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2024.07.30

ミクスチャーロックバンド・FLOWが創ったアニソンロックフェス“FLOW THE FESTIVAL 2024”、濃密な2日間の模様をレポート!

ミクスチャーロックバンド・FLOWが創ったアニソンロックフェス“FLOW THE FESTIVAL 2024”、濃密な2日間の模様をレポート!

『NARUTO』が繋ぐ絆。FLOWが渡した音楽のバトンが開花する。

KANA-BOONのステージが幕を開ける。唸るギターに轟くドラムの音が追随すると「ウォー!」と会場から歓声が沸き上がる。「待たせたなぁ!」とボーカル・ギターの谷口 鮪が腕を高く上げた。この日のメンバーは谷口、ベースの遠藤昌已に加え、ギターにヨコイタカユキ、ドラムに関優梨子という4人編成、第一声となったナンバーはTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期「文化祭編」のOPテーマ「スターマーカー」。軽快なロックンロールが晴れやかに広がっていく1曲に続いたのは、「Torch of Liberty」。TVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』の第2クールOP主題歌であり、滑走していく森羅たちの姿が見えるような勢いあるロックンロールがフロアをヒートアップさせていく。届く歌声と共に揺れるペンライト。谷口の声も躍る。「ヘーイ!楽しんでますかー?いやぁ、めでたいですね。“FLOW THE FESTIVAL”が初開催ということで、しかもその初日に出演できることを嬉しく思います。今日参加しているあなたも誇りに思いましょう!」と告げるとフロアからは大歓声が。「盛り上がる準備はしっかりしてきたので、まだまだこんなものではFLOWまで届けられません。ずっと俺らが2時間くらい(ライブを)やることになります。なのでもっと盛り上げてくれますか?」と言うと、一緒に踊ろう、とダンサブルなロックナンバー「フルドライブ」へ。谷口の「歌え!」の声で大合唱が会場を震撼させる。「タオルぶんぶん回す、準備はOKですか!」の声でオーディエンスはステージへ向けてタオルを高く上げてみせる。そしてTVアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』のOPテーマ「ソングオブザデッド」を、アニメ映像と共に響かせる。映像と楽曲のシンクロが見事な1曲。タオルもぶんぶんと激しく回され、横浜に風を巻き起こした。続いたのは伸びやかなギターの爽快な音色が会場を席捲していく「ないものねだり」。ステージの端まで歌いに行く谷口にオーディエンスも楽し気に踊る。「実は俺、中学生の頃にFLOWの『GO!!!』のシングルを買ってるんですよ。そうやって音楽というのは、10代の頃から今、34歳なんですけど、ここに至るまでたくさんの先輩とかもっともっと先輩の偉人たち、バッハやモーツアルト、色んな遺伝子を抱えて僕らはここに立っています」と話す谷口。「きっとあなたも今日、持ち帰って明日に繋ぐ。頑張ろうかなって思ってくれる。そんなふうに思ってもらえたら幸いです」と話すと、そんな想いのバトンを渡す1曲「バトンロード」が鳴り響く。TVアニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』の始まりを飾ったナンバーを、オーディエンスと共に歌い上げる。「GO!!!」から受け取ったバトン、そして『NARUTO』から受け取ったバトンが今、歌となってぴあアリーナMMに集う人々に渡される。そしてラストの「シルエット」はサプライズゲストがステージへ!FLOWのKEIGOとKOHSHIが呼び込まれ、新旧『NARUTO』ソング代名詞の2バンドによる豪華共演で会場を火の意志で繋いだ。バンドのピンチにはいつも『NARUTO』がいたFLOWが、『NARUTO』の曲で新たな一歩を踏み出すKANA-BOONと『NARUTO』の歌を奏でる。そんな瞬間に胸が熱くなった。

フェスに唯一参戦のアニソンシンガーがステージで見せた“意義”

赤いペンライトの光が揺れるフロアに迎えられたのはオーイシマサヨシ。TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』のOP主題歌「インパーフェクト」からライブをスタートさせた。ヒーローソングさながら、ポジティブな想いが宿るドラマチックなナンバーが会場を熱くすると、続いたのはTVアニメ『けものフレンズ』のOPテーマでどうぶつビスケッツ×PPPが歌唱した1曲「ようこそジャパリパークへ」。この曲は大石昌良名義で作詞、作曲、編曲を担当した提供曲ながら、オーイシマサヨシのアルバム『仮歌』にフルコーラスでセルフカバーを収録したことでさらにファンを増やしたナンバー。会場一体も「ガオー」と振りつきで獣のように踊って大騒ぎに。「どうもアニソン界のおしゃべりクソめがねことオーイシマサヨシです!と第一声を上げると、フロアから「帰れーーっ!」の怒号(お約束)。「あれあれあれ?“FLOW THE FESTIVAL”、治安が悪いねぇ?(これもお約束)」と言うオーイシに「フゥ~!」と歓声が沸くと「“フゥ~!”ちゃうで(笑)?」とオチをつける。「タイムテーブル、どないなってるの?思ったやろ?今、トリ前なんですけど、FLOWのフェスなので、トリ前が実質トリみたいなところがあるじゃないですか。え?ビビったけど。でもこれはFLOWからのメッセージなんだと僕は思っています。オーイシマサヨシならトリ前、いや!実質トリを任せても大丈夫やろ、ということでバトンを渡していただいたからには、僕としてもその期待に応えたいと思いました」という。自身の楽曲として歌唱する曲のみならず、提供曲を仮歌としてセルフカバーして披露するセットリストとなっているオーイシ。歌う曲のすべてがアニソンという彼が続いて響かせたのは「最近作った曲でフロアがブチあがりそうな曲」、TVアニメ『【推しの子】』でB小町が歌う「サインはB」を『仮歌』バージョンで。ダンスもステップも、B小町が憑依したようなかわいらしいステップと振付と共に歌い上げれば、会場はアイドルコンサートのような掛け声も入って、まさにオーイシが言う通りの“ブチあがり”を見せた。「かわいい~!」の歓声に「44歳への“かわいい”はちょっと悪口やで?」と苦笑するオーイシだった。続いたのはTVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』のOP主題歌「なまらめんこいギャル」へ。「今日は本当にたまたまなんですけどね、この曲の公式ダンサーズがいるんですよ。とっておきのオタクたちがいて……」とREAL AKIBA BOYZを呼び込む。ソウルフルなポップチューンでRABと一緒にキレのあるパフォーマンスを見せ、コール&レスポンスでは会場に一体感を呼ぶ。ジャジーなセッションを響かせるバンドメンバーを紹介すると、そのままライブはTVアニメ『コップクラフト』のOP主題歌「楽園都市」へ。軽やかなサウンドと躍動するコーラスワークでゴージャスかつノスタルジックな楽曲に、オーディエンスもペンライトを右へ左へと揺らす。「FLOWじゃなきゃダメみたいー!」の声で始まったTVアニメ『月刊少女野崎くん』のOPテーマ「君じゃなきゃダメみたい」は躍動感に満ち溢れ、会場からもコーラスが響く。「今日は“FLOW THE FESTIVAL”ということで、素晴らしいロックバンドがひしめくなか、オーイシマサヨシ、ソロで参加させていただきました。今日、めっちゃ意味のある1日になってるねん。頭から通して見ていて、ロックバンドが奏でるアニソン、めっちゃいいなって正直思った。かっこ良かった。ただ、アニソンシンガーが奏でるアニソンも良くなかった?」と問いかける大歓声の同意の声。これからもアニソンシンガーとして自分の信じた道を突っ走っていく、と強い声で宣言すると、ラストは劇場版『グリッドマンユニバース』の主題歌「uni-verse」をアニメ映像と共に歌い上げる。『GRIDMAN』と『DYNAZENON』のクロスオーバー作品として話題をさらった作品を彩ったドラマティックでゴージャス感ある爽快ポップチューンは、ロックバンド×アニソンのクロスオーバーフェスに光を注いだ。

転換のエンターテンメント。食事もエンターテインメント。これぞFLOWのフェス!

このフェスではバンドとバンドの間にある転換の時間にサブステージでも様々なコーナーが繰り広げられ、ファンにとっては目の離せない時間となっていた。最初と最後に登場したのは2023年の“アニメ縛りフェス”でも好評だったクリエイターズトーク。今回はニッポン放送・吉田尚記アナウンサー、“Animelo Summer Live”の統括プロデューサーである齋藤P、音楽評論家・プロデューサーの冨田明宏が登場し、オーイシのステージにも登場したREAL AKIBA BOYZは世界を震撼させるダンスパフォーマンスで会場のファンを唸らせる。特筆すべきはDJタイムを担った凛として時雨のピエール中野だ。始まりこそアニソンを繋いでフロアのオーディエンスを踊らせていたものの、本人も歌い出し、ラストの嵐「A・RA・SHI」ではサクラップも披露。最後の一音まで、恍惚とした表情を浮かべながら歌い上げ、会場を沸かせた。そして物販紹介コーナーではTVアニメ『サムライフラメンコ』の主人公・羽佐間正義(CV:増田俊樹)による、笑いあり、コール&レスポンスありのコーナーで楽しませ、ライブだけではない様々なエンターテインメントが詰まるからこそのフェスを感じさせた。さらに会場内の飲食ブースでは、FLOWのメンバーのコラボ商品が並び、屋内フェス型のフェス飯でも観客を楽しませた。会場にやってくるファンが隅々まで楽しめる、そんなFLOW流のフェスが“FLOW THE FESTIVAL”なのだ。

