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INTERVIEW

2024.05.20

『コードギアス』新シリーズの主題歌は満島ひかり×TeddyLoid!「ロゼ(Prod.TeddyLoid)」を満島ひかりが語る。

『コードギアス』新シリーズの主題歌は満島ひかり×TeddyLoid!「ロゼ(Prod.TeddyLoid)」を満島ひかりが語る。

全4幕にわたって公開される『コードギアス』シリーズの新作アニメーション『コードギアス 奪還のロゼ』は、現在第1幕が上映中。そのED主題歌を務めるのが、満島ひかりが歌う「ロゼ (Prod.TeddyLoid)」だ。今回はそんな新曲について、満島ひかりの想いを聞いた。

※本インタビューは、作品のネタバレ内容を一部含みます

INTERVIEW BY 冨田明宏

――これまでも『コードギアス』シリーズを彩る名主題歌はたくさん誕生してきましたが、〈満島ひかり×TeddyLoid〉とは本当に驚きました。シリーズにおいてはサウンド・デザイン的にも、歌唱表現的にもかつてない魅力にあふれた素晴らしい楽曲だと思います。

満島ひかり うわぁ、めちゃくちゃ嬉しいです。今回のオファーをいただいてから、テレビ・シリーズや劇場公開作品など、『コードギアス』シリーズの過去の楽曲を改めて聴きながら「私も頑張らなくちゃ」と奮い立たせていました。

――オファーを受けたときはどのような感想を持たれましたか?

満島 思わず笑ってしまったんですよ、ビックリしてしまって(笑)。実はここ最近、共演させていただいた声優のみなさんのお芝居に感銘を受けて、名作と言われるアニメを全話見たりしていて、すっかりアニメにハマっていたタイミングだったんです。昨年、2ヶ月くらいヨーロッパに滞在していたのですが、現地の方たちも日本のアニメが大好きで。アニメを語る会をしたくらい。『コードギアス』はオファーをいただいてからテレビ・シリーズ、劇場公開作品までを改めて観ましたが、もちろんオファーをもらう前からよく知っていたので「えー、『コードギアス』のEDテーマ!?」って私がアニメに近づいていったら、そのタイミングで不思議とアニメ側からオファーがやってきたというか。それにビックリして思わず笑ってしまったんですよね(笑)。

――不思議な縁ですね。

満島 最高な縁です。でも簡単ではないこともよく分かっているので、緊張もしました。Folder5の時代に『ワンピース』のOPテーマ「Believe」を担当したときも、アニメファンのみなさんの熱さというか、愛情の深さをすごく感じたんです。私たち演者にとっても作品の始まりと終わりに流れる楽曲は、お守りみたいに大切なものだし、EDテーマだと作品の余韻にも関わってくるものだから、特別な感情に寄り添えるように気を引き締めていこうと。

――『コードギアス』シリーズの印象はいかがですか?

満島 最近のアニメでは、ナチュラルなお芝居の作品も増えてきたじゃないですか。その中にあって、ゼロのナルシシズムをさらに誇張したかのような、あの振り切った福山潤さんのお芝居にロックオンしました(笑)。スカッと晴れない、アンバーな空のような声が好きでした。「ロゼ」のためというよりほとんど「ただアニメを観ている人」になってしまったんですけど、観ているうちにシェイクスピアの戯曲との共通点もたくさん見えてきたんです。『ハムレット』とか、今回の『奪還のロゼ』だったら男装の麗人が登場する『お気に召すまま』と、ロゼとサクヤの設定にも彷彿とさせるところがあって。

――昔から『ハムレット』との共通点は指摘されていましたが、確かに今回は『お気に召すまま』ですね。

満島 私はたまたま、『お気に召すまま』のロザリンドと『ハムレット』のオフィーリアを演じたことがあって。シェイクスピアの作品を思い出して、照らし合わせながら観るのも楽しかったです。

――作品にどっぷりと浸かった状態で楽曲制作に移っていったんですね。TeddyLoidさんから曲を受け取った印象は?

満島 とても華やかで、すごく輪郭のはっきりした音楽だと思いました。ただ聞けば聞くほど、私がこれまでに携わっている曲とか、触れ合ってきた音楽とは違うタイプの曲だと感じたので、先ずこの曲に自分自身を馴染ませていくイメージを探しました。もう、何回歌ったかわからないくらい歌い込んで、プリプロ(準備段階の仮レコーディング)でもたくさん歌って、本番のレコーディングも2度に亘りました。

――具体的にはどのような部分をこだわって?

