――もう1曲、アニメ通常盤には、傘村トータさんが作詞・作曲、堀江晶太さんが編曲された「一生分の星と逃げる」を収録。“君”の幸せを願う“私”のひたむきな気持ちがロマンチックに描かれた楽曲です。
大渕 素晴らしい曲ですよね。歌詞から感じたのは、私の勝手な解釈ですがこの楽曲の主人公は“君”に対して、この歌詞に綴られているたくさんの気持ちを1つも直接伝えていないんじゃないかということで。きっと胸の内で思っているからこそ、これだけたくさんの気持ちが溢れているし、それを直接伝えるには至らない、すごく繊細な主人公だと思ったんですね。それと同時に感じたのが、自分自身も相手に同じことをしてほしいんじゃないかということ。そういう脆さも感じさせる、丁重に扱われるべき感情が描かれていながら、傘村さんのメロディと堀江さんの編曲によって、清涼感溢れる軽やかな楽曲になっていて。涼しいサウンドと重めで強い感情のバランスが素敵だなと思いました。
――“一生分の星を引き連れて 二人で逃げてしまおう”というフレーズも、意志の強さと儚さが同時に感じられて秀逸ですよね。
大渕 この楽曲には夜空の二面性が表れているように感じていて。小学生の頃、キャンプで夜空を見上げたときに、宇宙に吸い込まれるような、はたまた押しつぶされるような広大さへの恐怖心を感じたことがあるんですね。でも、星に目を向けたらすごくキラキラしていて、儚さもあって、美しい。夜空にはそういう二面性があると思うのですが、この楽曲からはそういう二面性を感じると同時に、それが合わさって優しい楽曲になっていると思いました。
――そういった二面性を持った楽曲を歌で表現するのは難しかったのではないでしょうか。
大渕 とんでもなく難しかったです!この曲ではプロデューサーさんから「儚い透明感」を意識するようにディレクションを受けたのですが、私は歌声としてアクセル全開になりやすいタイプで、声質も地声は太いほうなので、“儚さ”も“透明感”も自分とは真逆にあるものなんです(笑)。でも、これだけ繊細な心情を描いた楽曲なので、声を作ろうとして邪念が入ると、歌詞が台無しになる。なのでこの楽曲においては、大渕野々花としての邪念は絶対に捨てきらなくてはいけなくて。
――どうやって邪念を取り払ったのですか?
大渕 そこは演技とも似ているところで、やり方としては、最初はとりあえず邪念たっぷりにやるんです。例えば、私は舞台『リコリス・リコイル』でクルミ役を務めさせていただいているのですが、2.5次元舞台というのは(原作アニメの)声優さんの演技ありきで始まるので、お客さんも立体化されたクルミを期待されていて、まず原作の声優さんのお芝居を踏襲する必要があるんです。
――なるほど。
大渕 でも、それを声マネして音としてなぞるだけだと、演技のプロにはすぐバレるんですよ。そこで私のやり方としては、まずは音をなぞって、声優さんの声に狙って寄せていく。それをずっと続けていると、だんだん板に付いてきて、何も考えなくてもそういう音になっていくんです。なので公演期間中は日常生活の会話もクルミちゃんっぽくなって、家で母に「僕」と言ってしまったこともあるくらいで(笑)。そこまでいくと邪念もなくなるので、この楽曲のレコーディングでも、事前に家で(歌のプランを)たくさん考えて用意して、でもレコーディングではなるべく考えない心持ちで臨みました。
――その意味では4曲とも全然違うアプローチの楽曲になりましたが、改めてご自身にとってどんなシングルになったと感じますか?
大渕 まさに名刺代わりの一枚になりました。冒頭にもお話ししたように、私は役者としても歌手としても色んな作品に溶け込みたい思いがあって。その意味で音楽においても色んな境遇に溶け込めることを表現できたシングルになったと思いますし、アーティストとしてだけでなく、声優・大渕野々花としても名刺になるシングルだと思います。
――ちなみに、この4曲のなかで一番自分らしいと感じるのは?
大渕 プロモーション的なことを考えると「終わらないストーリー」と答えるべきなんでしょうけど、やっぱり「夢.jpeg」ですね(笑)。「終わらないストーリー」は聴いた方が自分のことを重ねられたほうがいいと思うので、大渕っぽさは強くないほうがいいのかなと思っていて。
――でも「夢.jpeg」が一番自分らしいというのは、かなり掴みどころがない人という印象にもなりますが(笑)。
大渕 ああー。でも、対外的にはああいう人間ではないと思うんですよ。もちろんそれも自分ではあるんですけど。「夢.jpeg」は本当に自分の素の部分が出た楽曲だと思います。恥ずかしいですけど(笑)。
――その話を聞くと、大渕さんの素の部分をもっと見たくなってきました。
大渕 でも今は結構、素でお話ししていると思います。お話ししながら「私、引き出されている……!」と思ったので(笑)。
――小林さんには敵いません(笑)。最後にアーティスト活動/声優活動における今後の目標や夢、実現したいことを教えてください。
大渕 声優としては、自分で「私はこういう役が合う」と思いこんだり決めつけてしまうのではなく、色んな役柄に挑戦して新しい扉を開けていきたいです。アーティストとしては、フェスやイベントのように厳しい目も存在し得る場に突き出されてみたくて。今、私の耳に届く感想はファンの方からのものがほとんどなので、私に関する事前情報の無い人からはどう見えて何を言われるのかに興味があって。それに触れることによって、新たな反省点が見つかるかもしれないし、また違った自信も持てるかもしれないですし。だから結局はみんなの持論が気になるんですよね(笑)。色んな人に私のことを知ってもらって、「ねえ、何でそう思うの?」って聞いて回りたいです!
●リリース情報
TVアニメ『怪異と乙女と神隠し』エンディング主題歌
「朱く染めて心臓」
発売中
【直筆サイン入り限定盤(1CD+フォトブック)】

