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INTERVIEW

2024.06.22

『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』喜多郁代役・長谷川育美インタビュー「この結束バンドという形態がめちゃくちゃ幸せで大好き」

『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』喜多郁代役・長谷川育美インタビュー「この結束バンドという形態がめちゃくちゃ幸せで大好き」

極度の人見知りで陰キャな少女・後藤ひとりと、彼女がメンバーとして加入する4人組バンド・結束バンドの活動と成長を描くTVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』。2022年に放送されて一躍話題作となった本アニメを再編集した劇場総集編の前編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』が、映画館で大ヒット公開中。リスアニ!では、後藤ひとり役・青山吉能のインタビューに続き、今回は結束バンドのメインボーカリスト・喜多郁代役の長谷川育美に、映画に期待するポイントや主題歌である新作曲のエピソード、そしてこれまでのステージから得てきた経験をもとに夏からのライブへ向かう意気込みを聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉

OP・EDを飾る結束バンドの新曲2曲「上位に食い込むほど好きな曲」

――長谷川さんは『ぼっち・ざ・ろっく!』が劇場総集編として公開されることを、まずどのように受け止めましたか?

長谷川育美 どのタイミングで聞いたのかは覚えていないのですが、シリーズ総集編の劇場作品が制作されるとは想像していなかったので、驚きました。音楽作品なので映画館の音響で聴けることはもちろん、ギャグも面白いので大画面で観たらすごく楽しそうだなと思いました。

――大勢のお客さんと一緒に観ると、笑える場面も感じ方が違いますよね。

長谷川 そうなんです。映画館って、その作品を目当てに来る人たちばかりだから、同じ『ぼっち・ざ・ろっく!』好きな人たち同士が集まって一緒に観るわけで、それってとても素敵なことだと思うんです。私も、みんながどの場面で笑うのかを知りたいので、公開後には映画館まで観に行きたいと思っています。

――完成した劇場総集編の映像はご覧になりましたか?(インタビュー時は劇場公開前)。

長谷川 それが、まだなんです。だからどういう編集になっているかは私も一切知らなくて。ただ、台本をほんの少しだけチラ見したところ、TVアニメの第1話と今回の劇場総集編では入り方が違ったので、時系列の並べ方はおそらくTVアニメと違ったものになるのではないかと想像しています。

――今回の総集編前編で描かれる範囲で、長谷川さんが好きなシーン、大画面で観たいと思うシーンはどんなところでしょう?

長谷川 基本的に、ぼっちちゃん(後藤ひとり)の奇行は全部楽しみです(笑)。こんなにも奇行のバリエーションあるんだって思わせるくらい、本当に色んなことをするので、それが大画面で観られるのはすごく楽しみです。どの場面が使われているのか楽しみですし、そのとき映画館は一体どういう空気になるのか……(笑)。

――奇行での叫び声ひとつとっても、大音響で聞くと笑いのニュアンスは全然違ってくるでしょうし、大画面でダム映像が出たりしたら……。

長谷川 そうそう(笑)。実はダム映像のシーンも大好きなんです。他にも意味がわからないシーンであればあるほど、大画面で観たときにすごく面白くなると思うので、そこはとても楽しみです。かと思えば、ライブシーンが始まったらめっちゃかっこいいわけですから、そのギャップはすごく楽しそうですよね。お家でご覧になるときは、やっぱり1人とか少人数なことが多いと思うんですけれども、この作品は映画館の空気感込みで楽しんでいただければと思います。

――ちなみに前半での喜多ちゃんに関するシーンでのお薦めは?

長谷川 やっぱりライブシーンです。喜多ちゃんの努力の証でもあるし、そこで挫折を味わうシーンでもあるので、私も思い出に残っています。あのシーンでの歌の表現は(CDなどの)音源になっているものとは違う歌になってるので、そこも注目して聴いてもらいたいです。あと、ファンの方であれば一通り内容はご存知だと思うので、新作であるオープニング映像をご覧いただきたいですね。私もどんな映像になるのか楽しみにしています。新曲と合わせて皆さんに楽しんでいただければと思います。

――ちょうど今お話に出ました本作のオープニングテーマ「月並みに輝け」ですが、まず音源を受け取っての印象はいかかでしたか?

