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INTERVIEW

2024.08.04

CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念トークセッション[CHiCO×MOMIKEN(SPYAIR)]公開!CHiCO憧れのSPYAIRとコラボが実現!

CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念トークセッション[CHiCO×MOMIKEN(SPYAIR)]公開!CHiCO憧れのSPYAIRとコラボが実現!

豪華作家陣がそろい踏みのCHiCOの1stアルバム『CONTiNUE』。疾走感とライブへの想いが溢れる「インパーフェクト」は、SPYAIRソングライティングのゴールデンコンビ、MOMIKENが作詞、UZが作曲・編曲を担当した。CHiCOが長年憧れてきたSPYAIR。その楽曲制作は、MOMIKENにとっても新たな“実験”の場になったという。そんなCHiCO×MOMIKENのクロストークは、出会いの思い出からスタート!

【CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念】
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INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

CHiCOのパワフルさに驚いた「サムライハート(Some Like It Hot!!)」のカバー

――今日は「インパーフェクト」制作者を代表してMOMIKENさんに来ていただきましたが、CHiCOさんとSPYAIRさんは、同じアニメ作品の主題歌に携わる機会が少なくないですよね。

CHiCO はい、『銀魂』や『ハイキュー!!』でご一緒させていただいていて。でもちゃんとお話させていただけるようになったのは、「インパーフェクト」の制作からかもしれないです。

MOMIKEN うん、そうですね。つい先日も上海の“BILIBILI MACRO LINK 2024 (BML2024) ”というイベントで一緒だったし、意外とね、最近よくお会いしてますね。

CHiCO 本当ですね。でも作品のご縁はすごく感じていて、初めてご挨拶させていただいたのもたしか『銀魂』のイベントのときだったと思います。

MOMIKEN そう、そのときもチコハニ(CHiCO with HoneyWorks)さんのことはもちろん知っていたんですけど、当時はCHiCOさんは顔出しされてなかったから、楽屋裏でもチコハニさんチームだな!というのはわかっても、さてどの方がCHiCOさんだろう?と、イマイチ確信が持てなかった記憶があります(笑)。

CHiCO あはは!そうですよね!(笑)。

MOMIKEN なので遅ればせながらですけど、しっかりCHiCOさんの顔と歌を一致させて拝見できたのは、僕らの「サムライハート(Some Like It Hot!!)」を“銀魂後祭り2023(仮)”で歌ってくれたのを観たときでした。それまでチコハニさんには、HoneyWorksさんの曲の中にCHiCOさんが溶け込むようなイメージがあったから、こんなにパワフルで素晴らしいボーカリストだったんだなということを認識したし、俺らがやるより上手いじゃん!って思いましたから。

CHiCO ありがとうございます!まず大好きな「サムライハート(Some Like It Hot!!)」をカバーさせていただけるということが嬉しかったですし、女性が歌うと、SPYAIRさんとはカラーが変わってしまうから、私でいいんですか!?とすごく緊張していました。

MOMIKEN いや、良かったですよ。しかもオケもわざわざ、新しくライブアレンジ用に作ってくれて。僕らからしたら、CHiCOさんのステージなのにわざわざ時間を取ってカバーしてもらえるなんて、本当にありがたかったです。

CHiCO ずっとカラオケで歌い続けてきて良かったです!

MOMIKEN あはは、そんなに歌ってくれていたんですか。

CHiCO はい、家ではなかなか思いきり声を出せないので、リハビリのつもりでカラオケに行くんですけど、自分の歌の練習に疲れてきたら、SPYAIRさんの曲を入れて「いや、やっぱりSPYAIRかっこいいわー!」って言いながら、モチベーションを上げています(笑)。

MOMIKEN お役に立てて良かったです(笑)。

「インパーフェクト」の制作にはプラスアルファのワクワクがあった

――ではここからは、2組の初コラボとなる「インパーフェクト」のお話を伺います。楽曲のオファーがあったときは、どう思われました?

MOMIKEN 本当に嬉しかったですよ。僕が作詞、UZが作曲というのは一番SPYAIRらしいスタイルなんですけど、楽曲提供というのは自分たちが歌うわけじゃないから、制作側としてはCHiCOさんのように歌が上手なアーティストに歌ってもらえることが、まず嬉しい。どういう作品になるんだろう、どういうふうに歌ってくれるんだろう?という、プラスアルファのワクワクがありました。

――SPYAIRは男性ボーカルですが、女性ボーカリストに楽曲提供する際に意識されることはありますか?

MOMIKEN そうですね。おそらくUZも同じだと思いますが、女性キーと男性キーで使える音域が違うだけでも、変化があって楽しいです。女性キーは当然トップもボトムも高いので、低音部をどう埋めよう?とか、キラキラ感みたいなものをどこまで足そう?とか、音の組み上げ方が若干、男性曲と違うような気もしますね。すごく大きく変わることはないですけど、アレンジしがいがあります。

――制作にあたって、CHiCOさんからどんなリクエストがありましたか?

MOMIKEN それこそ、SPYAIRらしい曲を、という話がまずありましたよね?

