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2024.06.12

【エッセイ連載】「伊藤美来のmoi!」第1回:第一歩

【エッセイ連載】「伊藤美来のmoi!」第1回:第一歩

声優アーティスト・伊藤美来が日常で感じたことを切り取り、私らしく文章にしていくエッセイ連載「伊藤美来のmoi!」がスタート!
「初めましての方や応援してくれている方にも、表面的な私だけではなく自分の頭の中を見てもらう気持ちで書いていきたい。“伊藤美来”がどんな人間か知ってほしい」。
そんなオモイを込めて言葉を綴っていきます。

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このような形で自分の文を読んでもらうのは初めてな気がする。初めましての方も、以前から知ってくださっている方も、肩肘張らずに読んでもらえたらとても幸せです。

学生の頃からものを書くことが好きだった。作文の授業では、とにかくアイデアが浮かんでしょうがなかったし、迷いがなかった。誰よりも早く原稿用紙を埋めることができた。友達の読書感想文を、本を読まずに想像で代筆したこともある。代わりに友達には、算数のプリントをやってもらっていたので、ウィンウィンだ。

しばらくして、今の仕事に就いてからブログを始めた。当時はInstagramやXよりも、ブログが主流だったように思う。このブログが本当に楽しくて楽しくて。自分で構成を考えて、行数や改行にもこだわり、マネージャーさんにも「アップ時には原文と変わらないように気をつけてほしい」とお願いしていた。アップされたブログを見ては、改行するところが違うだのこの文とこの文の間はあと二行開けてほしいだの、マネージャーさんにとっては本当に面倒くさかったと思う。周りを気にするのが二の次になるほど熱中していたブログだが、それもInstagramやXでの近況報告が増え、どんどん稼働が疎かになっていった。ではInstagramやXで、ブログのように詳しく、定期的に近況を書いているかというと、そこまでの熱量は生まれなかった。そして文章を考える機会、自分の生活に目を向けることすら、私の中から薄れていってしまった。でもずっと文章への憧れはあったし、初めて作詞をすることになった時も、作文を意気揚々と書いていた小学生の頃のように、夢中になって書いた。

大学を卒業し社会人になり、自分だけで消化できないものに悩まされることが多くなった。その頃から、色んなエッセイに興味を持つようになった。私が経験していない、その人の生活の欠片を覗かせてもらっている感覚が、私の凝り固まった考えや感覚を丁寧に綻ばせ、人生の幅は無限大に広げられるんだと前を向かせてくれた。やっぱり書くことも、日々の小さな機微を感じることも好きだな、いつか私も……と、ささやかに妄想していた。

そんな私に、夢の連載の話が舞い込んできたのは、想像していたよりもあまりに急だった。新しいCDをリリースしたため、リスアニ!さんが楽曲の取材をしに来てくださった。リスアニ!さんは楽曲やライブ映像のリリースの度に取材をしてくださり、昔からお世話になっている。本当にありがたい。そんな取材の中で「今エッセイにハマっているんです。書くほうにも興味があって……いつか挑戦したいな……」みたいな話をした時に、「本当ですか!それならうちでやりませんか?」とすかさず言ってくれた。あの瞬間は正直、社交辞令で言ってくれたのかな、と思っていた。しかし取材が終わって、すぐ隣にいる私のマネージャーさんに「エッセイの件、別途メールします!」と伝えている姿を見て、「もしや本気なのか!」と胸を躍らせた。そして後日、しっかりとマネージャーさんに連絡が来て、マネージャーさんを介してではあったものの、打ち合わせはトントンと進み、あっという間に今現在、こうやって第1回目の原稿を書いているところだ。

と……なんだか自分でエッセイを書くハードルを上げていないか?なんなら読んでくれている人のハードルも。ここまで書いてみて、自分語りが過ぎるんじゃないかと立ち止まる。いや、そもそもコラムやエッセイってそういうものか……。エッセイだからもっと砕けた感じのほうがいいのかな?久しぶりに書く文章に正解がわからずソワソワする。久しぶりどころかほぼ初めてだ。まだ自分の個性や、書き方の基礎もなっていないと思う。今はただのエッセイファンの素人なのだから。でも、ここから夢の一歩を踏み出し、新しい挑戦ができることにワクワクが止まらない。またこんな気持ちになれるなんて。事務所の方々、リスアニ!さん、そして出会わせてくれたレーベルさんにも感謝。私はずっと憧れていたことに今取り組んでいるのだ。せっかくリスアニ!さんで書かせてもらえるのだから、詳しくはないが、色んなジャンルの音楽も周りの方に教えてもらいながら、日々の中で触れていきたい。それを、読んでくれる皆さんにも共有したい。誰が読んでくれるか、どんなふうに私を感じてくれるのか。想像するだけで楽しい。読んでくれる方に挨拶をするように、私の生活や感じたことを届けていけたら嬉しい。そんな想いでフィンランド語でカジュアルな挨拶「どうも」という意味の「moi」をタイトルに置いた。お仕事日記というよりも、日常にフォーカスを当てていきたい。

未来の理想ばかりになってしまった。こんな私でも、自分の内面と向き合いながら、この連載を編んでいこうと思う。今回は「ここから始まるんだ」と、早速気合い入れ過ぎな固い文章になった気がするが、許してほしい。ゆっくりゆっくり。まずは高校生の頃に書いた、熱量の高いブログでも読み直してみよう。皆さんはどうか見に行かないでほしい。シンプルに恥ずかしすぎる。


関連リンク

伊藤美来 公式サイト
https://columbia.jp/itomiku/

伊藤美来 公式X
https://x.com/InfoItomiku

伊藤美来 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC5jcW47_Svq9AFkhNLca4EA

伊藤美来 公式Instagram
https://www.instagram.com/itomiku_official/

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