積み重ねてきたからこその“凄み”感じる、後半戦のパフォーマンス

後半のトップバッターを務めたのはAimer。キーボードのソロに続けて、宇宙のような照明をバックに登場し「StarRingChild」の歌唱をスタート。ペンライトが形作る宇宙へ向けて心震わす歌声を響かせていくと、ヘヴィでダークさもある「Brave Shine」では楽曲が進むにつれて深みと伸びを増したボーカルでさらに観客の心を捉える。また、穏やかな表情で歌われた最新曲「Sign」では、歌声の持つ深みに温かみをプラスしつつ、サビではやはりスケール感を感じさせる迫力も持たせて歌い上げると、そのまま続いたキーボードの演奏やコードの展開に“何か”を察した観客が客席を赤の輝きに染め上げるなか、キラーチューン「残響散歌」を歌いはじめる。背景の映像に花火が上がりまくり、ステージにも炎が上がって観客は視覚的にも高まり、イントロ部分ではホーンに合わせて熱い大合唱が。歌声にはこの曲ならではの凄みや力強さがさらに加わり、サビ明けに拳を突き上げるなどのパフォーマンスもまた観客の盛り上がりを引き出していた。

直後、LEDスクリーンには『ヘブンバーンズレッド』の茅森月歌（CV.楠木ともり）・朝倉可憐（CV.芹澤優）の会話が映し出され、掛け合いを経てこの2人がボーカルを務めるバンド・She is Legendの出番が「Burn My Soul」からスタート。ステージには歌唱担当のXAIと鈴木このみが登場し、パワフルかつ的確で美しいハーモニーも聴かせて沸かせていく。続く「Thank you for playing～あなたに出会えてよかった～」は、一瞬ジャジーに変化するBメロではキュートさ強めの歌唱やダンスをアクセントに披露していくと、そのまま「死にゆく季節でぼくは」へ。落ちサビでの想いあふれんばかりの歌声に象徴されるように、エモーショナルさや青春感も伴わせつつ歌唱。終盤、LEDスクリーンがゲーム内のライブ画面にスイッチしたのと同時にステージ上の2人がセンターステージへと歩み出ていくというみせ方もまた、ビタッとハマっていたように思う。

その余韻残るなか宮田俊哉が登場し、自身のイメージカラー・紫の光に包まれながらの華麗なソロダンスを経て、「Nemophila feat. 一ノ瀬トキヤ(ST☆RISH)」で出演者としてのアニサマデビューを飾る。サビでは2分割されたLED画面に一ノ瀬トキヤ と2人並ぶように映り、華麗で息の合ったダンスをみせると、歌唱後にはコラボ相手として伊東健人を呼び込み『デジモンアドベンチャー』のOP「Butter-Fly」を歌唱。故・和田光司さん がアニサマでこの曲を最後に歌ってから10年が経ったが、今でも会場中からは愛を込めたコールと大合唱が響き渡り、歌い継がれていることがわかる。ステージ上の2人も気持ち良さそうに歌唱し、2サビでは向き合ったりしながらセッションをするかのように楽しんでいった。

そして『豚のレバーは加熱しろ』のジェス（CV.楠木ともり）のモノローグによって、ステージにその楠木とASCAが“召喚”。同作OP「私が笑う理由は」でコラボを行なう。特にこの曲では芯をしっかり持たせつつ温かみを乗せたASCAの歌声と、その温かさのにじむ表情が、ともに楽曲自体との持ち味にも非常にマッチする。歌唱後ジェスとしての生セリフとともに楠木が降壇すると、ASCAは柳澤良音（Vn.）とともに「紫苑の花束を」を披露。2曲続けて「シャープに力強く歌うアッパーチューン」イメージとは違う側面から魅了し、自身の成長を提示してみせる。そしてもう1曲は、最新曲「FACELESS」。頭サビから高らかに歌い上げてスタートするアグレッシブなナンバーでも、微笑みとともに歌声にたっぷり想いを込めていき、ここ最近の取り組みのうえにある未来への期待も高める1曲としても届けてくれた。

