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2024.07.25

ここにしかない、特別な空気感――南條愛乃、ライブツアー“南條愛乃 Live Tour 2024 ~LIVE of The Fantasic Garden~ supported by animelo”最終公演をレポート!

ここにしかない、特別な空気感――南條愛乃、ライブツアー“南條愛乃 Live Tour 2024 ~LIVE of The Fantasic Garden~ supported by animelo”最終公演をレポート!

観客との深い絆を感じさせる南條らしいステージ。そして「またね」の先に待っているものとは――

南條が退場したあとは残ったバンドによるインストパートへと突入。南條が歌ってきたElements Garden提供のキャラクターソングをモチーフとしたバンド隊の熱量のある演奏が披露され、それがエンディングを迎えると同時に、突如として星野によるライトハンドを含む火を吹くような高速フレーズが響きわたった。「MANIFEST」のイントロが号令となり、ライブもいよいよ後半戦に突入だ。南條は白いパンツスタイルに着替え、前ブロックまでの静かな展開から一転してアグレッシブな歌声を聴かせる。これも「ホレヴォ」と並んで難易度の高いとされるハイスパートな楽曲だが、それだけに南條を含むチームの充実度がわかるというもの。そこからの、これぞElements Gardenといえるダイナミックな展開を見せる「薔薇色Ethereal」でもアグレッシブなムードは続き、南條による新たなキラーチューン「閃 -Sen-」へと続いていく。このブロックに入ってからは観客のボルテージはグイグイと上昇していく楽曲が続くのだが、ここでの歓声はそれがピークに達したと思わせるほどすさまじく、性急なリズムのなかで観客と南條によるタフなパフォーマンスが展開されていった。

MCを挟んで再びツアーの日替わり曲へ。ここでは南條が担当したキャラクターソングを披露してきたが、この日は『グリザイア:ファントムトリガー』から、南條演じるマキの「この道をあなたと」を披露。清涼感あるロックナンバーで、時折聴かれるキュートなメロディがフレッシュな1曲だ。そして次が最後のブロックであること、そして最後の曲が『The Fantasic Garden』からの“あの曲”であることを告げられる。まずはパワフルなバンドサウンドが聴かれる「瓦礫に咲く花」、Elements Gardenらしいダイナミズムの「新世界」と『グリザイア』シリーズの楽曲で再度会場を盛り上げる。そして本編最後には、宣言通りの「trust myself」が披露される。最初の南條による、“この声が 届くように 途切れないように 言葉・祈り・願い 歌に乗せて”という歌い出しからしてテンションが高く、それを受けての観客は大歓声を送る。ダンサブルなビートのなかで南條のボーカル本線に加えて、観客のレスポンスが数多く用意されているこの楽曲。サビに向かうなかで南條もバンドも、そして観客のボルテージが高まっていくような構成となっている。それが最高潮に達したサビでは南條の力強い歌唱に背中を押された観客が、今度は南條にエネルギーを注ぐようなレスポンスを放ち、またそれを吸収した南條がさらなる力強い歌唱を響かせる……というような感情の交歓が渦巻くとてつもなくエネルギッシュな光景が見られた。彼女の代表曲の1つである「believe in myself」のアンサーとなるこの曲だが、これもまた南條愛乃にとって、そしてオーディエンスにとって新たなライブアンセムになったと確信させる瞬間だった。

この上なく熱量の高い本編を終えたあと、クールダウンする間もなく客席からアンコールのチャントが鳴り響く。若草色の衣装に身を包んだ南條が登場して始まったアンコールは、和のテイストがかっこいい「打ち上げて花盛り」からスタート。客席はペンライトで思い思いの色を灯し、タイトル通り花火のようにカラフルな空間を作り上げる。

その後のMCでは、南條が観客と記念撮影をしようとするところで、佐々木が突如「Happy Birthday」を弾き、7月12日に誕生日を迎える南條をサプライズでお祝い。客席から「おめでとう!」「かわいい!」「40歳!」といった声が飛び交うなかで観客と記念撮影をしたあとは、「きみを探しに」を短縮バージョンで披露。サビの最後での観客が“愛してる”とシンガロングするいつもの光景も、この日はより感情の高まったものに聴こえる。そこから「あなたの愛した世界」へと代表曲が続いていった。

