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INTERVIEW

2024.08.01

CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念トークセッション[CHiCO×jon-YAKITORY]公開!ラジオジングルの縁が繋いだjon-YAKITORYとのクールなロックナンバー「Noise Cancel」!

CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念トークセッション[CHiCO×jon-YAKITORY]公開!ラジオジングルの縁が繋いだjon-YAKITORYとのクールなロックナンバー「Noise Cancel」!

CHiCOファン待望のソロ1stアルバム『CONTiNUE』は、豪華アーティスト/クリエイターとの様々な楽曲コラボレーションが話題。そのリリースを記念して、参加メンバーアーティストとのクロストークをお届けする。今回は、Adoとのコラボレーションでもお馴染みのボカロP・jon-YAKITORY。毒っけのあるクールなロックナンバー「Noise Cancel」の制作秘話をCHiCOと一緒に語ってもらった。

【CHiCO、1stアルバム『CONTiNUE』発売記念】
★CHiCOソロインタビューはこちら
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INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

出会いのきっかけは番組のジングル制作

――jon-YAKITORYさんとCHiCOさんは、今回「Noise Cancel」で楽曲では初コラボとなりましたが、お二人は以前からお知り合いだったんですよね?

CHiCO はい。私のポッドキャスト番組「CHiCO*DIG!STATION』のディレクターさんが、jon-YAKITORYさんのことをよくご存じで。番組が始まるにあたって、ジングルをjon-YAKITORYさんに作っていただいたのが最初でした。大切に使わせていただいています!

jon-YAKITORY それが3年前くらいですかね。

CHiCO はい。そこから、jon-YAKITORYさんが曜日パーソナリティをされているラジオ番組「クリエイターズ・スタジオ with ボカコレ」に呼んでいただいたりとご縁もずっとあったので、『CONTiNUE』でぜひ曲を書いていただきたかったんです。

――jon-YAKITORYさんはCHiCOさんにどんな印象を持っていました?

jon-YAKITORY 歌が上手くて、王道のボーカリスト。でもずっと顔出しはされてなかったので、実際にお会いしたときは、大人の女性だ!って思いました。CHiCO with HoneyWorksは曲調もストレートなので、僕の中で真っ直ぐで元気なイメージがあって。なのでちょっとクールな感じが大人だなと。

CHiCO 嬉しい……けど、多分、人見知りが発動して緊張してたんだと思います(笑)。曲のイメージってありますよね。私もお会いするまで、jon-YAKITORYさんの曲から、すごくアーティストっぽい人なんだろうなと思ってたんです。個性的な考え方を突き詰めている。

jon-YAKITORY おそらく僕の見た目が、“こいつやってんな!”って感じだからでしょうね(笑)。

CHiCO イケイケのロックをやっていそうな(笑)。でもお話ししてみると、何に対しても真面目で、優等生の方なんだ、怖くないんだ!というギャップはありました。

jon-YAKITORY うん、疑惑が晴れて良かったです!(笑)

「Noise Cancel」は、どこまで過激にするかに悩んだ

――jon-YAKITORYさんが楽曲提供をオファーされたときは、どう思われました?

jon-YAKITORY どういうものを求められているんだろう?というのは、結構考えましたね。僕が作っている曲はダークなイメージが強いんですけど、CHiCOさんのイメージとは違うところにいる気がしたので。でも最初に、CHiCOさんと打ち合わせしたときに、マイナスな感情を歌いたいということだったので、この路線だったらいけそうだな!というのが見えました。

CHiCO 曲調もロックで、言葉に重みのあるフレーズが乗るといいなと。jon-YAKITORYさんの歴代の曲を聴きながら、打ち合わせをさせてもらいました。

jon-YAKITORY そこからデモを作ってお渡ししたんですけど、最初は言葉遣いがもっとライト、マイルドだったんです。そうしたら、もっと激しい言葉遣いにしたいというリクエストをもらいまして。テーマは今と変わらないんですけど、表現方法にもっと毒を入れてみたら……OK出ました。

――“作り笑顔決め込んで その場しのぎ 心の中で刺し殺してる”とか、ギクッとしました。

jon-YAKITORY そう、これくらいだとイケるのかな?と思いながらお渡しして(苦笑)。

CHiCO たしかに、加減は難しかっただろうなと思います。CHiCO with HoneyWorksのときは、青春とかピュアな恋愛ソングみたいな印象強かったと思うので。

jon-YAKITORY そうなんですよ。そもそも僕にオファーが来たことがめちゃめちゃ意外だったし、CHiCOさんが世の中に毒を吐くイメージもまったくなかったので、どこまでやっていいのかな?は考えましたね。

CHiCO 全然吐くんですよ、毒(苦笑)。

jon-YAKITORY そう、CHiCOさんもそういう部分があって、歌だから表現したいんだということに、僕も共感するんですよ。普通に暮らしている中で悪口を言うと、ただの嫌なヤツですけど、音楽だからこそ表現できる何かが、そこに生まれる。曲を聴く人も……負の感情を持っている自分が嫌だな!と思うけど、毒を吐いている歌を聴くことで、この感情は間違いじゃなかったんだと思える。嫌な気持ちを持っているのは自分だけじゃないと分かれば、自分を追い込まずに済むと思うんですね。僕は、音楽が少しでもそういう人達の救いになってくれたらいいなと思いながら、曲を作っていますね。

CHiCOは悪口を言われても鼻歌歌って去って行くイメージ?

