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INTERVIEW

2024.09.10

結成20年、メジャーデビュー10年と進み続けるBLUE ENCOUNT。アニメ『ライジングインパクト』主題歌のニューシングル「gifted」に迫る。

結成20年、メジャーデビュー10年と進み続けるBLUE ENCOUNT。アニメ『ライジングインパクト』主題歌のニューシングル「gifted」に迫る。

原作の持つ“インパクト”を楽曲に込めて

――6月から配信中のアニメ『ライジングインパクト』の主題歌「gifted」を作られたBLUE ENCOUNTですが、その原作は『七つの大罪』でお馴染みの鈴木 央先生が週刊少年ジャンプで連載されていた、初期作品。この作品に印象をお聞かせください。

高村 小さい頃にリアルタイムで読んでいたわけではなく主題歌を担当することになって初めて読んだのですが、あの時代にこういう作品があったのかと理解はしているものの、全然古さを感じさせないストーリーですよね。最新のアニメーションとして見ることができますし、自分たちが楽曲を作ったときとアニメに乗ったときとで印象が変わりました。もっと最新の音楽を目指して作っても良かったんだなとも思いましたし、それでもこのアニメにブルエンらしい曲が乗っていることの強さを感じられるのもいいなぁ、と思って観ています。

江口 僕は高村とは逆で、連載当時にめちゃくちゃ読んでいたマンガだったんです。小学生だったので記憶がおぼろげな部分もありますが、それでも当時は毎週、ちゃんと読んでいた作品でした。今の僕は当時とは違ってゴルフをやるのですが、その僕から見ても、結構むちゃくちゃなゴルフマンガだったなって思います(笑)

田邊 そうだよね(笑)。母方の祖父母が鹿児島にいるのですが、自動車整備工場をやっていまして。そこにはジャンプはもちろんコミックもたくさん置いてあったのですが、そこに「ライジングインパクト」もあったんです。だから僕自身はたまたま読んでいた作品だったんです。ただ読んでいたのが幼少期だったこともあって、タイトルを憶えていなかったんです。それが今回オファーをいただいて「これのことじゃないか?」と思って、記憶を繋がりました。それからもう一度読み直して「これだ、これだ」ということで、僕の中である意味、夏休みの1ヵ月を過ごしていた祖父母の家を思い出し、自分にとってはノスタルジーを感じる作品のアニメシーズン1主題歌を担当できることが嬉しかったです。ブルエンで第1期の最初の曲を任せていただくことが実は初めてで。

江口 確かに!

田邊 いきなり最初の主題歌はやらないんですよ。バンド史上でも初めて。そういう意味もあってむしろ真っ直ぐに取り組めました。

――そうして完成した「gifted」ですが、アニメサイドからのオーダーはありましたか?

田邊 特にはなかったです。強いていえば、歌詞ですね。最初は仮歌詞で書いていたのが、ボロボロの主人公が立ち上がっていく様、というブルエン然とした感じの入り方だったのですが、それを制作サイドの皆さんのお聞かせしたときには、「この物語の主人公の気持ちでやってほしいです」と返ってきたんです。つまりは自分に確固たる自信があって、その自信からエンジンがかかって物語が進んでいくのだけれども、という感覚。そのニュアンスくらいでした。だからその部分でのチューニングが合ったときに、書き上げられた感覚はありました。

――“主題歌”としてどういうものにしたい、と考えていたのでしょうか。

田邊 ギフト、ですね。個性というものに対して、バンドでやってきた20年や生きてきた37年というものをちょっと照らし合わせてみました。改めて自分の持っている個性ってなんだろう、与えられたものってなんだろうっていう部分だった気がします。この物語のように、我々からとてつもない波動が出るわけではないですが、現実問題として僕たちはどういう能力を携えて生きているのか、というところを今回は見つめ直しながら書いた気がします。

――どんなところでチューニングできたと感じますか?

田邊 俺は、このバンドを結成したときって、猪突猛進に自分の才能をひたすらに信じてやっていて「俺の歌があれば大丈夫だから」と高校生の頃なんて、今の自分なら言っていて恥ずかしいくらいの、向こう見ずな感じがあったなと思うんです。それで言うと、最初のAメロのフレーズが書けたことも、その頃の自分とガウェインとの照らし合わせがあったからだと思います。

――その楽曲をアレンジするにあたって「テーマソングだからこそこう」みたいな音のイメージはありましたか?

