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REPORT

2024.07.18

小玉ひかり、弾き語りマンスリーライブ「#こだまつり2024」スペシャルイベントでの公開インタビューの模様をお届け!

小玉ひかり、弾き語りマンスリーライブ「#こだまつり2024」スペシャルイベントでの公開インタビューの模様をお届け!

小玉ひかりによる招待制フリーイベント「#こだまつり2024」が、7月6日下北沢ニュー風知空知にて行われた。2月12日に開催した「#こだまつり2024 フライングバースデイ!」を皮切りに、6月まで毎月1回弾き語りワンマンを行ってきた彼女が(6月のライブのみsomeiとのツーマン)、その全てに参加したお客さんのみを招待したイベントである。当日は30人ほどを集めたアットホームな空間で公開インタビューと弾き語りライブを実施、そのインタビューをまとめたのが本テキストである。新曲「チャージ!」の制作背景から、今後の展望までを語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 黒田隆太朗

――#こだまつり2024を開催しようと思った理由から聞かせていただけますか。

小玉ひかり 私はピアノ弾き語りのシンガーソングライターということで、高校生くらいから活動を始めていたんですけど、ここ数年は割とワンマンライブもバンド編成で行うことが多くなっていて。メジャーデビューを機に初心に帰ろうかなと思い、ピアノ弾き語りのライブを企画しました。曲を作った最初の状態で、お客さんと近い距離でお届けしたいと思ったことがきっかけでしたね。

――久々に弾き語りをやってみた感想として、どんなところが以前と変わって、どんなところが昔の自分と変わらないと思いましたか?

小玉 まさに変わらないものと変わっていく様、そのどちらも見せたいと思ったのがこのライブでした。弾き語りを始めた頃と今とでは作っている楽曲も違っていて、昔はもうちょっとダークな曲を書いていたり、バラードが多かったり、歌い方も凄く変わっていったんですよね。なのでメジャーデビュー後のピアノ弾き語りは自分にとって凄く新鮮でしたし、アップテンポの曲をどうやったら楽しくライブでできるかというのは凄く心配でした。ほんとにそれはお客さんのみんなが一緒に作ってくれたというか、「ドラマチックに恋したい」なんてまさにそういう曲ですね。ライブでこうやって盛り上がってくれるんだ、というのを間近で感じながら、だったら自分はこんな風に歌おうとか、一緒に作り上げる感覚が凄く楽しくて。皆さんのおかげで成長できた部分はすごくありました。変わらないところでいうと、バラードは昔弾き語りで歌っていた頃を思い出しながらやってたところがあるので、そういうところにあるんじゃないかと思います。

――5ヶ月連続の弾き語りライブをやってみて、今どんな手応えがありましたか?

小玉 全通してくださった方をフリーイベントにご招待する、という話ではあったんですけど、まさかこんなに来てくださるとは思ってなかったです。いろんな都合があるだろうし、平日開催の日もあったので、なかなか難しいんじゃないかなと思ってて、でも場所変更などいろいろなハプニングがあった中、全部の回がちゃんとソールドアウトして。ほんとに始めたての頃は誰も呼べないライブもたくさん経験してるので、全通の皆さんがこれだけいるっていうのは奇跡だと思うし、たくさんの方に集まっていただけて凄く嬉しかったです。

――新曲も披露されていますね。

小玉 #こだまつり2024では毎月新曲を披露するというのがテーマにあって、「言わない」から始まって「ぱーふぇくと」「You&I」「ソーダ」「チャージ!」と5曲披露しましたけど、どの曲にも割と挑戦があったというか。「言わない」はサウンド的に初めてのイメージだったし、「ぱーふぇくと」も 今まで意外となかった曲調で、「You&I」は久しぶりのバラードですね。「ソーダ」はマネージャーさんと夏っぽい曲を作りたいねというお話から書いた曲で毎月全然違うこだまを披露できたかなって思います。

――そして先日配信先行で「チャージ!」がリリースされました。制作はどういうところから始まっていきましたか?