満島 たとえばこの曲のサビで求められる表現は、お芝居で言う「傾く(かぶく)」感じなのですが。序章には遠くの過去に語りかける静けさとか幻想的な雰囲気があって、徐々にサビに向けて現在の気分になってエモーショナルに「傾く」。すごく真っ直ぐで力強い構成なんですけど、私はその中にもちゃんと『奪還のロゼ』から受け取った“女性性”の柔らかい魅力とか、私の歌の成分にある空気感や水分感のようなものを残したくて。英語詞のパートを担当されたKonnie Aokiさんのディレクションで、本当に何度も何度も繰り返し歌って、お互いの目指す最適解を模索して、「ロゼ」が完成しました。

――すごいこだわりですね……。

満島 不器用なだけです(苦笑)。本当はもっとプロっぽく、パパッと歌って「おつかれー!」と言えたらカッコいいんでしょうけどね。でも自分たちが辿り着いた「ロゼ」がアニメのエンディングで流れたとき…特に最終話で流れたときは…もっのすごく感動しました。わぁー、この瞬間の、この余韻を感じたかったんだよなって。あと、余談なのですが、皇サクヤの声と私の歌声の倍音がすごく似ているように感じたんです。不思議だなって。

――だからこそ余計にマッチングの良さを感じたのかもしれませんね。満島さんは日本語詞パートの作詞も担当されていますが、この日本語の部分が重要なキーワードにもなっていて。

満島 最初は全部英語詞だったんです。でも、やっぱり日本で生まれて日本人がお芝居をして完成した作品なので、日本語詞もあった方がよりマッチするだろうなと思って提案しました。コニーさんが英語詞を書いてゆく段階で、細かく「ここまでの表現はOKだけど、ここはネタバレになり得るからNG」という配慮もあったそうなのですが、もう少し深く描きたい気持ちを、日本語詞でちょっとずつ攻めていった感じです(笑)。何回も英語詞部分の気分をコニーさんとディスカッションして、その気分とチグハグにならないように書いていきました。それから、思わず口ずさんでしまう歌詞にもしたかった。

――本当に妥協がないですね。

満島 きっと、自分がロゼやサクヤの気持ちになっていくためにかけた時間だったのだと思うんです。彼女の胸の中から溢れてくる感情について、今はまだわからないけど、「もしかしたらこういうことかもしれない」という素直な言葉は残してあげたいなって。Teddyさんの壮大なメロディの中で、気持ち良く呼吸できる詞であることが自然と、言葉を紡ぐ道標になっていました。

――なるほど。

満島 『コードギアス』のシリーズでは、目に力が宿るのが印象的ですよね。その宿ったエネルギーを多くの人々のために使おうとすると、一番大切な人を犠牲にするような選択肢も出てきてしまう。そういう『コードギアス』ならではのあまりに切ない要素を表現する「特別な支配」という詞が浮かんだときは嬉しかったです。そして、最近アニメを観ていて、キャラクターたちが「まばたき」をする演出に「リアルなお芝居を描くんだなー」と魅力を感じていて。「まばたき」って、一度見た景色を脳に記憶するための作業でもあるし、いろいろな想いを目に込める意味で「まばたき」というワードを使おう、とか。

――その一方で〈満島ひかり×TeddyLoid〉によるダンス・ミュージックとしてもフックがあって、ポップスとしてのしなやかな魅力が損なわれていないのはさすがだなと。

満島 曲がきっかけで『奪還のロゼ』や『コードギアス』の世界を知る人もいるかもしれないし、アニメソングの良い部分と製作陣の個性が、互いを生かし合う楽曲になっていたら良いですよね。TeddyLoidさんの曲の華やかさを残したまま、アレンジを少しだけ引き算していただいたら、ぐっと柔らかな印象に包まれて感動したんです。ほんの少しのことですが、作品の余韻に美しさがプラスされた感じがして。

――ミックスに関してもかなり時間をかけたとは伺っていましたが、そこまで計算して作られていたんですね。

満島 MIYAVIさんの、男性性の魅力あふれるパワフルなオープニング主題歌を聴いて、とてもバランスが良いように思いました。エンディング主題歌は女性性が溢れるような表現でいきたいと話していたので、始まりと終わりのカードが対になったみたいで。

――ふと気になったのですが、昨年はアーティストとコラボレーションしていくクリエイションレーベル・Rhapsodiesを立ち上げて、盟友の三浦大知さんやSOIL&“PIMP”SESSIONSとコラボレーションされていましたが、役者としての表現の魅力と歌手としての表現の魅力をどのように分けて考えているのでしょうか?

