INTERVIEW
2024.05.22
自身も久留米美虹（くるめつつじ）役で出演するTVアニメ『リンカイ！』でオープニング主題歌を担当する佐々木李子。その「Windshifter」を含むシングルはランティスから初めてリリースされる1枚であり、本人名義では3年半ぶりのCDシングルでもあるが、その間も『キラッとプリ☆チャン』や『かげきしょうじょ!!』といった人気作でキャラクターソングを歌い、『デリシャスパーティ♡プリキュア』では主題歌歌唱を担当し、『BanG Dream!』シリーズでは「Ave Mujica」（三角初華／ドロリス 役）を担当するなど目覚ましい活躍と足跡を残している彼女。心機一転、発憤興起して臨んだ3曲に込めた想い、そして今後にアーティスト活動に賭ける気持ちとは？
INTERVIEW BY TEXT BY 清水耕司
――「Windshifter」にはどんな印象を持ちましたか？
佐々木李子 最初に聴いたときから爽やかなメロディに風を感じました。それに、皆さんの掛け声が聴こえてくるような、早くライブで歌いたくなるような楽曲だと思いました。気持ちが前向きになれる歌詞ですし、『リンカイ！』のオープニング主題歌として、競輪選手たちの熱い思いにもリンクしていますよね。失敗や悩みを乗り越えて前に進んでいこうとする気持ちをストレートに込めたいと素直に思えたので、レコーディングまでスムーズに進んだ感覚があります。
――レコーディングでこだわったところは？
佐々木 ちょっと悩んだのはマイク選びだったと思います。私の声はマイクによって聴こえ方が変わる声質なんですけど、スタジオにあったC-800Gというマイクでも長くスタジオで使ってきたものと新品では、古いほうが声が馴染むように聴こえるんですね。新しいほうは子音がはっきり聴こえすぎてしまって。
――声がパキッとしすぎてしまう？
佐々木 はい。なので、そこは時間をかけて選んだ記憶があります。それに今回は、ランティスさんから新たにデビュー、というところで音楽ディレクターさんも初めての方でしたし、一度試しに歌ってみて比べてみるということを何回か繰り返してから決めました。
――マイクの特性をつかんでからレコーディングするくらいに、最初から方向性が定まっていたわけですね。
佐々木 そうですね。今まではレコーディングが長時間になることも多くて、3時間しっかり録ったものを聴いて、後日もう一度録り直させてもらうということもありました。でも今回は、楽曲を聴いたときに浮かんできた景色、カラッとした空の下で歌うイメージで音楽に身を任せることができました。あとは、ランティスさんから新たにCDを出すということでやる気に満ち溢れていたので、サビの“そうさ この世界 回すのは僕だ”も力強く歌うことができました。昔の、自信のない自分だったらそうは歌えなかったと思います。でも、葛藤している部分も（歌詞に）たくさん出てくるので、声優として何回もオーディションに落ちた経験や、悩みながらも諦めずに進んできたことを思い出しながらも歌いました。
――レコーディングを進めるなかで掴んだ部分はありましたか？
佐々木 2番でサビに“景色”という言葉が出てくるんですけど、元々は違う言葉が入っていたんですね。でも、色々と歌ってみるうちに“景色”のほうが歌いやすいし、アニメのイメージにも合っているということで相談させてもらった記憶があります。あと、2番のBメロは仮歌さんの譜割りとは違う歌い方をさせてもらいました。
――それはどういうイメージから変えることにしたんですか？
佐々木 たくさん練習してきたなかで見つけた歌い方のほうが後ろのバンドの音に合っていると思ったんです。バスドラとタイミングがバッチリ合うだったり。
――『リンカイ！』の主題歌であるということを意識したところはありますか？
佐々木 競輪選手の気持ちにすごくリンクしている歌詞ですし、私もスタッフさんやキャストのみんなと競輪場に足を運んでレースを何回も見たり、選手たちのインタビューを読んだりもしていたので、会場の熱気や最後まで諦めない選手の熱い思いは自然と歌に込められたと思います。
――MVも制作されていますが、そちらの撮影はどのように進められましたか？
佐々木 「Windshifter」ということで風がテーマになっているんですけど、監督さんがコンセプトをすごく作り込まれていて。そよ風だったり突風だったり、向かい風や追い風だったり、風にも色々な種類があるけれど形のないところを表現していきたいというお話でした。なので、私も表情と動きで精一杯表現したいという気持ちだったんですけど、当日そんなに天気が良くなくて、途中でポツリポツリと雨が降ってきたんですね。でも、結構広い敷地内での撮影でしたし、今回はドローンも使っていたので、どうしても外で爽やかなシーンも入れたくて。「今行けます」「私はいつでも大丈夫です」みたいな感じで、積極的にお願いしました（笑）。
――後ろにバンドを従えていましたが、あちらはMV用に集められたメンバーなんですか？
佐々木 そうなんです。音楽ディレクターの知り合いの方たちで。手元をアップで見せるシーンもあるので実際に演奏していただいたんですけど、私もギターを練習してるのでちょっと参考にしたくて、撮影の合間にギターの方にソロの感じを見せてもらったり、「この曲難しいですか」と聞いたりしていました。寒い時期での撮影だったのでみんな手がかじかみながら一生懸命に弾いてくださって。感謝しかなかったです。
――撮影中のエピソードで何か印象に残っていることはありますか？
佐々木 寒かったんですけど私は秋田県出身なので全然大丈夫で。でも、スタッフさんが温かいコーヒーを持ってきてくださったり、ダウンを持ってきてくださったり、それがすごく嬉しかったです。MVの撮影でも初めてお会いする方が多かったので緊張していたんですけど、いい雰囲気で皆さんとコミュニケーションを取りながら撮ることができました。
――まだ佐々木さんのことを詳しく知らないチームのメンバーに、レコーディングやMV撮影の現場などに「これがあるといいな」とリクエストしておきたいものはありますか？
佐々木 えー!?でも、コーヒーは嬉しかったです。毎朝絶対飲みますし、それでもお昼くらいになってくるとまた飲みたくなってくるくらいなので。ただ、缶コーヒーはちょっと苦手かもしれないです。
――甘いのが苦手なんですか？
佐々木 あ、そうですね。無糖でミルクが入っていないブラックなら缶コーヒーでも大丈夫だと思います。普段はスターバックスのペットボトルなんかをよく飲んでいて、一番はセブン・イレブンのコーヒーですね。でもカフェインだったらなんでも大丈夫です（笑）。
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