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INTERVIEW

2024.05.20

来栖りん、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』EDテーマ「Believer」リリース!『転スラ』の魅力、自身のソロデビュー1年を迎えての心境を語る

来栖りん、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』EDテーマ「Believer」リリース!『転スラ』の魅力、自身のソロデビュー1年を迎えての心境を語る

デビューシングル「I wish」(TVアニメ『神無き世界のカミサマ活動』OPテーマ)に続き、2ndシングル「Believer」もアニメタイアップ曲となった来栖りん。TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』のEDテーマ「Believer」について、そしてソロデビュー1年を迎えての心境を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

真っ直ぐに歌詞と想いを届けるために――

――デビューからちょうど1年ほど経ちましたね。今回2ndシングルのリリースとなりますが、新しい環境での1年はいかがでしたか?

来栖りん グループで長く活動していたので、やはり1人になった心細さはありました。私が歌詞を間違えたらそれがそのまま伝わってしまうし、ミスをカバーしてくれるメンバーもいないから、その責任が重くて……どうしたらいいんだろうという時期が一度あったんです。ただ、アフレコを経験させていただいたり、プロデューサーの方とお話をしながら色々な曲を作っていくにつれて、徐々に解消されていったというか。スタッフさんからも「ステージに立つのは来栖だけだけど、作る段階は一緒にやっているんだから、全部背負わなくていいよ」と言っていただけたりして、今はだいぶリラックスして活動できるようになりました。そういう意味で、少しずつ成長できた1年だったと思います。

――ソロだと、スタッフ含めたチーム、みたいなところがありますからね。誕生日のSNSでのコメントに“何より人に甘えることが出来る強さを学んだ年でした”と書いてあったのですが、すごく大事なことだなと思いました。

来栖 あまり口に出すことはないんですけど、一度家族に「あんた、顔がやばいよ」と言われたことがあったんです。その時期はすごく仕事が詰まっていたときで、両親に甘えることもできず、1人部屋にこもって寝るだけだったんです。人とのコミュニケーションで、ずっと頭を働かせていたから、家で両親と話すのもしんどかったんですよね。それでちょっと緩ませないとまずいなと思って、少しずつ言うべきことを言うようになりました。あと、友達とは仕事の話をしないほうだったんですけど、最近は話せることは聞いてもらっているので、それも助けになっています。

――適度な息抜きですね。

来栖 仕事をさせていただけている、私を使っていただいているという気持ちが大きすぎて、しんどいときもそれを言っちゃいけないと思っていたし、怠けちゃいけないという気持ちがすごくあったんです。

――そういう状況が続くと心が持たなくなりますよね?

来栖 そうなんですよ、周りが傷つくだけというか。家族との関係も悪くなってしまうので、それなら休もう、みたいな。最近SNSで「心にギャルを飼う」みたいな言葉が流行っていて、めっちゃ良いな!と思ったんです。よく一緒にいる子がいるんですけど、その子と仕事に対するスタンスが似ていて、「私たち、心に昭和のおじさんを飼ってるよね」と話していたんです(笑)。ちょっと仕事で手を抜こうとすると、おじさんが出てきて「お前何やってんだ!」って言ってくるんですよ。家で休んでても、「台本取ってこい!」みたいな。なので最近はギャルを飼い始めて、そのギャルが「おじさん、うるさい!」って言ってくれるので、「一旦、いっか!」ってなるんですよね(笑)。

――それはいいことですね(笑)。

来栖 はい、私の中のギャルが頑張ってくれています(笑)。そうしないと、ここぞというときに、力が出せなくなっちゃいますからね。

――心にも少しゆとりが生まれたところで、2ndシングル「Believer」がリリースされます。TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』のED主題歌ですが、かなり大きなタイアップとなりますね。

来栖 きっとアニメをあまり観ない方でも知っている作品だと思いますし、私ももちろん知っていたのですごく責任は感じました。ただ率直に、本当に嬉しかったです!

――『転スラ』の魅力って、どんなところにあると思いますか?

