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INTERVIEW

2024.05.29

後輩のような存在から“光のアイドル”へ――前島亜美が語る丸山 彩と歩んできた7年、Pastel*Palettes新作ミニAlbum『いろとりどり』に刻まれた成長の証

後輩のような存在から“光のアイドル”へ――前島亜美が語る丸山 彩と歩んできた7年、Pastel*Palettes新作ミニAlbum『いろとりどり』に刻まれた成長の証

次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」およびスマートフォン向けゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(以下、「ガルパ」)発のアイドルバンド、Pastel*Palettes(以下、パスパレ)。ジャンルを問わない多彩な音楽性と強い信念のもと、自分たちらしいアイドル像を追及している彼女たちの成長と進化を体感できるのが、この度リリースされたミニAlbum『いろとりどり』だ。バンドのボーカルにしてリーダーの丸山 彩、そして彼女を演じるキャストの前島亜美。パスパレの顔ともいえる2人が出会ってから7年、その結び付きはより深いものになっている。“アイドル”の光と影を実際に知っているからこそわかる共感、すごさ、憧れ――丸山 彩とパスパレに対する溢れんばかりの想いを、前島にたっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

“光のアイドル”とPastel*Palettesへの憧れと尊敬

――「ガルパ」は今年で7周年ということで、前島さんが丸山 彩役のキャストになってから7年が経過したわけですが、今の前島さんにとって“丸山 彩”はどんな存在になっていますか?

前島亜美 私は今26歳なので、彩ちゃんと出会ったときはまだ十代だったのですが、最初の頃の彩ちゃんは研究生からようやくチャンスを掴んでPastel*Palettesとしてデビューした、まだ走り出しのところだったので、私もアイドルだった経験があるぶん、初々しくてかわいい後輩のようなイメージで見ていたところがありました。でも、彩ちゃんはパスパレのみんなと色んな経験をしていくなかで、かわいさだけでなく強さや逞しさも持ち合わせるようになって。今は自分と肩を並べるどころか、遥か先を走っていて、全アイドルが憧れるような“光のアイドル”だと感じています。今の私にとっての彩ちゃんは光を見せてくれる存在で、私ももちろん自分にできる最大限のお芝居をしていますが、台本を読んでいるときに彩ちゃんからたくさんのものをもらって、それをお芝居で返しているだけ、という気持ちがあります。

――いつ頃から丸山 彩を“光のような存在”と感じるようになったのでしょうか。

前島 「ガルパ」のストーリーは「どうしてアイドル業界の表も裏もこんなにリアルに描けるんだろう?」と思うくらい、ステージに立っているときのキラキラした部分だけではない、裏側の大変な部分も描かれていて、とても深い“アイドルあるある”が詰まっているのですが、私もアイドル時代に経験したようなエピソードがたくさん出てくるんです。ライブのチケットを自分たちで手売りしたりとか、ライブで音響が止まったりとか。そういうときの彩ちゃんの悩む姿が昔の自分と重なって共感することが多かったのですが、そこから彩ちゃんはどんどん周りの大人に自分の理想のアイドル像を主張できるようになって、どんな困難でも絶対に諦めることなくパスパレを守る思いの強さがメンバーの心も動かすようになって。そこに自分との違いを感じたと同時に、私のなりたかったアイドル像を守ってくれているような気がして、「アイドルはこうあるべきなんだ」と感じるようになりました。私にはできなかった“光のアイドル”の道を、諦めずに、折れずに、ここまで貫けるのは本当にすごいことだと思いますし、尊敬しています。

――丸山 彩という役に出会った当初、アイドルとしての境遇だけでなく、性格や考え方などで自分に重なる部分はありましたか?

前島 私も、根が真面目で夢を叶えるためには努力が一番大切という気持ちでステージに立っていたので、その心の持ち方は彩ちゃんと似ていると思うのですが、リアリストなところ、「努力したところで必ずしも夢が叶うわけではない」という部分では(白鷺)千聖ちゃんに似ているところがあって。

――それは意外でした。

前島 初期の頃の千聖ちゃんは、彩ちゃんに対して「想いだけで夢を語るのは甘いんじゃない?」というところがあって。その頃の私はアイドルをやり終えたばかりの時期でもあったので、「そうそう、夢って簡単には叶わないよ」みたいな感じで共感していたんです。でも、彩ちゃんは“光のアイドル”なので、どんなに大きな困難に直面しても、証明してくれるんですよね。誰よりも練習して、涙を流しながらでも背中を見せてくれる姿に、千聖ちゃんまでもが心を動かされて、自分の夢を持てるようになっていく。彩ちゃんの夢、パスパレの夢が、千聖ちゃんの夢になったところで、千聖ちゃんに共感していた私も一緒に「ウウッ……」と涙してしまって。現実を見たあとに、それでも想いは届くことを信じさせてくれる、アイドルは素晴らしいものという気持ちに再度戻してくれる彩ちゃんの引力、人を引き込む力はものすごいと思います。