満島 一番の違いは、制作過程の中で、私のフィジカルの存在が関係するかしないかなのかな。体つきや見た目が表現に加わると、それにまつわる多くの視点(ヘアメイクをしたりカメラでの撮影、照明、美術や他の出演者との関係など)があるので、制限されるものも出てきます。だからこそ面白いとも言えるのですが、歌や声はもう少し表現の自由度が高い印象もあるかもしれません。音楽の制作は、お芝居と比べると一緒に物造りをしていく人の数が圧倒的に少ないので、よりプライベートな表現に近づける気もしていて、より私らしい感じがしています。

――興味深いお話しでした。改めて「ロゼ (prod.TeddyLoid)」が『コードギアス』シリーズのファンに届くことが今から楽しみです。

満島 ありがとうございます。最近になって、私の周りにもたくさんの『コードギアス』ファンがいることを知りました。スウェーデンの友だちは『奪還のロゼ』が劇場公開することを知ってとても喜んでいたし、世界でも愛されている作品なんだなって、改めて実感しています。「ロゼ」も『奪還のロゼ』とともに愛される曲になったら嬉しいです。


●リリース情報
『コードギアス 奪還のロゼ』ED主題歌
「ロゼ (Prod.TeddyLoid)」
 
2024年6月5日(水)発売

価格:¥3,300(10%税込)
品番:LACM-34551

※CDの購入はこちら
https://lnk.to/LACM-34551

※音楽配信はこちら
https://lnk.to/LZC-2772

<収録曲>
01. ロゼ (Prod.TeddyLoid)
作詞:Konnie Aoki、Hikari Mitsushima 作曲・編曲:TeddyLoid、Add108
02. ロゼ (Zero Mix)
03. ロゼ (Prod.TeddyLoid) (Instrumental)
04. ロゼ (Zero Mix) (Instrumental)

<商品仕様>
初回生産限定
描き下ろしイラストジャケット&バックジャケット
三方背ケース(Blu-rayサイズ)
第1話リサイズアフレコ台本
豪華ブックレット(満島ひかりインタビュー・原画&設定イラスト)

●作品情報
新作アニメーション『コードギアス 奪還のロゼ』

全4幕にて劇場上映
第1幕:大ヒット上映中
第2幕:2024年6月7日(金)~
第3幕:2024年7月5日(金)~
最終幕 :2024年8月2日(金)~

『反逆』『復活』のその後を描く「コードギアス」シリーズ最新作!2人の兄弟が繰り広げる、新たな物語が開幕!!
奪われたすべてを取り戻す! その覚悟があるのなら――

<STORY>
光和7年、ネオ・ブリタニア帝国に占領された合衆国日本・旧ホッカイドウブロックに、「ナナシの傭兵」として知られる傭兵兄弟がいた。非常に優れた運動能力とナイトメアフレームの高い操縦技術を持つ兄のアッシュ、頭脳明晰で情報収集、作戦指揮を担当している弟のロゼ。
シトゥンペバリアと呼ばれる難攻不落のエネルギー障壁により4年間、黒の騎士団の解放作戦を退けてきた第100代皇帝カリス・アル・ブリタニアと、彼に仕えるノーランドら皇帝直属の騎士アインベルク達は、再び世界を混乱へと陥れようとしていた。
依頼を受けたロゼとアッシュは、日本人レジスタンスの七煌星団と共に、皇サクヤ奪還のため、ネオ・ブリタニア帝国に立ち向かう。

【STAFF】
原作・企画:サンライズ
ストーリー原案:大河内一楼、谷口悟朗
監督:大橋誉志光
シリーズ構成:木村 暢
キャラクターデザイン原案:CLAMP
キャラクターデザイン:木村貴宏、島村秀一
ナイトメアフレームデザイン:阿久津潤一
メカニックデザイン:重田 智
メインアニメーター:木村貴宏、島村秀一、中谷誠一、重田 智、橋本敬史
美術監督:小幡和寛
色彩設計:忽那亜実、久保木裕一
3DCG:武右ェ門
CGI監督:篠田周二
音響監督:明田川 仁
撮影監督:千葉洋之
編集:坂本久美子
音楽:川井憲次
オープニング主題歌:MIYAVI「Running In My Head」
エンディング主題歌:満島ひかり「ロゼ (Prod.TeddyLoid)」
配給:ショウゲート
製作:バンダイナムコフィルムワークス、コードギアス製作委員会

【CAST】
ロゼ:天﨑滉平
アッシュ:古川 慎
サクヤ:上田麗奈
カリス:市ノ瀬加那
ノーランド:安元洋貴
キャサリン:東山奈央
ナラ:内山夕実
スタンリー:平川大輔
ヴァルター:加瀬康之
ディボック:水中雅章
クリストフ:吉野裕行
ヒース:逢坂良太
アーノルド:斉藤壮馬
グリード:野島裕史
グラン:小野友樹
黒戸:黒田崇矢
物部:小西克幸
ハルカ:富田美憂
小田:千葉翔也
宗森:坂 泰斗
新城:杉山里穂
佐野:春野 杏
漣:山本兼平
志塚:小林親弘
東見:藤井 隼
岩本:青山穣
ナタリア:寺崎裕香
メイ:白石晴香
ヴァレン:野川雅史

©SUNRISE/PROJECT G-ROZE
Character Design ©2006-2024 CLAMP・ST

関連リンク

「コードギアス 奪還のロゼ」公式サイト
https://geass.jp/roze/

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