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INTERVIEW

2024.08.28

【特集】「学園アイドルマスター」花岩香奈(葛城リーリヤ役)インタビュー――“もっと高く”羽ばたくために、何度もがむしゃらに歌った「白線」

【特集】「学園アイドルマスター」花岩香奈(葛城リーリヤ役)インタビュー――“もっと高く”羽ばたくために、何度もがむしゃらに歌った「白線」

「アイドルマスター」シリーズの6年ぶりの新ブランドとなるアプリゲーム「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)が、5月のサービス開始以降、大ヒットを続けている。ヒットの要因は様々あるが、“アイドルへの挑戦状”をテーマに掲げた楽曲の数々もそのひとつ。近年の音楽シーンを彩る多才なコンポーザーたちが参加した、アイドル作品の枠を超えた楽曲たちは圧倒的なインパクトを残している。リスアニ!では、各アイドルの1stシングルリリースを記念して、楽曲や音楽面にフィーチャーしたキャストインタビューを実施。今回は、スウェーデン出身でアイドルに憧れる努力家・葛城リーリヤ役の花岩香奈に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 千葉研一

リーリヤを見た瞬間にシンパシーを感じました

――コミュを読んで思ったのですが、リーリヤって、もしかして……メンバーの中で1番怖いですか?

花岩香奈 どうなんでしょう。誤解かもしれないですけど、なぜか「怖い」って言われています(笑)。

――真実のほどはコミュを読んでいただくとして。そういう部分も含め、リーリヤもどんどん魅力が増してきましたね。

花岩 そうですね。親友の(紫雲)清夏ちゃんとの絡みだけかと思いきや、意外と(月村)手毬ちゃんたちとも絡むことが、最近になって増えてきました。

――そんなリーリヤとの出会いであるオーディションのことからお聞きします。生徒紹介とキャスト発表があった生配信(「初星学園HR 4日目!」)で、花海咲季のオーディションを受けに行った際に「このキャラも合うかもしれない」と提案されたのがリーリヤだったと話していました。そこで資料をご覧になった第一印象はいかがでしたか?

花岩 第一印象は「めちゃくちゃかわいい!」でした。私は咲季ちゃんのようなキャラクターをあまり演じたことがなかったので、咲季ちゃんを演じるにはかなり頑張らなくてはいけないと思っていたんです。でも、リーリヤの資料を渡されたときに、どこかシンパシーを感じたんです。自分の声質や演技にすごく合いそうで、僭越ながらこの子なら自然体で演じられるかもしれないなと思って。だから、咲季ちゃんはダメでも、絶対にこの子を掴むんだっていう強い意志でオーディションを受けました。

葛城リーリヤ

――資料には、最初からスウェーデン出身と書かれていたのですか?

花岩 スウェーデンとはありませんでしたが、「ハーフの子」と書いてありました。

――アニメやゲームに出てくるハーフの子って、日本語がカタコトな場合もあるじゃないですか。でも、リーリヤはそうではないですよね。そのことについての説明は?

花岩 特になかったです。ただ、セリフの原稿にはカタコト特有のカタカナ表記がなく、三点リーダー(…)が多めだったので、“日本語は普通に喋れるけど、言葉に迷うタイプの子”なのかなと解釈しました。日本に戻ってきたばかりなら、少し日本語を忘れている部分もあると思い、そんなに流暢すぎないように……ということも意識して。この時点では「海外から日本に、アイドルになりたい夢を持ってやってきた」との一文があっただけで、リーリヤの意志の強さはまだわかっていなかったので、大人しい感じや自信のなさを前面に出した演技をしました。

――その解釈も良かったのでしょうね。生配信で小美野さん(「学マス」メインプロデューサーの小美野日出文)は最初からかなり好印象だったと話していましたが、その場で決まったわけではなく、改めてリーリヤのオーディションを受けたそうで。

花岩 そうなんです。最初のオーディションではなにも伝えられなかったので、ダメだったのかと思っていました。その後、改めて正規のリーリヤのオーディションのご連絡をいただいて。テープオーディションが通ってスタジオオーディションに臨むときには、「今度こそ絶対にこの子を掴むんだ!」という気持ちでした。

オーディション用のセリフは短い内容でしたが、今度は自信のなさだけでなく意志の強さなども頑張って読み取って、必死に練習して臨みました。課題曲も、リーリヤならこの曲とどう向き合うかをすごく考え、リーリヤとして歌えるように練習したんです。

――それは例えば?

花岩 リーリヤは歌やダンスの経験はないですが、とにかく「アイドルになりたい!」という意志の強さがある子なので、ひたむきに一生懸命頑張るだろうなと思って。その一生懸命さや必死さを乗せられるように歌いました。

――それを聴いた皆さんの反応はいかがでしたか?