長谷川 もう、思い切り自分のタイプすぎて、聴いたときはめちゃめちゃテンションが上がりました。めっちゃいい~!と思って(笑)。メロディも歌詞も好きですし、サウンドは疾走感があるし、もちろん今までの結束バンドの曲も全部好きですけど、いきなりそこの上位に食い込むほど好きな曲ですね。途中で一度音源をいただいていたのですが、実はそこから完成版では歌詞が変わっていて、そうしたブラッシュアップされていく過程も含め、こだわりのある楽曲になっているなと感じました。

――完成された歌詞ではどんなところがお好みでしたか?

長谷川 “天才だって信じてた”から始まるのがすごく印象的でした。やっぱり、ぼっちちゃんはそういうところがあるじゃないですか。「自分なんて……」って自信がないところもあるけど、「自分ってすごい!」と思っている部分がある。それが曲の頭からよく出ているなと思いました。でも、その後に、実際はそうじゃないとか上手くいかないとか、挫折や気付きもきちんと描かれていて、その物語性もとても好きです。この歌詞は色んな人に共感していただけるんじゃないかなと思います。

――歌詞の中で“天才”に関することが何度も出てきますが、『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品に携わった人や登場キャラクターのなかで、長谷川さんが「これは天才」と真っ先に思い浮かぶのは?

長谷川 えーっ!天才しかいないですよ!だた、私たちキャストが口癖のように言っているのは「斎藤圭一郎、天才」ですね(笑)。だって、この作品で(シリーズ)初監督なんです。しかも、原作は4コマ漫画ということで、そのままアニメに持ってくるのは難しい。そんななか、コマとコマの間の埋め方や見せ方をすごく考えられて、1本のアニメーションとして面白くする作りにされているんです。私たちも当初からこれは天才の技だと感じていました。それで言うと、(結束バンドの楽曲の編曲を担当している)三井律郎さんもそれまで編曲のお仕事の経験はあまりなかったそうなのですが、もう長年やってきたかのように結束バンドの曲をアレンジしてくださっていてすごいなと思います。

――「月並みに輝け」のレコーディングのときの様子を教えてください。

長谷川 作曲してくださった音羽-otoha-さんと編曲の三井律郎さんも現場にいらっしゃっていたので、安心してレコーディングをすることができました。音羽-otoha-さんは「歌い出し最高!」とか、私の歌の良かったところを歌詞カードにたくさんハートマーク付きで書いてくれて、それが嬉しくて写真を撮って思い出に残しました(笑)。

――歌ってみての手応えや難度はいかがでしたか?

長谷川 そこまで難しくはなかったかもしれません。それを音羽-otoha-さんに伝えたら「ちゃんと考えて作ってるんで」って言ってました(笑)。だからこそより表現に集中できるので、より気持ちを込めながら歌わせていただきました。

――また、エンディングテーマ「今、僕、アンダーグラウンドから」についても教えてください。

長谷川 ちょっと爽やかさがあって、すっきりとエンディングを迎えられる感じがして、これも大好きな楽曲です。この曲は(伊地知)虹夏ちゃんが歌う「なにが悪い」を書いてくださった北澤ゆうほさんの作詞・作曲で、私もあの曲が好きだったので、今回、ゆうほさんの曲を歌えるのがすごく嬉しかったんです。実際に歌っていても楽しくて、早くライブで歌いたいなと思っています。

――歌ううえでのポイントはどんなところにありましたか?

長谷川 結束バンドの楽曲なので、結束バンドらしさは常に大事にしていました。あと、「歌詞に合わせて思い切り叫んでみて」と言われた部分がありまして、そこはきれいに声を出すというよりも、気持ちを込めて心の叫びを表現して歌ったりしました。“歪な僕を愛してよ”とか、ぼっちちゃんらしい歌詞がすごく良いですよね。歌詞の最後の“一つ一つ光る星を結ぶように”は、ちょっと「星座になれたら」に繋がってくるようなニュアンスがあって、そこも好きです。

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