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2024.09.07

まばゆく輝く星々が、“アニソン”で繋がり形作った尊い願い――“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”DAY3・速報レポート

まばゆく輝く星々が、“アニソン”で繋がり形作った尊い願い――“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”DAY3・速報レポート

3日間だけの“ここだけのまばゆさ”が、最高潮で見せてくれた景色

DAY3の後半は、Emergency Alert(CV.三森すずこ)を受けて出動した、ブレイバーン(CV.鈴村健一)のステージからスタート。「ババーンと推参!バーンブレイバーン」のイントロとともにセンターステージにブレイバーンが、2階ステージに鈴村健一がそれぞれ登場。鈴村が力をいっぱいに込めて歌うなか、ブレイバーンは花道を通ってメインステージへと向かい、途中の必殺技コール部分ではその技を繰り出してもみせる。曲明けには鈴村が先導するコール・アンド・レスポンスの形でイサミ・アオ(CV.鈴木崚汰)とルイス・スミス(CV.阿座上洋平)が呼び込まれ、「双炎の肖像」のイントロとともに登場。ハーモニーも交えて雄々しい歌声を響かせていくと、2人がセンターステージにたどり着いてから上着を脱ぎ捨て、向かい合ったまま指を絡める……というようにED映像を生再現。すさまじい歓声のなか出番を終えた。

その雰囲気をさらに塗り替えたのが、花澤香菜。1曲目「ドラマチックじゃなくても」を柔らかさとピュアさを兼ね備えた歌声で彩り会場中をキュンとさせ、1曲どころか1コーラス足らずで自身の世界を作り上げてしまう。歌唱後にはコラボ相手として東山奈央を呼び込み、東山は身につけた赤いリボンから連想される桐崎千棘として、花澤は小野寺小咲として、アニメ放送10周年を迎えた『ニセコイ』の「本命アンサー」をデュエットする。キュートかつ小悪魔な歌声を、振付を交えて見せていく東山に対し、花澤は歌声のピュア成分さらに強めに歌っていき、各々がキャラクター性をしっかりと伴わせての歌唱。最後には2人で大きなハートマークも作っていた。そして最後に披露したのは、1stシングル曲「星空☆ディスティネーション」を歌唱。間奏では花澤の手に合わせて左右にペンライトが揺れ、思わず花澤も「きれい!」と感激の言葉を漏らす。その後もじっくりと客席を見やりながら微笑みたたえて歌い、場内に温かなムードを生んでいった。

そして東山奈央は、自身の出番ではまず満月輝く星空の映像とともに「イマココ」を歌唱。どこかあどけなくピュアで、でもまっすぐな、この曲にたまらなくマッチする歌声を響かせていく。歌唱後には「マイナーピース」でのコラボについて「2ヶ月練習した」などの裏話を明かすと、秋放送開始のアニメ『星降る王国のニナ』のEDテーマ「星の伝言」の初披露へ。「自由に曲にたゆたって味わってもらえたら」と歌い始めたこの曲はワルツ調で、東山自身もたゆたうようにしながら歌唱する部分も。序盤には神秘的な雰囲気がある一方で、大サビでは歌声に壮大さもあるため、アニメと組み合わさってどう響いてくるのかも楽しみだ。さて、実はアニサマ前に「3つのコラボがある」と予告していた東山。その最後のひとつとして、アカペラをテーマにした音楽プロジェクト・うたごえはミルフィーユの6人との、坂本真綾「プラチナ」のカバーでアニサマ史上初となる完全アカペラライブに挑戦する。基本的には主線を東山が担当し、様々なパートを彩るうたミルのメンバーとともに、時折顔も見合わせながら息を合わせて歌っていく。さらに落ちサビ部分では、観客もコーラスでこの挑戦に参加。見事に2万人以上が歌声を繋ぎ合わせて、この場限りの歌という星座を作り上げた。

コラボの余韻残るなかしばしの暗転を挟み、LEDスクリーンにfripSideのロゴが映し出されると、ステージ中央で背合わせに立つ阿部寿世(Vo.)と上杉真央(Vo.)が歌い始めた「dawn of infinity」で、第3期fripSideの初アニサマがスタート。2人のボーカリストが異なる個性を発揮することで1曲を作り上げ、シンメトリーになったダンスも織り交ぜるという、新たなfripSideの形を提示していく。曲明けには八木沼悟志(Syn.)による「2人とも類稀なる努力を重ねて、地力をつけてこの場所にうかがうことができました」といった新ボーカリストの紹介を経て、炎も上がるなか「Red Liberation」へ。変わらずパワフルな2人の歌声とメリハリついたダンスが、場内の熱をさらに高めていく。そして“夜桜”の映像が流れると南條愛乃が登場し、fripSide feat. Yoshino Nanjoとして「Secret Operation」を披露。繊細でありながら力強い歌声を響かせていく3人は、サビでは次々とメインパートをリレーして歌唱。最後にはメインステージでダンスも交え、観客のテンションをさらに上げてみせた。