――そんな想いがこもった「Noise Cancel」は、訳知り顔に物を言ってくる人に対しての感情が歌われています。

jon-YAKITORY タイトルも結構ギリギリまで悩みました。攻撃的な歌詞だからといって、タイトルまで攻撃的だとダサい。どうしよう?と思ったときに、歌詞の内容全部が、うるさいこと言ってくるヤツに対しての怒りなので、そんなの相手にしない!と意味で、ノイズキャンセルはいいなと。

CHiCO 最後の最後に。

jon-YAKITORY そう、思い出した!トラックダウンのときに、曲を聴きながら歌詞カードの紙に、ずっとタイトル候補を走り書きしてたんです。グラフィティアートみたいに、スプレーで描いた時をイメージしたら、「Noise Cancel」の綴りが一番かっこ良かった。これかも!って思いました。

――お二人のお気に入りのフレーズはどこですか?

CHiCO 私、2番のBメロが好きです。

jon-YAKITORY うん、僕も好きですね。それと、“颯爽と私はこの道を抜ける”というところ。全体を通してネガティブな感情が出ている曲なんですけど、この一文があることで「私は関係ねぇぜ!」っていうかっこ良さが出ますよね。イメージがあったんですよ、CHiCOさんの。誰かに悪口を言われても、最終的には鼻歌を歌いながら、どっかに行きそうな(笑)。

CHiCO あはは!たしかにそうかも。3日間くらいは凹み続けるんですけど、そのうち3日間凹んでいる自分にも苛立ってくるし。それが全部落ち着いたら、「はぁ~疲れた!もういいや!」ってなります(笑)。

jon-YAKITORY やっぱり(笑)。僕もそうでしたけど、もう自然と気にならなくなりましたね。別に、人の声はどうでもいいしなって。

CHiCO 自分に自信が持てるようになると、「うん、私はこれで良しだな!」って思えるから、マイナスな言葉はノイズキャンセルしていきたいですね。

――曲調はブルージーなロックで、CHiCOさんの曲としてそこも新鮮でした。

jon-YAKITORY ロックでちょっと遅めのテンポの曲を、というリクエストがあったので、それをベースに考えていたんですけど、もうロックな曲だったらギターのフレーズから作っちゃおう!と思って。作っていてもすごく楽しかったです。

CHiCO 元々ギタリストなんですか?

jon-YAKITORY いや、ドラマーです。元々は、BPM200くらいの曲を叩くメロコアのドラマーでした(笑)。

CHiCO ギターかベースの方だと思っていました、意外!(笑)。

「歌がいい!」とミュージシャンも絶賛

――ボーカルレコーディングはjon-YAKITORYさんのディレクションだったそうですが、いかがでした?

jon-YAKITORY レコーディングを一通り終わってラフミックスを聴いていたときに、CHiCOさんに「体育会系のレコーディングですね」って言われたのを覚えてます。

CHiCO あ、はい。テイクを間髪入れず、「もう1回!」って続けていくところが、Gom(HoneyWorks)さんに似ていて、なんだか懐かしかったです(笑)。

jon-YAKITORY 次はここをこう変えて歌ってみよう、というのをクールダウンしないうちに、やったほうがいいかなと。僕自身も、そのほうが歌いやすいので。でも、考えてみるとそのやり方って、多分、CHiCOさんくらい喉が強かったり、歌い慣れてる人だから通用するんだなと(苦笑)。

CHiCO どうなんだろう……私は、jon-YAKITORYさんのテンポがすごくわかりやすくて良かったですね。1テイク歌い終わってしばらく間があったりすると、「えっ、今の大丈夫なのかな?どこが良くてどこが悪いのかな……」って不安になってしまうので。

jon-YAKITORY 僕もそう!それ、陰キャあるあるなんですよね(苦笑)。

CHiCO わかる!私も陰キャなので!(笑)。

jon-YAKITORY ブースの向こうでスタッフさんが何かごにょごにょやってから「OKです」って言われても、「……本当にOKなんですか……?」って内心思うじゃないですか。ディレクションする側がそういうふうに感じさせるのは良くないと思うので、テンポ良く進めることは気にしますね。

CHiCO 優しさ!私も結構スロースターターで、歌っているうちに調子が出てくるタイプなので、jon-YAKITORYさんのディレクションは、とてもやりやすかったです。

jon-YAKITORY 出来上がった音源を、この曲のギターやベースを弾いてくれた人たちに聴かせたんですけど、みんな「しかし、歌上手いな!!」って言っていて。普段は「いいミックスになったね」くらいしか感想を言わないんですけど、「歌がいい!」ってみんな盛り上がっていました。

CHiCO 嬉しい!ありがとうございます!

jon-YAKITORY “馬鹿は相手にしたくない”とか、歌い上げる感じもすごく良くて。CHiCOさんの歌は、ピッチも正確だし、歌い方を提案するとすぐに次のテイクに活かしてくれる。テクニックの部分も安定しているので、心配要素は何もなかったです。

次のページ:もし次にコラボがあれば電波ソングに挑戦したい

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