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REPORT

2024.05.16

シユイが魅せた、自身の世界へと巻き込む圧巻のパフォーマンス――“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”レポート

シユイが魅せた、自身の世界へと巻き込む圧巻のパフォーマンス――“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”レポート

創作における仲間を見つけられるプラットフォーム「MECRE」で、ボカロP・jon-YAKITORYとのコラボ曲「ONI」をきっかけに、約1年という短期間で、アマチュアからシンデレラストーリーを歩んだシンガーのシユイ。活動歴にとらわれず、シユイのオリジナル曲は、ボカロ文化のキーマンと言えるryo(supercell)やDECO*27などそうそうたる面々によるものであることが特徴だ。

そんな彼女が、4月12日に東京都・Shibuya WWWで“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”を開催。その特権を持つ理由がこの日のライブで明らかになった。

TEXT BY 小町 碧音

シユイのスイッチはステージの上に

2024年4月12日、東京・Shibuya WWWにて開催された“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”。シユイはステージ上で、満員の客席を見渡しながらこう語りかけた。「皆さん一人一人のお顔を見たら、友達に会った気持ちになったよ」と幼馴染に話すような親しみ溢れるトーンで紡がれた言葉は、会場を温かい空気で包み込んだーー。

水色のフリル付きジャケットと広がった裾のパンツを身に纏ったシユイ。ステージの中央に置かれたお立ち台の上に堂々とした出で立ちで登場するや否や、会場は電光石火のごとく彼女のシンガーとしてのオーラに包まれる。ユニークな笑声が耳に残る「ONI」で一声を放った瞬間、普通の女の子のように見えていたシユイの表情は一変し、鋭い眼光を放ち始めた。挑発的でありどこか余裕を感じさせる歌い方と、地鳴りを起こすような力強い歌声に、思わず「ただものではない」という言葉が零れそうになる。

歌いながら最前列に伸びる手と楽しげにハイタッチを交わした「ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー」。空を見上げたあと、即座に観客へと視線を向け、笑顔で煽る。指先まで意識した繊細な動きだけでなく、表情の細部までこだわり、瞬時にスイッチを切り替えられるのはシユイならではのパフォーマンスといえるだろう。常にその場の空気を感じ取り、生の空気感に身を委ねているのが伝わってくる。真っ赤なライティングに照らされた「ドーベルマン」でも、自身の世界へと観客を巻き込んでいく表現力はプロフェッショナルだ。

ギター奏者と目を合わせたり、シユイはバンド全体との一体感を表現しながらスマートフォン向けゲームアプリ「魔法少女まどか☆マギカ scene0」の主題歌「GLOW」を歌い上げた。バンドサウンドと澄んだ歌声が会場に響き渡り、観客の手拍子がシユイの輝きをさらに増幅させる。

「時計のエスコート」、TVアニメ『アンデッドアンラック』OPテーマのカップリング曲「エピローグ」が続き、壮大なバラードと溶け合う歌声に、早くもフィナーレの雰囲気が漂うなか、毎週ツイキャスで行っている配信のBGMとして使用している「あんたがたどこさ」へと繋ぐ。ゆったりとしたリズムに乗せた、この日一番柔らかな声色に出会った。

シユイは自分が一番輝ける瞬間、すなわち歌を歌っているときにすべてを注ぎ込んでいるように感じた。歌を歌っているときは本当の自分でいられると言わんばかりに。ステージに立つと、シユイのスイッチは明らかに切り替わり、歌うことが彼女にとってどれだけ楽しいことなのかが、明確に感じ取れた。

次ページ:新たな顔を見せる未発表曲を初披露

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