大橋彩香は、アーティストデビュー10周年を飾るにふさわしいパフォーマンスを披露。まずデビュー曲「YES!!」を、キラキラの笑顔はそのままに歌声にはパワフルさを増させて歌唱していき、楽曲最後にはLEDスクリーンを10周年を祝うエフェクトが彩り、さらに祝福にオーイシマサヨシまで登場。彼の提供曲「シンガロン進化論」を、主に大橋がメインボーカルを、オーイシがハモリを担当する形でコラボすることに。スクリーンには大橋とアニサマの歴史をなぞる映像が流れるなか、まさに“進化”を歌うにふさわしい、リリース時以上にノビと力強さを増した歌声を発していく。歌唱後には、これからも進化し続ける決意を言葉にし、「ワガママMIRROR HEART」へ。「みんなの近くに行っちゃうぞー！」とダッシュでトロッコに向かってからの歌唱となったが、駆け出した際の言葉にも揺れるトロッコでの歌声にもブレはなく、改めてシンガーとしてのたくましさとすさまじい安定感を感じさせてくれた。

続くオーイシマサヨシは、冒頭2曲をREAL AKIBA BOYZとともにダンスも繰り広げながら披露。「なまらめんこいギャル」では楽曲途中にセンターステージへと移動し、白中心のペンライトの輝きのたもとでハイトーンなボーカルを響かせれば、“アニサマホラーナイト”と称しての「死んだ！」ではこの曲にマッチするようややラフに歌ってボーカルの中のハスキー成分を生かしていく。歌唱後にはまずともにステージを彩ったREAL AKIBA BOYZをたたえると、ペンライトの光の海を「最高の景色」と評してこちらも称賛。最後のナンバーを「今年のテーマにピッタリの、宇宙を匂わす曲」と予告して、その「uni-verse」へ。オーイシのハイトーンかつハスキーな歌声が聴く者の中に“想いのビッグバン”を起こし、大きなコールによって一体感が生まれる。終盤では、センターステージでその大合唱とペンライトでできたこの日だけの大宇宙の輝きを全身で受け止め、ハイトーンなフェイクで出番を締めて「最後は頼んだぞ、i☆Ris！」とバトンをつなぐ。

そのi☆Risは大きな「i☆Risコール」に包まれてステージに上がり、まずはアカペラで美しいハーモニーも交えて「Realize!」のサビを歌唱。ラストのフレーズの歌詞を「つかみ取ろう アニサマー!!!!!」と替えて感情全開でシャウトして、今年10周年を迎えた『プリパラ』メドレーで一気に心をつかむと、トリへの意気込みを語ったMCを挟み、ライブ必殺ナンバー「アルティメット☆MAGIC」をトロッコに乗りながら観客の間近で歌唱していく。その後奏中に一旦降壇すると、白の衣装へと早替え。自身をモチーフにした劇場版アニメの挿入歌「希望の花を」を披露し、ロックなサウンドにもマッチした力強い歌声とダンスでさらに心を揺さぶってみせると、歌唱後にはラストに向けたMCでリーダー・山北早紀がつらさや苦しさを乗り越える原動力になってきたファンへの感謝を涙をこらえながら述べ、「この会場全員を、とりこにさせたーい！」との想いを素直に発し、続けてメンバーが言葉をリレー。そしてギターとしてオーイシマサヨシを呼び込み、i☆Ris作詞・オーイシ作曲の劇場版アニメ主題歌「愛 for you！」を「今の私たちにしか歌えない曲」と紹介して歌いはじめていく。歌唱中には歌詞とオーバーラップする、デビュー当時から今までの歩みをみせる映像が流れるなか、5人はメロラップ部分などでわちゃわちゃしつつ、サビでは笑顔きらめく華やかなステージを、こみ上げるものをこらえて全力で届けていく。培ってきた高い技術も発揮しながら、この瞬間に全てをかけるように、がむしゃらに。最後には若井友希が涙しつつ「こんな素敵な景色を見れて、またひとつ宝物ができました！」と想いを飛ばして、会場全体でジャンプエンド。“アイドルを生きてる”ステージは、大観衆の胸に刻み込まれた。

