弾けるきらめきとほのかな切なさが形作る、“夏”の日の思い出――岡咲美保「ハピメモ」リリースインタビュー

「夜ふかしダンス」の歌唱には、偶然の巡り合わせが大きなヒントに？

――続いて、カップリング曲「夜ふかしダンス」についてもお聞かせください。こちらは久々となるsajiのヨシダタクミさんからの提供曲ですね。

岡咲　そうなんです！私が「フリージア」（※1stアルバム『BLOOMING』収録曲）が大好きというのもあって、「またヨシダさんに楽曲を書いていただきたい」と言い続けていたことが実現して出来たのがこの曲なんです。ただ、今の私はアーティストさんに「こういう曲にしてください」とお願いするよりも、アーティストさんが提示してくださった世界観に寄り添うほうに心地良さを感じているので、私から直接リクエストしたことは特にありませんでした。

――にもかかわらず、楽曲の主人公の年齢感が「ハピメモ」と近いので、シングルとしての統一感も感じました。

岡咲　そうなんですよ。たまたまなんですけど“制服”とか“夏服揺らして”みたいなシンクロしているフレーズがあって、びっくりもしましたし嬉しかったです。

――初めて曲を聴かれたときには、そのほかにも驚いた部分はありましたか？

岡咲　はい。まずは歌詞が結構攻めているといいますか、ちょっと小悪魔チックなところがあったのにはびっくりしました。そういうテイストの曲を歌うのは初めてではあるんですけど、「何かあって、擦れちゃったのかな？」という想像もしつつ、「わかるな」という部分もあったんです。それは私が音楽に対して、上手く乗らないときとか気持ちがつらいときとかに寄り添ってほしいタイプだからだと思うんですよね。もちろん、楽しいときに聴くのもいいんですけど。だから「ハピメモ」が“陽”ならこの曲は“陰”でいいと思いますし、深夜だからこそ生み出されるようなテンション感を音楽で表現できるヨシダさんもやっぱりすごくて！この曲もまた、大好きな曲になりました。

――しかも小悪魔さ強めの序盤から、2番では曲の主人公の悩みや葛藤へと主題が移っていっているので、時間の経過も感じられます。

岡咲　そうそう。寝られないうちに、だんだん内側に向いてくるみたいなことってありますよね。どこに行き着くかわからないし、別に答えが出るわけでもないような思考回路みたいなものって、深夜思考あるあるみたいな感じはします。

――サウンド的には、この曲は縦ノリで踊れそうなものになっています。

岡咲　チルアウトさもありつつ、リズムがすごく気持ちいいんですよ。2番の頭にはメロラップになっているところもあるんですけど、個人的にはすごくメロラップやラップは好きでよく聴くタイプの音楽なので、ここで歌えてすごく嬉しかったです。

――そういった曲ならではの聴き心地の良さも感じましたが、それを出すために何を大事にされましたか？

岡咲　この曲をいただいた時期って、実は私自身もちょうど夜寝付けなかったときで……（笑）。そんななかでメロディをちゃんと落とし込むために何度も聴いているうちに、「この曲って、深夜のこういうなんとも言えない空白の時間に寄り添ってくれる曲だなぁ」と感じたんです。なので、どちらかというとフラットにというか振り切らずに歌って。その頃の深夜の自分にあてて歌うじゃないですけど、それこそいっぱいリピートして聴いていただけるように、歌い方も柔らかさもありつつあまり味付けを濃くしなかった覚えがあります。

――そういう偶然もあって、この歌い方に辿り着いたんですね。

岡咲　そうなんです。あとは、起承転結があって最後に答えを出すような前向きな曲とは違って、この曲は「答えを出さなくていい曲だな」と思えたのも大きかったですね。もやっとしていてもふわっとしていてもそれでいいし、もはや「それでいい」という答えも出さない……みたいな。なので「明るくも暗くもなりたくない」という難しいところを狙っていましたし、「かわいくなりすぎたくない」、というか「かわいくなりたくない」のようなこだわりもありました。

――それも、リピートしやすくするために？

岡咲　そうです。なるべく色んなシーンに寄り添えたらな、って。

――あと、最後に入った歌詞カードにない意味深な笑いも印象的なポイントでした。

岡咲　これは、私がレコーディング中に「欲しいな」と思って入れさせてもらったものなんです。それは、この曲をたくさん聴いているなかで直感的に浮かんだことで。歌詞にもちょっと小悪魔的なところもあるので合う気はしたんですけど、「欲しいな」となったのは歌詞よりも、サウンドからのインスピレーションのほうですね。曲ラストの「パラッパパラッパ……」のあと、「最後に笑ってほしいな」と思ったんです。なんでそんな気持ちになったのかは、うまく説明できないんですけど……。

――すごく効果的だと思いましたし、色んな解釈ができて楽しめる部分でもあるように感じました。

岡咲　えー!?嬉しいです！声のお仕事をしているので、せっかくなら何かやりたいなぁ……という気持ちもあったので。

――さて、2ndワンマンライブ“ハッピーメモリー”の開催が近づいてきました。1stワンマンでは予告なしに生バンドを背負い、さらには持ち歌全曲を披露されましたが、今回もまたいろいろな取り組みを考えられていたりするのでしょうか？

岡咲　はい。私、楽曲制作も含めて、まさか自分がここまで主体的に「これやりたい」「あれやりたい」というタイプの人間になるとは思わなかったんですね。でも、去年あたりからそのスイッチが入っているのを自分でも感じていまして。1stワンマンでも衣装案やステージでの演出を考えた曲もあったんですよ。それをスタッフさんに受け入れていただいて、ファンの方からも「良かったよ」と言っていただけたうえに、自分自身もやっていてすごく楽しかったので、今回も衣装とか、準備段階から色々意見を出させていただいています。自分の中では「発表会」という感じがあるので、楽しみにしていてほしいです！

――では最後に、そんな“ハッピーメモリー”への意気込みをお聞かせください。

岡咲　1stワンマンは緊張もすごくありましたし、コロナ禍を経てようやく開催できた最初のワンマンライブだったので、「岡咲美保が歩んできた軌跡をここで！」みたいにちょっと気負っちゃっていた部分もあったんです。でも、最高の思い出をいただいたライブでもあるので、それ以上に笑顔溢れるものにして。より「楽しむ」という、このライブのコンセプトに寄り添った表情をみせていきたいですね。前回が自己紹介だったとしたら……“夏の美保”じゃないですけど（笑）、そういうところも一緒に楽しんで見せていきたいです。

――コンセプトや“夏”という要素をしっかり出しながら、その中で魅せたいというか。

岡咲　そうですね。1stワンマンよりも“自分らしさ”という色を濃くして、「チームみほ」を増やしていきたいという想いがすごくあるので……個人的には夏という季節も好きなので、私自身が楽しんで、そのでっかいウェーブにみんなを巻き込めるように頑張りたいです！

●リリース情報
岡咲美保 4thシングル
「ハピメモ」
発売中

【CD＋Blu-ray盤（CD＋Blu-ray）】

品番：KIZM-801～2
価格：￥1,980（税込）

【通常盤（CD ）】

品番：KICM-2155
定価：￥1,430（税込）

＜CD＞ ※全形態共通
M1 ハピメモ
M2 カップリング楽曲（新曲）
M3 ハピメモ off vocal version
M4 M2 off vocal version

＜Blu-ray＞
・「ハピメモ」MUSIC VIDEO
・MAKING

●ライブ情報
「Miho Okasaki 2nd LIVE 2024 〜ハッピーメモリー〜 supported by animelo」
2024年8月10日（土）開場16：30/開演17：30
会場　文京シビックホール大ホール
席種・料金
指定席：￥7,700（税込）
注釈付き指定席¥7,700（税込）
※2階席ジャンプ禁止エリアとなります。

公演に関するお問い合わせ
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