品番:VTZL-242
価格:¥2,750(税込)
※大渕野々花本人が1冊1冊手書きした直筆サイン入りフォトブック「ののさんぽ」同梱
<CD>
01.朱く染めて心臓
作詞/作編曲:Neru
02.夢.jpeg
作詞/作曲:小林私 編曲:sugarbeans
03.終わらないストーリー
作詞/作編曲:イナツ
04.朱く染めて心臓(Instrumental)
05.夢.jpeg(Instrumental)
06.終わらないストーリー(Instrumental)
【アニメ通常盤(1CD)】

品番:VTCL-35375
価格:¥1,430(税込)
※TVアニメ『怪異と乙女と神隠し』×大渕野々花 コラボイラストジャケット
<CD>
01.朱く染めて心臓
作詞/作編曲:Neru
02.夢.jpeg
作詞/作曲:小林私 編曲:sugarbeans
03.一生分の星と逃げる
作詞/作曲:傘村トータ 編曲:堀江晶太
04.朱く染めて心臓(TV Size ver.)
05.一生分の星と逃げる(Instrumental)
●リリースイベント情報
・2024年5月25日(土) 14:00~
内容:1時間店長(「名刺」お渡し会)
【東京】AKIHABARAゲーマーズ本店 (5F店内スペース)
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/News/A028551/13.html
・2024年5月25日(土) 17:00~
内容: 推し撮り会(チェキ撮影会)
【東京】アニメイト秋葉原1号館 (7Fイベントスペース)
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/News/A028551/14.html
・2024年6月3日(月) 19:00~
内容: ミニライブ&特典「ポスター」お渡し会 ※ランダムで直筆サイン入り
【東京】タワーレコード新宿店(9Fイベントスペース)
★直筆サイン入り限定盤をお買い上げの方は、商品フォトブックにお名前をお入れします!
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/News/A028551/15.html
●作品情報
TVアニメ『怪異と乙女と神隠し』

放送・配信中!
AT-X 毎週水曜22:30~(リピート放送:毎週(金)10:30~/毎週(火)16:30~)
TOKYO MX 毎週水曜24:00~
BS日テレ 毎週水曜24:00~
カンテレ 毎週木曜26:55~
ほか、各サイトにて配信
<イントロダクション>
見えてはいけない「!」の標識—
それは、そこに“怪異”があった証。
とある街の書店員で、作家志望の緒川菫子は、今日も同僚の化野蓮と、不毛な無駄話に花を咲かせている。
しかし化野には、菫子の知らない秘密があった。
人々が噂する怪談、都市伝説、現代怪異の一部は実在する。
ある日、書店にいつの間にか増える“逆万引きの本”をきっかけに、二人は街で次々と起こる不可思議な事件に立ち向かっていく。
これは現代社会に巣食うミステリーに挑む凸凹コンビの、ささやかな友情と別れの物語。
【スタッフ】
原作:ぬじま(小学館「やわらかスピリッツ」連載中)
監督・シリーズ構成:望月智充
キャラクターデザイン・総作画監督:谷拓也
プロップデザイン:秋篠Denforword日和
美術監督:榊󠄀枝利行
色彩設計:一瀬美代子
撮影監督:斉藤朋美
編集:宇都宮正記
音響監督:郷文裕貴
音響効果:出雲範子
音響制作:dugout
オープニング主題歌:「ハザードシンボル」歌:遊遊
エンディング主題歌:「朱く染めて心臓」歌:大渕野々花
音楽:小西香葉・近藤由紀夫
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:ゼロジー
製作:「怪異と乙女と神隠し」製作委員会
【キャスト】
緒川菫子:ファイルーズあい
化野蓮:山下大輝
化野乙:幸村恵理
畦目真奈美:堀江由衣
シズク:高橋李依
天地のどか:会沢紗弥
時空のおっさん:内田夕夜
駅係員:野沢雅子
<大渕野々花(おおぶちののか) プロフィール>
出生日:3月13日
出身地:埼玉県
血液型:A型 / 身長:147cm
趣味:読書、音楽鑑賞、激辛料理を食べること
特技:ニュース原稿読み
小学校から高校時代にかけてドラマやバラエティに出演し、歌唱オーディション番組でも入賞を経験。大学時代には舞台への出演や、ABEMA・BS朝日で学生キャスターを務めるなど、マルチな才能を発揮する。
そうした中、子供の頃からの声優になりたいという夢を諦めきれず、2021年、声優養成所に入所。その翌年、フライングドッグ主催オーディション「犬コン!」で特別賞を受賞し、声優・歌手としての活動をスタートする。
2024年4月放送のテレビアニメ「怪異と乙女と神隠し」にてエンディング主題歌を担当。
©ぬじま・小学館/「怪異と乙女と神隠し」製作委員会
大渕野々花オフィシャルサイト
https://e-stonemusic.com/nonoka
大渕野々花 デビューシングル「朱く染めて心臓」特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/nonoka/debut_single
大渕野々花 公式X
https://twitter.com/tiny_WildFlor
大渕野々花 公式YouTube
https://www.youtube.com/@obuchinonoka
TVアニメ『怪異と乙女と神隠し』公式サイト
https://totokami.com
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