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INTERVIEW

2024.08.28

富田美憂の進化がここに!“紫”がコンセプトのニューアルバム『Violet Bullet』を語る

富田美憂の進化がここに!“紫”がコンセプトのニューアルバム『Violet Bullet』を語る

2度目の作詞曲「Stellar」に込めた決意、武道館という新しい夢

――そしてアルバムの9曲目には、富田さん自身が作詞された新曲「Stellar」を収録。1stアルバム『Prologue』収録の「Letter」に続く2度目の作詞になりますが、今回はどんな思いを込めて作られたのですか?

富田 「Letter」はファンの方やお世話になっているスタッフの皆さんへの“感謝のお手紙”というテーマだったのですが、今回は2回目の作詞ということで、ただキラキラした夢や希望を歌うのではなく、自分の弱いところや葛藤、普段の自分の気持ちを歌詞にしたい気持ちがありました。アーティストデビューしてからのこの5年は、お芝居や歌のこと、人間的なことをすごく考えさせられる日々だったと思っていて。声優のお仕事の場合、キャラクター主体で物事を考えるので、自分自身のことを振り返る機会はあまりなかったのですが、アーティストデビューしてからインタビューの機会も増えて、この5年で自己分析をする機会もグッと増えたんです。そうなったときに、自分の嫌な部分とも向き合わなくてはいけない状況になることも増えて。

――その“嫌な部分”というのは?

富田 例えば、ライブのゲネやリハで「富田さんなら大丈夫だよね」と言っていただくことが多くて、もちろんそれはありがたいことなのですが、そういう周りの反応を受けて、“できる自分”でいなくてはいけない気持ちが強くなっていたんです。仮に私がライブのゲネや本番で1ヵ所間違えたとしても、誰も気にしないと思うのですが、自分の性格上、ひとつ間違えることがすごく嫌で。でも、それって自分で自分のハードルを上げてしまっているということに気付いたんです。そういう意味での、周りには出せない自分の弱さを楽曲にすることで、「私もこういうことを考えたりするんだよ」ということを表現できたらと思って。

――自分の弱い部分もわかってほしい気持ちが強かった?

富田 わかってほしいというよりも、自分の決意表明みたいなものに近くて。これはステージに立ったことのある人しかわからない感覚だと思うのですが、独りでステージに立つのはすごく怖いことなんです。失敗するとすべてが自分のところに返ってきますし、歌も一人だとごまかしが効かないですし。そんななかで、活動の年数を重ねていくうちに、昔は「楽しい」とか「この歌詞を伝えたい」という気持ちで歌っていたのが、だんだん音を外さずきれいに歌うことばかり意識するようになって、昔の良さがなくなってしまったように感じていたんです。

――そんな悩みを抱えていたんですね。

富田 そんなときに、ずっとお世話になっている恩師の方と久々にお会いする機会があったのですが、ダンスのレッスンをしているときに、その方から「昔の熱さがなくなっちゃったね」と言われて。私も「今ちょうどそれで悩んでいるんです!」ってお話をしたら、「多分、トミー(富田)のファンは、歌の上手さだけではなくて、クールに見えて意外と熱いところ、パッションや気持ちの強さが好きなんじゃない?」と言われたんです。たしかに昔の私は、もっとぎらついていたいたと思うんですよ、いい意味でも悪い意味でも(笑)。その「誰にも負けない!」というハングリー精神、「私はこれが伝えたいんです!」というのが歌から直接伝わってくる感じが私の良さだったはずで。

――なるほど。

富田 それと、今ちょうどkleissisのレッスンをしているのですが(※取材は7月に実施)、メンバー全員、歌に対する情熱がすごい集団なので、そんな仲間たちと歌っているうちに、そういうがむしゃらな気持ちを思い出してきて。歌というのは自分が思っているよりも自由なもので、仮に音符をきれいになぞって歌ったとしても、無感情だったらそれは空っぽなわけじゃないですか。それよりも、多少がたつきがあったとしても、気持ちを感じられるほうが聴き手に響く歌になる。

――そういうスピリッツを込めてこの曲の歌詞を書き、歌ったわけですね。

富田 はい。Dメロの“僕にしか奏でられない音は確かにあって”のところも、気持ちの強さが大切な部分もあると思っていて。昔の私は高くて出せないような音も気合いで出すような感じだったんですけど(笑)、そういう泥臭さもある種、自分の個性や魅力だったと思うんです。

――この曲の歌詞には他にもグッとくるフレーズがたくさんあります。“いつか忘れられて消えかけてしまっても”という言葉もありますが、富田さんもそう思うことがあるのですか?

富田 すごく思います。やっぱり離れてしまうファンの方もいるわけじゃないですか。でも、私の口から「離れていかないで!」とは言えないですし、もし離れてしまったとしても、「あのとき富田美憂ちゃんを応援していて楽しかったな」と思ってくれれば、私はそれでよくて。

――タイトルの「Stellar」は星を意味する言葉ですが、このモチーフを選んだのは?

富田 自分を何かに置き換えて歌詞を書きたいと思ってテーマを考えるなかで、“星”が自分の中でしっくりきたんです。星には色んな種類があって、輝きが弱い星もあれば、すごく目立ってギラギラ光っている星もある。そんななかで、一番強く光る星では決してないかもしれないけど、一生懸命頑張って自分の色を見つけて光ろうと思う星、というイメージが浮かんで。

――まさに星空が目に浮かぶような雰囲気の楽曲にもなっていますが、作編曲は富田さんのソロ作品では初めての楽曲提供となる滝澤俊輔さんが担当しています。

富田 タッキー(滝澤)さんとは、去年に愛知で開催された「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブ(“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out Live!!!”2023年9月9日の愛知公演)でご一緒させていただいて(富田は砂塚あきら役で出演、滝澤はシンデレラバンドのメンバーとして演奏を担当)。そのときに(早坂美玲役の)朝井彩加さんと一緒に歌ったユニット曲(「Hardcore Toyworld」)で、私は後ろを振り返るとタッキーさんがいる立ち位置だったんです。リハーサルのときに、振付の一環で後ろを向いたら、タッキーさんと目が合って「……大丈夫!」みたいな反応をしてくれたのが忘れられなくて(笑)。すごく頼もしい方だと思いましたし、演奏も素晴らしいので、いつかソロでもご一緒したいと思っていて、今回お願いしました。

――滝澤さんらしい上品さだけでなく熱さもあって、すごく素敵な楽曲ですよね。

富田 素敵です!ご本人がレコーディングのときにおっしゃっていたのですが、メロディもすぐに「これでいこう」となったみたいで。夜空感のあるイントロも素敵ですし、(落ちサビの)“そこで見ていて”のところは絶対アカペラにしよう思ってくださったらしくて、最高だと思いました(笑)。

――滝澤さんとご一緒できた意味でも大切な楽曲になりましたね。

富田 はい。私、いつかこの楽曲を日本武道館で歌いたくて。私は元々「こういうステージに立ちたい」とか「こうなりたい」という野望がなくて、将来の希望を聞かれても何も答えられなかったんですよね。今を生きるのに必死すぎて(笑)。

――かっこいいですね(笑)。

富田 でも、アーティスト活動を通じて色んな人と交流するなかで、ファンの方から「大きなステージで歌う美憂ちゃんが見たいです」と言ってくださることがあって。“みんなの夢が私の夢”じゃないですけど、武道館のステージに立てばみんなが喜んでくれると思うようになって。何年後になるかわからないですし、叶わないかもしれないですけど、いつか武道館のステージで“そこで見ていて”と歌いたいです。

――自分もその日が来ることを期待しています。11月10日には豊洲PITでのワンマンライブ“富田美憂 3rd LIVE ~Violet Bullet~”の開催を控えていますが、最後にライブへの意気込みをお願いします。

富田 3rdライブでは、ここ5年で培ったものを全部出せたらと思っています。まだ発表していない秘密兵器も準備していて。やっぱり毎回、皆さんのことをびっくりさせたいので、ぜひ楽しみにして来ていただきたいです!


●リリース情報
『Violet Bullet』
8月28日発売

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:COZX-2114~5
価格:¥4,400(税込)

【通常盤(CD Only)】

品番:COCX-42328
価格:¥3,300(税込)

<CD>
M01. Ever Changing Violet
作詞:金子麻友美 作曲・編曲:睦月周平
M02. OveR
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部 剛
M03. Silent Beat
作詞・作曲・編曲:Aira
M04. Make a New Day
作詞・作曲・編曲:YouSee
M05. Dear Teddy
作詞:宮嶋淳子 作曲・編曲:トミタカズキ
M06. la la lai
作詞・作曲・編曲:イトイ
M07. Sweet Sweet Sweat
作詞・作曲・編曲:園田健太郎
M08. Oblivion
作詞・作曲:綿貫直行 編曲:Aira
M09. Stellar
作詞:富田美憂 作曲・編曲:滝澤俊輔
M10. Paradoxes
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部 剛

<Blu-ray>
01. Ever Changing Violet Music Video
02. Ever Changing Violet メイキング映像
03. OveR Music Video
04. Paradoxes Music Video

●ワンマンライブ情報
富田美憂 3rd LIVE ~Violet Bullet~
2024年11月10日(日)
会場:豊洲PIT
開場:16:00  開演:17:00

詳細はこちら
https://www.amuse.co.jp/artist/A8701/

●イベント情報
富田美憂2ndアルバム「Violet Bullet」発売記念リリースイベント

詳細はこちら
https://columbia.jp/tomitamiyu/

「ナガノアニエラフェスタ2024」
2024年9月22日(日)
会場:長野県佐久市「駒場公園」

詳細はこちら
https://aniera-festa.com

「京(みやこ) Premium Live 2024」
2024年12月14日(土)・15日(日)
会場:京都市左京区「ロームシアター京都 メインホール」
※富田美憂は12月15日(日)に出演

詳細はこちら
https://miyako-premiumlive.jp/

関連リンク

富田美憂オフィシャルサイト
https://columbia.jp/tomitamiyu/

富田美憂オフィシャルファンクラブ「+ you」
https://tomitamiyu.com/

富田美憂オフィシャルX
https://x.com/miyju_tomita

富田美憂オフィシャルX(スタッフ)
https://x.com/miyustaff

富田美憂オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCvLYHd1gVyZP7txA_vL89Ng

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