高村 ゴルフのアニメという意識はあったので、ゴルフのインパクトの音だとか、ゴルフ場の風の音だとか、そういうものを取り入れよう、というところでした。イメージのすべてを取り入れようとすればそれは僕らの曲ではなくなってしまうので、僕らっぽい、僕らが演奏したくなるような楽曲がアニメにハマっていくことがこれまでも多かったですし、ちょっとだけ要素を取り入れよう、くらいの意識で臨みました。

江口 アレンジの段階で高村とベースの辻村(勇太)2人がそういう音の要素を取り入れようという話をしていたので、僕があえて取り込まなくてもいいかなとも思いましたし、特段『ライジングインパクト』を意識して取り入れたものはないです。普通に「gifted」という曲に対してベストなアプローチになるように考えていきました。

――辻村さんからのイメージはどのように共有されたのでしょうか。

高村 ゴルフの「カキーン」みたいな音を上手く使えないかなぁっていう話から「こういうのあるよ」と辻村からもいくつかサンプルを送ってくれたので、そこから精査してやったんですけど、普通にそういう音をなしにして、バンド4人だけでやったらちょっとだけアニメから乖離したんじゃないかなって思うんです。アニメに寄せたイメージのある音を入れただけでアニメとの親和性ができたように思います。

――アニメタイアップの曲を作る際に、普段とは違うところはありますか?

田邊 僕に関してはないです。アルバムの曲を作るにしてもカップリングの曲を作るにしても、常に主人公を作って制作するんです。物語があって、その中で生きるその人がどう思っていて、というところからその人が中心にある主題歌のように作っていっているので。高校の時からすっとそうして作っているんです。ある架空の映画の話を突然メンバーにして、こういうストーリーで、その主題歌になるような曲です、と新曲を歌いだしたりしていましたし、未だに変わらずにやっている感もあります。そこが今も曲作りができている理由かもしれないです。

――そんな「gifted」はアニメで流れてきましたが、アニメと共に聴いてどのような印象ですか?

高村 自分もよく見ているNetflixで自分たちの曲が流れていることがちょっと恥ずかしくもあり、誇らしさもあり、照れもあって、家でニヤニヤしながら観ています。楽曲としてアニメの雰囲気も取り入れつつ作ったので、アニメと共に流れているときにも違和感がなく、ちゃんと物語に没頭できる曲になっていると感じたので、この曲が「ライジングインパクト」に対しては正解だったんだな、と思いました。

――その「gifted」にはカップリング「overtime」が収録されています。こちらもなにかの作品のオープニング曲のような1曲ですが、この曲の制作秘話をお聞かせください。

田邊 「overtime」に関しては、20周年を目前にして自分に何ができるか、と考えたときに浮かんできた曲でした。2024年頭に配信でリリースしてツアーで毎回披露して、育ててきた曲ですが、「gifted」をパッケージするということで収録することを決めました。本来なら配信リリースだけでもいいと思っていたのですが、今、一番いい状態で「gifted」がリリースされるというなら、この曲も自分を見つめ直した先で出会えた曲だからこそ熱くなるし、ぜひ聴いてもらいたいと思いました。

――配信リリースとして、パッケージの前に皆さんの元へと届けられることは作り手としてどのように感じますか?

田邊 やりたかったことですよね。ずっと絶えることなく新曲を作り続けているバンドなので、どんどん世の中に出していきたいというのが高校生の頃からの願いでしたし、曲を出すたびに「同じバンドがやってるの?」っていうくらいふり幅をつけたいという気持ちでやってもいますから、作ったら熱いうちに出せるからこそすぐにライブでやれることも含めて、自分たちがやりたかった音楽ワークができているように思います。

――そしてファンの皆さんと共にライブで育ててきた楽曲を収録した1枚。アニメ『ライジングインパクト』シーズン2と共にどのように楽しんでもらいたいですか?

高村 マンガ自体は20数年前の作品ですが、当時の良さもありつつ今のアニメだからこその最新の技術での表現もあって、温故知新というか、昔から今までの色々なエッセンスを散りばめた楽曲であり、アニメでもあるので、懐かしみを感じつつ新しさも味わってもらいたいです。

江口 僕もアニメを見てゴルフ熱が燃え上がったので、今後僕もゴルフでの必殺技を磨いていきたいと思います。

田邊 シーズン1とシーズン2で同じ曲が流れてはいますが、きっと違う感覚、価値観を楽曲からも受け取れると思います。シーズン1だけでも怒涛なので、だからこそこの楽曲が持っている熱量もそうですが、フルコーラスでこの曲を聴いてもらったときにわかる壮大なテーマがあるので、そこも聴いてもらいたいです。展開も含めて、フルコーラスを聴いてもらうとより物語への想いとしても納得していただけると思うので、ぜひ注目してもらいたいです。


