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REPORT

2024.08.30

真夏の野外に現れた“天使朱夏”と“悪魔朱夏”。東武動物公園イベントステージHOLA!にて開催された斉藤朱夏の初野外ワンマン“5th ANNIVERSARY朱演2024「天使と悪魔のささやき」”初日公演をレポート

真夏の野外に現れた“天使朱夏”と“悪魔朱夏”。東武動物公園イベントステージHOLA!にて開催された斉藤朱夏の初野外ワンマン“5th ANNIVERSARY朱演2024「天使と悪魔のささやき」”初日公演をレポート

斉藤朱夏が8月17日(土)・18日(日)の2日間に亘り、埼玉・東武動物公園イベントステージHOLA!にて、野外ワンマンライブ“5th ANNIVERSARY朱演2024「天使と悪魔のささやき」”を開催した。

TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな[SHERPA+]

純白のベールに包まれた“天使朱夏”が登場

今年8月14日にソロデビュー5周年の記念日、16日には28歳のバースデーを迎えた斉藤朱夏。地元・埼玉で、キャリア初となる野外でのワンマンライブは、首都圏の交通網が計画運休を発表するほどの大型の台風7号の接近が見込まれていたが、ライブスタッフが安全の確保をしながら設置を進め、大きな混乱もなく、無事に初日を迎えた。

開演時間になると、教会の鐘の音からオルゴールの音色、さらに、大きな落雷が鳴り響き、斉藤朱夏がこれまでリリースしてきた楽曲のDJミックスが流れた。観客が総立ちでクラップを送る中でバンドメンバーが位置につくと、客席の後方からモノクロの衣装に身を包んだ8人のダンサー(ギャルズ)がクラップを打ち鳴らしながらステージに上がった。そして、教会のパイプオルガンの聖なる響きと共に、ステージ上に純白のミニワンピにヴェールを羽織った斉藤朱夏が姿を現した。ウェディングのようなムードの中でオープニングを飾ったのは、自分自身にも他者にも愛の矢印を向ける「愛してしまえば」だ。朱夏がギャルズとともに踊りながら光に満ちた笑顔を放つと、場内は早くも“愛してしまえば”の大合唱となり、温かくハッピーなムートで包まれた。

イントロで歓声が上がったポップロック「パパパ」では朱夏がお立ち台に乗って客席に向かってハートマークを送り、高く掲げた右手をパッと開くフリを一緒に楽しみ、スカナンバー「ぴぴぴ」では頭の上で指を立てるアンテナのフリから大音量のクラップ、そして、手を左右に振るワイパーで一体となって盛り上がった。一転して、クールなローファイヒップホップ「ぷぷぷ」では心の奥底から本音が漏れたようなウィスパーボイスと共に、時折見せるキュートでチャーミングな微笑みで観客を魅了した。

最初のMCでは「地元でーす!」と大きな声で挨拶。無事に台風が過ぎ去ったことを喜びながら、「でも、とんでもない暑さですね。体感40度くらいという、想像もしてない暑さなので、各々が自分の体調と相談しながら遊んでください。一旦クールダウンしよう」と呼びかけて、観客を座らせた。「この一瞬、1分1秒を大切にしていきましょう」という言葉の後でアコースティックコーナーに突入。アコースティックギター、タンバリン、鍵盤ハーモニカによるアンサンブルが中心となった「秘密道具」では朱夏はブルースハープを吹き、「こころ」では自身が鍵盤ハーモニカを演奏。さっきまで「オイ!オイ!」とシャウトしていた観客の体が自然と左右に心地良く揺れており、“裸の言葉を聞いて ずっと離れないで”というフレーズが印象的なアーバンR&B「離れないで」でもメロウで豊かなグルーヴを提示。スローナンバーではあるが彼女は細かくリズムを取っており、メロラップのようなフロウもスムーズ。胸にグッと響く最後のミックスボイスも含めて、良質なメロディを柔らかな歌声で届けるという、彼女のボーカルとしての新たな魅力を再発見できる楽曲が続いた。

“悪魔朱夏”が野外ライブの熱気をさらに上げる

ここから雰囲気は一変する。「離れないで」のアウトロで“天使”の朱夏がステージを降り、ヘビーでラウドなバンドサウンドによるソロ回しを経て、ダークでゴシックな衣装に着替えた“悪魔”の朱夏が登場!「ベイビーテルミー」ではステージから降り、笑顔でハイタッチをしながら客席の後方に向うと、ステージにライトを当てる照明が設置されたやぐらに上がり、客席に向けてバズーカで勢いよく水を発射。場内がサウナ状態になる中でステージに戻った彼女は再び、水を振り撒き、笑顔でピースサインを掲げると場内のテンションが一気に上昇。

そのままの勢いでアグレッシブなロックナンバーをメドレーでパフォーマンス。「月で星で太陽だ!」では野外なのに床が揺れるほどの熱狂の渦が巻き起こり、間髪を入れずに「ゼンシンゼンレイ」「イッパイアッテナ」「僕らはジーニアス」と繋がれると、拳と雄叫びが上がり、ジャンプの連発となり、客席はたちまち熱気に満ちたライブハウスと化した。

ここで再びギャルズが現れ、手拍子と“S・H・U・ K・A”のコールを促し、「だらけ。」ではダンサーを従えて楽しそうに歌い踊り、朱夏をギャルズが囲んで祈りを捧げた「しゅしゅしゅ」のタオル回し、「またあした」ではクラップからの手を左右に振りながら会場と1つになると、朱夏の「一緒に歌って」という呼びかけに、ラララのシンガロングが起こるなかで、彼女は観客と再会の約束を指切りしてステージを後にした。

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