フェスならではのコラボステージを連発!特撮ソングまで飛び出したFLOWのステージ

フェス初日の最後を飾ったのはFLOW。TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマ「GOLD」をラウドに響かせる。「横浜、楽しんでるかーい?かれこれ6時間を超えているんですが、まだ我々と遊んでくれますか?」とKEIGO。オーディエンスを座らせると、全員で“今日一番デカいジャンプ”を見せるべく、一斉にジャンプをして、フェス会場を揺らす。続けてTVアニメ『NARUTO-ナルト-』のOPテーマ「Re:member」ではフロアの大合唱、とライブの熱気は増していく一方だ。そしてこの日の開幕宣言、アーティストの名前のコールを担当したルルーシュの物語に寄り添ってきた「COLORS」。TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』前期OPテーマである曲だからなのか、フロアには青、紫、赤、緑の光が揺れる。ルルーシュを、スザクを、C.Cを、ナナリーを思い起こさせる色。それらの光のなかでカラフルに色づく歌を放つと、「どうも、俺たちがFLOWです!」とここでようやく名乗ったKEIGOに会場の歓声が応えた。「初めて、フェスができたぞー!」という魂の叫び。「最初から最高すぎやしませんか!?」と問いかければ、同意の声が返ってきた。ここまでで既に公演時間は6時間を超えているにも関わらず、オーディエンスのパワーが落ちていないことに驚愕するKEIGO。しかし「もっともっとやれるか!?」と煽ると、さらにTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』のOPテーマ「WORLD END」が響く。ストリングスの旋律と疾走するメロディが壮大に広がり、ぴあアリーナMM全体からの大合唱となって会場を席捲していく。主人公・羽佐間正義(CV:増田俊樹)が物販紹介コーナーを担当していたTVアニメ『サムライフラメンコ』のOPテーマで、軽快なスカビートでのドラマチックな「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」ではREAL AKIBA BOYZがロングウルトラオレンジを手に突入してきて、オタ芸ダンスパフォーマンスで盛り上げる。

続く「Hey!!!」ではオーイシマサヨシをゲストに迎えスペシャルコラボが実現!TVアニメ『べるぜバブ』のOPテーマであるアッパーなロックンロール曲で、KEIGO、KOHSHI、オーイシのシャウトの豪華共演にフロアも大興奮!憂いなんてすべてを吹っ飛ばしていくように歌声がIWASAKIのドラム、そしてGOT’Sのベースの刻むビートと、TAKEの駆けるギターの音と共に昇っていった。「ヤバイね」とそのテンションにKOHSHIも思わず声が出る。「皆さんも、今日出てくれた皆さんも最高なんですよ」と続けた。「このフェスができるのも、20年バンドを続けさせてもらって、色んな人たちと音楽を通じて、ライブを通じて繋がってこられた結果だなと思っています。皆さんともそうです。ライブで、曲で繋がってこられたから、今こうやって初めてのフェスにこれだけの人が集まってくれて、ど頭からずっと盛り上がって、最高の時間を作れているんじゃないかと思います」と感謝を告げるKEIGOに拍手が向けられる。20年やっていてもまだ挑戦できることがある。これからも挑戦を続けて、まだ見ぬ景色をファンと見たい、と「光追いかけて」を披露。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」のテーマソングをオーディエンスと一緒に力強く歌ったところで、会場の照明が暗くなる。スクリーンではシークレットアーティストの登場を知らせる映像が。そのアーティストはBACK-ON!歓声のなかTEEDAとKENJI03が登場。「アニソンロックフェスと言っていますが、特撮ソングやっちゃっていいですかー?」と叫ぶKEIGO。「仮面ライダーガッチャード」の主題歌「CHEM Y×STORY」をBACK-ON×FLOWでアフレッシヴに歌い上げる。土曜日のこの夜に、早めのニチアサタイムだ。そして、この夏公開の映画「仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク」の主題歌「THE FUTURE DAYBREAK」を世界最速披露し会場を盛り上げた。スペシャルなコラボのあとにはFLOWとオーディエンスとで「GO!!!」!フェス会場を使ってのウェーブはきれいにキマり、ここまでファンとFLOWが作ってきた“「GO!!! 」の景色”を堪能させた。そして世界中で愛される「Sign」ではアニメの映像も相俟って、歌い上げる観客1人1人もきっとナルトの、あのときの戦いに、あのときの別れに、想いを馳せたことだろう。アニソンが連れてくる思い出や景色。大切にしてきた楽曲で共に声を上げられる、そんなフェスとなった。

 

  

 

  

ラストはこの日の出演者が1組ずつ呼び込まれ、FLOW×GRANRODEOの「7-seven-」を全員で披露。TVアニメ『七つの大罪』の主題歌を歌うために2014年に結成されたスペシャルユニットが、10年の時を経て、フェス出演者たちのパワーを得て、さらに大きな力を宿す。広いステージが小さく見えるほど、それぞれのアーティストが存在感を放って響かせた1曲を、会場も一緒に歌い、デビュー20年を超えたバンドの“初めての挑戦”であるフェス初日は幕を閉じたのだった。

<FLOW セットリスト>
GOLD
Re:member
COLORS
WORLD END
愛愛愛に撃たれてバイバイバイ with REAL AKIBA BOYZ
Hey!!! with オーイシマサヨシ
光追いかけて
CHEMY×STORY with BACK-ON
THE FUTURE DAYBREAK with BACK-ON
GO!!!
Sign
7 -seven-(オールラインナップコラボレーション)

次のページ:来年はライブステージで歌いたい!Welcome actが2日目のケイデンスをアゲる

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