――そういった丸山 彩の成長に伴い、演じ方にも変化はあったのでしょうか。

前島 彩ちゃんはアイドルの女の子で、泣きやすくて「うえ~ん」みたいなセリフも多くて、ちょっとあわあわしているイメージがあるので、最初はなるべくかわいらしいイメージで演じていたのですが、年が経っていくごとに、そういうかわいらしさではなく、「いかに気持ちを乗せられるか?」というところでお芝居をするようになりました。なので今は彩ちゃんのギリギリのラインを探りながら演じている感じで、例えば結構重たいシーンで彩ちゃん的にどこまで落ち切っていいのか悩んだときも、スタッフの方から「もし違っていたら言うので、いけるところまでいってみてください」とおっしゃっていただいたので、アイドルらしさやかわいさを優先するのではなく、深みを出せるようにお芝居をさせていただきました。彩ちゃんの人間力の向上に伴って、幅を出しながらお芝居をさせていただけるようになって、とても楽しく収録させていただいています。

――彩ちゃんの声色は自分的に出しやすかったりするのですか?

前島 地声ではないので、努力はしているのですが、そこの声帯はだいぶ育ちました(笑)。歌も「しゅわりん☆どり~みん」(2017年リリースの1st Single表題曲)は最大限かわいい声で歌うところから始まったのですが、だんだん彩ちゃんからブレない範囲でかわいい音が自分の中で色々できるようになってきて。今後もっと豊かにしたいなと思いながらやっています。

――パスパレ自体の個性や魅力について、どのように感じているのかも聞いてみたいです。

前島 パスパレへの思い入れが強すぎて、「とにかく特別で素晴らしいんだ!」としか言えないくらい語彙力がなくなってしまうんですけど。まずストーリーが本当に素敵なんですよね。みんな真っ直ぐで、お互いのことを思いやりながら尊重していて、そのなかで自分はどうあるべきなのかを自問自答しながら、すべてをパスパレに還元する。誰かが悩みや疑問を抱いたときは、別の真っ直ぐさを持ったメンバーが必ず向き合ってくれて、心のわだかまりをほどいてくれるんです。「大丈夫だよ」って救いの手を差し伸べてくれる。非常に繋がりが深くて、こんなに素敵なアイドルはいないと思います。

――パスパレ内における丸山 彩の存在は、前島さんから見てどう映っていますか?

前島 彩ちゃんはパスパレのリーダーなのですが、最初の頃は困ったときは千聖ちゃんに頼ってしまうところがあったので、彩ちゃんがリーダーということが意外で。でも、だんだんみんなとの関係性ができて、たくさんの試練を乗り越えていくなかで、彩ちゃんがパスパレの大黒柱だということをひしひしと感じるようになりました。千聖ちゃんがなかなか弱音を吐けないことも彩ちゃんは察することができるし、(大和)麻弥ちゃんの自分に自信がないところにも私はすごく共感するのですが、そんな麻弥ちゃんが機材に強いことに彩ちゃんが触れて「自分にできないことがたくさんできてすごいよ」と肯定してあげるシーンを見て、私がめちゃくちゃ泣くっていう(笑)。

――千聖だけでなく麻弥にも感情移入してしまうんですね(笑)。

前島 彩ちゃんは「私がリーダーなのでついてきてください!」というタイプではないのですが、(若宮)イヴちゃんや、なんでもできる(氷川)日菜ちゃんを含め、全員が「彩ちゃんがいるから大丈夫」という想いを持っているので、今はまぎれもなくリーダーなんだなと実感しています。

――パスパレの音楽性についてはどのように感じていますか?

前島 今回のミニAlbumのタイトルの通り本当に『いろとりどり』で、「バンドリ!」には色んなバンドがいますが、一番振れ幅が大きいのはパスパレだと思う瞬間があるくらい、様々なジャンルの楽曲があるのが強みだと思います。アイドルはあらゆるジャンルをできなくてはいけないので、これからも無限の可能性があると思いますし、ぜひたくさんの方に愛していただきたいです。

次ページ:“いろとりどり”の歌声と音が咲き誇る、パスパレの最新モード

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