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INTERVIEW

2024.07.28

FLOW、MOMIKEN・UZ(SPYAIR)、片岡健太・小川貴之(sumika)、中村未来(Cö shu Nie)ら豪華作家陣を迎えたCHiCOのソロ1stアルバム『CONTiNUE』リリース!

FLOW、MOMIKEN・UZ(SPYAIR)、片岡健太・小川貴之(sumika)、中村未来(Cö shu Nie)ら豪華作家陣を迎えたCHiCOのソロ1stアルバム『CONTiNUE』リリース!

今年8月でアーティストデビュー10周年を迎えるCHiCOが、ソロ1stアルバム『CONTiNUE』をリリース!DECO*27、大塚 愛、白神真志朗・堀江晶太がクリエイターとして参加したCHiCOソロワークスからの代表曲4曲に加え、新曲としてFLOW、MOMIKEN・UZ(SPYAIR)、片岡健太・小川貴之(sumika)、中村未来(Cö shu Nie)、jon-YAKITORY、tepe、ひびね。など、豪華な顔ぶれのアーティスト/クリエイターが楽曲提供したフレッシュな7曲を収録。“今まで見たことのないCHiCO”がシンガーとしての実力を遺憾なく発揮し、“新たな名刺”を渡してくれた。

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

デビューから10年、CHiCOの物語はずっと『CONTiNUE』する

――アーティストデビュー10周年のファンへのプレゼント『CONTiNUE』は、なんとも豪華な1stアルバムになりました。今年2月、1stEP『PORTRAiT』のリリース時には、では、CHiCOソロの名刺代わりになる1枚ができたとおっしゃっていましたが、今回のフルアルバムは、どんな1枚になりましたか?

CHiCO それは『CONTiNUE』というタイトルに込めました。CHiCOソロとしての1stアルバムで、リリースタイミングもデビュー10周年の日にとても近いんですね。10周年はとても大きな節目ですし、CHiCO with HoneyWorks からCHiCOソロへと環境は変わったかもしれないけれど、そこでリセットされるわけじゃない。CHiCOとして歌い続ける“私の物語”は、これまでずっと続いてきたのと同じように、これからも続いていくんだよという意味で。色々な要素を考えつつ模索して、『CONTiNUE』という言葉に辿り着きました。実際、完成して聴いてみたら、皆さんに書き下ろしていただいた新曲も、去年から歌っている曲も、最終的には向かっているところは全部一緒だなと思えて。俯瞰して見るとどの曲も“続いていく”ものにすべてが関連づいていて、個人的にもすごくエモいです(笑)。

――ソロ活動を始めてからは、多彩なクリエイターと楽曲制作をされていますが、この『CONTiNUE』にも錚々たる作家陣が顔を揃えました。どの方に楽曲をお願いするかは、どのように考えていきましたか?

CHiCO 今までと同じようにCHiCO with HoneyWorks時代を含めてCHiCOとご縁がある方で、アニソンにもご縁のある方々で……というコンセプトは変わらずあるんですけど、特に今回は、私がとても気になっているクリエイターの方だったり、この方の曲をぜひCHiCOに歌わせてみたい!というスタッフさんの推薦だったり、色々な角度からお声がけをさせていただきました。とても豪華な方々とご一緒させていただいて、まだ自分自身が驚いています(笑)。ポップな曲はもちろん、私がずっと聴いてきたボカロテイストの曲、ダンサブルな曲も歌いたいし、CHiCOソロではあまりやってこなかったライブでガンガン盛り上がるロックも欲しい。CHiCO with HoneyWorksではやってこなかった、CHiCOソロならではの楽曲を作っていただける皆さんに、お声がけしました。

あのFLOWと初めて本格コラボした「我物語」

――特に新曲7曲に関しては、ロックバンドとのコラボレーションに驚きました。「我物語」(われものがたり)はFLOW、「インパーフェクト」ではSPYAIR のMOMIKENさんとUZさん、「Noel」はsumikaの片岡健太さんと小川貴之さん。CHiCOさんがおっしゃった、“ライブで盛り上がるロック”にドンピシャの曲が揃いましたね。

