そしてここから、ライブはいよいよラストスパートへ。その準備として各メンバーが会場を細かくブロック分けしてコーレスを行なうと、十二分に盛り上がった会場の光景を受けて若井が「まだまだ馬鹿騒ぎしようぜー!」とシャウトし、「あっぱれ!馬鹿騒ぎ」へ。上がったボルテージをそのまま引き継いだかのようなすさまじいコールが楽曲冒頭から響き渡るなか、この曲では公演に合わせての歌詞アレンジが様々なポイントでなされていく。そんな“遊び”も込めつつのステージ上で披露される5人のパフォーマンスは、16曲目にもかかわらず未だに恐ろしいほどにパワフル。さらに2サビ明けのコーレスや楽曲ラストのクラップなどで、まさに場内一体となっての“馬鹿騒ぎ”を繰り広げ、そのまま「アルティメット☆MAGIC」へ。ライブ終盤にふさわしい、必殺ナンバーが続いていく。しかも、サビ明け間奏冒頭でのマリオネットのようにゆらゆら揺れる振付をシンクロさせたりと、パフォーマンスの安定感は変わらない。その一方で、その後の横一列に並んで腰を振る場面では山北が逆を向いて隣にいた茜屋と顔を突き合わせつつ、塩反応でフラれて終わる……といった「この日だけ」の要素といった、i☆Risライブの魅力を終盤でも感じさせていく。それを経たからだろうか。終盤ステージいっぱいに5人が広がって手を振りながら歌う姿には、ぴあアリーナMMに立つべき“スター感”さえ漂っていたようだった。
曲明けにはファンの熱量を受けたメンバーが各々この瞬間のテンションを素直に口にし、「これだけ騒いでくれるオタクいねぇぞ!愛してるぞ!」と山北が言葉で伝えると、今度はその愛をラストナンバー「愛 for you!」に乗せて、歌とダンスの形で届けていく。
わちゃわちゃ感満載のメロラップ部分、温かでまっすぐな歌声が胸を熱くさせるサビ直前のソロパート、これまで歌ってきた曲の振付をダンスに散りばめたサビ――そんなi☆Risという存在のあらゆる面を詰め込んだような楽曲にファンへの愛を込めて、最後までキラキラのステージを展開していく。また、サビ前に円陣を作って一人ずつ手を重ねるのと同時に、ステージ後ろにかかった虹にメンバーカラーがひとつずつ点灯。これもまた、ファンを泣かせる素晴らしい演出だった。そして楽曲ラストのポーズでフリーズしたまま逆光に包まれてステージを降り、本編は終了。影ナレでのグッズ紹介が行なわれ、これまた劇場版アニメを再現するかのようなファンからの「i☆Ris」コールがどんどん大きく響き渡っていくと、そのコールを受けて「愛 for you!」の続きのように光で満たされたステージに、グッズのTシャツをかわいらしくアレンジした衣装に着替えた5人が舞い戻り、「希望の花を」からアンコールをスタートさせていく。
この曲では全員がパワー感ある歌声に各々の熱い想いを乗せ、ダンスも美しさの上に力強さを伴わせてこの曲の魅力をさらに増幅。サビ最後の、腕をクロスして壁を叩き割ろうとするかのように右手を振り下ろす振付では、この日は茜屋が特に力強く、没入の度合いを表していた印象。1サビで長く長く歌い上げられた若井のロングトーンや、他の曲以上にラフでラウドな2サビの久保田の歌声など、どのメンバーもダンスに加え歌声でもエモーショナルさを感じさせ、心を揺さぶってくれた。
歌唱後にはまず「i☆Ris」コールへの感謝を示しつつ、続いては台風の影響で中止になってしまった北海道公演の代替として行なった緊急生配信にて、ファンからアイデアを採用した“撮影OK曲”として「ドリームパレード」を歌唱。しかもただ撮影OKなだけではなく、このツアーで行なわれてきた客席通路降りも兼ねた、ファンへの大サービスとなった1曲に。歌唱しながら通路を歩き、サビなどではダンスなども交えつつ、目の前のファンと5人は積極的にコミュニケーション。タイミング的に2階席まで行けないメンバーは、そのかわりにステージ上の2階部分でポージングをするなど配慮も忘れない。ファン側のマナーも良好だったおかげか、誰もが笑顔のまま楽しい時間が流れていく。ちなみにこの日の記者席は2階席だったため正直筆者の視界からは捉えきれない部分もあったので、ぜひ「#りすつあー9」や「#i_Ris初アリーナマジみて」をチェックしてみてほしい。どれほど笑顔にあふれた素敵な時間だったのかを、感じられるはずだ。
