【特集】「学園アイドルマスター」飯田ヒカル（藤田ことね役）インタビュー――世界一可愛い“アイドルのことね”と自分を重ねられる“素のことね”

括弧の部分も、表情を色々作りながら歌っているので注目して欲しい

――今回のシングルには、全体曲「初」と「Campus mode!!」のソロ歌唱バージョンも収録されます。「初」も初期にレコーディングした曲ですよね？

飯田　そうですね。たしか「世界一可愛い私」の次が「初」だったと思います。この曲は、アイドルになりたい気持ち、夢に向かうことねの真剣さをすごく込めて歌いました。“全力を出して走る倒れるまでは”とか“ゼッタイに負けないくよくよ後ろ向いてるそんな時間はない”とあるように、夢に向けて努力する姿が描かれていて。初星コミュを想像させるような歌詞だと感じたんです。なので、ことねの夢に対する思いや、どうしてアイドルになりたいのかを想像しましたし、“キモチバラバラ思いがぶつかって上手くいかなくて困っちゃう”のところは自然と咲季や手毬の隣にいる感じで歌っていました。

――初星コミュを読むとわかりますが、咲季や手毬がクセ強めの性格をしていることもあって、３人の中ではことねが一番の常識人ですよね。

飯田　そうなんですよ。ことねは、第一印象で「裏表があって表ではかわいこぶっているけど、本当はちょっと腹黒い子なのかな？」と想像させるんですけど、実は一番しっかりしていて真面目というか。すごくいい子なんです。

――詳しくはコミュを読んでいただくとして。ニコニコ超会議のステージ（「初星学園オープンキャンパス＠ニコニコ超会議2024」）で話していましたが、この曲は小鹿さんが最初に収録した音源を“仮歌”としてもらったそうですね。

飯田　それを聴いて、「歌うまっ！」って思いました（笑）。

――上手すぎてプレッシャーを感じたりとか、手毬に引っ張られそうになったりしませんでしたか？

飯田　もちろん、上手すぎてどうしよう……とは一瞬なりました。でも、ことねと手毬は夢への気持ちがまた違っているので、手毬に比べると後半はすごく笑顔で歌っているイメージというか。最初はひたすらがむしゃらに頑張る感じなんですけど、“私らしい姿を目指したあの頃から”というフレーズも、それぞれのアイドルで背景が違うと思うんです。なので、表情感とかは全然違うんじゃないかなと思って歌いました。

――今回のシングルには、待望のソロバージョンがフルで収録されますので、特に注目して欲しいとか、印象に残っているところがあれば教えてください。

飯田　括弧の部分はぜひ注目して聴いていただきたいです。例えば、“（ペース配分不要なんです）”は、自分のキャパ以上のバイトをして体力がなくなってヘロヘロなことねが想像できるような、ちょっと調子に乗っている感を出していますし、“（RIGHT NOW！）”のところはドヤって歌っています（笑）。

――そして、シングルに収録はされませんが、「初」とソロ曲の「世界一可愛い私」は、ゲーム内の展開に合わせて、下手なバージョン、少し上手くなったバージョンも出てきます。こちらは、ことねらしく体力がない感じをイメージして歌ったとお聞きしました。

飯田　そうなんです。ことねはバイトで働き詰め、家に帰っても家事をして、きっと睡眠時間も少ないだろうから、レベル1（ランクD）では“かわいく歌いたいけど、そもそも体力がなくて息切れしてしまう感”を出しました。息が浅い状態で歌っている感じを出すために、実際に息を吐いたうえで歌ってみたんです。次の段階は、“体力は少しずつついてきたけど、ただかわいく歌うしかまだ表現がわからず、歌詞に合わせた素の部分などは出せていない”状態です。

――レベル1は音程の外し方も極端で面白かったです。

飯田　プロデューサーに「実力を見せてください」と言われて歌うところは、頭の中から一度音程を忘れて歌っています。

――そうなのですね。音程を忘れて歌うのは難しかったですか？

飯田　いえ、何も考えない方がスッとできました。「ここの音を外そう」と意識するよりも、なにも考えずに「音程わかんな〜い」とやる方がスッとできて。曲を渡されたばかりのような気持ちで歌いました。

――全体曲「Campus mode!!」もソロバージョンが収録されます。こちらはUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんが作詞・作曲した楽曲ですが、曲をいただいたときはいかがでしたか？

飯田　仮歌は田淵さんが歌ってくださっていたのですが、最初に聴いたときは「すごくかわいくて元気が出る曲だけど……難易度高くない？大丈夫かな、歌えるかな？」と思いました。プレッシャーがすごかったです。でも、歌詞がすごく良くて、ことねにもぴったりだと思いますし、聴くとすごく元気が出るんです。私にとって応援歌といいますか、背中を押してくれる曲のひとつです。