CHiCO そうなんです。今挙げていただいた3組は、皆さんアニメの主題歌もたくさん担当されていますし。でも、バンドの皆さんはご自身のバンドのためにまず曲作りをされているので、そもそもCHiCOに楽曲提供をしていただけるイメージが、私の中にまったくなかったんです。この世界に入る前から、いちアニソンファンとして大好きでしたし……皆さん恐れ多いというか(苦笑)。でも、せっかくの機会だから楽曲提供をお願いしてみよう!とマネージャーさんが言ってくれて、私の大きな夢が叶ってしまいました。

――MVが最初に公開された「我物語」は、ボーカルにKOHSHIさんとKEIGOさんも参加され、ただの楽曲提供に留まらないCHiCO×FLOWの新たなコラボレーションが実現しました。こうしてガッツリと他のアーティストさんと音源でタッグを組むのは初ですね。

CHiCO そうなんです。じゃあどんな曲を書いていただこうかと思った時、一番最初にイメージしたのは、FLOWさんの「GO!!!」とFLOW×GRANRODEOさんの「7-seven-」。そういう曲をぜひ!とリクエストさせてもらって、無条件に盛り上がる曲にしていただきました。

――人生は物語だから“俺は俺を生きる”“君は君を生け”と、強い決意が描かれている歌詞は、KOHSHIさんとCHiCOさんの共作になりました。

CHiCO はい、本当に光栄なことで。せっかくコラボさせていただくなら、私もチャンレジしてみたいと。KOHSHIさんが落ちサビのところを空白にして歌詞を書いてくださって、そこに私の言葉を加えさせてもらったんです。

――そのCHiCO作詞パートは、苦難を乗り越えて、生きた証を刻みたい。交わした拳で新時代を掴もうと歌っていますね。

CHiCO FLOWさんとCHiCO、違う世界観を歩んできた2つがクロスオーバーしてコラボできたことで、この「我物語」の物語が生まれたのは、本当に奇跡なんだぞ!という気持ちを込めました。FLOWさんの「GO!!!」は、私にとっても思い入れのある『NARUTO -ナルト-』の楽曲でもあるので、『NARUTO』のイメージから“拳”という言葉も入れて。このコラボが、世界を変えるキッカケになればいいなと。

――MVにもレコーディング風景が収録されていますが、FLOWメンバー全員が揃ってくれました。

CHiCO 今まではアーティストとしてのFLOWさんしか知らないので、終始緊張してたんですけど、 皆さん気さくに話しかけてくださって。作曲・編曲のTAKEさんが、ボーカルディレクションもしてくれたんですけど、私の緊張をほぐしながら、優しく明るく! KEIGOさんのラップもKOHSHIさんの歌もすごい迫力で、全員でコーラスもやらせてもらって……私はずっとふわふわしていました(笑)。

――6月末に開催されたFLOW主催のアニソンロックフェス“FLOW THE FESTIVAL 2024”2日目にもシークレットゲストとして出演し、「我物語」コラボを初披露したのも話題でしたね。

CHiCO 熱い楽曲なので、その勢いのままご一緒させてもらったんですけど、まだMVも公開されていないタイミングだったのに、お客さんが本当に温かくて、めちゃめちゃ盛り上がってくれました。本当に感謝です。

SPYAIR、sumikaからはテイストの異なるロック曲が!

――ロック曲ではSPYAIRのMOMIKENさん作詞、UZさん作曲・編曲の「インパーフェクト」も、ライブ映えしそうな、硬派でキャッチーなミクスチャーロックナンバーです。

CHiCO SPYAIRさんらしいゴリゴリなロックサウンドをリクエストさせてもらいました。私がライブ中に感じていること、歌っているときに思っていること、CHiCOの“ライブあるある”とか、色んなものを書き留めてMOMIKENさんにお渡して、“ライブ”をテーマに歌詞を書いていただきました。最初は、女性が歌うことを意識してくださった歌詞だったのですが、私からもさらにリクエストをさせてもらって。かなり強めなフレーズだったり、私のちょっとポンコツなところだったり(苦笑)、聴いてくれるみんなの手を引っ張るようなイメージを加えていただいて、お互いが納得いくラインをすごくやり取りしながら完成しました。

――ライブがテーマの楽曲らしく、コール&レスポンスができるパートもすごくかっこいい。英語詞もキマっています。

CHiCO はい、ストレートに煽る英語のフレーズが印象的なので、私もカタコト英語にならないよう、かっこつけて歌いました(笑)。レコーディングにもMOMIKENさんとUZさんが来てくださって。一緒にどう歌うかを考えていただきながら進めていったんですが、元々の楽曲がすごくパワーがあってノリが良いので、結構スムーズに録り終えることができて、良かったです!

