リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2024.06.19

「リスパレ!チョイス」選出アーティスト・棗 いつきインタビュー!

「リスパレ!チョイス」選出アーティスト・棗 いつきインタビュー!

ソロ&ユニット活動で広がり続ける、棗 いつきの音世界

――棗さんはこれまでに9枚のオリジナルアルバムを制作、多数の楽曲を発表してきたわけですが、これから棗さんのことを詳しく知りたい方のために、お薦めの楽曲を3曲選んでご紹介いただけますでしょうか。

 1曲目は、今年1月に行った2ndライブ“パラレルショット”のテーマソングとして書き下ろしていただいた「ストラゴヴィゴス」です。作曲は堀江晶太さん、作詞は吾龍さんという方にお願いしたのですが、自分で作詞していないにも関わらず、自分よりも自分のことを書いてくれている楽曲だと思っていて。私はそもそも自分で作詞するとき、自分が思っていることをダイレクトに歌詞に落とし込むことがあまり得意ではなくて。それもあって間に物語を挿んだりするんですよね。自分のことではない形にしたら書けるけど、自分のことだと思うと急速に書けなくなるっていう(笑)。でも「ストラゴヴィゴス」に関しては、最初の打ち合わせで自分が今思っていることをお話しさせていただいた内容をすごく丁寧に汲み取っていただいていて、自分の気持ちに何の忖度もなく歌い切れる楽曲になりました。

――吾龍さんには打ち合わせでどんなことを話したのですか?

 色々なことを雑多に伝えたのですが、その中でもよく覚えているのが、この時期にスタッフの人と話していた歌詞の方向性についての話で。私は自分の楽曲のことを“エナジードリンク”だと思っていて、「頑張るぞ!」と思っているときに聴くと気合いを入れられるような音楽だと思っているんですけど、世の中の流れ的に今は「頑張らなくていいよ」とか「そのままでいいよ」という共感ベースの歌詞のほうが需要があるのではないか、ということで、自分も試しにそういう歌詞を書いてみたんです。でもやっぱり無理だったんですよね(笑)。

――さっきの「自分の思っていないことは歌詞に書けない」という話と繋がりそうですね。

 私は基本ポジティブで、「力こそパワーだからとにかくやれ!」というタイプの人間なので(笑)、そんな私が共感ベースの歌詞を書いても、取って付けたような感じになってしまうんです。そういう話をしたうえで上がってきた歌詞を見たら、“これは先天性の基礎疾患です”というフレーズがあって、これはまさに私だなと思ったんですよね。わかっていてもどうにもならないっていう(笑)。歌詞の1つ1つにそういう自分の考えに当てはまる部分があるので、すごく思い入れのある楽曲になりました。「棗 いつきってどういう人なの?」と言われたときに一番わかりやすく出せる楽曲だと思います。

――楽曲的にもヘビネスな部分とキャッチーさのバランスが絶妙で、めちゃくちゃかっこいいです。2曲目は何を選びますか?

 「Limitless」という楽曲です。発表したのは2年前なのですが、単純にライブでやってすごく楽しかったので選びました(笑)。初めてワンマンライブをやったときにも歌ったのですが、サビの終わりに“Limitless”ってみんなで叫べるパートがあって、そのときに初めてお客さんを煽る経験をしたんです。それがすごく楽しくて、そこから特に思い入れのある曲になりました。とっつきやすさという部分でも聴きやすい楽曲だと思います。

――楽曲を提供したのは、数々のアニメ楽曲も手がける橘 亮祐さんと篠崎あやとさんの名コンビなので、アニメ音楽のファンにも刺さるのではないかと。もう1曲は?

 すごく悩むのですが、7枚目のアルバム(『UNDERTAKER』)の最後に収録されている「Garbage Flower」にします。アルバム全体に物語を付けて音楽を作る、自分が好きなスタイルを象徴する楽曲の1つで、物語を締め括るような楽曲でありつつ、歌詞の中に自分が普段思っていることや共感できることが入っていて。架空の物語だけど自分の思っていることと重なる部分がある、というのが一番わかりやすい楽曲だと思います。なので“棗 いつき”の入門編というよりも、中級編みたいな楽曲なんですけど(笑)。

――楽曲単体で楽しめるのはもちろん、アルバム全体を通して聴くことでさらに奥行きの生まれる楽曲でもあるわけですね。また、棗さんは、藍月なくるさん、nayutaさんとのユニット・La prièreでも活動されていますが、ソロ活動との違いをどのように捉えていますか?

 ユニットでは3人いないと歌えない楽曲を作ろうと何となく決めていて、コーラスが入っていたりとか、ハモリもメロディになっていて3人いないと成立しない楽曲が中心になっています。それとソロでやっている楽曲よりもユニットでの楽曲のほうがふんわり優しい感じのものが多くて、自分の声は比較的バシッと聴こえて芯のあるほうだけど、ほかの2人はふわっとして透明感があるので、パート分けで強弱の調整ができるのが楽しいですね。私1人では出ない透明感も表現できるし、3人合わさると芯もありつつ透明感のある広がりができる。2人と一緒にやることでソロではできない表現ができていると思います。

――さらに藍月なくるさんとはコラボシングルを制作していて、昨年10月には「追想のラグナロク」を発表、5月22日には「約束のリンカネーション」をリリースされました。

 「追想のラグナロク」は自分たちで作詞をして、どんな楽曲にしたいかを私となくるから提案して作ってもらったのですが、今回の「約束のリンカネーション」はスタッフさんから方向性を提案いただいて作ってもらった楽曲なので、普段とは違うテイストになっていて。その意味で新鮮だと思いますし、みんながどう受け取ってくれるのか、楽しみだしドキドキです。

――作詞は山本メーコさん、作曲はGetty名義の活動でも知られる伊月 衛さん、編曲は佐高陵平さんということで、クラブミュージックの要素の強い楽曲になっていますが、ご自身としても新しい一面を表現できたと感じますか?

 それはありますね。普段は歌わないタイプの楽曲なので。ただそれを自分の楽曲として歌うにあたって、今までにないバランス調整をする必要があったので、難しい部分もありつつ楽しかったです。

ライブでは、目の前のファンとのコミュニケーションを大切に

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP