リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2024.09.05

メンバーとファン、互いの愛が心を震わせた“i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!”神奈川公演レポート!

メンバーとファン、互いの愛が心を震わせた“i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!”神奈川公演レポート!

8月24日、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risが、“i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!”の神奈川公演をKT Zepp Yokohamaにて開催。今年公開の劇場版アニメ『i☆Ris the Movie -Full Energy!!-』とリンクする構成の公演であるのと同時に、11月4日に自身初となるアリーナでのワンマンライブ“i☆Ris 12th Anniversary Live ‐初☆アリーナMM(マジみて)‐”の開催も見据えたものとなったこの日の公演は、パフォーマンスの充実ぶりを再認識させてくれるのに加えて、大舞台にふさわしい風格をも感じさせてくれるものとなった。

TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 関口佳代、高田 真希子

※掲載しているライブ写真は6月16日のTOKYO DOME CITY HALL公演のものです

劇場アニメの世界観と今のi☆Risの魅力、そのどちらも詰め込みきったライブ

まずは今年公開の劇場版アニメ『i☆Ris the Movie -Full Energy!!-』を連想させる、未来に漠然と想いを馳せる5人のモノローグが流れ、5人がその舞台「リスリスランド」へと飛ばされてしまう……というところでステージ前方の幕が落ち、久保田未夢の「あれ?ここ、どこだろう?」のセリフで始まる「幻想曲WONDERLAND」からライブはスタート。まさに劇場版アニメをライブで再現するかのような構成だ。その久保田は、サビ中に振付の隙を見てファンに指ハートでレスしたりと、1曲目から笑顔満開で楽しみまくり。他のメンバーもキラキラの笑顔で麗しさと軽快さを併せ持つパフォーマンスを披露し、サビなどでは美しく厚みのあるハーモニーで聴かせてもいく。そしてこの日は久保田ではなく、凱旋にあたる北海道公演が台風のため中止になってしまったリーダー・山北早紀が「今日は“KT Zepp Yokohama”で、たのしもーもーふぁーむ!」と彼女らしさを詰め込んだセリフで曲を閉じると、続く「Happy New World☆」のイントロでは若井友希が力強く場内を煽って、一気にボルテージをUP。1サビ明けの間奏では思い切り前に乗り出したかと思えば、2-Aメロで向き合った茜屋日海夏とじゃれ合ったりと思い切りステージを楽しんでいく。また芹澤優も、上手端に位置取った際には隙を見てファンに手を振りつつ、終盤での跳ね上がりの高さで胸の高鳴りをあらわにしているようだった。

  


さらに、ライブ序盤にふさわしい自己紹介ソング「5STAR☆(仮)」では、各メンバーがBメロのセリフパートにアドリブを入れたり普段よりニュアンスを濃くしたりと初見へのアピールに加え常連ファンもニヤリとさせるパフォーマンスを展開。歌唱の面でも、Dメロで披露された若井の歌声の伸びや3-Bメロのフェイクも織り交ぜた茜屋のソロなど、歌声からエモーショナルさを感じさせてくれる非常に魅力的なものに。ラストはメンバーがセンターへと集まり、円陣を作ってファンと一緒に手を掲げて曲を締めた。

 

曲明け、改めて各メンバーの個性溢れる自己紹介とコール・アンド・レスポンスが行なわれると、茜屋が「札幌の分も2倍、思い出を『Make it!』してください!」と呼びかけてキラーチューンの1つ「Make it!」の披露へ。フレッシュさを持ちながら確かなスキルを発揮し、“変わりながら変わらない”姿を見せるi☆Ris。サビの冒頭では、そんなパフォーマンスに心高ぶらせたファンとともに、一斉に跳ねて高まりと一体感を形にする。また楽曲終盤では2階部分も含めたステージ上に5人が広がることで、会場の隅々まできらめきを届けてみせた。それに続いた芹澤のソロ曲「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」で、場内の雰囲気は一変。赤のライトとヘビーなギターが響くイントロに合わせて、芹澤の表情も一気にキリッとしたものへと切り替わる。昨年リリースされたこの曲でファンも一緒にサビのダンスを踊る姿が、この曲の浸透ぶりを感じさせる。サビ明けのラップ部分では、音源として流れたMOTSUパートに重ねるかたちで自身もかっこ良くラップを歌唱。落ちサビでは歌声にさらなる力強さと迫力を持たせ、楽曲ラストのロングトーンでは艶っぽささえも現出。生で聴き楽しんでほしいと強く思わせてくれる魅力に溢れるステージだったように思う。

そしてスタイリッシュなダンスナンバー「Let you know!」では、フォーメーションの一つひとつをスムーズにこなしていきながら、美しくシャープでメリハリを利かせたダンスで魅せていくi☆Ris。特に2サビ明け間奏における、逆光ストロボのなかでのダンスパートでの切れ味と力強さを両立させたパフォーマンスには、この日も大きな歓声が上がる。また歌声の面でも、この直後で次々にソロパートを歌った3人の挑発的なボーカルワークなどが楽曲に非常によくマッチ。ライブで触れるたびに思う“濃過ぎる3分弱”を、この日も堪能させてくれた。

歌唱後、その「Let you know!」のライブ映像が公式YouTubeにて公開されたことについて触れつつ、トーク中に自分の衣装と同じデザインのワッペンバッジを付けているファンの姿を客席に見つけて芹澤と久保田が嬉しそうな表情をみせる一幕も。