●リリース情報
Netflixシリーズ『ライジングインパクト』主題歌
「gifted」
9月11日発売

【期間生産限定盤(CD+BD)】

価格:¥1,800(税込)
品番:SECL-2992~93
特典:アニメ絵柄のワイドキャップステッカー

<CD>
01. gifted
02. overtime
03. gifted (ANIME size)

<BD>
01. gifted -Music Video-
02. gifted -MV behind the Scene-

配信はこちらから
https://blueencount.lnk.to/gifted

●作品情報
「ライジングインパクト」

<イントロダクション>
あの大人気シリーズ「七つの大罪」を生み出した鈴木央の初連載作品として「週刊少年ジャンプ」に1998年より連載され、ファンからの熱狂的支持を受けたゴルフ漫画「ライジングインパクト」が25年の時を経てついにアニメ化!2シーズンにわたり、小学生3年生の主人公、七海ガウェインがゴルフと出会い、ライバルと競い合いながら成長する姿を描く。

<ストーリー>
福島の山間部に祖父と暮らす小学3年生の七海ガウェイン。世界一の飛ばし屋に憧れ、友人と野球の練習に明け暮れる日々を過ごしていたが、偶然近くを訪れていた女子プロゴルファー、西野霧亜と出会う。初めてのショットで300ヤード越えという飛距離を出しゴルフに魅せられたガウェインは、祖父の元を離れ、霧亜を頼って上京し世界的な名門校、キャメロット学院に入学する。優秀なジュニアゴルファーが集うキャメロット学院で世界中のライバルたちとしのぎを削り、ガウェインの才能が今開花する!

【キャスト】
七海ガウェイン:久野美咲
ランスロット・ノーマン:花守ゆみり
西野霧亜:大地葉
西野胡桃:種﨑敦美
小泉祐美子:本渡楓
リーベル・リングヴォルド:上村祐翔
プラタリッサ・ボネール:内山夕実
李王煉:竹本英史
ライザー・ホプキンス:武内駿輔
東堂院戒:小西克幸
黒峰美花:松井茜
ハーシィ・エポア:佐藤はな
荒井大地:稲田徹
金園秀美:徳本恭敏
アリア・セイフォート:大原さやか
クエスター・フェニックス:梶裕貴
トリスタン・リオネス:江口拓也

【スタッフ】
原作:鈴木央(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:難波日登志(「ゴールデンカムイ(第1期~第3期)」「Fate/Grand Order: First Order」)
脚本・シリーズ構成:土屋理敬(「バクマン」「MAJOR」)
キャラクターデザイン:押山清高(Studio DURIAN)(「チェンソーマン」「DEVILMAN crybaby」「スペース☆ダンディ 」)
音楽:横山克(「弱虫ペダル」「ちはやふる」「うる星やつら」)
アニメーション制作:Lay-duce

Netflixシリーズ「ライジングインパクト」シーズン1~2独占配信中

●ライブ情報
BLUE ENCOUNT 20th anniversary tour 2024-2025「 to B.E. continued 」
インディーズから最新楽曲までを全公演を通して全曲披露!

11月1日(金)神奈川・KT ZEPP Yokohama
OPEN 18:00 / START 19:00
11月3日(日)新潟・NIIGATA LOTS
OPEN 17:00 / START 18:00
11月16日(土)香川・festhalle
OPEN 17:00 / START 18:00
11月17日(日)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
OPEN 17:00 / START 18:00
11月22日(金)愛知・ZEPP NAGOYA
OPEN 18:00 / START 19:00
11月29日(金)福岡・ZEPP FUKUOKA
OPEN 18:00 / START 19:00
11月30日(土)大阪・なんばHatch
OPEN 17:00 / START 18:00
12月7日(土)宮城・SENDAI GIGS
OPEN 17:00 / START 18:00
12月14日(日)北海道・札幌ファクトリーホール
OPEN 17:00 / START 18:00

2025年2月8日(土)東京・ガーデンシアター
OPEN 17:00 / START 18:00

©Nakaba Suzuki/SHUEISHA

関連リンク

BLUE ENCOUNT
公式サイト
http://blueencount.jp/

公式X
https://twitter.com/BLUEN_official

公式YouTube
https://www.youtube.com/user/blueencountSMEJ

「ライジングインパクト」配信先サイト
https://www.netflix.com/jp/title/81563026

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