ボーダー柄の服をトレードマークに、ユルくマジメに音楽と向き合うコンビ――。“ボーダーズ”こと北川勝利と藤村鼓乃美が贈る「ボーダーズの“音の場”」。上野と浅草という二大観光地に挟まれ、江戸時代には幕府の徒歩組の住居が並んでいた御徒町。浅草に近接するということで、久しぶりに始まりの“あの場所”を訪れてみました。
PHOTOGRAPHY BY 山本マオ INTERVIEW & TEXT BY 田中尚道
北川勝利 今日のお昼はおかず横丁の「まめぞ」でしたが、なんであの店だったんですか?
――ロケの経路上、ほかに適当な店がなかったというのがオフィシャルなんですが、「孤独のグルメ」でも紹介されている店で僕が行ってみたかったんです。
一同 (笑)。
藤村鼓乃美 お昼で結構並んでいましたね。
北川 猫は?(※店内に猫がいることでも有名)
藤村 二階にいると言っていました。気分が向いたら下りてくるんですかね。でも、美味しかったです。カツサンドとか。
――「あの人も食べた」と店内に張ってありましたね。
北川 美味しかったけど、ひとりで全部食べられないと思うくらいボリュームがありました。
藤村 みんなで分けてよかった。それ以外に定食まるっと来ますし。
北川 お昼食べたあと商店街を歩いていたら、ドラマかなにかのロケやっていました。
――当たり前ですがロケをやっている時は放送前なので、この連載が載るころには何のドラマかわかるかもしれません。
北川 日本のドラマだと1クールとかだけど、海外ドラマだと長いものもありますよね。
藤村 長いものということだと、今『名探偵コナン』の劇場版を1から観ています。9作目まで来ました。
――最新作の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』で34作目だそうですから、まだまだ長いですね。
北川 『コナン』はまったくわからない。
藤村 毎年友達に「コナンに行くぞ!」って連れられて、それを3、4年やっているので、ちゃんと1から観るかと。
北川 話は繋がっているの?
藤村 繋がっているような。でも事件は単発ですから。
北川 今年の『コナン』は函館なんだよね。だから気になっている。僕は高校生のころ五稜郭を走ってました。学校が五稜郭の裏だったんですよ。だから時々体育の授業で五角形のところを走らされていて。
――北川さんって映画館に行かれることあるんですか?
北川 行きますよ。最近だと『ジョンウィック』の新作とか。『ゴールド・ボーイ』も観ました。
藤村 私は最近だと『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』を観ました。あのちゃんが素晴らしくて。
――前・後章に分割されていましたが、アニメファン以外からの評判もいいようですね。さて、おかず横丁を抜けると佐竹の商店街がありました。一応日本で二番目に古い商店街だそうです。
藤村 入口にキャラ弁の写真が飾ってある印刷屋さんがあって。
北川 『サザエさん』のエンディングのキャラ弁があって。白ごはんに海苔だけなんだけどめっちゃよかった。ほかのキャラのカラフルのなやつもあったけど、あれがセンス抜群だった。
――あそこは佐竹家の上屋敷の跡だそうです。佐竹さんはいまでも秋田県知事をやられていますが、もともと常陸(現在の茨城県)の戦国大名でした。関ケ原の戦いでは中立で、一応徳川方に立っており、所領が安堵されるはずだったんですが、お国替えで今の秋田県に移されます。それが大層不満だったそうで、常陸から人はもちろん庭の木に至るまですべてを持って行ったので常陸には美人がいないとか。
北川 落語ですか?アーケードのある商店街で、いろんな店があったけど、基本閉まってましたね。
――ーー最近シャッター閉まっているところが多いですね。ただ、今日たまたま休みという店もあります。
北川 大きいマンションとかありましたよね。
――つくばエクスプレスと大江戸線の開業で新御徒町駅が出来たので古い家を取り壊してマンションにしているみたいですね。
北川 謎の毛皮屋さんがありましたね。しかも小型の動物の。よく見えなかったけど、売りものなのかな。小さい動物の小さい毛皮で小さいバイクを覆っていましたよね。
藤村 パッチワークのような。そこを越えて……。
北川 もうアメ横まで行っちゃったのか。
藤村 アメ横入ってから北川さんが何か買いたいって。具体的なものがあるわけじゃないんだけど何か買いたいってずっと言ってて。
北川 シイタケのでっかいのがひとかご500円とか。大学生になって上京してきて、友達と古着とか靴とかを見るために渋谷とかを廻っていて、最後にアメ横に来て靴を買った記憶があります。上野のあのあたりは、ほかでは売られていない大きめのサイズとか、ちょっと前のモデルとかが掘り出し物で売られていて、昔はよくその掘り出し物を探しに来ていたので、アメ横に行くとなにか買いたい欲が出てくる。
藤村 そのあと通った宝石屋さんとかで、ケースに小さい宝石がたくさん入って500円とかで売られていて、これ買ってみんなで分けようかとか言ってましたからね。
北川 買いたい欲だけあったから。普通に「二木の菓子」でもよかったんだけど。
――藤村さんは二木の菓子のCMご存じですか?