最後に、この日の出演者がステージ上に勢ぞろいしてテーマソング「Stargazer」を歌唱。イントロで放たれた銀テープが流星のようにステージを彩るなか、同じイメージカラーを持つ者同士や親交があるなど意義ある組み合わせでハーモニーを重ねたりしつつ、それぞれの歌声のきらめきを届けてくれた。
こうしてDAY1のステージは大団円。残り2日間の星々のきらめきも、見逃せないものとなることは間違いない。

“Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-”DAY1
2024.08.30＠さいたまスーパーアリーナ
【SET LIST】
M01. 勇気100％ / 宮田俊哉×オーイシマサヨシ×伊東健人 with UniteUp!
M02. Unite up! / UniteUp!
M03. ユメノトビラ / UniteUp!
M04. 名もなき何もかも / トゲナシトゲアリ
M05. 雑踏、僕らの街 / トゲナシトゲアリ
M06. My Factor / 伊東健人
M07. Miracle soup / MindaRyn
M08. Like Flames / MindaRyn
M09. Synthetic Sympathy / Who-ya Extended
M10. Prayer / Who-ya Extended
M11. Greensleeves / Doloris
M12. Ave Mujica / Ave Mujica
M13. Mas?uerade Rhapsody Re?uest / Ave Mujica
M14. 眠れない / 楠木ともり
M15. シンゲツ / 楠木ともり
M16. Growing Up / Machico
M17. TOMORROW ～ fantastic dreamer / Machico
M18. 最Ψ最好調！ / でんぱ組.inc
M19. メモリーズ・ラスト / でんぱ組.inc with 成瀬瑛美
M20. あした地球がこなごなになっても / でんぱ組.inc with 成瀬瑛美
M21. 渇いた叫び / FIELD OF VIEW
M22. DAN DAN 心魅かれてく / FIELD OF VIEW
M23. ウィーゴー！ / きただにひろし
M24. あーーっす！ / きただにひろし
M25. ウィーアー！ / きただにひろし with ANISAMA FRIENDZ
M26. StarRingChild / Aimer
M27. Brave Shine / Aimer
M28. Sign / Aimer
M29. 残響散歌 / Aimer
M30. Burn My Soul / She is Legend
M31. Thank you for playing～あなたに出会えてよかった～ / She is Legend
M32. 死にゆく季節でぼくは / She is Legend
M33. Nemophila feat. 一ノ瀬トキヤ(ST☆RISH) / 宮田俊哉
M34. Butter-Fly / 宮田俊哉×伊東健人
M35. 私が笑う理由は / ASCA×楠木ともり
M36. 紫苑の花束を / ASCA feat. 柳澤良音
M37. FACELESS / ASCA
M38. YES!! / 大橋彩香
M39. シンガロン進化論 / オーハシアヤカ×オーイシマサヨシ
M40. ワガママMIRROR HEART / 大橋彩香
M41. なまらめんこいギャル / オーイシマサヨシ feat. REAL AKIBA BOYZ
M42. 死んだ！ / オーイシマサヨシ feat. REAL AKIBA BOYZ
M43. uni-verse / オーイシマサヨシ
M44. Realize! ～ ドリームパレード ～ Make it! / i☆Ris
M45. アルティメット☆MAGIC / i☆Ris
M46. 希望の花を / i☆Ris
M47. 愛 for you！ / i☆Ris
M48. Stargazer / アニサマ2024出演アーティスト DAY1

©Animelo Summer Live 2024

関連リンク

「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」公式サイト
https://anisama.tv/