そして「まだ、命燃やせますよね?」との山北の言葉に続いたのは、若井ソロ曲「ハッピーになって死にたい」。北海道公演直前に配信リリースされ、結果的に初披露となったこの曲は、夜好性テイストもあるディスコ調のナンバーだ。それを彼女のイメージカラー・赤の輝きに染まった客席を前に、エモさも感じさせつつグルーヴィーに歌唱。事前にTikTokに予習動画をUPしていたサビの振付や間奏のクラップなども通じて、場内に一体感をもたらしながら歌声で魅了していった。

続いては再び5人揃ってのラブリーなナンバー「ハートビート急上昇」。頭サビ後、ソロを歌った芹澤が「一緒に踊ってー!」と煽って、さらに場内のボルテージを上げていく。その芹澤のノリっぷりが、この曲では特に心に残るものに。サビでもキュートな歌声を響かせながら、視線を通じてファンともコミュニケーション。2サビ直前でフィーチャーされたソロパートも甘々に歌唱し、「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」とは全く違った姿で魅了。その他のメンバーも、それぞれの“らしさ”のある甘さを歌声に込め、ダンスにもキュートさを散りばめていった。
それに続いたのは、6月の東京公演直前に発表された、久保田のソロ新曲「わん!わん!わんだふぉー」。イントロ中で「さぁ、人間をやめる時間のスタートですよー!」と煽ると、ハイテンポで電波曲風のナンバーを通じて、さらに一体感をもたらし場内の熱をとんでもなく高めていく。そのノリの良さに加えて、サビの「わん!わん!わん!」のフレーズで手をぱたぱたさせたり、小さなジャンプの際の内股具合などでしっかりキュートさも注入。間奏ではステージの両端とセンターでそれぞれ踊り、会場の隅々まで各所のファンへとその魅力を届け、最後は満面の笑みでの「よくできました!」のひと言で締めくくってみせた。

そこにメンバー4人が再度登場し、ファンとコール練習を通じて一体感を作って「アメコイ」へ。直前からの「楽しく盛り上がる」というテイストは引き継ぎつつ、青春感や爽やかさも伴ったナンバーを、盛り上げていく。テンポの速さもあって、実はサビのダンスにはアグレッシブさもあるナンバーなのだが、それを感じさせないステージングで駆け抜けていくと、続いては山北がソロ曲「#さきさまかわいい」を、メンバー4人に囲まれながら披露。今年のTOKYO IDOL FESTIVAL 2024ではソロステージも務めた山北、ツアーでも楽しそうにステージ上で思い切り躍動だ。間奏では客席のファンと「さきさまじゃんけん」を行なうと、終盤ではメンバー4人が文字付きうちわで「か」「わ」「い」「い」を作り、その言葉どおり堂々と中央でかわいく歌唱。最後にはそのうちわが裏返されて「さ」「き」「さ」「ま」に変化するというギミックも含めて、盛り上がりを呼び込みながら楽しませてくれる1曲となった。

さて、ライブも徐々にクライマックスへ。前述したような、ツアーのセットのコンセプトについて改めて触れたところで、「さらなる頂を目指していきましょう!」と山北がMCを締めくくると、劇場版アニメの登山シーンに挿入歌として用いられた「Cheer up」へ。軽快なダンスポップを、ダイナミックかつ切れ味鋭いダンスとともに魅せに魅せていき、ここまで磨き上げてきた力の結晶を感じさせる仕上がりをみせる。そんなこの曲の大サビ前でカッコよくエモーショナルなフェイクを響かせた茜屋は、この曲に続けてソロ曲「Night Glory」を披露。ミドルテンポでやや夜好性のテイスト感じる、彼女のソロ曲としては最もポップさの強いEDMだ。イントロで「みんなでイェイイェイしましょう!」と呼びかけてからはじめると、その呼びかけどおりコーレスも交えながら笑顔で歌唱。そういったノリの良さに加え、伸びやかで澄んだ歌声を生かしつつウィスパーなども織り込んで歌唱していき、彼女のダンスとボーカルの魅力両方を生かせる“新たな一曲”を、高いクオリティで堂々とみせてくれた。

その後奏中に芹澤が入場し、茜屋とツインボーカルで頭サビを歌い幕を開けたのが「ユメノツバサ」。5人は歌声に美しさとほのかな熱のようなものも込めつつ、ダンスでは強さよりも切れ味や美しさを重視。曲のモチーフである翼を思わせるしなやかさも交えて魅せ・聴かせていく。また、サビではV字フォーメーションの先頭・センターをとった芹澤のサビのダンスに特に迫力が感じられ、自然と視線を奪っていく。そして若井が「この曲はみんなとうちらで完成する曲!」と発信してから始まったのが「キセキ-ノ-フィラメント」。イントロから客席では大きなコールが上がっていくと、その若井の、マグマのような熱をうごめかせるソロから歌唱が始まり、どのメンバーも力強さと熱量の伝わる歌声を響かせていく。すると、それを受けたフロアのコールがまた5人の心を熱くさせ、歌声がさらにフロアを熱くする……そんな循環が起こって、場内の熱量は最後まで右肩上がりに。

次のページ:逆境を乗り越えてきたファンと一緒に、いざ大きな挑戦へと

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP