次々車窓の景色を変える、音楽の旅路をファンとともに――“JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 〜Hitch-Hike〜”東京公演レポート

8月8日、“JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 〜Hitch-Hike〜”の東京公演がLIQUIDROOMにて開催。ソロ活動開始後最大規模の会場数を巡る全国ツアーの終盤に行なわれたこの公演でもJUNNAは、年々多彩さを増しゆく楽曲を圧倒的なボーカル力をもって次々歌いこなし、ファンとともに過ごす時間を堪能。さらに、今の自身の内にある想いを込めた新曲も披露するなど、充実の一夜を届けてくれた。

TEXT BY 須永兼次

フロアは、まさに“満杯”という表現がドンピシャなほど観客が埋め尽くす状況。それを前に、インタールードが流れブルーのライトがぼんやり照らすステージにJUNNAが登場。逆光のなかマイクを手にしてパワフルに歌い始めると、場内からの大歓声に負けないどころか開始早々から圧倒するような歌声を響かせていく。歌唱中、お立ち台に登って「東京、一緒に楽しんでいくよー！」とシャウトしたりしつつ、どこから湧き出てくるのか不思議になってしまうほどの圧巻な力強い歌声で、オーディエンスを沸かせに沸かせる。そうして会場の空気をJUNNA色にしていくなかで、「JINXXX」ではボーカルワークやダンスの滑らかさで艶っぽさも醸し出して視覚面でも隙なくスタイリッシュに魅せ、より一層観客をライブにぐっと引き込んでみせる。

序盤から熱気に満ちあふれる場内のムードを肌で感じ、「アツいですね！」と嬉しさを隠さないJUNNA。MCを通じてファンとコミュニケーションを交わすと「次は一緒にヒッチハイクしてるような感じでゆったりと聴いてくれたら」と告げ、その言葉どおりここまでとは違った音や歌声にたゆたえるようなテイストの楽曲を披露。さらにバラード「星座」では、澄んで伸びやかな歌声を深みを持たせながら響かせ、ぐっと聴き入らせて観客を音楽の世界へとさらに没入させる。場内全体をゆっくりと左から右へ、前から奥へと見やりながら、一人ひとりと視線を交わし歌いかけていく。サビに入ってからは歌声に壮大さを伴わせていくが、それは決して力押しだけによるものではない。優しさや温かみを伴わせた、じんわり心に染み入る歌声だ。だからこそキーが上がり少しギアを上げた大サビでスケールがぐわっと広がるさまがより際立ち、ただただ聴き惚れていたいとさえ感じさせてくれるほどの、非常に巧みな流れのボーカルワークを構築していた。

歌唱後のMCパートでは、再び観客とのコミュニケーション。「一番遠くから来た人！」との問いかけには国内はもちろん韓国や上海といったアジア圏、さらにはなんと、アメリカからの観客までも！それを受けて、今年春の自身のアメリカ滞在時に巡った土地の思い出も語ってMCを締めくくると、ハードなサウンドのナンバーを楽曲のグルーヴも捉えつつ迫力ある歌声とともに次々に披露。観客を再びJUNNAの音楽の世界へといざなっていき、後半に向かって再びハイスピードな楽曲で駆け出していく。なかでも「革命のメロディ」は、赤の逆光に照らされながら頭サビをパワフルに歌い上げてスタートすると、その後もステージ上を歩いて移動したりお立ち台に足をかけたりしつつ、ソリッドな歌声をもってオーディエンスを再びアツくさせた。同時に自身もボルテージが上がったのか、大サビでの歌声はひときわ棘あるラウドなものに。

こうして中盤から終盤にかけて再び加速していくブロックを終えると、MC前の暗転中にギターを提げるJUNNA。そしてコール・アンド・レスポンスで観客を煽りつつ一体感を高めると、ツアーのための新曲の披露を宣言し、ファンからは歓喜の声が。「いろいろなものを吸収できそう」という意図のもと、アメリカに行ってから曲を書きツアー本番までに歌詞を仕上げたというその新曲は、大学卒業を迎え「新しい一歩を踏み出す年になった」という今の自分自身の姿が制作の出発点になった曲。「新しい挑戦をするときって、わくわくと一緒に思い悩む気持ちが、きっと誰にでもあるんじゃないかな？」と語り、自分の背中もみんなの背中も押すために作ったという新曲「スタートライン」の披露が始まる。自らギターを独奏しながらの歌唱から始まったこの曲は、ポップなサウンドの中にもほのかに決意や葛藤を込めた、タイトルにも馴染む青春感さえあるようなナンバー。歌声も含めてどこか爽やかで、言葉どおりに誰かの背中をどんどん押してくれそうな予感を感じさせる1曲に仕上がっていた。この曲が多くの人のもとに届く日が来ることが、非常に待ち遠しい。
そこから始まったライブ終盤は、この新曲になぞらえてか、彼女の様々な“スタート”にまつわる楽曲のゾーンに。ソロシンガーとしてのデビュー作のタイトルチューン「Vai! Ya! Vai!」をはじめ、いずれの曲でも発表時からの成長や変化を通じて自身の現在地を示していく。また、20歳の“スタート”を飾ったアルバム『20×20』のリード曲「我は小説よりも奇なり」では、オーディエンスのジャンプを煽って自身もともに跳ねつつ、無敵・最強感のある歌声で場内を魅了。終盤では逆光のなかお立ち台に登って、力強く長い長いロングトーンをパワフルに響かせて沸かせるなど最後まで“歌力”を見せつけて、ライブ本編をあっという間に駆け抜けていった。