コラボ後は南條が残り、“グリザイアメドレー”で9年ぶりとなるソロでのアニサマでのステージの幕開けを飾る。まずはアコースティックバージョンの「サヨナラの惑星」を儚く聴かせていくと、続くミドルバラード「涙流るるまま」では優しく温かく歌っていく一方で、落ちサビでの絞り出すような、思いがこぼれ落ちるような表現が心をぐっととらえていった。歌唱後、改めて“妹分”にあたる第3期fripSideのボーカリスト2人を称えたところで、自身はもう1曲「閃 -Sen-」を歌唱。ゆるっとしたMC中の雰囲気からスイッチを切り替え、疾走感あるナンバーを冒頭から鋭く歌っていき、さらに力こもってラフささえ感じられるような歌声で、アッパーチューンにおける力強さという魅力も胸に刻み込んでくれた。

『杖と剣のウィストリア』のエルファリア・アルヴィス・セルフォルト(CV.関根明良)のモノローグに続いて再び登場したTRUEは、同作のEDテーマ「フローズン」を歌唱。序盤は柔らかさを持たせた歌声は、徐々にスケール感を増すように広がりゆき、観客にコーラスを委ねる部分も設けて一体感をも生み出す。そして「今日出会えた全ての人に、感謝の気持ちを込めて」との言葉に続いて、「ブルーデイズ」の披露へ。青に染まった客席と視線を交わし、曲の途中からはセンターステージへと駆け出して、エネルギーを爆発させて360度様々な場所に輝く星々に向けて力いっぱいのエールを送っていった。

LEDスクリーンに流れる白い羽が舞い落ちる映像とinterludeが流れると、茅原実里が「純白サンクチュアリィ(Reincarnation ver.)」で、5年ぶりにアニサマへの帰還を果たす。再び羽を広げんとするかのようにイントロの途中で手を掲げ、大事な存在のひとつであるこの曲を今のアニソンファンにじっくり聴かせていくと、続けて「境界の彼方」へ。切なさとともに疾走感を併せ持つこの曲に乗せて、自身の内にあったものを開放するかのように気持ちよさそうに歌唱していく。そして、たくさんの出演者がここまでバトンを繋いできたことへの感謝を述べると、フレディマイクを手にして「アツアツのバトンを繋ぎたい」との宣言から「Paradise Lost」で場内のボルテージをさらに上げにかかる。イントロから炎も上がるなか、ステージ上を移動しながら全ての観客の熱さを引き出しに行く茅原は、サビのコールや落ちサビでの大合唱を通じて熱に加えて一体感までも高めていった。

会場が熱を帯びるなか、スポットライトに照らされて、アニサマ2024の大トリ・ReoNaが姿を現す。アコギを提げた彼女はたっぷり時間をとって静寂を呼び込んでから、自身のアニソンシンガーとしての原点である「ピルグリム」を歌い始める。その歌声は表情同様に晴れやかなものをベースにしながら、落ちサビでは声をきゅっと絞ってこの瞬間の想いをぎゅっと閉じ込めてもいくと、2曲目にはピアノソロから始まる静かなバラード「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」を歌唱。この曲の中にある哀しみを自身の中でも徐々に膨らませていき、その哀しみを繊細に込めて歌っていくことで、聴く側の心にじんわりそれを沁み入らせていく。そしてアニサマのバトンを繋ぎ続けてくれた人たちへと想いを馳せると、「ありったけの魂を込めて届ける」と宣言してアカペラから始めた「ANIMA」では、歌声の中にここまでよりも少しの鋭さを出して、直前の言葉どおりに魂を燃やすかのように、パフォーマンスや佇まいにも力強さを乗せていく。観客もその言葉や姿に呼応するようにペンライトや拳を掲げ魂を燃やし、繋いできたバトンの熱をさらに上げる1曲を作り上げていた。さて、いよいよ今年のアニサマもクライマックス。最後に歌われたのは、“絶望系アニソンシンガー”である彼女が「この物語に寄り添い続けたい」との願いを込めて作った「Till the End」。この日は「いつまでもアニサマが続いていきますように」という願いも込めてゴスペル合唱隊・コーシーズ・マスクワイヤとともに、希望への祈りとなる歌を、ときとしていっぱいまで絞り出して音が揺れるほど精一杯に響かせていく。その懸命さがたまらなく胸を打つなかで、ReoNaは達成感のにじませながら歌い終えると、大きく大きく起こった拍手に少々胸を熱くするような様子も見せていた。

