INTERVIEW
2024.06.12
――「リスパレ！」では、アニメ、ゲームカルチャー、ネットミュージックを中心とした音楽の魅力を紹介しています。岬さんは声優でアニメとは縁が深いですが、アーティストとしてタイアップ曲を担当するときはどんな心持ちで歌っているのでしょうか。
岬 アニメや作品によると思うのですが、『100カノ（君のことが大大大大大好きな100人の彼女）』のEDテーマとして歌わせていただいた「スイートサイン」は、自分も歌っていて物語の中に入っていくような気持ちで歌えたので、すごく楽しかったです。“100人の彼女”というくらいですから色んな女の子が主人公の恋太郎くんと絡んでいく物語なんですけど、この曲に関しては“作品に登場する女の子視点（自分も含む）”みたいな立ち位置で歌っていて。
――岬さんも“100人の彼女”のうちの1人になるじゃないですか（笑）。
岬 もしかしたら100人目くらいかもしれないです（笑）。でも、実際に自分が恋をしている目線というよりも、物語の中の女の子たちが誰かのために向き合って歌っているのを、客観的に見ているポジションのほうがおいしいし楽しいなと思って。なのであくまで1シーンを空から見ている、作品に登場する神様みたいなポジションだったのかなと思います。
――キャラソンではなく“岬 なこ”として作品の主題歌を歌うのであれば、それが適切な距離感かもしれないですね。岬さんは7月から放送されるTVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』のOPテーマ「ちいさな蕾」も担当されますが、やはり歌のアプローチは作品の世界観に合わせて変わりましたか？
岬 全然違いました。「スイートサイン」は割と等身大な気持ちで歌ったのですが、「ちいさな蕾」はタイアップ作品がファンタジー寄りの異世界ものなので、まず「魔法って何だろう？」というところから楽曲と向き合い始めて（笑）。でも、主人公のダリヤが慣れない世界で必死にもがきながら一歩ずつ確実に前に進んでいる姿は、身近に感じられるものだし、すごく尊いなと思ったんですね。もし自分が異世界に行ったらうつむきっぱなしだと思うんですけど、この楽曲のサビの最初には“光射す場所へ 真っすぐ 思いきり顔上げて”というフレーズがあって。楽曲を通して背中を押してもらえる点では「HURRAY!」に近い気もしますし、自分の気持ちに正直で真っ直ぐな、誠実な歌だと感じています。アニメの放送が楽しみです！
――自分も楽しみにしています。話を変えて、アニメ音楽全般に対してどんな印象をお持ちなのかも聞いてみたいです。
岬 私の人生の中で欠かせないものです。ふとしたときに楽曲を聴くと、アニメの1シーンが甦ってくる感覚がすごく好きで。例えばアニメの最終話近辺のいいシーンでいきなりOPテーマが流れてきたりとか、そういうお洒落な演出も込みで思い出に残っているものが多いですね。1つの作品との結び付きが強いところがアニソンの良いところだと思っています。
――特に印象深い楽曲を選ぶとすれば？
岬 作品で言うと私は『凪のあすから』というアニメがとても好きで、やなぎなぎさんが歌ってらっしゃったEDテーマの「アクアテラリウム」もそうですし、オープニングもエンディングも含めてあの作品の主題歌は、私が今まで生きてきた人生の中で一番鮮明に物語の絵が浮かぶ楽曲です。楽曲を聴いたらアニメをいちから観たくなるっていう。オープニングで陸を感じて、エンディングで海を感じながら観ていました。
――Rayさんが歌うOPテーマ「lull ～そして僕らは～」も素晴らしかったですよね。ラジオに対する印象も聞きたいのですが、それこそ岬さんは「岬なこのそんなこんなこラジオ!」というラジオ番組もやっていますよね。
岬 ラジオは聞く時と話す時で180度くらい印象が違っていて、聞き手の場合だと、ラジオはどんなときでも一番近くにいてくれる存在という気がします。各番組のDJさんによって、テンション高く話してくれて楽しい気持ちになれる方もいれば、落ち着いた話し方で聞いていて心が優しくなれる方もいて。声だけで情報を伝えるという意味では、声優さんのお仕事と近いようにも思いますし、そういった部分も含めて私の日常にすごく寄り添ってくれるものだと感じています。
――自分がパーソナリティを務める場合は？