JUNNAの降壇後には、すかさず彼女を呼ぶ声とクラップが響き渡るLIQUIDROOM。それを受けてステージにカムバックしたJUNNAは、アンコールでも本編と変わらず歌いこなすことが難しい曲もさも平然かのように歌唱し、力強いボーカルワークで歌声の魅力を強く感じさせながらオーディエンスを改めて惹き込んでいく。ラストナンバーを前にしたMCでは、改めていっぱいになったフロアを観ながら、「誰かに向けてうたう歌ってパワーが全然違うと思うんですよ。みんなの声をたくさん聴いて、笑顔を見れて。それが私の力になって、それをみんなに返せたらいいなと思いながら、ずっとライブをやらせていただいています」と語り、そして「この2時間ぐらいが、何か嫌なことを忘れられたりとか、『明日から頑張ろう』っていう力になっていたらとても嬉しいです」とメッセージをおくると、「そんな私と、みんなを思い描いて書いた曲です」と紹介して、ラストに歌ったのは「You + Me = ?」。
撮影OKとなったこの曲では、カメラを用いてこのときの思い出を残す者も腕を振りながらその瞳と心に思い出を刻み込む者もいたりとスタイルは様々ながらも、ともに大きな声を上げてコールや合唱でも楽しんでいく。そんなファンを先導しながら、自身も表情豊かに歌いつつ楽しんでいくJUNNA。コールなどを通じてファンと心から繋がり、最後までかけがえのない時間をファンとともに楽しみ尽くして、最後はお立ち台から思い切りジャンプエンド。歌唱後には充実感をにじませながら、ファンをバックに彼女自身もセルフィー動画を撮影し、「またどこかでお会いできますように！」との言葉とともに東京公演を締めくくったのだった。

セクションごとのコンセプトも明確に立てながら、バラエティ豊かな楽曲たちとそれを十二分に表現するJUNNAのボーカルをたっぷり味わうことができた本公演。その内容の濃さが、会場を埋め尽くしたファンの凄まじい熱量と一体感を引き出した。そしてこうも思うのだ。そんなファンたちがいれば、どんな苦難があってもJUNNAは、どこまでも音楽の旅を続けていけるはずだ――と。

●ライブ情報
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 〜Hitch-Hike〜」
仙台、広島、福岡公演振替日程ならびに払い戻し/チケット再販売
中止（または延期）となっていた、仙台、広島、福岡公演の振替日程が決定！

【振替公演】
7/27(土) 仙台Rensa【宮城】
本編：開場16:00／開演16:30
かえりの会：開場19:00／開演19:30
→11/13(水) 仙台Rensa【宮城】
本編：開場18:00／開演18:30
かえりの会：開場21:00／開演21:30
お問い合わせ：GIP　https://www.gip-web.co.jp/t/info

7/13(土) SECOND CRUTCH【広島】
本編：開場16:00／開演16:30
かえりの会：開場19:00／開演19:30
→11/19(火) SIX ONE Live STAR【広島】（会場変更）
本編：開場18:00／開演18:30
かえりの会：開場21:00／開演21:30
お問い合わせ：キャンディープロモーション広島　082-249-8334

7/14(日) DRUM Be-1【福岡】
本編：開場16:00／開演16:30
かえりの会：開場19:00／開演19:30
→11/20(水) DRUM Be-1【福岡】
本編：開場18:00／開演18:30
かえりの会：開場21:00／開演21:30
お問い合わせ：BEA　092-712-4221

購入されたチケットはそのまま振替公演にて有効となり、お手持ちの整理番号のままご入場が可能です。
チケットは公演当日まで大切に保管していただきますようお願いいたします。

振替公演にご都合がつかないお客様には、払い戻しの対応をさせていただきます。
払戻期間：8/23(金)10:00～9/1(日)23:59
※払戻方法は、チケットの受取方法や支払方法などにより異なります。
※払戻対象公演以外のチケットの払戻は行っておりません。
※期間を過ぎてからの受付は、いかなる場合もお受け出来かねますのでご注意下さい。

払戻詳細はこちらへ
https://junnarockyou.com/jp/news/?id=437&page_no=

＜振替公演のチケット再販売に関しまして＞
仙台、広島、福岡公演のチケット再販売が決定いたしました。
FC受付からチケット先行がスタートいたします！
FC最速先行期間：9/17(火)12:00〜9/23(月祝)23:59
※詳細が決まり次第お知らせいたします。

初のアジアツアー
『JUNNA ROCK YOU ASIA TOUR 2024 ～Hitch-Hike～』

9/3(火) BANDAI NAMCO LIVEHOUSE【中国・上海】
https://www.showstart.com/event/235679

9/5(木) MAO LIVEHOUSE 【中国・杭州】
https://www.showstart.com/event/235680

9/7(土) 池沼CHIZHAO LIVEHOUSE【中国・広州】
https://www.showstart.com/event/235681

9/8(日) MAO LIVEHOUSE【中国・深圳】
https://www.showstart.com/event/235682

9/10（火）MAO LIVEHOUSE【中国・北京】
https://wap.showstart.com/pages/activity/detail/detail?ssfrom=user-38848&activityId=236497

全ての公演開場/開演：18:30/19:30（予定）※現地時間

『JUNNA Birthday Live 2024 〜「純喫茶」よーい、アクション！〜
2024年11月2日（土）東京キネマ俱楽部【東京】
1stステージ：13:45／14:30
2ndステージ：17:00／17:45
お問い合わせ：SOGO TOKYO 03-3405-9999

9/14（土）10:00〜一般発売（先着）スタート！

Band Member ※敬称略
Piano 島田昌典、Guitar＆Cello 伊藤ハルトシ、Per 高橋結子