INTERVIEW
2024.08.19
真島ヒロが手掛ける『FAIRY TAIL』がアニメ化されたのが2009年のこと。2012年にはフランスで「第19回アニメ&マンガ大賞」の最優秀日本アニメ賞などを受賞するほど、世界的な人気を誇る作品だ。2019年にファイナルシリーズの最終話が放送された同作が、5年の時を経て2024年、新シリーズとなるTVアニメ『FAIRY TAIL 100年クエスト』の放送をスタートして話題に。そんなTVアニメのEDテーマ「友よ ここでサヨナラだ」を僕が見たかった青空が歌う。物語の余韻を滲ませ、次週へと視聴者の想いを繋ぐEDテーマについて、第7話にゲスト声優として参加した僕青メンバー・杉浦英恋、塩釜菜那、八木仁愛、早崎すずきの4人に聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
――リスアニ!初登場となる僕が見たかった青空の皆さんです。まずは皆さんの印象・記憶に残るアニメソングを教えてください。
杉浦英恋 わたしはアニメが大好きなので、どの曲を挙げるか悩んでしまいますが、最近見直していて改めていい曲だなと感じたのがアニメ『SLAM DUNK』の主題歌だったBAADさんの「君が好きだと叫びたい」です。刺さりました。
早崎すずき すごく悩みますが、アニメ『鬼滅の刃』でLiSAさんが歌われている「紅蓮華」です。初めて聴いたときからはずいぶん時間も経ちましたが、やっぱりすごく好きで、印象に残っている一曲です。
八木仁愛 わたしはアニメ『プリパラ』のOPテーマ「Make it!」が好きです。女の子のアイドル系のアニメで、ずっと好きで見ていたのですが、i☆Risさんが歌うこのOPテーマが一番好きです。i☆Risさんはエイベックスのアーティストさんで、わたしたちも同じなので、いつかお会いできたら嬉しいです。
塩釜菜那 わたしはアニメ『メジャー』の「心絵」が好きです。よくカラオケでも歌います。小学校に入る前に、お兄ちゃんと一緒に観ていたアニメでしたが、今も大好きな一曲です。
――そんな皆さんが今回、初めてのアニメタイアップとしてTVアニメ『FAIRY TAIL 100年クエスト』のEDテーマ「友よ ここでサヨナラだ」を歌っていらっしゃいます。アニメの主題歌を歌うことが決まったときにはどのようなお気持ちでしたか?
塩釜 本当に嬉しかったです。EDテーマを担当することが最初は信じられなかったです。「どんな曲が来るのかな」と楽しみになって、早く聴きたい!と思いましたし、とにかくワクワクが止まらない感覚になりました。
八木 アニメをそこまでたくさん観てきてはいないのですが、そんなわたしでも知っているくらいに有名なアニメ作品のEDテーマということで、驚きの感情が強かったです。しかも僕青にとっても新しさのある曲調だったので、すごくエンディングで流れることが楽しみでもありました。
早崎 アニメのEDテーマって、頭に残る曲が多いと思うのですが、わたしたちが歌う一曲がそういうふうにアニメを観ていらっしゃる皆さんの記憶に残っていったり、アニメを通じてこの曲を知ってもらえたりしていくのかな、と思うとワクワクしましたし、この曲を知ってからアニメを観てみようと思ってくれる人もいたらいいなぁ、とも思いながら、放送されるのをすごく楽しみにしていました。
杉浦 すごく嬉しかったです。アニメを見るときにもオープニングもエンディングも飛ばすことなく聴いて、余韻を楽しむタイプでもあるので、余計に嬉しかったです。いろいろなアニメを見てきて、その中でも「この曲が好きだな」とか「この作品と曲はすごく合っているな」と考えたり。音楽にはJ-POPやJ-ROCKやいろいろなジャンルがありますが、そのなかでも昔からアニメの曲がすごく好きだったので、とにかく!とにかく!嬉しかったです。
――「友よ ここでサヨナラだ」を最初に聴いたときにはどんな印象がありましたか?
