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INTERVIEW

2024.06.22

期待のシンガー・ツルシマアンナが、TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』とJELEEに覚えた共感とシンクロ、デビュー曲「1日は25時間。」に込めた想い

期待のシンガー・ツルシマアンナが、TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』とJELEEに覚えた共感とシンクロ、デビュー曲「1日は25時間。」に込めた想い

活動休止中のイラストレーター、歌で見返したい元アイドル、自称・最強Vtuber、推しを支えたい謎の作曲家――不思議な縁で集まった4人の少女たちが、匿名アーティストの“JELEE”として活動するなかで何かを見つけていく姿を描いた、2024年春クール注目のオリジナルTVアニメ『夜のクラゲは泳げない(以下、ヨルクラ)』。そのEDテーマ「1日は25時間。」を歌うのが、インターネットを中心に活動する期待のシンガー、ツルシマアンナだ。これまで主にカバー動画を投稿してきた彼女にとって、これが初めてのオリジナルソング。人気ボカロクリエイターの40mPが書き下ろした楽曲は、作品だけでなく彼女自身の気持ちともシンクロするものになっている。ツルシマはどんな思いを抱いてこのデビュー曲を歌ったのか。これまでの活動を振り返ってもらいつつ、たっぷりと話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

「みんなの期待に応えたい」――ツルシマアンナの活動の原動力

――ツルシマさんは今回の楽曲「1日は25時間。」でアーティスト活動を本格的にスタートさせたわけですが、今の率直な気持ちはいかがですか?

ツルシマアンナ これが初めてのオリジナルソングで、しかもずっと憧れていたアニメのタイアップ曲ということで、正直、アニメが放送されている今も実感が薄くてふわふわした気持ちでいます(笑)。でも、ありがたいチャンスをいただいたので、これを機にたくさんの人たちに知ってもらえるように気合いを入れて頑張っていきたいです!

――実感が沸かないとはいえ、ツルシマさんの周囲の方々やファンから色々な反応・反響があったのではないでしょうか。

ツルシマ 本当に急なことだったので、とりあえずみんなから驚かれました(笑)。以前から応援してくれているファンのみんなも、家族や友達も「え~!すごい!」と驚いてくれて。それと私は昔からエゴサをよくするのですが、今回のことがきっかけで色んな方にツルシマアンナを知ってもらえているので、最近は特にエゴサをするようになりました(笑)。アニメの放送中とか放送後に「また新しく知ってくれた人はいるかな?」と思って、ルーティンのようにチェックをしていて。(YouTubeの)コメントを確認する時間も増えましたね。どんな反応があるのか気になるので。

――ツルシマさんを初めて知った方の反応はご覧になっていかがですか?

ツルシマ 『ヨルクラ』のファンの方は優しい人ばかりで、「いいじゃん」って褒めてくださる方が多いので、いつもすごく嬉しい気持ちになっています。

――ツルシマさんは2017年から、インターネットを中心に“歌ってみた”動画や配信活動を行っていましたが、アーティスト活動に興味はあったのですか?

ツルシマ この活動を始めた当初は、オリジナルソングを歌ったり有名になってみんなに自分の歌を聴いてほしい気持ちは特になくて。元々、“歌ってみた”や歌い手の文化を知ったときに「え、好き」と思って、勢いでポンって始めちゃったので、どちらかと言うと、自分自身が“歌ってみた”動画を作ってみたい気持ちのほうが強かったんですね。でも、動画をアップしていくなかで応援してくれるファンが増えていくことで、徐々に歌や活動に対する熱意が沸いてきて、気づいたらいつの間にか「すごく頑張りたい!」という気持ちになっていました。「(ファンの期待に)応えたい」というのがあって。

――自分自身の興味から始めたことが、だんだん誰かのためという気持ちに変わっていったと。

ツルシマ そうですね。みんなの期待に応えたいし、私が歌ったりライブをすることで喜んでくれる人がいるのがすごく嬉しくて。それが楽しいっていう。趣味が活動になったのはそういうのがきっかけだったと思います。

――そもそも歌い手や“歌ってみた”文化のどこに魅力を感じたのですか?

ツルシマ 私は元々、カラオケで歌うことは好きだったのですが、別に音楽に詳しいわけでも、楽曲を聴くことが好きというわけでもなく、音楽に対する興味は「カラオケで歌うために(楽曲を)覚える」くらいのレベルだったんです。生まれたときからネットやアニメの文化にもあまり触れてこなくて。でも、高校時代に海外留学をしたとき、あまりにもやることがなくてヒマすぎて(笑)、そのときに初めてインターネットでボカロの音楽に出会ったんです。

――それはカルチャーショックだったでしょうね。

ツルシマ はい。今までに聴いたことのない曲調や音楽性に衝撃を受けて、ドハマりしました。しかもその楽曲を自分で歌って動画にしてみんなに聴いてもらっている人がいることを知って。そこで私の中の「歌うのが好き」という気持ちと承認欲求がバチンと噛み合って、「私も自分の歌を誰か知らない人に聴いてほしい!」と思ったんです。しかも歌い手は顔を出さないで活動するのが主流の文化じゃないですか。それがすごく気軽で魅力に感じたんですよね。アイドルに応募するわけでもなければ、アーティストのオーディションを受けるのでもなくて。誰にもバレないという気軽さにも惹かれて、活動を始めました。

――歌が好きという気持ちの他にも、きっと自分の中に何かを発信したい気持ちがあったのでしょうか。

ツルシマ あったと思います。私は基本的に目立ちたがり屋で、学校でも自ら立候補して応援団長とかをやっていたタイプなので(笑)。

――“歌ってみた”動画の中では、ユリイ・カノンさんの「誰かの心臓になれたなら」のカバーが800万回以上視聴されています。このカバー動画が人気を集めている理由をどのように捉えていますか?

