――そして、5月15日には映画『ハピネス』の主題歌「僕らの幸福論」が配信でリリースされました。
みあ 映画の主題歌を担当させていただくのが初めてだったので、お話をいただいた時は、ものすごく嬉しかったですね。映画館の大音響で響いたときのことを想像すると、もう制作する前からドキドキして、作るのが楽しみでした。
――制作はどんなところから始めたんですか?
みあ 撮りたて繋ぎたてホヤホヤ状態の映像と台本をいただいて。じっくりセリフの意味を自分なりに考察したりしながら作品を見たうえで、三パシチーム、映画チーム、そして、MIMIさんと打ち合わせをしました。
――まず、映画を観てどんな感想を抱きましたか?
みあ 死と生に向き合っていく美しさを感じました。高校生2人の男女の話で、彼女が心臓の病気であと1週間しか余命がないっていう。いわゆる高校生の余命ものではあるんですけど、これまで観てきた“高校生の余命もの”とは異なる作品だなと感じていて。死に向かっていく恐怖ややるせなさ、運命を悔やむ気持ちや葛藤といった、心の弱くなってしまう部分はもちろん描かいているんですけど、この作品ってすごく前向きなんですよね。あと1週間しかないんだから、自分の好きなことをやりたいじゃないって、生に対してすごく前向きに向き合っている作品だなと思っていて。なので、喪失の悲しみだったり、切なさみたいなものを歌うよりも、立ち止まったままでいるんじゃなくて、心のぽっかりした部分は抱えつつも、自分の人生をちゃんと歩いていく歌にしたいなと思って。
――「モーメント」や「マシュリー」、「いっせいの」で知られるボカロPのMIMIさんとの共作になってます。
みあ 切ないけど希望的で前向きっていう部分を踏まえたときに、MIMIさんの曲がまさに自分の中でぴったりはまって。ピアノを主役にした美しいサウンド感。MIMIさんの曲は切ないんですけど、悲しくはないというか、ちゃんと前を向かせてくれる、光の射す楽曲だなと思っていて。なので、お声がけさせていただいて、それぞれのスタッフが初めて集まって、じゃあどういう楽曲にしていくかっていう話し合いをする時点でMIMIさんはもうデモを作ってきていて。それを聴いたとき、私自身の解釈とも相違がなかったですし、監督やプロデューサーの方からも、「主人公の雪夫がちゃんと自分の日常に戻っていく姿を連想できました」という意見をいただいて。全員の解釈に齟齬がなかったので、そこからほとんどアレンジは変わっていないですね。あとは、歌詞がちゃんと聴こえてくるテンポの曲にしてほしいというオーダーを踏まえつつ、作っていきました。
――ピアノとボーカルがメインで、そこにチェロが寄り添い、ビートは打ち込みで歩いてるような速度を連想させるものになっています。歌詞は、三パシのディスコグラフィの中では珍しく、両思いのラブソングになってますよね。永遠の別れをはらんでるとはいえども。
みあ 自分の性癖上、結ばれないことにものすごく感情を掻き立てられちゃうんですよね。お互いに想い合っているけれど、どうしても運命的な意味で結ばれなかったとか、めちゃくちゃ好きだったけど、全然相手にされてないとか。上手くいかなさっていう部分に私は心を掻き乱されちゃうから、ここまでピュアで一途な愛を歌うのは新鮮でしたし、歌っていて、すごく素敵だなって、羨ましくなっちゃいました。ここまで人を愛せることというか、愛せる相手と出会えて、しかも、相手も自分のことを同じように愛してくれるって、すごく奇跡的なことだと思うんですよね。だって、例えば理想を箇条書きにして並べたとしても、みんなどこかで折り合いをつけてる部分があると思うんですよ。でも、この2人は、そんなの関係なく、とにかくもう相手のことが大好きだっていう。そういう相手と出会えるって本当に奇跡だし、愛を知れたということが2人にとっての幸福だったんだろうなっていうことを考えながら歌詞を書いていきました。
――幸福=愛を知るということだとすると、深雪と達也の関係とも繋がる部分がありますね。夏にはライブも決定してますが、どんなライブになりそうですか。
