自身の誕生日である4月17日に、デジタルシングル「ラベンダー・ブルー」でアーティストデビューを果たした声優・直田姫奈が、5月4日(土)『直田姫奈 Hina Suguta 1st LIVE – Sings -』をSUPERNOVA KAWASAKIで行った。昼・夜2回公演の〈昼公演〉の模様をレポートする。
リリースをしている楽曲は、デビュー曲の「ラベンダー・ブルー」のみ。そのほかの楽曲は、事前に行われた試聴会や配信などで数曲公開していたくらいでほとんどが新曲。彼女のソロ活動は、いったいどんな音楽の方向性なのか、ほとんど未知の状態だったのだが、会場には多くのファンが集まり、満員状態だった。
しかも1stライブは、生バンドによるライブ。直田もコンテンツではギタリストとして活躍しているし、もともと高校時代からアコギを弾きまくっていたので、ギターの腕前は確かなもの。ボーカルマイクの横には、アーティスト活動のために新調したという白いテレキャスターが置かれていた。バックバンドは、リアジュボーン(浅井真/Gt、西川響/Ba、柴田尚/Dr)の3人で、直田の楽曲の作・編曲すべてをメンバーが担当している。つまり今回のライブは、レコーディングメンバーでのライブということになる。
開演時間の15時をまわり、リアジュボーンのメンバーが配置に付くと、ギターのディレイサウンドに、ベース・ドラムの音が重なっていく。前奏が響く中、ステージに直田が登場し、デビュー曲「ラベンダー・ブルー」を披露する。1stライブの最初のステージということもあって、ちょっとした緊張感はあったかもしれないが、徐々に感情的になっていくボーカルと共に、歌もグングン伸びやかになっていく。またBメロでのクラップ、サビでのワイパーなど、お客さんと一緒に楽しもうという気持ちも強く感じられた。
「世にはこの曲しか出ていないんですけど、初めてバンドサウンドで披露しました! 皆さんの動きもバッチリです! ただ次からはほぼ初披露曲になるので、思い思いに音楽を楽しんでくれたらと思います」と伝えると、激しいドラムソロから始まるノリの良いロックチューン「レスピラールの花束」で、サビのキャッチーさと、かわいらしさも感じるボーカルが響き渡る。掴みづらさがあるように思えたリズムやメロディも難なく乗りこなしていた彼女のボーカル。そのレベルの高さを目の当たりにした感じだった。
さらに「声出す準備、できてますか!?」と煽って、ヘヴィなロックチューン「Monday Night」を熱唱。今度はスピーディーでハードなサウンドに埋もれることがない力強いボーカルを叩きつける。ファンも、初めて聴く曲でも関係ないと言わんばかりの大きな声で「オイ!オイ!」と叫び盛り上がっていた。
「今回のライブタイトルは“-Sings-”ということで、私の歌にフォーカスしてお届けするという意味を込めています。いろいろなコンテンツで、踊ったり、ギターを弾いていたりする機会が多かったので、直田の歌をこんなに聴いていただくことはなかったと思うのですが、どうですか?」と問いかけると、ファンは大きな拍手と歓声で応えていた。
そして「次からはエレキを弾きながら歌おうと思います」と言って、「My Truth」はボーカル&ギターとして披露。この曲は、デビュー曲と同じ、金子麻友美が作詞をした曲。少しダークな世界観と、エモーショナルな演奏。直田もサビでギターを掻き鳴らしながら、溢れてくる感情を吐き出すように歌っていく。表現力で圧倒すると、客席からは思わず「カッコいい!」という声が漏れる。
「次はまた、めちゃめちゃ盛り上がる曲です。皆さんヘイ!ヘイ!する準備はできていますか? テレキャスターが似合うロックンロールです!」と言って歌った「DAYDREAM BEAT」。イントロから大きな「ヘイ!ヘイ!」という声が鳴り響き、大きなビートから、サビで一気に開けていく感じが清々しい。直田自身も歌っていて前向きになれると話していたが、真っ直ぐ突き抜けていくボーカルは、聴く人の心も前向きにさせてくれる。
ライブの後半は、まだどこでも披露してない、本当に初めて聴く曲ばかりになると宣言。ベースイントロから始まる「エヌ・オー」は、セリフ調のラップやセリフ、そしてビートに合わせてシャウトするフレーズがあるミクスチャーロック。激しいミクスチャー系のサウンドなのに、ボーカルが声優寄りというトリッキーさはかなり斬新で、この曲をライブで何の破綻もなく表現できる直田のボーカル力は凄まじかったし、ライブを重ねて、みんなで「NO!」と叫んでいる光景が浮かんでくるようだった。
ここでエレキを置いて、再び金子麻友美が作詞した「ばっかだな」を披露。先程の「My Truth」では内面のドロドロした感情を表現していたような感じだったが、この曲は爽やかさもあるポップチューン。〈好きになってもらうために好きになったわけじゃない〉というフレーズも印象的で、切なさも感じられた。「作詞は金子さんで、曲の中でも聴いたことがあるフレーズが散りばめられているんです。この3曲を並べると、見えてくる物語があるので、歌詞が発表されたら、それを見て想像していただけたらと思います」と伝えていた。
クラップから始まった「ASTRO ESCAPE」はリフを印象的に使ったUKロック。90年代風のサウンドだったが、歌い方に現代っぽさも感じて、いい化学反応を起こっていた。ノリノリで歌いきり、最後は指でハートを作ってアピール。そして本編ラストは、キャッチーなメロディが心地よく、懐かしさも感じるポップス「好きだった」。歌詞の切ない想いを、ニュアンスを入れながら表情豊かに歌い上げ、笑顔でライブを終えた。
アンコール1曲目は、YouTubeの自身のチャンネルでもカヴァーしていた「Glamorous Sky」(NANA starring MIKA NAKASHIMA)。この曲は同期がなく、3人がステージ上で出しているサウンドとボーカルだけでのパフォーマンスになったのだが、4人の呼吸がピッタリで、楽しくライブをしているのが伝わってきた(※夜公演は、「たばこ」/コレサワをカヴァー)。そして最後にもう一度「ラベンダー・ブルー」を歌い、初のワンマンライブを終える。改めて、どんな楽曲でも自分の色に染め上げて、抜群の安定感でパフォーマンスをするアーティスト直田姫奈の可能性を、十二分に感じさせるライブだった。
5月12日(日)は、東京シアター・ウィングで、『直田姫奈 Hina Suguta 1st LIVE – Sings – アフターパーティー 上映会トークイベント』を開催。そして〈夜公演〉では、2ndシングル「My Truth」が7月24日にデジタルリリースされることも発表された。この日披露された楽曲の音源化含め、今後の展開も期待してほしい。
●リリース情報
直田姫奈 2nd Single
「My Truth」
作詞:金子麻友美 作曲:西川 響 編曲:リアジュボーン
7月24日発売
品番:COKM-45166
●イベント情報
直田姫奈 Hina Suguta 1st LIVE – Sings – アフターパーティー 上映会トークイベント
2024/05/12(日)
<1回目>開場12:30 / 開演13:00
<2回目>開場16:00 / 開演16:30
場所:東京 シアター・ウィング
内容:1st LIVEダイジェスト上映&エピソードトーク
出演:直田姫奈
※来場者特典として「ラベンダー・ブルー」のB2ポスターをプレゼント
詳細はこちら
https://columbia.jp/sugutahina/live.html#talk
直田姫奈オフィシャルサイト
https://columbia.jp/sugutahina/
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