ツルシマ あの動画を上げたのは、私が活動を始めてまだ半年くらいの頃だったのですが、まず私はユリイ・カノンさんの楽曲が好きで、いつか自分でも歌いたいなと思っていたんです。そんなときに「誰かの心臓になれたなら」の本家(オリジナル)の動画が投稿されて、私はその2日後にカバー動画をアップしたんですよ。なので初速が早かったことが一番のきっかけだと思います。それで皆さんの目に触れるチャンスが増えて、運よく評価してもらえたのかなと思っていて。

――なるほど。ユリイ・カノンさんの楽曲は他にも「ケセラリズム」をカバーしていますが、どんなところに魅力を感じるのでしょうか。

ツルシマ 言葉にするのは難しいんですけど、ユリイ・カノンさんの楽曲にはすべて“ユリイ・カノンさんらしさ”があって、その“らしさ”は崩れないのに毎回同じ曲にならず、1曲1曲は全然違う作品を作れるところが好きで、毎回新曲が楽しみでずっと追っています。曲調が独特で歌詞も世界観があるところが素敵で。

――これまでの“歌ってみた”動画をチェックすると、ボカロ楽曲を中心としつつ、結束バンドの「ギターと孤独と蒼い惑星」から、ちゃんみなさんの「Angel」まで、かなり幅広い楽曲を歌っています。

ツルシマ 歌う楽曲のジャンルに関して特にこだわりはなくて、そのときに好きで歌ってみたい曲をカラオケで選曲するかのように自由に歌っています。ボカロだけじゃなく、普段からJ-POPやアニソンもよく聴きますし、色々なものを浅く広く聴く感じなので。ちゃんみなさんもめっちゃ大好きで、ついに歌ってしまいました(笑)。

――歌いたくなる楽曲の基準や傾向はありますか?

ツルシマ なんだろう?それこそ今までのラインナップを見ていただければわかると思うんですけど、あまり縛りがないというか、かわいい曲も好きだし、かっこいい曲も好きだし……。でも、歌っていて気持ち良い曲が好きになりやすいですね。めちゃくちゃ自己中な意見ですけど(笑)。私の音域に合っていて、私が歌いやすい楽曲が好きになりやすいです。

――ご自身の歌いやすい楽曲、もしくは自分の歌声についてどのように自己分析していますか?

ツルシマ 音楽に詳しいわけではないので難しいことは言えないのですが、個人的にはバラードよりも、テンポが良かったり、勢いがあったり、(メロディの)高低差があってメリハリのある楽曲のほうが合うと思っていて。元気を与えられるような、ポップでヘルシーな曲調のほうが評価されやすいので、そっちのほうが得意なのかな?と思っています。

――個人的な印象としては、クリアで鮮烈な高音と倍音を効かせた低音のそれぞれが魅力的で、一粒で二度美味しい感じがします。

ツルシマ 嬉しい!実は低音パートの多い曲も結構好きなんです。地声が結構高いので、低い声で歌うとみんな喜んでくれるんですよ。「え~!低い曲も歌えるんだ」みたいな反応をしてくれるのが嬉しくて(笑)。

――やっぱりみんなの反応が好きなんですね。

ツルシマ そうなんですよ。みんなの反応を見るのが好きで活動しているようなものなので。

――歌唱面において影響を受けたシンガーやアーティストはいますか?

ツルシマ それで言うと、私はアニソンも好きなので、お手本としてよく聴いていたのはLiSAさんですね。もう本当に言わずもがなの方ですが、あのパワフルな歌声にずっと憧れています。

――ちなみにアニメはどんな作品が好きなのですか?

ツルシマ なんでも観るのですが、ジャンルで言うなら異世界転生ものが一番好きです。夢とロマンが詰まっているので。異世界転生も憧れます!

――転生したい気持ちがあるんですか?

ツルシマ 別にこの世界に不満があるわけではないんですけど、転生したら面白いだろうなと思っていて。すごい力を手に入れて、めっちゃかわいい女の子の仲間がどんどん増えていく、みたいな(笑)。この世界に帰ってこれなくなるのは寂しいですけど。

――ツルシマさんは今、リアルとネットの2つの居場所があると思うのですが、どちらの方がより自分らしさを出せる場所だと思いますか?

ツルシマ え~!でも、どっちも自分らしいと思います。リアルでもネットでも結構ありのままで、「本当はこういう人間なんだけど、こういう風に演じちゃってるんだよね」というのがないので。

――今お話ししていて、きさくで明るい印象なのですが、リアルでもこんな感じなんですか?

ツルシマ はい、そのまんまです(笑)。友達の前でも家族の前でも。

――家族や友達からは、どんな人と言われることが多いですか?

ツルシマ 面白くて変なやつってよく言われます(笑)。あとはうるさいとか。自分ではよくわからないんですけど、人よりテンションが高いのかもしれないです。

次ページ:『ヨルクラ』に寄り添う楽曲を歌うことで再確認した“自分らしさ”

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