうだったな……」と思い出す日があってもいいんだなと思って。なので立希としては、すごくグッとくる曲です。
――アニメでCRYCHICがバラバラになるシーンでも、スタジオの外は雨が降っていましたものね。
林 そうなんです。だからCRYCHIC組(燈、そよ、立希)は、きっと雨の日になると思い出しちゃうんですよね。
小日向 そうそう。この曲は、そよちゃん自身が「一生CRYCHICのこと忘れられないよ」と言っても燈ちゃんが肯定してくれている歌、そういう気持ちを抱えたままでもMyGO!!!!!として進んでいくことを肯定してくれた楽曲のように感じていて。その意味では、きっとそよちゃんもこの楽曲に救われていると思いますし、私もグッときます。きっと羊ちゃん(羊宮)も同じくらいグッときてるはず。
豊田 私もこの楽曲を最初に受け取ったのは「ガルパ」だったので、アニメの物語でまだ決着が付いていないものの先として、そよちゃんと燈ちゃんのあの会話に触れることができたのは、見守ってきた側としても良かったなと思いました。2人とも、これからもバンドで同じ時間を過ごしていくなかで、お互いのことを許し合いながら、認め合いながら進んでいくんだろうな、というのが見えたので、ちょっとした希望のある楽曲、見たかった景色のある楽曲という印象です。
小日向・林 ありがとうございます!
――余談ですが、この楽曲は、MyGO!!!!!の音源でベースの演奏を担当されている木下龍平さんが作編曲を担当していますよね。
小日向 そうなんです!木下さんのベースラインは毎回かっこ良くて。「輪符雨」がそよちゃんに焦点を当てた楽曲というお話は聞いていたのですが、それを作ったのが木下さんということを知ったときは、私の大好きなものばかりが詰め込まれているので「ウワーッ!」ってなりました(笑)。本当に大好きな楽曲です。
――もう1曲の「孤壊牢(こころ)」についてはいかがですか?
林 すごくかっこいい曲です!ギターのフィードバックから始まるところも、邦ロック好きからすると「きたー!」ってなります(笑)。“こころは僕のものだ”の“ものだ”の前に一瞬ブレイクが入る感じもすごく好きで。この曲はデジタルコミック版「ゴールド・ボーイ」のテーマ曲なんですけど、MyGO!!!!にもぴったりで、燈ちゃんっぽい曲だと思います。
小日向 しかも今までのMyGO!!!!!にはなかった感じの楽曲になっているので、MyGO!!!!!の幅広さにもびっくりしました。まだライブではやっていないんですけど、この曲もライブ映えしそう。
林 たしかに。私、青木(陽菜)ちゃんが演奏しながらジャンプしている場面が目に浮かぶもん(笑)。
豊田 個人的には、今回のSingleの中で一番今までのMyGO!!!!!のイメージに近い印象があります。音使いや強さ、鋭さという部分で、ここまでのMyGO!!!!!らしさが出ているうえで、さらに研ぎ澄まされた感じがして。早くライブで聴きたい曲ですね。表題曲と並んでいてもおかしくないくらいの強さがある曲だと思います。
――曲名の初見ではまず読めない当て字もMyGO!!!!!らしさ全開です。
林 「ゴールド・ボーイ」の主人公の男の子は、みんなにいい顔をしつつも実は自分だけいい思いをしようとしているところがあって、燈とは全然違うタイプなのですが、“自分の殻に閉じこもっている”という意味では共通する部分があると思うんです。この「孤壊牢」というタイトルは“孤独を壊す”とも“孤独が壊された”とも取れると思うのですが、燈の場合は「孤独な牢を壊してMyGO!!!!!になる」という意味で“孤独を壊す”、対して「ゴールド・ボーイ」の主人公は “孤独を壊された”ほうなのかなと感じていて。彼の目線で聴くとまた違った印象になる曲だと思います。
豊田 考察が捗るやつですね(笑)。
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