杉浦 EDテーマということは伺っていたので、「確かにエンディングっぽいな」と思いました。曲を聴いただけで、どんな絵が流れるんだろうか、と想像もできたので、きっとたくさんの人に届くのではないかなと思いました。
――レコーディングの思い出をお聞かせください。
早崎 曲を聴いてレコーディングに行くために練習もしたのですが、楽曲もこれまでにないタイプでしたし、歌詞も初めて歌うような雰囲気の歌詞だったので、新鮮な気持ちで臨むことができました。ちょっといつもの自分とは少し違う感じで歌ったほうがいいかな、と思って、いろいろと試しながらのレコーディングとなりました。
――すごくシンプルな歌詞ですが「ここがいいなぁ」と思うところを教えてください。
八木 「ここで別れたって 僕たちのこの絆は 絶対に切れることのない」ってところがいい歌詞だなって思っています。どれだけ距離が離れていても、連絡を取り続ける友だちはきっといるし、共感できる人も多い歌詞なんじゃないかなと思っています。
――この曲のグッとくるポイントを教えてください。
塩釜 一つひとつのワードが力強さのある言葉なんですよね。今、仁愛ちゃんが言ってくれたフレーズもそうですし、ほかにも「人は 一人になって強くなる」というフレーズにもグッときます。わたしも高校を卒業してから友だちと別れて、それぞれが自分自身の進路へと進んでいったあとに「今、どんな生活をしているのか」と報告し合っているときにも、友だちと離れたことで得た強さもあるし、まだ繋がっているからこその心強さもあって。自分の過去のことと今とを自然と照らし合わせて、胸が熱くなる想いがあります。
――そんな「友よ ここでサヨナラだ」がアニメと共に流れているのを実際にご覧になっての感想をお聞かせください。
杉浦 初めて一話を見たときに、EDテーマへの繋がりがすごく綺麗だと思って鳥肌が立ったのを憶えています。
塩釜 わたしも!「ここでキターー!」って鳥肌、立ちました。
――見れば見るほど歌詞の意味も深まっていきそうですが、そんなTVアニメ『FAIRY TAIL 100年クエスト』ではアフレコにも参加されました。アニメの現場がいかがでしたか?
塩釜 アニメの映像が流れて、その口の動きに合わせてセリフをしゃべるのかな、と思っていたんです。アフレコのイメージとしてそういう場面を想像していたのですが、まだ線画だけのものが出てきたので驚きました。アフレコってこういうふうにやるのか、と現実での発見がありましたし、これを見られるのはアフレコに参加したからこそなので、レア感がありました。
八木 緊張しました。たまにアニメのメイキング映像でアフレコの様子を見たことがあったのですが、そこで見た通りの景色が広がっていました。ブースがあって、ちゃんとしたマイクがあって、菜那ちゃんが言うように仮の絵がありました。ただ声だけで感情を伝えるのって本当に大変なんだなってことを改めて感じました。わたしたちは普段からパフォーマンスとして表情や歌、ダンスで伝えることができますが、声だけで伝えることはすごく難しいと感じて、声優さんって本当にすごいなって思いました。
――練習はされたのでしょうか。
早崎 練習の仕方もわからないですし、アフレコの想像もできなかったので、とにかく自分が話すことを頭に入れてアフレコ現場へと向かったのですが、ブースでは「こうしてみて」「ああしてみて」と指示をいただくのに、その意味が全然わからなくて!みんなでキョロキョロと様子見しているあいだにアフレコが始まってしまって、緊張と驚きの連続でしたが、最終的には超楽しくアフレコができました。
――緊張がほぐれた瞬間がありましたか?
早崎 最初に「緊張をほぐす意味でもみんなできゃあきゃあ言うシーンから録ろうか」ってご提案していただいて、それでみんなで騒いだんです。そのシーンから楽しくなって、みんなの声を聞いていても楽しくて。おかげで楽しいアフレコになりました。
――アニメがお好きな杉浦さんですが、実際にアニメの世界に触れられた感想はいかがでしたか?
杉浦 声優さんのドキュメントやアニメの裏側の映像などを普段から見ていたので、「この風景、知っているぞ!」とテンションがアガりました。自分の知っている、憧れて、夢見てきた景色に参加することができて本当に嬉しかったです。わたしたちの収録前に、レギュラーで出演されている声優の皆さんが収録をしていらっしゃったので、そのボイスを聞きながらお芝居をさせてもらえたんです。そのことにわたしは本当に興奮してしまいました。だからなおさら、自分たちもどう演じたらいいのかがわかるようなお芝居だったので、嬉しかったです。
――今後も声優のお仕事をやってみたい、という欲は出ましたか?
塩釜 やりたいと思いました!
早崎 キャラクターから自分の声を出すのではなく、キャラクターを自分が生み出さないといけない、ということを学びました。声色をいろいろと研究しないといけないなって思いました。
八木 声だけで伝えるぶん、思いっきり自分をぶつけなければいけないな、とも思いました。だから恥ずかしがらずに、本気で声を出して、さらけ出していかないと伝わらなくなってしまうな、とも思ったんです。そういう表現手法は普段の自分たちのパフォーマンスにも生かせるなって感じました。
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