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2024.07.27

楠木ともり、シユイ、棗 いつき、はしメロの4組が熱演!ライブイベント“リスパレ!LIVE vol.1”DAY1最速レポート

楠木ともり、シユイ、棗 いつき、はしメロの4組が熱演!ライブイベント“リスパレ!LIVE vol.1”DAY1最速レポート

アニメ音楽メディア「リスアニ!」と大阪のラジオ局・FM802のラジオ番組「802 Palette(ハチパレ)」がタッグを組んだ新たな音楽メディア「リスパレ!」がプロデュースするライブイベント“リスパレ!LIVE vol.1”。大阪・心斎橋BIGCATで2日間に渡って行われる同ライブのDAY1公演が、本日7月27日に開催され、楠木ともり、シユイ、棗 いつき、はしメロの4組がボーダーレスな共演を繰り広げた。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY ハヤシマコ

アニメ・ゲームカルチャー・ネットミュージック、そしてその枠を越えた様々なアーティストの魅力を、“文字(インタビュー/コラム記事など)”や“波(ラジオ番組)”を通して発信するメディア「リスパレ!」。今回のライブには、そんな「リスパレ!」が今聴いてほしいアーティストを独自の視点で選出した“リスパレ!チョイス”の面々を中心に、話題のアーティストたちが集結。ポップミュージックの最前線を体感できるイベントとなった。

まずは「ハチパレ」のパーソナリティ・豊田穂乃花がオープニングの挨拶をすると、ついにライブが開幕する。

DAY1のトップバッターを飾ったのはシユイ。2021年1月より「歌ってみた」動画の投稿を中心に活動を始めて以降、数々のボカロPとのコラボレーションで注目を集め、2022年にメジャーデビューしてからもアニメタイアップを含め幅広く活躍する、人気急上昇中の歌い手だ。

彼女の魅力は、様々なタイプの楽曲を自在に歌いこなす歌唱力の高さと圧倒的にエネルギッシュな歌声。この日のライブでは、初っ端からDECO*27提供のアグレッシブなロックナンバー「ラブコール」(TVアニメ『アンデッドアンラック』第2クールOPテーマ)を投入し、アニメーションMVを背にしながらステージ中を動き回り、パワフル極まりないボーカルで会場の熱気に火を付けると、和の要素がフックとなったアッパーチューン「べらべら」を立て続けに歌い、まるで自らの存在証明を叩きつけるように強烈なパフォーマンスをお見舞いする。客の煽りも手慣れたもので、一緒に歌うようにうながして“雷雷雷”コールを引き出す。かと思えば栗山夕璃が書き下ろしたライブ初披露曲「麗春花」ではレイドバックした世界観に合わせてシックな歌声を披露。サビでの浮遊感あるファルセットが会場に心地良い空気感をもたらす。

MCでトップバッターを任された喜びと感謝を伝えると、彼女の名前が広く知られるきっかけとなったjon-YAKITORYとのコラボレーション楽曲「ONI」を歌唱。赤々としたライト演出のなか、ドスの効いた歌い口で“鬼”を呼び覚ます。続くドラマ「墜落JKと廃人教師」のオープニング主題歌「君君舞」では、手拍子やワイパーなどで会場の気持ちを1つにする。そして最後は、彼女のメジャーデビュー曲であり、ryo (supercell)のサウンドプロデュースにより誕生したアンセムロック「君よ 気高くあれ」(TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』EDテーマ)を、まさに気高く凛としたステージングで堂々と歌い上げ、パフォーマーとしてのポテンシャルの高さを示した。

2番手は、自ら作詞・作曲・トラックメイキングなどをこなすほか、シンガーとしても様々なアーティストの楽曲にフィーチャリング参加する新世代ポップスター、はしメロ。移動式の紗幕と共にステージに登場した彼女は、TVアニメ『うる星やつら』第3クールOPテーマとして話題を集めたMAISONdes「ロックオン feat. はしメロ, 巡巡」でライブをスタート。いきなりの人気曲で会場を盛り上げると、続けて同じくMAISONdesとして作詞・作曲・歌唱で参加した2023年のバズヒット曲「けーたいみしてよ feat. はしメロ, maeshima soshi」を披露して、ファニーだけどどこかいたずらっぽさを感じさせる、彼女らしいポップな世界をBIGCATのステージに展開する。客席からはシルエットでしか姿を確認できないが、その歌声と存在感は本物だ。

さらにここからは、彼女自身が作詞・作曲したソロ名義の楽曲が続く。疾走感と焦燥感に満ちたギターロック「わるいゆめ」を歌ったかと思えば、軽い挨拶を挿んだ次のブロックでは、ダンサブルに可変するリズムと和風のメロディが融合した「安泰」、哀切感に満ちた歌声がレイジーな雰囲気を演出するはしメロ流トラップソウル「mine」で揺らぎの時間を演出する。バラエティに富んだ曲調と世界観が彼女の持ち味だ。

その後のMCで、現在放送中のドラマ「彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる」のオープニング主題歌となっている新曲「パレット」について告知すると、その楽曲をさっそくパフォーマンス。MIMiNARIの編曲によるドラムンベースの要素を取り入れた開放感あるサウンドと愛らしくも伸びやかな歌声に、オーディエンスは身を踊らせて楽しむ。そして愛を求める女の子の心情をキャッチ―なラップと共に表現した人気曲「ナイナイラブ」を歌うと、最後はどこかで聞き馴染みのあるフレーズをモチーフにしたローファイヒップホップ調の「f=ma」で締め。あらゆるジャンルを自由に横断する彼女のポップセンスが光るステージだった。

豊田と「リスアニ!」の編集長・馬嶋 亮によるライブグッズの紹介に続いては、リアルとバーチャルを行き来するインターネット発のシンガー、棗 いつきが登場。同人音楽のシーンを中心に活躍し、3Dアバターを使ったバーチャルでの活動も行っている彼女だが、今回はリアル(生身)でステージに立つ。1曲目から堀江晶太が作曲・編曲で参加したハードなエレクトロニコア「ストラゴヴィゴス」を激しいアクションを交えながら、全身全霊で歌い上げ、甘い声質の中に刺激を忍ばせたキャッチ―な歌声の魅力を存分にアピール。会場のペンライトは一面、彼女のイメージカラーのイエローに染まり、熱狂的なコールが巻き起こる。

元気いっぱいなMCに続いては、クールさと情熱を併せ持ったロックチューン「ハッピーエンフォーサー」を歌唱。“都市伝説”をモチーフにした5thアルバム『HAPPY ENFORCER』の表題曲となるこの楽曲、アーティスト活動において“物語性”を大切にしている彼女らしい、聴き込むほどに奥行きの広がるストーリーが、ステージ背面に映し出されたリリックビデオと共に表現され、オーディエンスもその世界観にどんどん惹き込まれていく。

さらに橘 亮祐と篠崎あやとのコンビ提供によるデジタルロック「Limitless」で、メタルコアやブロステップの要素を取り入れたゴリゴリな音の波にも負けない鮮烈な歌声を叩きつけて会場のボルテージを引き上げる。しっかりと予習してきたオーディエンスによる、サビの決めフレーズ“Limitless”の大合唱もすさまじい。そして最後はRD-Sounds提供の「Garbage Flower」を披露。7thアルバム『UNDERTAKER』の締めを飾っていたこの楽曲には、アルバムで描かれたストーリーと彼女自身の感情や願いが重なるように表現されており、徐々に視界が広がっていくような展開と歌声によって、エモーショナルな景色が描き出されていく。歌や音楽で物語を表現する彼女の強みが活かされた、まるでその物語の中に入り込んだ気持ちになれるライブだった。

そしてここで嬉しいサプライズ!なんとシユイと棗 いつきによるスペシャルなコラボレーションステージが実現する。棗がシユイの楽曲「君よ 気高くあれ」の「歌ってみた」動画を公開したことがきっかけで、SNS上でやり取りをしていた2人。その縁が結んだ初のコラボで歌われた楽曲は、TVアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』EDテーマとして知られるシユイの「ハピネス オブ ザ デッド」だ。シユイのエネルギッシュな歌声と棗の煌びやかな歌声が化学反応を起こして、普段とはまた違ったカラフルな「ハピネス オブ ザ デッド」に、観客もペンライトを色とりどりに灯して盛り上がる。2人で向き合って歌い合う場面もあり、この日だけの特別なコラボレーションとなった。

熱演が続く“リスパレ!LIVE vol.1”の1日目、そのラストアクトを務めたのは、声優/シンガーソングライターとして活躍する楠木ともり。演技から音楽活動までジャンルの垣根を越えて才能を発揮している彼女は、「リスパレ!」の趣旨にもぴったりのアーティストと言えるだろう。そんな彼女がこの日の一発目に持ってきたのは、TOOBOEが提供した衝動的なロックチューン「青天の霹靂」。自らの内にある負の感情をエネルギーに変えて気持ちを吐き出すその振る舞いに、オーディエンスは熱にあてられたように熱狂する。そこにさらなる火を加えたのが、彼女自身が作詞・作曲した「熾火」。ドラマチックに展開していくアレンジ、それに伴って燃え上がるほどの熱を帯びていく歌声。感情を表現する術に長けた楠木だからこその、息を呑むほどの迫力と爆発力に満ちたステージングだった。

迫真のパフォーマンスから一転、親しみのあるMCでひと息入れると、今度はクールなラップパートを備えたベッドルーム系のポップチューン「MAYBLUES」へ。UKガラージ~2ステップ由来の軽やかなダンスビートに乗せて、柔らかなウィスパリングボイスで会場を優しく包み込む。その和やかな空気をシリアスに塗り替えたのが、彼女がリスペクトを公言するL’Arc~en~CielのTETSUYAが楽曲提供した「シンゲツ」。遥かな月に向けて願いを届けるように、高らかと歌い上げる楠木。彼女自身がタイアップアニメ『魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』に寄り添って書いた歌詞も相まって、真摯な歌声がより強く胸に迫る。

その後のMCで、8月10日に控える大阪城音楽堂でのワンマン公演の告知をした楠木は、締めの曲として「ハチパレ」でも度々オンエアされたという、チルテイストのミディアムポップ「もうひとくち」を披露。クラップで盛り上がるのが定番のこの楽曲、緩やかなグルーヴに乗せて淡い色合いの歌を届け、この場に集ったみんなと共に甘やかな時間を紡いでいく。ラストの“明日ね また明日ね”というフレーズでバイバイと手を振って、明日のDAY2公演への期待も高めるなか、“リスパレ!LIVE vol.1”初日公演は大団円を迎えた。

本日行われた7月27日(土)公演のセットリストは次のとおり。

<セットリスト>
シユイ
M1-1. ラブコール
M1-2. べらべら
M1-3. 麗春花
M1-4. ONI(jon-YAKITORY feat. シユイ)
M1-5. 君君舞
M1-6. 君よ 気高くあれ

はしメロ
M2-1. ロックオン feat. はしメロ, 巡巡(MAISONdes)
M2-2. けーたいみしてよ feat. はしメロ, maeshima soshi(MAISONdes)
M2-3. わるいゆめ
M2-4. 安泰
M2-5. mine
M2-6. パレット
M2-7. ナイナイラブ
M2-8. f=ma

棗 いつき
M3-1. ストラゴヴィゴス
M3-2. ハッピーエンフォーサー
M3-3. Limitless
M3-4. Garbage Flower

シユイ×棗 いつき
M4-1. ハピネス オブ ザ デッド

楠木ともり
M5-1. 青天の霹靂
M5-2. 熾火
M5-3. MAYBLUES
M5-4. シンゲツ
M5-5. もうひとくち


●イベント情報
「リスパレ!LIVE vol.1」

2024年7月27日(土)・28日(日)
開場:16時15分 開演:17時00分(予定)

会場
大阪・心斎橋BIGCAT
https://bigcat-live.com/

出演者(50音順)
7月27日(土):楠木ともり/シユイ/棗 いつき/はしメロ
7月28日(日):伊藤美来/こはならむ/Who-ya Extended/岬 なこ

チケット
スタンディング ¥6,600(税込)
※入場時ドリンク代別途¥600が必要

当日券販売情報
16時15分~会場当日券窓口にて販売
スタンディング ¥7,150(税込)
※お支払いは現金のみ
※入場時ドリンク代別途¥600が必要

【「リスパレ!」とは】
アニメ音楽メディアである「リスアニ!」と、大阪のラジオ局・FM802で、カラフルな音楽との出会いを描く番組「802 Palette」がタッグを組んだ新・音楽メディア。
アニメ・ゲームカルチャー・ネットミュージック、そしてその枠を越えた様々なアーティストの魅力を発信します。

関連リンク

リスパレ!公式サイト
https://funky802.com/lispale/

ラジオ番組「802 Palette」
https://funky802.com/site/blog/1625

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