来栖 やっぱりリムルのマインドだと思います。すごく純粋なんですよね。こうあるべきだ!ということを言っていても、「いや、やっぱりやめた」みたいな感じで、ころっと意見を変えたりするんですけど、そこに人間味がある感じがするんですよね。綺麗事だけではないみたいな。だからリムルの傍にいたら、着いていきたくなるんだろうなと思いました。リムルって、自分も含めたみんなを平等に見ていて、みんなのためにどうしたらいいのかを考えられるんですよ。それがすごくカッコいいなと思います。あと私、ミリム・ナーヴァが大好きなんですけど、最初悪役みたいな感じでもリムルと関わったら、すごく真っ直ぐで純粋だったりすることがわかるんですよね。それはどのキャラにも言えることかもしれないんですけど、それを見ているとすごく心が清まるんです(笑)。

――みんな仲間や友達になっていきますからね。しっかりとその人に合った役割を与えてくれますし。今回の「Believer」も、考え方が違うことも受け入れて、分かり合えたら一緒に歩んでいける、ということを歌っている感じがしました。

来栖 “解析”とか、ところどころに作品を感じるワードが入っていたりするのもアニメタイアップならではで良いですよね。全部肯定するわけではないところも好きで、おっしゃる通り、“どうしたって分かり合えないかもしれない でもせめて認め合えたのなら”とか、柔軟な考え方がアニメとリンクしているなって思います。明るいワードだけではないけれど、すごく前向きになれる歌詞で、“ずっとどこかで孤独を感じてる それでも良い”という歌詞も、それでもいいんだ!と思えて、素敵な歌詞だと思いました。

――“どうしたって”というワードが入っているのが良いですよね。努力してもダメなことはあるという感じで。

来栖 明るい言葉だけぶつけられても、自分が悲しい気持ちにあるときや何かにぶつかっているときだと、上手く理解できなかったり、受け入れられなかったりするじゃないですか。でも、それすらも肯定してくれているような感じがしました。孤独感があってもいいし、分かり合えなくてもいい。そういう言葉選びが作品に通じるし、私自身も色んなことにぶつかったりもするので、自分にも寄り添ってくれる曲になったと思います。

――アニメから離れても、共通するテーマのような感じがしますね。

来栖 自分と同じような人を探すのって難しいですからね。リムルの国の話もそうですけど、色んな人がいるからいいんです!

――フロントマンだと、孤独を感じることもあるのではないですか?

来栖 確かに、自分と同じ立場の人が周りにはいないので孤独を感じることはあるかもしれないんですけど、どうしてこの仕事をやっているのかといったら、ファンの方たちの喜ぶ顔が見たいからだよなっていつも思うんです。仕事が詰まって大変になると、何でこんなにもやもやしながらやっているんだろうって思うこともあるんですけど、そういうときは原点回帰して、何のためにやっているのかを考えると、結局そこに人がいるんですよね。

――だから孤独ではなくなるのですね。最後の“諦めはしない 解析不能な心にだって 何度もノックするよ”からの“alalalalala”は、ライブでファンとの気持ちも確かめ合える箇所かなとも思いました。

来栖 すごく優しさのある曲なので、みんなの傍にもあってほしい曲ですよね。どんな立場の人もグッとくる歌だと思います。アップテンポとかではないところも聴きやすいですし。

――スッと入ってくる感じがしますね。

来栖 普段歌わせていただいている曲がキャッチーだったり、明るいアッパーチューンも多いので、しっとりした歌ができたんじゃないかなと思いました。でも歌ってみて思ったのは、音数が多いわけではないこともあって、声がダイレクトに聴こえてくるんですよね。この曲が真っ直ぐに伝えたいものを、伝えてくれるというか。ブレスの音も残してくれていたので、等身大の感じがしました。だから、自分自身も上手に聴こえる歌い方よりも、真っ直ぐ歌詞を届けるほうを優先したのかなと思います。私は曲の雰囲気に入ったり、その曲の主人公になって、かわいく歌ったりすることが多いんですけど、今回はひたすらに真っ直ぐ歌わせていただいています。

――MVはストーリー仕立てになっていましたね。

来栖 漫画家をしている私の筆が進まず、バイトを掛け持ちしながら頑張っているMVになっています。今回はビジュアルが春っぽいので、希望感とか、前向きな感じが出ているし、すごく歌詞に沿った映像になったなと思います。ちなみにチャーハンも、ラーメンも美味しかったです(笑)。

――ジャケット写真も爽やかでしたね。

来栖 このシャボン玉は実際にスタッフさんが一生懸命飛ばしてくれたんですよ!すごく良い感じで顔にかぶせてくれました(笑)。

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