花岩 一生懸命さは乗せつつも、やはり最初はピッチを合わせてきれいに歌おうとしていたみたいで……。「音を外してもいいので、もっとがむしゃらに、花岩さんの地声に近いところで歌って欲しい」とディレクションをいただいたので、がむしゃらに一生懸命歌うよう心がけました。

――ちなみに、高音パートを歌うのは得意ですか?リーリヤのソロ曲は高音の出し方も印象的でしたから。

花岩 私はそこまで高音が得意なわけではないです。得意ではないからこそ、高音を絞り出している感じが、リーリヤの頑張り屋なところに合ったのかなと思います。

声優を目指し始めてから、観る番組も聴く曲も変わりました

――リーリヤ役に合格したと聞いたときのことを教えてください。

花岩 マネージャーさんから「今後の話をしたいから、明日、事務所に来てほしい」と電話がありました。そして、事務所に行ったらマネージャーさんから直接、「合格です!」と。その場で泣きながら喜んだことを今でも覚えています。「アイドルマスター」シリーズに出ることは声優を始めたときからひとつの目標でもあったので、本当に嬉しかったです。

――嬉しいですよね。とはいえ、キャスト発表までは周りに言えないわけで。

花岩 「アイマス」の一員になれたんだ、って心の中でひっそり思っていました……2年間(笑)。長かったです。

――「アイマス」のことは、元々詳しかったのですか?

花岩 声優になるまでは“「アイドルマスター」という凄いコンテンツがある”と知っていた程度でした。声優を始めてから、「アイマス」関連のオーディションを受ける機会があり、そこから興味を持ち始めた感じです。特に「シンデレラガールズ」の西園寺琴歌ちゃんのオーディションを受けたことで、彼女の担当になってしまって(笑)。そこから「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」を始めて、いまでは課金してプロデュースするくらい好きです。

――そういえば、花岩さんと同期で俳協に入所した梅澤めぐさん(「アイドルマスター シンデレラガールズ」辻野あかり役)、小森結梨さん(「アイドルマスター シンデレラガールズ」古賀小春役)、紫月杏朱彩さん(「アイドルマスター シャイニーカラーズ」七草にちか役)も「アイマス」の声優になりましたね。

花岩 そうなんです。すごいですよね!同期が頑張っている姿は、とても良い刺激になっています。

――ぜひ同期で一緒になる機会も見てみたいです。では、さらに花岩さんの音楽のルーツについても聞いていこうと思いますが、声優を目指していたときや、それ以前はどのような曲を聴いていたのでしょうか?

花岩 声優さんになりたいと思ってからは、声優さんの曲ばかり聴いていました。小倉 唯さんや水瀬いのりさんの曲をよく聴いていて、小倉さんやゆいかおりさんのライブには何度も行きました。『ラブライブ!』も大好きで、μ’sの楽曲もたくさん聴いていました。それと女性のアイドルが好きで、=LOVE(イコールラブ)の曲もよく聴いています。

――花岩さんくらいの年代の女性は、女性アイドルが好きな人が多いですよね。

花岩 そうですね。友達にも櫻坂46や日向坂46を推している子がたくさんいます。アイドルってすごく魅力があるんです。すべてが磨かれているから憧れますし、推せる対象になっています。

――でも、アイドル志望ではなく、声優志望だったわけで。声優を目指す前はどのような曲を?

花岩 小学生のときは、お母さんがよく車の中で流していた昭和の曲、あとは西野カナさんや、嵐、ドリカム(DREAMS COME TRUE)も聴いていました。

――アニメは結構観ていたのですか?

花岩 声優を目指し始める中学3年まではアニメを全然観ていなくて、そこから一気にハマりました。

――中学3年に声優を目指すきっかけとなったアニメ作品があるそうですね。

花岩 『這いよれ!ニャル子さん』です。中学のときに憧れの存在だった子がいて、すごくかわいくて、儚げで、無口で、いつも教室の隅で静かに本を読んでいる女の子だったんです。ある日、帰り道が一緒になって、それからよく話すようになったのですが、その子はアニメが好きで、最初に勧められたのが『這いよれ!ニャル子さん』でした。

――ご覧になっていかがでしたか?

花岩 主人公の真尋くん(八坂真尋/CV:喜多村英梨)の声を女性がされていることに、すごく驚きました。それに、キャストの皆さんは全然声質が違っていて、「どこからこんな声を出せるんだろう?」と思ったんです。そこから「ニャル子さんの声を担当している声優さん(阿澄佳奈)はほかにどの作品に出ているのかな」と調べるようになりました。内容ももちろん素晴らしいですが、それ以上に大好きな友達が勧めてくれた思い入れの一番ある作品、声優を目指したきっかけの作品です。

次ページ:高音パートもきれいに歌うのではなく、がむしゃらさや泥臭さを込めて

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