2024年8月10日、大西亜玖璃 ファンミーティング“おおにし幼稚園 あぐぽん先生!”が東京・山野ホールで開催された。昼の部と夜の部の2公演が行われ、どちらにおいてもファンクラブ会員を存分に楽しませたが、ここでは夜の部についてレポートしたい。
大西亜玖璃といえば、リリースイベントでもトークやじゃんけん大会、お題に対して即興でポージングをファンに披露……といったエンタメ色が強く、夢はファンクラブツアーと語るほど、常にファンを楽しませる姿勢の持ち主。これまでのイベントもかなり攻めた内容であったが、今回はタイトル通り、今まで以上に最上級に弾けた空間を生み出していた。
TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
イベントの開始はまず、工藤プロデューサーが登場するところから。自身を「副担任」と紹介し、客席に向かって「大きなご挨拶をお願いします、こんばんは」と呼びかけるが、客席を見ると着席しているファンの中にも、幼稚園教諭を模したエプロン姿、園児のように黄色帽子とスモックを着用、といったスタイルがちらほら。グッズなどでイベントコンセプトは事前に予想できたとはいえ、“わかっている”ファンたちに感服する。
そしてここから夜の保育が始まる。副担任に促され、「せーの」で「あぐぽんせんせー!」と大きな声で担任を呼び入れる園児たち。登場したあぐぽん先生は、「4ちゃいなのに元気!」と園児たちに声をかける。ファンミーティングだけあって、のっけから声かけとレスの応酬で、一同が笑顔でこの特別なイベントの波に乗っていく。
最初のコーナーであるお遊戯タイムは、あぐぽん先生と大親友という大西亜玖璃楽曲の振付をみんなで覚えようという時間。「曖昧ガール」のサビまるごと、ということでかなりのボリュームとなり、まずはサビの前半にトライ。途中、「かわいいよ」と声をかけられれば副担任と一緒に「みんなもかわいいよ」と返しながら振付講座を展開していく。園児たちは着実にマスターしていき、前半のみの通し練習もバッチリ。後半の振付もあぐぽん先生が丁寧に、“恋の途中はいつも”のところは「ルンルンですから。“ブリンバンバンボン”にならないように」、難所である「反比例」は両手がどすこいにならないように、「わたし」のところについては「みーんなは曖昧ガールじゃないので、あぐりー、って(叫んで)」、といった注意を入れつつ、お手本を見せていった。
後半の振付も終え、曲をかけての通し練習でも、「素晴らしい。みんなすごーい」という褒め言葉でみんなのやる気を伸ばしつつ、次のお遊戯のコーナーへ。
このイベントでは座席全体が4ブロックに分かれており、会場の園児は席に置かれたハチマキの色で自分がどのチームにわかる仕組みになっている。ハチマキの色は緑、黄、青、赤で、それぞれのチーム名は大西の楽曲にちなんで「ハート」組、「Elder」組、「ジェリーフィッシュ」組、「エイリアン」組。このチーム対抗戦は、各チームからメンバーを選抜してステージ上で3種目の競技を実施、その合計得点で優勝チームを決定するというもの。優勝チームにはあぐぽん先生からごほうびがあることも発表された。
夜の部の競技は、スプーンリレー、借り物競争、フルーツバスケットの3種目(昼の部は、三輪車競争、借り物競争、風船転がしをしながらのだるまさんがころんだ)。競技前には、各チームから参加するファンを選出していく。イベントのグッズ購入者だったり、「昨夜0時前に就寝した人」に当てはまる人だったり、さらに人数を絞ってからはジャンケンを実施するなど、かなりゆるく時間が過ぎていったが、不思議なことに全く間延びを感じさせない。むしろ、ゆったりした進行にあぐぽん先生と副担任のコメント、適宜発生する園児とのやり取りが平和的でとても暖かい空間となっていた。
最初のスプーンリレーでは、4人×4チームがステージ上に。2チームずつでレースを行い、タイムを争った。が、あぐぽん先生が急ぐ選手の前をあえて横切ったり立ち止まったり。挙句の果てには選手から「あぐぽんどいてー、って言われました」とのことで、「あぐぽん邪魔、と思われる日が来るなんて!(笑)」とこぼしていた。
続いてゲームは借り物競争に。お題として出された品物を持っていたら、園児はスキップでステージ下に集合するというルール。最初のお題は「彼氏/彼女からの手紙、もしくは写真」。副担任からの注意事項として、特別に元カレ・元カノとの写真でもOK、(「あぐぽんとデート」がコンセプトだった“大西亜玖璃 2nd LIVE ~Meet a DATE~”を引き合いに出しながら)あぐぽんの写真はNG、スマホの写真はNG、プリクラはOK、が告げられる。すると、持っている園児がステージ下に集結。あぐぽん先生と副担任に証拠写真を見せては、「ラブラブじゃーん」「Wデート写真!?」といじられる不思議な空間が発生。誕生日を祝ってもらったチェキや、なかには「結婚しました」という写真などもあり、園児との交流時間が続いた。
次のお題は「バナナ」だが、持っていた人は残念ながら0人。あぐぽん先生の「そんなバナナって言いたいな」という願いも叶わず、3つめのお題である「セルベール」。これは、あぐぽん先生の「だーい好きな胃薬」で、副担任にもよく勧めているもの。だが、こちらも該当者0人だったため、お題を「胃薬」に拡張。すると胃弱な園児が続々と現れる。太田胃散、パンシロン、第一三共胃腸薬からミヤBM、果てはレバミピドまで。胃薬もお友達なあぐぽん先生と副担任は大きな反応を見せ、興味津々の様子だった。
最後のゲームは「フルーツバスケット」で、各チームごとに選抜された2名がステージに上がって競い合う。お題に当てはまる人は席を移動しなければならず、椅子は1脚足らないため、ゲーム終了時に立っていたメンバーのチームが-20ポイントとなる。このゲームにはあぐぽん先生も参加、ファンと繰り広げられるバトルが期待されるも、出されたお題(「コンタクトの人」「今日グッズを買った人」「学生の頃運動部だった人」「財布に3万円入っている人」「現在、彼氏彼女がいる人」)のどれにも当てはまらず、園児たちが椅子を巡ってのバトルを見つめながら座席移動しないまま終わることに。しかしゲームの終了後、ステージを下りながら互いの健闘をたたえ合う園児たちの様子は心温まるものがあった。これを見たあぐぽん先生も、「いい幼稚園です!」と感想を述べる。
3種目の合計得点が最も高かったのはエイリアン組。賞品は「おおにし幼稚園」のオリジナルシールだ。しかし昼公演同様、全園児が頑張ったことから、全員に配布することをあぐぽん先生は決定する。「昼の部もすごい盛り上がっていたんですけど、夜の部の一体感とかチームワークが良くって、先生とっても感動しました。幼稚園の外でもみんなが仲よくしてくれたら嬉しいです」とご満悦の様子だった。
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