小玉 テレビアニメ『女神のカフェテラス』第2期のオープニングを担当することになって、それに向けて曲作りが始まりました。アニメ自体はラブコメなんですけど、家族の愛だったり友情だったり、いろんな形の愛が描かれてる作品というのが率直な感想で、その中でもばおばあちゃんから守ってもらった場所があったり、その「場所」というのが私がアニメから受け取った印象だったんですよね。それで帰ってくる場所をテーマに書きたいというのがぼんやりとあって、何曲か書いていく内に最終的には「チャージスポット」というテーマに行き着きました。充電し合うというか、ハグだったり、触れ合うことだったり、会って声を聞くだけで元気が出ることってたくさんあると思うし、私も皆さんにとってのそういう存在になりたいと思っていて。アニメの中の主人公やヒロインたちも、そういう関係なんじゃないかな思って「チャージ!」というタイトルで楽曲を書きました。

――なるほど。

小玉 絶対にね、1日の中でパワーってどんどんすり減っていくわけだし、朝起きた時が100パーセントでもないじゃないですか。充電し忘れて1日を過ごした時なんてもう最悪で、夜の6時とかには死んでるみたいなこともあると思う。でも、そういう疲れている時だからこそ会いたいと思えるような人がいるのって凄く素敵だなって。それは好きな人に限らず、家族や音楽がチャージの場所であってもいいと思うし、いろんな形のチャージし合える場所を大切にしていきたいなという想いを楽曲に込めました。

――メロディはすぐに出てきたんですか?

小玉 実は「チャージ!」は楽曲を作る中で一番最後にできた曲で、他にも「充電ちゅー」というタイトルの楽曲を書いてみたりもしましたね。メロディはオープニングだから疾走感のあるのがいいなと思ったんですけど、「ドラマチックに恋したい」から続いてのアニメのオープニングだったこともあり、また違う印象を皆さんに受け取ってもらいたい気持ちもあって試行錯誤しました。ただ、「チャージ!」というタイトルから電子ポップのサウンドにしようというのはすぐに頭に浮かんでいて、シンセメロや四つ打ちのドラムを自分で打ち込んで、それをアレンジャーのItaiさん(Naoki Itai)にお渡ししました。イントロのメロディは活かしていただきつつ、サウンドを洗練していただき、凄く素敵に仕上げていただきました。

――アレンジャーとのコミュニケーションで、印象に残っていることはありますか?

小玉 「ドラマチックに恋したい」も「チャージ!」もItaiさんにお願いしたので、前回の経験も踏まえて今回はスムーズにイメージをお伝えできました。Itaiさんはレコーディングの時もディレクションで来ていただいて、「ドラマチック」の時より確実に歌が上手くなっている、表現の幅が広がったと言ってもらえたのが印象的でした。あと、「ドラマチックに恋したい」をレコーディングしてから、「チャージ!」までの間にアリルズという声優さんの活動をしたのもきっと大きい影響だったんだろうね、という話をしたのも覚えています。

――「チャージ!」はこれまでになくBPMの速い曲だと思います。

小玉 そうですね。確かに今までの楽曲の中では、結構早めのテンポの楽曲ではあります。でも、なんでこんな早くなったかと言われると難しくて。割と作った当初からこのBPMだったので、気づいたら早くなってましたね。

――インディーズの頃の曲に比べて楽曲から受け取る気分がポジティブですし、テンポも早くカラフルな印象を受けます。

小玉 これはシンガーソングライターだからこそなんですけど、楽曲の中には私自身を描いてる曲もたくさんあって、自分自身の変化みたいなものは曲にも反映されていると思います。活動を始めた頃から数えると10年ぐらい経つんですけど、10年間の中でめちゃくちゃ内面的にも変化があって、自己肯定感が低かった頃の楽曲とかはやっぱりね、自分をなんとか励ましてあげたいっていう楽曲があったり、自分だけでとどまってたなって思う楽曲が凄く多いんですよね。でも、そこからいろんな経験をして、少しずつですけど自分も強くなってきて、もっと視点が広くなったというか、皆さん宛に書きたいっていう意欲が大きくなったから、それが曲の変化に繋がってるかなと思います。

――「ドラマチックに恋したい」以降は、歌詞が口語っぽいというか、素のままに言いたいことをぽろっと零しているような歌詞に感じます。

小玉 それは割とインディーズ時代からあるのかなと、自分の中では身に覚えがありますね。確かに弱音吐いちゃった時のため息だったり、「会いたいのにな」と言ったその言葉だったり、そういう本当に思ってるぽろって出ちゃう言葉を拾ってあげたいというのはあって。それがストレートになってきたというか、さらにポップさを増したのが最近のことなのかもしれないです。

――それはある意味タイアップ的な影響ですか?

小玉 タイアップの影響もきっとあるとは思うんですけど、小玉ひかりがどういうライブをお届けしたいか、どんな音楽をお届けしたいかっていうのが明確に見えてきたからですね。やっぱり音楽を通してみんなが笑顔になってくれたらいいなって、ライブを重ねるごとにどんどん思うようになってきて。最終的にみんなが口ずさみたくなるような楽曲だったり、ハッピーな気分になって、その曲を聴きながら帰ったりできるような楽曲を目指してるのがありますね。

――「チャージ!」というタイトルから電子ポップっぽいイメージが浮かんでいたとのことですが、そういう音楽も普段よく聴くんですか?