――sumikaの片岡健太さんが作詞、小川貴之さんが作曲を手がけた「Noel」は、sumikaさんらしい抜けのいいサウンドが突き抜ける、爽やかな疾走感が魅力のメジャーロックです。

CHiCO 「Noel」は、文字だけ見るとクリスマスのイメージがあると思うんですが、そうではなくて。もともとはラテン語の“誕生”という意味からできた言葉なので、そちらの意味で片岡さんがタイトルにしてくださいました。CHiCO with HoneyWorksの曲に「それいけ!サラリーマン」という楽曲がありましたが、それとテーマは近くて。毎日は大変だけど、肩の力を抜いて……でも抜きすぎるんじゃなく、いい意味でシャキッとできる、私はTVアニメ『ヲタクに恋は難しい』のOPテーマだった「フィクション」などのsumikaさんバンドサウンドが大好きなので、明るくて爽やかな曲をお願いしました。

――歌詞の世界がとても優しくてしなやかですよね。そこに元気をもらえます。

CHiCO はい。私、1番のBメロの“子供が絵を描くようにして 好きなことを深追えば 無邪気が消えてゆく孤独 大人になる度に増える傷”というパートが印象的で。大人が追求するやり方と子供では、同じことしているハズなのに、見えてくるものが違う。知識を得ていくと無邪気さって消えていくな……と、自分の中にも葛藤が生まれてくるんですよね。そういう世界の表現に、すごく刺激を受けました。

――だから気持ちを楽にして、好きなことをしていく自分になろうと。

CHiCO そうですね。こんな自分じゃなかったのにな……みたいな後悔を残さないように、好きなことを抑えず、もっと気楽に毎日生きていけたらいいよね、という歌にしてほしいとお願いしたんです。sumikaさんとはコロナ禍の配信イベントのライブ収録日が同じでご挨拶をさせてもらったことがあり、曲をいただいたら、私のこと見透かしてました?と思うくらいぴったりの歌詞と曲になっていて。sumikaさんってすごい!とびっくりしました。

Cö shu Nie・中村未来が描くミステリアスな女性像も

――Cö shu Nieの中村未来さんが作詞・作曲・編曲を手がけた、スタイリッシュな「Butterfly Night」も非常に印象深いです。中村さんの独特な世界観と繊細で重層的なメロディとサウンドが融合しています。

CHiCO 中村さんとは直接お話をさせていただいたんですけど、最初はラブソングがいいかなと思っていたんです。でもラブソングしすぎたくはないし、やっぱり今回のアルバムは10周年のタイミングなので、聴いてくれるみんなのことも書いてもらえたらいいな……というリクエストをさせてもらいました。

――ファンの皆さんの視点ですか?

CHiCO 10年間音楽活動をしてきて一番思うのが、色んな人たちの力があって、ファンの皆さんの応援もあっての今だなということなんですね。だからこそ、アーティストとしてのCHiCOは、みんなにとって「目が離せないな」「面白いな」「魅了されるな」と思ってもらえる存在でありたいんです。中村さんとの打ち合わせでは恋愛メインのお話をしたんですけど、「Butterfly Night」を送っていただいたとき、中村さんが「CHiCOさんがファンの方をすごく大事に思っていると感じられたので、そういうファンの皆さんを引っ張っていけるような、訴えるような歌詞にしました」と言ってくださいました。

――魅惑的な歌詞の言葉選びも曲調も、今までのCHiCOナンバーにはない、大人っぽさがありますね。

CHiCO そうなんですよ!明るく元気にみんなを引っ張る曲は、今までも歌ってきたけれど、こんなにミステリアスな要素が強くて、誰かを誘うような世界観は初めてなので……こういう曲が似合う女性になりたい!って思いながら、レコーディングしました(笑)。中村さんのような歌い方は私の憧れなんですけど、自分らしさを失ってしまうのは違うと中村さんも言ってくれたので、曲にふさわしい雰囲気も意識しつつ、CHiCOらしさも出しつつ、歌わせていただきました。

次のページ:個性の異なる人気ボカロPとのコラボレーション楽曲も

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