聴いていただくとわかりますが、主線の歌以外にも色んなパーツを録ったこともあり、収録は一番時間がかかりました。アレンジというか遊んでいる要素もたくさんあって、ピッチも高いし、本当に難しかったです。

――様々な要素があるなかで、ポイントをあげるならどこでしょうか？

飯田　この曲も括弧で括られたフレーズがたくさんあって、高いハードルが現れたときの“（なんなんだこれは!?）”では、ガビーンと顔に線が入っているような表情感を出して歌いました。“振りのポーズが全然キマらない”とか“歌のピッチもちっとも合わない”のところも個人的に好きなポイントで。私自身も必死に「Campus mode!!」のトーンに合わせて歌ったので、逆にやりやすかったです。

――飯田さんの実感も込められていたのですね。この曲もコミュの内容とリンクしているところが素晴らしいですね。

飯田　そうなんです。“キラキラステージの幕が開く”のところは、コミュでステージにいく前にプロデューサーと話していたときのように、私もマイナスな気持ちは忘れて、キラキラした気持ちでステージの幕が開くのを想像して歌いました。

――すでに配信されている曲としては、シーズンイベント「真夏のサマーライブ・フェス」で実装されたサマーソング「キミとセミブルー」もあります。この曲はいかがでしたか？

飯田　明るくてかわいい曲なのでことねちゃんにピッタリで、すごく歌いやすかったです。授業が終わって、チャイムが鳴って、さあバイトにいくぞ！とか、好きな人への気持ちとかが描かれていて、学校での姿が想像できますよね。クラスメイトを感じるというか、夏を楽しむ青春感いっぱいに歌っています。

水着のセリフを収録したとき、音響監督さんに「ことねだって好きでバイトをしているわけではなくて、お金があれば多分バイトはしないし、バイトを忘れて遊べるのならすごく嬉しい気持ちになるはず」と言っていただいて。コミュも曲もアルバイトのことを忘れて夏を楽しむぞ！という気持ちで録りました。

“True End”のライブになるように頑張ります！

――いよいよ8月10日からは初のライブツアー“学園アイドルマスター DEBUT LIVE 初 TOUR -初声公演-”がスタートします。レッスンの様子や意気込みをお聞かせください。

飯田　出演者が3人だけ（長月あおい・小鹿なお・飯田ヒカル）なので、歌う曲数も多くて。今は振り入れも終わり、ひたすら通してレッスンしているのですが、毎回3人とも汗でビシャビシャになり、帰りはひと言も会話がなくなるくらい全力で頑張っています（笑）。

初めてソロでステージに立って歌うのはすごくドキドキですが、大切にしたいのはやはり“ライブ感”です。ゲームの映像もライブ感がいいと皆さんに言っていただいていますので、私たちも“True End”のライブになるように頑張ります（笑）。プロデューサーの皆さんと熱量をぶつけ合うのをすごく頼みにしていますし、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

――最初に「世界一可愛い私」を聴いたら瞬間から、この曲はライブで聴いたら絶対に楽しい！ライブで見たい！と思いましたからね。

飯田　他の曲もそうですが、ソロ曲はプロデューサーさんがいて完成する楽曲ですので、今回のステージで完成する瞬間を見ていただきたいなと思っています。一緒に作り上げてもらいたいです。

――楽曲に関しては、誕生日にソロでの新曲が出ることが決まっていますし、それ以外にも今度どんどん増えていくと思いますが、ことねのどんな面が見られそうですか？

飯田　今後はかわいいだけではないことねも見ていただけると思います。ぜひそういうことねを見て、聴いて欲しいです。

――コミュとしても、さらに魅力が加わっていくと。

飯田　そうですね。すでに色んなコミュやストーリーを録っていて、どんどんことねが完成していったと思います。でも、ことねは「世界一可愛い私」のコミュでも「Yellow Big Bang！」のコミュでも、大儲けをする未来を想像してやる気を出すんですよ。素の弱気な部分も皆さんに伝わったとは思いますが、お金のところは忘れないというか、この子は本当にお金が大好きなんだなと改めて感じました。そういうところも本当にかわいいです！

――色んな面を見せつつ芯はぶれないのですね。楽曲もコミュもライブも楽しみにしています。ありがとうございました！

●リリース情報
初星学園
藤田ことね 1st Single「世界一可愛い私」
8月7日（水）リリース

品番：BNEI-00167
価格：￥2,500（税込）

＜CD＞
01　世界一可愛い私
02　初 [藤田ことね Solo ver.]
03　Campus mode!! [藤田ことね Solo ver.]
04　世界一可愛い私 [Instrumental]
05　初 [Instrumental]
06　Campus mode!! [Instrumental]