最後のMCでは、「ライブ前はナーバスなるけど、みんなに会うと楽しくって、たぶらかされて……」と冗談混じりに話す南條。「ここは特別な空気感がありますね。ここだけの、集まった人たちの笑顔だったり、優しい空気。だから“またやろう”って思っちゃうんだけど」と改めてファンのエネルギーというものを実感しているようだ。それもあって「こういう関係性がずっと続けばいいなと、今日は密かに、何度もぐっとくるシーンがありました」と吐露した。そうした、「また次に繋がるようにという願いを私自身も込めて歌いたいと思います」という彼女の想いもたっぷり含んだこの日最後の曲は、『The Fantasic Garden』の最後に収録された「またねの魔法」。南條の気持ちを汲んだかのように、観客も一人ひとりが自分の選んだ色をペンライトに灯す。ポップなサウンドに様々な声が収められたこの楽曲では、やはり観客も南條にレスポンスを返したり一緒に歌ったりと、この日最後の空間を楽しく作り上げる。そうした、南條も観客もまさに「またね」とばかりに大きく手を振りながら見られる光景のなかでは誰もが笑顔で、ここにいるみんなでハッピーな結末を、そして未来を作り上げているようだった。

Elements Gardenとのコラボレーション作となった『The Fantasic Garden』を引っ提げた今回のツアーは、Elements Garden楽曲のみで構成されるという、今回のみのスペシャルなものとなった。その一方で改めて感じたのは、そうした珠玉の楽曲たちをフックに南條と、観客たちの絆の深さというもの。互いに気持ちを高め合い最高の空間を生み出すという、みんなで作るライブという南條愛乃オリジナルの空間というものがより強調されたステージも感じられた。昨年の10周年記念ライブも、あるいはその前の『ジャーニーズ・トランク』ツアーもその先の未来というものを感じさせるものだったが、『The Fantasic Garden』とそのツアーとは、そんな未来へ続く道のなかで南條愛乃の進化を見た、新しいかけがえのない場所だった気がする。

バンドが退場したあと、自身もステージをあとにしようとするとき、南條は「楽しかったな。また今日もみんなにたぶらかされました」と少し照れ臭そうに漏らした。最後は観客と大声で「またねー!」と挨拶をかわしてこの日を終えたのだが、すでにアナウンスされていた10月のファンクラブイベントの告知に加え、12月に10周年ライブ映像商品が発売、さらに2025年1月には久々のオーケストラコンサートを開催するという新情報も発表された。南條愛乃とみんなの「またね」の次は、またすぐにやって来るのだ。

<セットリスト>
01. Welcome to The Garden
02. ホレヴォ
03. 黄昏のスタアライト
04. ナイショの午睡
05. iD*
06. ゆれる金魚鉢
07. breathe in
08. 涙流るるまま <1ハーフ>
09. サヨナラの惑星
10. 物語よ始まれと願う空に
11. シュガーポット
12. 「だけど」
13. MANIFEST
14. 薔薇色Ethereal
15. 閃 -Sen-
16. この道をあなたと
17. 瓦礫に咲く花 <1ハーフ>
18. 新世界
19. trust myself
EN01. 打ち上げて花盛り
EN02. きみを探しに <1ハーフ>
EN03. あなたの愛した世界
EN04. またねの魔法

下記にて“南條愛乃 Live Tour 2024 ~LIVE of The Fantasic Garden~ supported by animelo”のプレイリストを公開中!
https://open.spotify.com/playlist/6FPWP5C5JPGh5o8u6cTmCy?go=1&sp_cid=2a371fe17e6ab53aed8a697c1b238f19&utm_source=embed_player_p&utm_medium=desktop&nd=1&dlsi=ec08f6bd620c4268


●リリース情報
2023年12月23日(土)〜24日(日)に開催された「南條愛乃 10th Anniversary Live -FUN! & Memories-」の映像を収録したブルーレイが12月に発売決定!(詳細は後日発表予定)

●ライブ情報
南條愛乃オーケストラコンサート『花奏歌II~Kanade Uta~』
2025年1月13日(月・祝)@東京オペラシティコンサートホール
昼公演14:30~/夜公演18:30~
〔演奏〕パシフィックフィルハーモニア東京
〔音楽監督〕大嵜慶子

関連リンク

南條愛乃 公式サイト
http://nbcuni-music.com/yoshino_nanjo/

南條愛乃 公式X
https://twitter.com/nanjolno

オフィシャルファンクラブ「ごきんじょるの友の会」
https://www.gokinjolno.jp/

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