“誰かの希望に あたしもなれたら”――LiSAッ子と絆を確かめ合い、最高の未来を思い描きながら13周年のお祝いを！LiSA ワンマンライブ“LiVE is Smile Always～i SCREAM～”ロングレポート

そして再びデニムのドレスに着替え、ポニーテールを揺らすLiSAが、あの“ミニLiSA”を伴ってステージへ！今度は2人であの時と同じ「LiTTLE DEViL PARADE」の一節を、かわいらしいトイピアノの伴奏で歌い継ぐ。ここでLiSAは完全体の1人になり、巻き起こる大歓声。

「I（アイ）、自分自身。愛（アイ）、ラブ。哀（アイ）、哀しいとか全部全部叫んで、アイスクリーム（i SCREAM）にして食べる準備はいいですかー？全部美味しく召し上がる準備はいいですかー！」

オーディエンスの怒号のような「LDP」の大合唱と激しいクラップ。LiSAとバンドとダンサーズが入り乱れ、「このまま行くよ！」のLiSAの声から、曲は全員で声を合わせる日を夢見て作られた「―斉ノ喝采」へ。特別な日の特別な武道館。LiSAが身を乗り出してマイクを客席に向け、彼女は目を閉じて、その声に包まれる。アウトロで「マジ最高―！」とスクリームするLiSAを、大きな高波がさらっていくようだった。

「今日はみんなに、たくさんたくさんスクリームしてもらおうと思って、色んなことを“ねりねり”しました。すごい超大作でしょ？」

やっと一息ついて、LiSAが語り出す。良いことも悪いことも、叫べる日も叫べない日もあった13年間を振り返り、改めて「デビュー13周年を迎えましたー！」と喜びのスクリーム。前回の武道館公演は声が出せずに悔しい想いをしたこと、ようやく叫べるようになったリベンジを、ぜひ武道館でしたかったこと。この2日間のライブに悔しい想いとお祝いの気持ちを全部詰め込んで“ｉ SCREAM”というタイトルにしたの理由を、「私の曲なんて、みんなの声が一緒になってやっと完成する曲ばかりなんです。それは、みんなと一緒にライブでいっぱい作ってきた曲ばっかりだから」とLiSAが言う。たしかにここまで歌い上げられた曲たちは、すべてが今までのステージで全員が心を1つにしてきたライブアンセムばかりだ。

特大のコール&レスポンスで絆を確かめ合い、「武道館、揺らせー！」と煽って、もう一度ギアを上げるLiSA。宇宙を駆け抜けた「REALiZE」。ポニーテールを振り回して飛び跳ね、ステージに火花が吹き上がった「Psychedelic Drive」。「新曲やります！」と宣言してトップスピードで駆け抜けた「Shouted Serenade」。いつも以上に激しくマレットをドラムに叩きつけ、武道館を真っ赤に染めた「ADAMAS」。ニコニコと笑顔を見せて、上手から下手まで全員に手を振り、「Hi FiVE!」を歌いながらLiSAはこう語った。

「初めてこのステージに立ったあの日。悔しくて悔しくて帰って泣いたあの日。それから倍返しして武道館を仲間にしたあの日。それからたくさんのお祝いの日を、この日本武道館で過ごしてきました。いつだって、みんなと最高の日、最高の未来を思い描きながら、13年、このステージに立ってきました。今日は13周年のお祝いです、ありがとー！まだまだ走り続けるから付いてきてー！」
みんなと合わせた“Hi FiVE！”の声に重なるように、客席に輝かしい銀テープが放たれた。

誰もがLiSAの名をスクリームし手拍子で彼女を呼ぶ、多幸感に満ちたインターバル。数分のあと、ゆっくりとステージに現れたLiSAは、ステージ中央のピアノに歩み寄る。息を吸い込み鍵盤に手を置いて、静かに和音を奏で出す。ゆっくりと客席を見回しながら、弾き語ったのは「HELLO WORLD」だった。ギターを弾く姿は何度も見たが、人前でピアノを弾くのはこれが初めて。温かな歌声。大切に伝えたいメッセージ。1コーラスを歌い終えたところで、ウィンドチャイムの音からバンドが合流。スクリーンにはバンドメンバー1人1人が映し出され、そのセンターにLiSAがいる。バンドマンの一員として。ちょっと照れくさそうに微笑んで、ラストのフレーズをピアノだけで弾ききると、大きな拍手が彼女を祝福した。

「この13年の間に、今日は11回目の日本武道館です。13年前、デビューした4月20日。この日本武道館で11回もみんなとデートできる未来は思い描けていませんでした。私は今、最高の未来に立っています。13年経っても、こんなに幸せな未来が待っていても、まだまだ叫びたいこと、まだまだ歌いたいこと、まだまだ叶えたい夢がたくさんあるこのLiSAという歌手人生を、とても幸せに思います」