こうして台風による北海道公演の公演中止という逆境を、ファンとともにポジティブに変換し乗り越えてみせた5人は、ラストナンバーを前に改めて会場全体に対してコールを煽ると、「皆さんの心に素敵な『Memorial』残していってください!」との茜屋の言葉に続いてラストナンバーとして「Memorial」の披露へ。拍にうまく合わせてパキパキと踊ったかと思えば、直後にしなやかさも見せていくイントロのダンスを通じて改めてステージパフォーマンスでもまた魅了してみせると、感謝の想いを乗せた歌声をきらめかせて放っていくi☆Ris。サビでは5人で星を作り、ステージ上の5人も一体になる姿を見せながら、ラストまで駆け抜けていった。
最後に改めて12周年ライブに向けて「奇跡の光景をみんなで見て、『i☆Risすげーぞ!』って、なれるよねみんな!」と山北が呼びかけ、「11月に向けて、i☆Risのこといっぱい愛していきましょー!」とツアーのセミファイナル公演を締め括り、i☆Risはツアーファイナルの地・大阪へ、そして大きな挑戦となる12周年ライブへと向かってまた歩み始めたのだった。
設定やセット、ソロ曲を通じて個々の魅力を立たせるといった点で劇場版アニメともリンクさせつつ、ファンと盛り上がり、心をひとつにできるナンバーで構成された今回のツアー。そうして全国を回って津々浦々のi☆Risファンと心をひとつにした先には、12周年ライブという大きな挑戦を成し遂げる姿があることだろう。それはきっと誰もが“マジみたい”と思うような、忘れられない公演になるはずだ。
「i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!」神奈川公演
2024.08.24@KT Zepp Yokohama
【SET LIST】
M01. 幻想曲WONDERLAND
M02. Happy New World☆
M03. 5STAR☆(仮)
M04. Make it!
M05. JUNGLE FIRE feat. MOTSU(※芹澤優ソロ)
M06. Let you know!
M07. ハッピーになって死にたい(※若井友希ソロ)
M08. ハートビート急上昇
M09. わん!わん!わんだふぉー(※久保田未夢ソロ)
M10. アメコイ
M11. #さきさまかわいい(※山北早紀ソロ)
M12. Cheer up
M13. Night Glory(※茜屋日海夏ソロ)
M14. ユメノツバサ
M15. キセキ-ノ-フィラメント
M16. あっぱれ!馬鹿騒ぎ
M17. アルティメット☆MAGIC
M18. 愛 for you!
EN1. 希望の花を
EN2. ドリームパレード(※写真撮影可能曲)
EN3. Memorial
●ライブ情報
「i☆Ris 12th Anniversary Live ‐初☆アリーナMM(マジみて)‐」
2024年11月4日(月祝) 開場17:00/開演18:00
会場:[神奈川]ぴあアリーナMM
チケット一般販売申込
・ローチケ:https://l-tike.com/iris/ (Lコード:72079)
・イープラス:https://eplus.jp/iris/
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/iris-12thanniv/ (Pコード:276-267)
・楽天チケット:https://r-t.jp/iris2024
受付対象席種
全席指定11,000円(税込)
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※開場開演時間が変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
枚数制限
お1人様各公演1申込最大12枚まで
※同一公演への複数申込は不可
12周年ライブ特設サイトOPEN!!
https://iris.dive2ent.com/12th-anniversarylive/
i☆Ris初の実写映画化決定!2024年9月13日(金)公開
『Live & Documentary Movie ~i☆Ris on STAGE~』
声優アイドルユニットi☆Ris。デビュー10周年プロジェクトの最終章。
公式HPはこちら
https://iris.dive2ent.com/livedocumentary/
i☆Ris公式HP
https://iris.dive2ent.com/
i☆Ris公式X
https://twitter.com/iris_official_
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