岬 話し手に回るととても難しいです。言葉だけで物事を伝えるのが本当に難しいんですよね……今も「難しい」という言葉しか出てこないですし（笑）。その「難しさ」をもっと多彩な言葉で言語化できるのがプロなんでしょうけど。でもやっていて楽しいと思うのは、時間があっという間に過ぎるんですよね。実際に収録された番組を聞くと、「あれ？私こんなに話していたんだ!?」と思うことばかりで（笑）。
――聞き手としてラジオに感じる身近さを、自分でラジオをやる際に心がけていたりするのでしょうか。
岬 初めましての方が聞いたとしてもとっつきやすいように話ができたらいいなあ、という願望はあります。私は兵庫県出身ということもあって、関西弁で話すコーナーを設けているのですが、それで関西出身の方が親近感をもって聞いてくださることもあって。まあコーナーに関係なく要所要所で自然と関西弁が出るんですけど（笑）。そういうことも考えながら番組をやっています。
――ありがとうございます。最後に、7月27日・28日に開催されるライブイベント“リスパレ！LIVE vol.1”への意気込みをいただけますでしょうか。岬さんは28日の公演に出演されますね。
岬 ここまで記事を読んでくださった方は、「この子はステージで歌を歌っていないんだな」って思うかもしれないですけど（笑）、私の歌を初めて聴いてくださる方も、いつも聴いてくださっている方に対しても、どんなときでも新鮮な形で歌を届けたいと思っていて。私は“歌をうたっていない”からこそ、そのときにしか出ない表現がわかりやすく出るのかなと思っています。なので、その日限りの私の歌とパフォーマンスをぜひとも見ていただきたいですし、「明日から頑張ろう」とちょっとでも思ってもらえたら嬉しいです。それと関西出身としては大阪でライブができることも嬉しいので、関西弁で皆さんとコミュニケーションをたくさん取りたいなと思います！
●岬 なこ Profile
3月8日生まれ、兵庫県出身。ホーリーピーク所属。
ラブライブ！シリーズの4作目となる「ラブライブ！スーパースター!!」の嵐 千砂都役を担当し、同作品のスクールアイドルグループ・Liella!のメンバーとして数多くのライブや音楽フェス、TV番組への出演など幅広く活動中。
2023年7月5日（なこの日）に、デビューアルバム「day to YOU」にてソロアーティストとしてデビュー。同年11月1日には、TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』EDテーマとなる1stシングル「スイートサイン」をリリース。
2024年7月放送開始予定であるTVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』のOPテーマを担当し2ndシングル「ちいさな蕾」を7月24日に発売予定。
インターネットラジオステーション＜音泉＞「岬なこのそんなこんなこラジオ！」パーソナリティ。
●「リスパレ！」とは
アニメ音楽メディアである「リスアニ！」と、大阪のラジオ局・FM802で、カラフルな音楽との出会いを描く番組「802 Palette」がタッグを組んだ新・音楽メディア。
アニメ・ゲームカルチャー・ネットミュージック、そしてその枠を越えた様々なアーティストの魅力を発信します。
また、「リスパレ！」がプロデュースするライブイベント「リスパレ！LIVE vol.1」の開催も決定！
「リスパレ！LIVE vol.1」
2024年7月27日（土）・28日（日）
開場：16時15分 開演：17時00分（予定）
会場
大阪・心斎橋BIGCAT
https://bigcat-live.com/
出演者（50音順）
7月27日（土）：楠木ともり／シユイ／棗 いつき／はしメロ
7月28日（日）：伊藤美来／こはならむ／Who-ya Extended／岬 なこ
チケット
スタンディング ￥6,600（税込）
※入場時ドリンク代別途￥600が必要
詳細やチケット申し込みは下記
https://funky802.com/lispale/
●関連リンク
岬 なこ
公式サイト
https://lantis.jp/misakinako/
公式X
https://twitter.com/MisakiNako_
リスアニ！ × 802 Palette「リスパレ！」
公式サイト
https://funky802.com/lispale/
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