LiSAの言葉はいつも、LiSAを応援し、一緒に時を重ね、彼女の成長も悩みも喜びも、そのすべてをライブで分かち合えていられることの嬉しさを与えてくれる。その言葉に拍手を贈るファンもまた、LiSAが歌手という道を選び、その道を13年も一緒に歩き続けて来てくれたことに、感謝を贈らずにはいられない。

出演者全員を呼び込んで、写真を撮り、ここで嬉しいニュースがもたらされる。2日間の「ライブが最高すぎたから、今年もっと遊びたいでしょ？」と笑うと、こちらもライブではお馴染みの“カンペ”を取り出し、9月から始まる“LiSA LiVE Smile Always～COCKTAiL PARTY～ [SWEET&SOUR]”ツアーを発表。「色んな作戦を考えてるんで、期待しかしないでね！」と言う声に、歓声が被さる。

「まだ行けますか？声出せますか？愛、叫びたいかー！」と「halo-halo」をコールして、いつまでも手を振り続けるLiSA。ハッピーなナンバーを届けたあとは、いよいよラスト。ハンドマイクを握り直し、左手を真っ直ぐに前に伸ばして告げられた曲名は、これからの未来を歌う「Rising Hope」だ。客電が上がり、眩しいほど明るくなった武道館でLiSAはファン1人1人の顔を胸に刻む込むように、オーディエンスに目を向け、2日間歌い詰めだったことが信じられないような、パワフルな歌声を響かせる。大音量のシンガロング。何度もスクリームした「最高！」の言葉。

気がつけば、歌も演奏も演出もすべてが特大スケールで届けられた“i SCREAM”ライブで歌われた20数曲におよぶセットリスト中、誰もが知るタイアップシングル表題曲は「Rising Hope」「Rally Go Round」「ADAMAS」「Shouted Serenade」の4曲。デジタルリリースの「愛錠」と「REALiZE」「HELLO WORLD」を合わせても、セットリストの3分の1にも満たなかった。大ヒットナンバーの「紅蓮華」も「炎」もない周年ライブは、アーティストとしてはとてもチャレンジャブルな試みだが、それもLiSAがみんなと育てたライブチューンにいかに誇りを持ち、LiSAッ子なら絶対にこのセットリストを楽しんでくれる！という信頼と確信があったからに違いない。ライブは、LiSAと私達を固く結んでくれる絆の証。最後に放たれた「今日もいい日だ！ばいちー！」の合い言葉を胸に、LiSAの13周年を一緒に駆け抜けよう！

■LiVE is Smile Always～i SCREAM～
2024年4月20日＠日本武道館

＜セットリスト＞
M0.LiTTLE DEViL PARADE
M1.LOSER 〜希望と未来に無縁のカタルシス〜
M2.ROCK-mode’18
M3.ANTIHERO
M4.confidence driver
M5.リスキー
M6.覚醒屋
M7.L.Miranic
M 8.PROPAGANDA
M 9.愛錠
M 10.ノンノン/エレクトリリカル/WiLD CANDY/スパイシーワールド
M 11.Rally Go Round
M 12.I’m a Rockstar
M 13.LiTTLE DEViL PARADE
M 14.一斉ノ喝采
M 15.REALiZE
M 16.Psychedelic Drive
M 17.Shouted Serenade
M 18.ADAMAS
M 19.Hi FiVE！
＜ENCORE＞
M 20.HELLO WORLD
M21.halo-halo
M22.Rising Hope

●ライブ情報
ソニー銀行 presents LiSA LiVE is Smile Always～COCKTAiL PARTY～[SWEET&SOUR]

9/14(土)大阪城ホール ※SWEET
9/15(日)大阪城ホール ※SOUR
9/21(土)ポートメッセなごや第1展示館(愛知) ※SWEET
9/22(日)ポートメッセなごや第1展示館(愛知) ※SOUR
9/28(土)横浜アリーナ(神奈川) ※SWEET
9/29(日)横浜アリーナ(神奈川) ※SOUR
10/19(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SWEET
10/20(日)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SOUR
11/3(日)マリンメッセ福岡A館 ※SWEET
11/4(月祝)マリンメッセ福岡A館 ※SOUR
11/16(土)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SWEET
11/17(日)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SOUR
11/30(土)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SWEET
12/1(日)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SOUR
12/14(土)サンドーム福井 ※SWEET
12/15(日)サンドーム福井 ※SOUR
※DAY1がSWEET・DAY2がSOURとなります。