藤村 いえ。福岡でやっていました?
――いや、やってないかと。何しろ関東にしかありませんから。
北川 あれ、じゃあ何で知っているんだろう?
――上京してきてラジオで聞かれたんじゃないでしょうか?
北川 テレビ持ってなかったからね。
――二木の菓子の目の前に摩利支天徳大寺がありました。そこからアメ横センターの脇の賑わいの像を見て。
北川 「あまちゃん」のところだ。
藤村 「あまちゃん」!
――NHKの朝ドラですね。アメ横センターの2階がテラスになっていて、そこでロケをしていたんです。
藤村 あそこらへんで、「あ、ここボーダーズで来たことある」って(season2~#16 御徒町篇~)。近所で洋食食べましたよね。
――そうですね。洋食屋はもうちょっと湯島よりなんです。
藤村 歴史がありますね、「ボーダーズ」。
――今回は振り返り回ですね。
北川 前も吉池の前の鮭は撮ったよね。パンダは撮ったんだっけ?
――パンダは撮ってないですね。season2は今より尖っていたので、余り音楽に絡まないものは撮ってなかったような、そうでないような。
藤村 season3は無理はしない方向で。
――そこから宝石店街ですね。あのあたりは宝石商が集まっていて通りにルビーストリートとか、ひすいアベニューとかいった名前がついています。
北川 なんか買えばよかった。藤村とこの500円のコーナーでなんか買わなきゃいけないなら何買うとかそんな話をしていました。
藤村 北川さんどうしても買いたいらしく、3000円くらいのダイヤモンド見て「買ってあげようか」って。いつもなら「買いなよ」って言われるのに。
北川 アメ横に来たからさ。なんか買わなきゃいけない気がして。どんこ(しいたけ)も買い逃したし……。なんでも500円だし。
藤村 鮭も安かった。10匹で1000円とかで。
北川 10匹!?
藤村 あ、10切れです!
北川 そんなことをしながら、いまはこの場所(cafeOtonova)にいると。
――「ボーダーズ」が始まった記念すべき場所です。(※詳しくはボーダーズの“音の場” Season1を参照)訪れたのは10年ぶりですね。
北川 当時の再現写真を撮りました。
藤村 カメラマンさんにこだわっていただいて。今、この連載を読んでいて、Season1の最初から読んでいるっていう方はいるんでしょうか?
――今回の写真を見て懐かしいという方はだいぶ通ですね。今回過去に訪れたことのある場所を再訪する形になりましたが、場所場所で年数が違うんですよね。Otonovaは10年ぶりですし、吉池の鮭は7年ぶりとかで。
藤村 Otonovaの皆さんにも優しくしていただいて、撮影にも協力していただきましたし。次に来るのはまた10年後ですかね?
撮影協力:Café Otonova
http://www.cafeotonova.net/
<INFORMATION>
◆北川勝利
『花澤香菜 Zepp Tour 2024 “Memoirs and Fingertips”』
[Memoirs]
2024年9月8日(日)
KT Zepp Yokohama(横浜)
2024年9月22日(日)
Zepp Osaka Bayside(大阪)
2024年9月29日(日)
Zepp Nagoya(名古屋)
[Fingertips]
2024年10月5日(土)
Zepp Fukuoka(福岡)
2024年10月13日(日)
Zepp Sapporo(札幌)
2024年10月19日(土)
Zepp DiverCity (東京)
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北川勝利 Twitter
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藤村鼓乃美 Twitter
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