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INTERVIEW

2024.08.30

【特集】「学園アイドルマスター」薄井友里(姫崎莉波役)インタビュー――無限大の可能性を秘めた“お姉さん”を歌で表現するために意識したこと

【特集】「学園アイドルマスター」薄井友里(姫崎莉波役)インタビュー――無限大の可能性を秘めた“お姉さん”を歌で表現するために意識したこと

「アイドルマスター」シリーズの6年ぶりの新ブランドとなるアプリゲーム「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)が、5月のサービス開始以降、大ヒットを続けている。ヒットの要因は様々あるが、“アイドルへの挑戦状”をテーマに掲げた楽曲の数々もそのひとつ。近年の音楽シーンを彩る多才なコンポーザーたちが参加した、アイドル作品の枠を超えた楽曲たちは圧倒的なインパクトを残している。リスアニ!では、各アイドルの1stシングルリリースを記念して、楽曲や音楽面にフィーチャーしたキャストインタビューを実施。今回は、優しくて面倒見がいい、みんなのお姉さん的存在である3年生・姫崎莉波役の薄井友里に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 千葉研一

今度こそ「アイマス」のオーディションに絶対受かりたい!

――「アイドルマスター」(以下、「アイマス」)シリーズへの出演は憧れだったとのことで、憧れの作品のキャストになれた実感は湧きましたか?

薄井友里 3月のキャスト発表と同時にX(旧Twitter)を開設し、皆さんからリアクションをいただいたことで、徐々に実感してきました。ライブをしたらもっと実感が湧くだろうなと思っています。

――「アイマス」自体は、どこで最初に知ったのですか?

薄井 私、学生の頃はアニメオタクでして、「アイドルマスター」もアニメを観て大好きになりました。特に菊地 真くんが好きで、そこから楽曲もいろいろ聴くようになりました。

――当時は、いわゆる“担当”という認識もあったのですか?

薄井 いえ、私はゲームではなくアニメから入ったので、「自分が真くんをすごいアイドルにする」というよりは、「真くん頑張れ〜!」といったファンの気持ちで応援していました。

――真の曲にこだわらなくて構いませんので、当時好きだった楽曲を教えてください。

薄井 (如月)千早さんの「蒼い鳥」と「約束」が大好きで、カラオケでもよく歌っていました。私は気に入った曲をリピートして歌うタイプでして、「アイドルマスター シンデレラガールズ」の「お願い!シンデレラ」を歌うことも多かったです。

――ほかの「アイマス」のブランドにも触れてきたのですね。

薄井 はい。学生時代、ずっと「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ!」をやりたかったんですけど、受験が終わるまでは我慢をしていて。受験が終わった日にインストールしました。ゲームの中でアイドルのみんなが踊ってくれることに、当時の私は「すごい技術だ!」と感動してしまって、あまりアニメなどに関心のないお母さんにも「すごいよ!見て!」と見せに行った思い出があります(笑)。

――そんな大好きだった「アイマス」、しかも新ブランドのオーディションの話をいただいたときはいかがでしたか?

薄井 新ブランドが立ち上がることに、まずはすごく驚きました。それまでも「アイマス」シリーズのオーディションは何回も受けていましたので、「今度こそ受かりたい!」という気持ちがすごく強かったです。

――「やりたい役よりも、受かる確率の高い子を選びたいと思った」と話していましたね。

薄井 そうなんです。絶対に受かりたくて。

“年下のお姉さん”と“プロデューサーとの距離感”を意識して

――オーディション資料での莉波の第一印象を教えてください。

薄井 資料を見たら「年下のお姉さん」と書いてあったので、どういうことなんだろう?と思いました。私はそれまでお姉さんを演じた経験があまりなく、お姉さん役に自信があったわけではなかったんです。でも、なぜだかわからないですが、自分の声が莉波ちゃんに合うのではないかと感じて、莉波ちゃんを受けてみよう!となりました。

姫崎莉波

――「年下のお姉さん」という文言からいろいろ考えたと思いますが、テープオーディションの役作りはどのようなイメージで?

薄井 それまでお姉さんの役が得意ではなかったので、たぶん私が全力でお姉さんを演じたところで、そこまで上手くできないだろうと思いつつ、とにかく全力でお姉さんをやるぞと演じてみました。

――言い方はあれですけど、大人の色気漂うお姉さんにはならないと。

薄井 そうです(笑)。短期間でお姉さんらしいお姉さんを演じられるとは思わなかったので、全力を出してちょうどいいか、それでもちょっと足りないぐらいかなって。

――そうやって演じてみて、スタジオオーディションではどんなディレクションがありましたか?

