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2024.05.21

「この瞬間」にしか生まれない表現を、堪能できた空間――“青山吉能 Birthday LIVE「C’est nickel!」”レポート

「この瞬間」にしか生まれない表現を、堪能できた空間――“青山吉能 Birthday LIVE「C’est nickel!」”レポート

いつまでも、“今”を受け取り続けたくなる表現者

歌唱後、「My Tale」と「moshi moshi」について「ただ曲を披露するだけじゃなくて、違った魅力をみせられたら」という意図があったことも改めて説明。そしてここから、「理想どおりに仕上げてもらえた」と青山大満足のこのReMixを手がけた小幡康裕(コアラモード.)からの提供曲、「STEP&CLAP」へと繋げていく。観客を立たせ、イントロ中に「手、真っ赤にして帰ってって!」と青山が呼びかけると、客席からはこの日一番のクラップが。その音色に包まれる青山は、嬉しそうに跳ねながら、笑顔を振りまきながら歌唱していく。間奏部分では「たくさんの想い聞かせてくださいー!」と呼びかければ、客席からはさらに大きなクラップが返り、曲明けに思わず「もうこれで終わりたーい!」とこぼすほどの楽しいコミュニケーションが交わされていった。

そして「私とだから観られる楽しい景色って絶対あるので。私は変わらずにここにいるし、ライブもずっと続けていくので……皆さんせっかくなので、お花とか咲かせますか?」と語りかけると、客席でライブ公式グッズ・花を模したアクリルペンライトが色とりどりに輝きを放ったところで、最新曲「Flowery」へ。そんな煌めく花畑を前に微笑みをたたえながら、序盤は温かく優しく、そしてサビでは壮大に歌声を花開かせていく青山。昨年のトーク&ライブツアーのテーマになぞらえて生まれた曲に、またこの場ならではの温かな“愛”が加わっていく。Dメロではまたも凄み感じるエモーショナルな歌い上げをみせたかと思えば、直後落ちサビでの歌声はぽつりとこぼれたようで――最後の最後まで感情の起伏とともにストーリーを物語を感じさせてくれた青山は、「ふうっ」と一息ついたところで降壇。本編を終えた。

すぐさまアンコールを求めるクラップが響きわたり、ステージ上にはバンドメンバーが戻ると、「Sunday」がスタート。しかし歌声はすれども青山の姿ステージ上にはなく……なんと、客席下手側の扉の前に!そのまま通路を練り歩き、歌唱しながらファンとほぼゼロ距離で、自由にコミュニケーション。歌詞のとおり場内に溢れる「ありったけの微笑み」とご対面する、ハッピーサプライズを大成功させてみせた。ちなみにこのとき、客席と通路の間には特に柵などはなし。にもかかわらずトラブルが皆無だったことを、歌唱後に「会いに行く提案をして良かった!」と嬉しそうに振り返っていた。

そんなハッピーな時間を経て、ライブもいよいよ終盤。「アーティスト活動が始まってから、自分を取り巻く環境が大きく変わって。コンスタントに新曲を発表できていたりといい感じにきていると思いつつ……なかなかその先に踏み出すのが怖い“変化怖すぎ期”だった」と吐露し、続けて「『現状維持だとつまらないかも』と思って、勇気を出して……2ndアルバムを制作することになりました!」と宣言すると、観客から歓喜の声が。「今は影も形もない」とのことではあるが、どんな“その瞬間の青山吉能”がパッケージングされるのか、心から楽しみだ。

そして「28歳に向けて、輝かしい未来に行けるように」との曲振りから披露したラストナンバーは、青山自身が強く投影された「透明人間」。わずか2~3秒の暗転の間に、気持ちを作って歌い始める。多彩なナンバーを通じて様々な表情をみせたあとの、そして28歳に向けての1曲として「透明人間」とは、なんとハマった選曲だろうか。ときおりバンドメンバーへも視線を配りながら、今の心の内を吐き出すかのようなパワフルさのある歌声は、大サビに差し掛かったところで懸命さや隠せない不器用さを現出させ、心にぐさぐさ刺さって抜けないものだ。そんな印象を、ラストのスキャットに至るまで感じさせたところで、「これからも愛してくださーい!」とシャウトして歌い終えた。

そして「まだまだ挑戦をやめず、これからも明るくて楽しくて、たまに切なくて。そんな未来を皆さんと一緒に見ていけたら」と挨拶し、最後に「明るく楽しい28歳に、します!」と笑顔で宣言して、一礼とともにライブを締め括ったのだった。

ライブという場における迫力や表情のコントラストがさらに際立ち、歌声のパワフルさも増し続けている青山吉能。彼女の歌声は、毎回のライブにおいて、このセットリストの中だけの物語を感じさせてくれる。そんなライブの場で感じたものをまた楽曲制作にフィードバックし、生み出したものがまたライブでその時々の輝きを放つ――なんと魅力的な循環の中にいる表現者であろうか。2ndアルバムもそれ以降も、“今”やりたいことを丁寧に形にして届け続けてくれるであろう彼女の活動からは、今後も目を離してはならない。

<SET LIST>
M01. 空飛ぶペンギン
M02. Mandala
M03. Page
M04. ツギハギ
M05. あやめ色の夏に
M06. ログマロープ
M07. 明日への手紙
M08. My Tale~moshi moshi~My Tale(ReMix)
M09. Sweetly Lullaby
M10. STEP&CLAP
M11. Flowery
EN1. Sunday
EN2. 透明人間

上記セットリストのプレイリストが期間限定で公開中!
https://aoyama-yoshino.lnk.to/Cest-nickel_setlist
※5月31日までの限定公開

青山吉能 Birthday LIVE 「C’est nickel!」グッズ事後通販決定!
テイチクオンラインショップ青山吉能グッズ詳細ページはこちら
https://teichiku-shop.com/top_news/view/1086
※販売期間:5月24日(金)19:00~6月6日(木)23:59

関連リンク

青山吉能 公式サイト
https://www.teichiku.co.jp/artist/aoyama-yoshino/

青山吉能 公式X
https://twitter.com/Yopipi555

青山吉能 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCzzJMl1tE4qZOWG355Ji0dQ

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