そして出演者をステージに呼び込み、テーマ曲「Stargazer」を歌唱。2番冒頭部分をアイドルマスター シャイニーカラーズが担当するなど、この日も歌割りやユニゾン時のペアなどにしっかり意義を持たせた組み合わせで歌われていき、2024年のアニサマは無事閉幕。3日限りの星の神殿は眠りにつき、1年後の祭典へと輝きに満ちあふれたバトンを渡したのだった。

3日間を振り返ると、2024年のアニサマには、例年以上に「原点を大事に」という意志が込められていたように思う。それは、例年以上に主題歌でもキャラソンでもない楽曲の歌唱数が少なかったこと、さらに“コラボによる開幕”や“当日発表アーティストの出演”といった当然のように踏襲してきたサプライズ要素を必ずしも盛り込まず、逆に『勇気爆発バーンブレイバーン』のような放送から比較的日の浅い作品を取り入れたということから特に強く感じられたものだ。
もちろんただ閉鎖的になるわけではなくトレンドも取り入れつつ、そのうえでアニメソングというシーンにかけている人たちの音楽を数多く浴びることができる――そんな唯一無二の“アニソンの祭典”として、これからもアニサマには輝き続けていてほしい。そんな願いと、それが叶うであろうという希望を自然と湧き出させるほど種々様々な輝きが魅了してくれた、それが今年のアニサマだった。

“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”DAY3
2024.09.01@さいたまスーパーアリーナ
【SET LIST】
M01. STAR☆T☆RAIN -New Arrange Ver.- / B小町
M02. サインはB -New Arrange Ver.- / B小町
M03. ヒカリのdestination / イルミネーションスターズ
~ アルストロメリア/ アルストロメリア
M04. いつだって僕らは / ノクチル
M05. ツバサグラビティ / イルミネーションスターズ&アルストロメリア
M06. Spread the Wings!! / アイドルマスター シャイニーカラーズ
M07. あの娘にドロップキック / 邪神★ガールズ 生贄SUMMER with 邪神ちゃんインパクト
M08. CHI☆TO☆SE愛歌 / 邪神ちゃん×リエール
M09. 太陽曰く燃えよカオス / 邪神★ガールズ 生贄SUMMER
M10. 絶世スターゲイト / 蒼井翔太
M11. EVOLVE / 蒼井翔太
M12. So Precious / 亜咲花
M13. Eternal Star / 亜咲花
M14. わやわやわー! / 亜咲花
M15. Hope / 内田雄馬
M16. Over / 内田雄馬
M17. Apocalypse Day / 鈴木愛奈
M18. 果てのない旅 / 鈴木愛奈
M19. カーストルーム / ZAQ
M20. マイナーピース / ZAQ feat. 東山奈央&SHIN(MADKID)
M21. トゥッティ! / 北宇治カルテット
M22. 音色の彼方 / 北宇治カルテット feat. ZAQ
M23. DREAM SOLISTER / TRUE×北宇治カルテット
M24. ReCoda / TRUE feat. 北宇治カルテット
M25. ババーンと推参!バーンブレイバーン / ブレイバーン(CV.鈴村健一)
M26. 双炎の肖像 / イサミ・アオ(CV.鈴木崚汰)&ルイス・スミス(CV.阿座上洋平)
M27. ドラマチックじゃなくても / 花澤香菜
M28. 本命アンサー / 桐崎千棘(CV.東山奈央)&小野寺小咲(CV.花澤香菜)
M29. 星空☆ディスティネーション / 花澤香菜
M30. イマココ / 東山奈央
M31. 星の伝言 / 東山奈央
M32. プラチナ / 東山奈央 feat. うたごえはミルフィーユ
M33. dawn of infinity / fripSide
M34. Red Liberation / fripSide
M35. Secret Operation / fripSide feat. Yoshino Nanjo
M36. サヨナラの惑星(グリザイアメドレー) ~ 涙流るるまま(グリザイアメドレー) / 南條愛乃
M37. 閃 -Sen- / 南條愛乃
M38. フローズン / TRUE
M39. ブルーデイズ / TRUE
M40. 純白サンクチュアリィ(Reincarnation ver.) / 茅原実里
M41. 境界の彼方 / 茅原実里
M42. Paradise Lost / 茅原実里
M43. ピルグリム / ReoNa
M44. ガジュマル ~Heaven in the Rain~ / ReoNa
M45. ANIMA / ReoNa
M46. Till the End / ReoNa
M46. Stargazer / アニサマ2024出演アーティスト DAY3

©Animelo Summer Live 2024

関連リンク

「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」公式サイト
https://anisama.tv/

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