みあ ライブのタイトルはまだこれからで、テーマについて色々と考えている最中ではあるんですが、今日、お話ししてきたように、最近、“愛することについて”というか、“愛ってなんだろう?”って考える機会が多くて。愛しているつもりでいても、人を愛してるようで自分を愛してるだけなのかもしれないと思うこともある。楽曲の中でも「僕らの幸福論」は愛に初めて触れられた幸福について歌っていて。「スノーノワール」は強すぎる愛情がゆえに、少し過剰になりすぎてしまう気持ち、愛が人を変えていく姿みたいなものを描いてる。「僕らの幸福論」に関しては、美しくて尊くて、触れると温かいような愛の陽の部分を描いてるんですけど、愛ってそういう部分だけじゃないと思うし。光と影があって、愛情が強すぎるがゆえに、嫉妬心に繋がっていったり、嫉妬心がだんだん大きくなりすぎて、強い憎しみに変わっていくことだってあると思う。人を明るくもさせるし、暗い部分にも連れていくものだなと思っていて。人間って結局、自分のことが好きだし、自己愛を超えて他人を愛することって本当にできるのかな、とか。そういうことを最近よく考えてるので、ライブの中でも、愛するってどういうことだろうとか、愛は技術で賄えるものなのかとか……。
――愛は技術だって言い切ってる哲学者もいますよね。
みあ フロムの「愛するということ」ですよね。そういうことをテーマにしたライブにしたいと考えてます。
――この8月で「daybreak」のリリースから丸9年を迎えて、10年目に突入していきますが、これから先はどう考えてますか。
みあ 今年はライブをさせてもらう機会が多い年になりそうだなと思っていて。日本のみならず、初めて中国でワンマンライブができたり、5月にはインドネシアの“AFA”っていう海外のフェスに出演させていただいて。海を越えた場所でもこんなに熱い気持ちを持って応援してくれるリスナーがいるんだっていうことを実感できたので、積極的に今後も会いに行けたらいいなと思うし、日本で待ってくれて、まだ会いに行けてないリスナーのもとにも行きたい。いつも言っているんですけど、私はライブが好きなので、直接音楽を届けられる機会をもっともっと増やしていきたいなと思います。特に10周年はライブをたくさんやれる年にできたらいいなって。
本特集記事の取材後、「スノーノワール」の制作を担当されたNEEのくぅさんがお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
●配信情報
映画「ハピネス」主題歌
「僕らの幸福論」
配信中
配信リンクはこちら
https://3pasi.lnk.to/OurTheoryofHappiness
●作品情報
映画『ハピネス』
公開中
7日後に消えてしまうキミは、世界で一番輝いていた——。
残りわずかな時間を「自分らしく生きたい」
雪夫(窪塚愛流)と由茉(蒔田彩珠)の、悲しくて、最高に幸せな7日間のラブストーリー
原作:嶽本野ばら 「ハピネス」(小学館文庫刊)
監督:篠原哲雄 脚本:川﨑いづみ
出演:窪塚愛流 / 蒔田彩珠
橋本 愛 / 山崎まさよし / 吉田 羊
【期間生産限定盤(CD+DVD)】
品番:VVCL-2471~2472
価格:¥1,980(税込)
※アニメ描きおろしイラスト使用デジパック仕様
※アニメ描きおろしイラスト使用ステッカー同梱
<CD>
スノーノワール
スノーノワール -TV size-
スノーノワール -Instrumental-
<DVD>
TVアニメ「魔法科高校の劣等生」スティープルチェース編 ノンクレジットED
●ライブ情報
三月のパンタシア SUMMER LIVE 2024 (仮)
2024年8月24日(土) 16:00 open/17:00 start
会場:Zepp Shinjuku
プレイガイド2次先行受付
<受付期間> 2024年5月15日(水)12:00~2024年6月2日(日)23:59
<当落発表> 2024年6月4日(火)13:00~
<入金期間> 2024年6月4日(火)13:00~6月9日(日)21:00
プレイガイド3次先行
<受付期間> 2024年6月12日(水)12:00~2024年6月26日(水)23:59
<当落発表> 2024年6月28日(金)13:00~
<入金期間> 2024年6月28日(金)13:00~7月3日(水)21:00
一般発売
7月6日(土)10:00~
券種
前売チケット ¥6,600(税込)
1ドリンク代別途 / 整理番号付き
受付
▷キョードー東京:https://kyodotokyo.com/phantasia2024
▷イープラス:https://eplus.jp/phantasia/
▷チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/phantasia-t/
▷ローソンチケット:https://l-tike.com/phantasia/
※1人2枚までお申し込み可能。会員外のお客様へのチケット譲渡可能。
※3歳以上有料。
三月のパンタシア オフィシャルサイト
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