CHiCO はい。『CONTiNUE』のリリース後にはツアーも控えているので、ライブを意識した楽曲はぜひ書いていただきたくて。このアルバムの前に去年『PORTRAiT』という5曲入りのEPをリリースしたのですが、その中には“ザ・ロック”な曲がなかったんです。でもアルバムリリース後にはツアーもあるし、ライブでゴリゴリに盛り上がるSPYAIRさんらしいアップテンポなロックを今回お願いしました。

――ちなみにMOMIKENさんとUZさんの間では、どんな楽曲にしようかという話し合いは持たれました?

MOMIKEN いや、してないですね。SPYAIRの曲も全部そうなんですけど、僕とUZは、あえてお互いの領分について何も言わないようにしているんですよ。そのほうが自由が利くし、UZの色、僕の色と、お互いの色がちゃんと出る。まずはUZが曲を書いて、それを受け取って歌詞を考えていくやり方で、19年間やっています。

CHiCO 信頼と積み重ねがあるから、それができるんですよね。

MOMIKEN そうですね。あと、曲が届いたときに「やっぱりそう来たか!」ということも多いですけど、例えばお互いが異なるイメージをしていたとしても、それはそれで成り立たせられる。そこも分業の面白いところですね。

ライブ感を強めるために、勢いのある言葉を詰め込んだ

――「インパーフェクト」の作詞は、具体的にはどのように進めていかれましたか?

MOMIKEN テーマとしては、CHiCOさんが事前に伝えてくれた「ライブで盛り上がろう!」に特化したかったので、じっくり聴いて胸にじんとくる歌詞というより、“完全完璧なんて つまんない”とか“単純明快 楽しんだ者勝ち”とか、勢いのままバーッと聴いて響くフレーズがいいなと思って。色んな言葉が、頭にどんどん飛び込んでくるように。

CHiCO それがライブ感ですよね。内容もライブでステージに立っている雰囲気が、すごく伝わりました。コール&レスポンスがしたくなるフレーズもたくさん入れていただいて。

MOMIKEN そうそう。すぐに覚えられて、言いたくなる耳触りの言葉を詰め込んでいますね。テンポも速いので普通に歌おうとすると難しいところもあると思うんですけど、CHiCOさんのこれまでの曲を聴かせてもらうと、もう何でも歌えるな!と思いまして(笑)。

CHiCO うわっ!

MOMIKEN すごく難しくても多分歌えるだろうから、これくらい言葉を詰め込んでも大丈夫だろう!と、好きにやらせてもらいました。実は今回、デモの仮歌をAIに歌わせるという実験もさせてもらいまして。

CHiCO あっ!たしかに……すごくいい声の人が歌ってる、誰だろう?と思ったんですよ!

MOMIKEN 相手はAIなので、人間が歌うとしたらちょっと厳しい譜割りでも、やってくれるんですよ。UZから渡された1個の音符の中に、普通は1個の音しか入れられないんですけど、この言葉とこの言葉を組み合わせてギュッとしても入るよね?っていう、ノリのいい譜割りの限界みたいなのが検証できるんです。そういうことが、この曲ではたくさんできました。

CHiCO だからなんですね、1番のBメロに“ご自由にどうぞ”というフレーズがありますけど、あえて“52(ごじゅうに)どうぞ”みたいに歌うとぴったりハマったり(笑)。

MOMIKEN そうそう(笑)。歌詞を書く人間からすると、そういう壁って今まで超えられなかったんですよ。音符を渡されて、その音符が5音分だったら、5文字の言葉にしないと認識してもらいにくい。その制約を今回は、取っ払ってみたかったんですよね。僕にとっても新しい曲作りの方法だったので、すごくいい経験ができましたね。

――ボーカルレコーディングにもMOMIKENさん、UZさんお二人でいらっしゃったそうですが、印象的なエピソードをぜひ。

MOMIKEN 落ちサビのところをよく聴いてもらうと、バックの音とメロのアクセントが少しちぐはぐなところがあるんですね。僕もUZからデモをもらった時に、意図的にそうしているんだろうなと思ったんですが、今回バックを担当してくれたバンドの皆さんも、そこをちゃんと再現して弾いてくれているんですね。でも、それに合わせて歌うとなると、すごく難しいんですよ。だけどCHiCOさんは、そこをサラッと合わせて歌っていたのが印象的ですね。

CHiCO あ、そこは自然にいけました(笑)。逆にBメロのテンポを取るほうが難しくて、UZさんがドラムを聴きながら歌ったほうがいいですと、アドバイスしてくれたのを覚えています。

MOMIKEN そう、たしかにそこは、リズムがふわっと聴こえるので、UZがそう言ったんだと思いますね。でも全体的には、まったく不安要素がないレコーディングでしたよ。思っていたとおり、CHiCOさんは歌が上手いから、こちらの要望に全部応えてくれる。そういう方にディレクションができると、やっぱり嬉しくなる。UZもすごく楽しそうでした。

次のページ:次回のコラボは、ミドルテンポのロックナンバーで!

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