小玉 海外の曲やボカロの曲、J-POPや邦ロックだったり、結構幅広く楽曲は聴きますね。ただ、「チャージ!」はMVの衣装とかも曲を書いてる時からイメージができていたので、リファレンスがあったというよりかは、それを表したサウンドがあれだったという感じでした。曲を作る時に私はイメージが固まるまでが長いんですけど、「ドラマチックに恋したい」も「チャージ!」もこれだ!というものが閃いてからはすぐにできました。

――普段どういう時にインスピレーションが湧いてくることが多いですか?

小玉 基本的には寝る前のベッドタイムと、お風呂タイムにめちゃくちゃメモを残すタイプですね。その時に書いていた3行ぐらいのメモから始まる物語が多いですし、ボイスメモには大量にいろんな曲の始まりがあって、たとえばさっき友達に会ってこんな話をしたなとか、ひとりになった時にその日を思い出して書いたりします。

――日記のような感じですね。

小玉 近いですね。なので振り返ると「この時の私はこういうことで悩んでたな」とか思ったり、逆に具体的なことを書いてないけど病んでる歌詞があると、「何で病んでたんだろう?」って思うような謎のメモがあったりもしますね。

――嬉しいことがあった時と悲しいことがあった時、どっちが音楽家として刺激を受けますか?

小玉 どうですかね。でも、意欲が高まるタイミングとしては他のアーティストの方のライブを見た後に浮かんでくることが多いというか、書きたい書きたい!早く帰って曲を書きたい!という気持ちになります。いい音楽を浴びて刺激を受けて、その楽曲のテーマを思い出して自分だったらこういう角度で書くかも、と考えることは多いかな。私は昔からそういうのがあって、たとえば道徳とか国語の授業で、「これを読んで何を思いましたか?」って聞かれて発言したり文章を書くことがあったじゃないですか。私はあれ大好きで、自分だったらこう思いますって発言したいタイプだったんですよね。だからいい音楽を聴いた時にも、全てのことを置換して、私だったらこう描きたいとか、こういうテーマは自分では浮かばなかったからありがとう!って思いながら楽曲制作をしたりします。

――これからどんな曲を書きたいと思っていますか?

小玉 色々やりたいことがあるんですけど、最近リリースしている曲がアップテンポなものが多いので、今後リリースする曲は久しぶりに細かい表現、そのディテールが見えるようなシンプルなサウンドの曲を書けたらと思います。あと、久しぶりにバラードも歌いたいですね。いつかはグランドピアノに向かって録るとか、本当にピアノ1本で聴かせられる音源も出してみたいです。

――構成がシンプルになればなるほど、弾き語りの経験も活きそうですよね。

小玉 きっとそうだと思います。本当に#こだまつり2024が終わって凄く達成感があって、もちろんこれはライブとして行っていたことなんだけど、裏テーマには自分の修行という思いもあったんですよね。どんな楽曲も弾き語りでできるようになったら、いろんな場所を回れるじゃないですか。今東京で開催しているものも、鍵盤ひとつ持っていけば沖縄にだっていけるし、北海道にだっていける。もしかしたらアメリカにだっていけるかもしれない。そういう力をつけていきたいなって、この期間に凄く思っていて、まだまだ未熟ではあるんですけど、少しずつ成長できたかなって思います。セカンドシングル「チャージ!」も発売されることですし、これを機にいろんな人に知ってもらって、ゆくゆくは全国ツアーとかもできるようになりたいというのが、#こだまつりの夢でもありますね。

▼公開インタビュー後にはミニライブも実施


●リリース情報
「チャージ!」
2024年8月28日(水)発売

【通常盤(CD)】
初回仕様:カラートレイ
品番:SMCL-917
価格:¥1,300(税込)

【期間限定生産盤(CD+Blu-ray)】
ニメ絵柄ジャケット
品番:SMCL-918〜919
価格:¥2,100(税込)

CD STORE
https://hikaricodama.lnk.to/UCYK3y

先行配信中
https://MRA.lnk.to/charge

<小玉ひかり プロフィール>
2000年2月14日生まれ、ピアノ弾き語りのシンガーソングライター。14歳から音楽活動を始める。2023年11月29日TVアニメ「カノジョも彼女」Season 2 OPテーマ「ドラマチックに恋したい」でメジャーデビュー。同曲MVのYouTube再生回数は76万回を超え、『令和五年アニソン大賞』新人賞を獲得。優しく切ない歌声と明るく親しみやすいキャラクターで、同世代の男女を中心に支持を集めている。

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