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2024.06.19

秋には新たなツアーも!ClariS、4年半ぶりとなるライブツアー“ClariS SPRING TOUR 2024 ~Tinctura~”最終日をレポート!

秋には新たなツアーも!ClariS、4年半ぶりとなるライブツアー“ClariS SPRING TOUR 2024 ~Tinctura~”最終日をレポート!

ClariSの実に4年半ぶりとなるライブツアー“ClariS SPRING TOUR 2024 ~Tinctura~”は、ラテン語で“染める”という意味を持つライブタイトル“Tinctura(ティンクトゥーラ)”が象徴するように、作品ごとに様々な色に染まりながら進化し続けてきた2人のカラフルな魅力を全方面で味わえるツアーとなった。3都市全6公演、クララとカレンの希望で各会場異なるセットリストで臨み、すべての公演を違うカラーで染め上げた本ツアーのうち、千秋楽を飾った6月2日のTOKYO DOME CITY HALL夜公演のレポートをお届けする。

PHOTOGRAPHY BY 平野タカシ
TEXT BY 北野 創

春ソングメドレーやレアなソロ歌唱で多彩に魅せる前半戦

前述した通り公演ごとに演目や趣向を変えてきた今回のツアー。6月1日と2日に各2公演行われた東京公演では、ホール規模の会場ということもあって、バックはバンドによる生演奏が支えるほか、楽曲によってはダンサー4名が加わる、フル編成の豪華絢爛なステージに。バンドメンバーは黒須克彦(b、バンドマスター)、山本陽介(g)、村田一弘(ds)、中尾昌史(key)。ClariSにとって初の生バンドワンマンとなった、2023年春のライブ“ClariS SPRING LIVE 2023 ~Neo Sparkle~”以来、彼女たちのライブをサポートしてきたお馴染みの面々だ。

ツアーで公演を重ねてきたこともあってか、本公演でのClariSとバンドの一体感は最高潮とも言える仕上がりに。華々しいオーバーチュアを経て、上下二段組のステージの上段にクララとカレンが登場すると、1曲目「reunion」から、生演奏特有の力強いサウンドと2人の美しいユニゾン、そして客席からの喜びの声が合わさって会場は昂揚感に満たされる。冒頭の一節の歌唱を経て、「ツアー最終日、盛り上がっていきましょう!」と声をかけながら階段を下りてメインステージに降り立った2人は、息の合った振付と共に“再会”を祝う歌を届ける。さらにライブの定番曲「ヒトリゴト」へと繋げ、ファンのコールも加わって会場の熱はさらに上昇。途中でバンドメンバーの紹介も挿み、冒頭2曲から一気にギアを上げていく。

パステルピンクとパステルグリーン、それぞれのイメージカラーを挿し色に取り入れたドレスを身に纏った2人は、続いてTVアニメ『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』のEDテーマとなっている最新シングル「アンダンテ」を披露。ダンサーもステージに登場して、アイリッシュ風の曲調にマッチしたフォークダンスのような動きをみんなで合わせながら、楽しそうに楽曲の世界観を表現していく。そして5月にリリースしたばかりのニューアルバム『Iris』より新曲「Love is Mystery」を歌唱。カレンの「一緒にシュビドゥビしてー!」という呼びかけに応えて、ファンもピンクのペンライトを振りながら盛り上がる。ビッグバンド系のジャジーなサウンド、マイクスタンドを使ったパフォーマンス、ダンサーの紹介を兼ねたソロダンスなど、ボードビルショーのような賑わいが新鮮だ。

今回のツアーは最新シングル「アンダンテ」とニューアルバム『Iris』のリリース直後ということもあり、セットリストは同作の収録曲を軸にした構成に。『Iris』はラテン語で“虹”を意味する単語で、その題名通り虹のように色とりどりの楽曲が詰め込まれた作品だったので、ライブの演目も自然と色彩豊かになっていたのが本公演の特徴だ。数多くのClariS楽曲を制作してきた重永亮介によるどこかミステリアスな歌謡ロック「擬態」、吐息も織り交ぜた艶っぽい歌唱でファンを魅了した「Freaky Candy」と、新曲群では新たな表情を見せていく。

そこからTVアニメ『シャドーハウス 2nd Season』のエンディングを飾った「Masquarade」で妖しくも美しいシアトリカルな世界を広げると、続く「ループ」では「皆さん、ここからは一緒に踊りましょう!」と呼び掛けつつ、2人もステージ前面のせり出したスペースまで躍り出てファンとより近い距離で交歓を楽しむ。さらにここからは春ソングメドレーを展開。まずは昨年の春ライブでファン投票の結果、リリースから約10年のときを経てライブ初披露された「ミントガム」で幕を開けると、振付なしでしっとりと歌を聴かせた卒業ソング「graduation」、ユーロポップ調の懐かしくも煌びやかなサウンドがClariSらしい「Bye-Bye Butterfly」と続け、最後はニューアルバムからの新曲「サクラ・インカーネーション」を披露。和の情緒溢れるメロディとサビでダンサブルに花開く楽曲構成を含め、ClariSらしさと新鮮さが同居した1曲だ。ときにお互い顔を見合わせながら雅やかな歌声を重ねる2人の姿に胸がギュッとなる。

様々な春の色を感じさせたメドレーに続いては、ソロ歌唱のコーナーへ。まずはクララが「カラフル」を披露する。本来は2人で歌う楽曲であるため、クララ1人で歌うのはレアだが、彼女の伸びやかかつどこか儚さを感じさせる歌声が楽曲の切なさ成分をより引き立てるような、いつもとは少し色合いの異なる「カラフル」にファンは大興奮していた。そして青色をベースにした新たな衣装でステージに再登場したカレンは「アネモネ」を選曲。得意のダンスを活かした躍動感あるターンやステップを交えながら、心の内に秘めた想いを力強く表現する。ダンサーのサポートも相まって動きでも魅せるステージングだった。

次のページ:“ずっと一緒にいよう”――2人とファンを繋ぐ虹色のステージ

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