薄井 ちょっと不思議なディレクションがありました。良くあるのは「もうちょっと年齢感を上げめで」とか「もうちょっとかわいらしく」といったディレクションだと思うのですが、そのときは「昔、そのプロデューサーのことを好きだったパターン」や「今も好きなパターン」といった、“プロデューサーとの距離感”がベースだったんです。

――ということは、莉波とプロデューサーは幼馴染のような関係性ということはすでに知っていたのですね。

薄井 オーディションのセリフが親愛度コミュの第1話をベースにしたものだったので、そこにプロデューサーのセリフもあったんです。

――歌唱オーディションでは、莉波としてどのようなことを意識したのでしょうか?

薄井 課題曲自体に元々お姉さんっぽい雰囲気があったので、歌ではガチガチにすごいお姉さんをやってやるぞ!という気持ちではなく、曲の雰囲気を大事にしつつ、柔らかさを出せるようにと思って練習しました。

――練習したものをオーディションで披露したときは、どんなことを言われましたか?

薄井 緊張していたので、明確に覚えているわけではないのですが、「もっとライブで歌っているようなイメージで歌ってください」といったようなディレクションがあったと思います。「アイマス」ならではなのかなと思いました。

――ちなみに、今まで学生時代の学園祭なども含めてライブ経験は?

薄井 ありませんでした。学生時代は軽音部に所属していたのですが、教室の机をどかしてちょっとやる程度だったので、大きなステージの経験はないです。

――そうすると、ご自身の経験ではなく、ライブ映像などからイメージしたと思うのですが、手応えはいかがでしたか?

薄井 セリフのオーディションよりは手応えを感じました。

――面接では「仕事、人、お金でどれが大事ですか?」といった一風変わった質問もあったそうで。

薄井 そうなんです。でも、「なぜそう考えたか説明はしなくていいので、大事な順番だけ教えてください」と言われたのに、私は順番を答えたあとにいちいち理由を説明してしまって。「言わなくていいことを言ってしまったので落ちてしまったかもしれない……」と思っていました(苦笑)。

――そうならなくて良かったです(笑)。そして見事、莉波役で合格します。薄井さんの場合は、どのようにして合格を伝えられたのでしょうか?

薄井 その日は仕事がお休みで、眠かったので3度寝くらいしようかな〜と思っていたところに、マネージャーさんから電話で合格の報告をいただきました。「アイマス」シリーズのオーディションは受からないかもしれないと思っていた時期もあったので、「本当に受かったんだ……!」と電話を切ったあとに泣きかけました。でも、同時に「もしかしたら、これはとんでもないことかもしれない」とプレッシャーも感じて、泣かないように気を引き締めました。

――プレッシャーはありますよね。そんな薄井さんが、「アイマス」以外でどんな音楽を聴いてきたのかもお聞きします。毎週のようにアニメイトに通っていたというお話なので、アニソンは聴いていたと思いますが。

薄井 はい。一番聴いていたのはやっぱりアニソンです。その中でもキャラソンが大好きで、『ゆるゆり』のキャラソンをキャラクターのマネをしながら歌ったりしていました。ニコニコ動画の「歌ってみた」もよく聴いていたのですが、女性なのに男性のような声で歌う方や、その逆の方もいらっしゃって、歌い手の皆さんのキャラクターが立っていたので、それもマネしながら歌うのが好きでした。

――ということは、「学マス」のコンポーザーとして発表されたボカロPのことも、ある程度は知っていたのでは?

薄井 そこまで詳しくはないですが、(葛城)リーリヤのソロ曲の「白線」を作られたナユタン星人さんは、名前を見て「おお!」と思いました。参加クリエイターが発表された時点では、どなたがどのアイドルの楽曲を担当されているかは伏せられていましたが、もし私が楽曲情報を知らなかったとしたら、ナユタン星人さんは絶対に(篠澤)広の曲と予想していたと思うんです。同じように予想していたプロデューサー(「アイドルマスター」シリーズのファンの呼称)さんたちを見て、「私も一緒だよ」と思っていました(笑)。

次ページ:“お姉さん”の固定概念を崩し、軌道修正をして臨んだ「clumsy trick」

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