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REPORT

2024.05.04

神様がくれた運命の歌と共に「UniteUp!」は未来へと進み出す――“sMiLea LIVE -Unite with You- ELEVEN”レポート

神様がくれた運命の歌と共に「UniteUp!」は未来へと進み出す――“sMiLea LIVE -Unite with You- ELEVEN”レポート

2021年に立ち上がった多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」。夢を追いかける少年たちが伝説のアイドルであるAnelaが設立したsMiLeaプロダクションへと集い、音楽を通して世界へと発信されていく。そんなsMiLeaプロダクション所属のPROTOSTAR、LEGIT、JAXX/JAXXの3組が集結して初めてのライブを開催したのは2023年7月のことだった。有明ガーデンシアターで開催された記念すべきステージは残念ながらキャスト全員が揃うことが叶わなかったが、4月14日、東京・恵比寿ガーデンホールで開催となった“sMiLea LIVE -Unite with You- ELEVEN”では念願の完全体に――“あの日”に置いてきたものを取り戻し、未来へと進み出す11人がパワーを放ったステージをレポートする。

TEXT BY えびさわなち
PHOTOGRAPHY BY 白石達也

会場を熱くした戸谷の「ただいまー!」の声

満員の恵比寿ガーデンホール――ここはアニメでのUniteUp!のメンバーたちが上がった、あのステージへと様変わりしていた。暗転からそれぞれのグループが映像で紹介されると大歓声が上がるなか、ステージにパッとライトが当たると、そこには眩いほどの光を放つ白いステージ衣装に身を包んだ11人の姿があった。1曲目は彼らの名刺曲「Unite up!」だ。彼らが歌ってきた1曲を、オーディエンスも歓声を上げながら堪能する。真ん中にいるのはPROTOSTAR・清瀬明良役の戸谷菊之介だ。昨夏の有明ガーデンシアターでは病欠で参加できなかった戸谷も揃っての、11人での姿に感慨がこみ上げる。

「皆さん、こんにちは!」と戸谷が声を上げれば、フロアから「こんにちは!」と大きな返事が響く。満足そうに頷く11人が「UniteUp!です!」と声を合わせた。「めっちゃ声出てるね」「後ろまで見えてるよ」と思い思いに言葉を紡ぐメンバーたち。LEGIT、JAXX/JAXX、PROTOSTAR、と順番に自己紹介。戸谷の番では「ただいまー!」の戸谷の声に「おかえりー!」と大きな声が会場を震わせた。「ワンマンライブで11人が集まるのは初なので、最高に盛り上がっていきましょう!」とLEGIT・高尾大毅役の助川真蔵が会場を煽ると、この日一番の歓声が上がった。

ワンマンが初めての戸谷によるコール&レスポンス、そして「メンバーがやりたいことをやろう」とJAXX/JAXX・春賀楽翔役のmasaがUUポーズでのフロアウェーブなどを行うと、続いてLEGITが登場。事務所の代表であるAnelaの2人がメンバーを紹介するVTRに続いて白衣装からアニメと同じLEGITのライブ衣装を着用した3人が登場した。1曲目は「THE DAY」だ。熱いグルーヴが躍動するダンスナンバーでユニゾンを聴かせる3人。

二条瑛士郎役の森蔭晨之介がダンスと共にステージからフロアを煽れば、悲鳴にも似た歓声が沸く。東郷楓雅役の坂田隆一郎のダイナミックなパフォーマンスにもオーディエンスは釘付けだ。畳みかけるようにアタックのあるビートが響いて「ON MY WAY」へ。ソウルフルに歌い上げる3人に「イェー!」と声を重ねて楽曲に熱を加える観客。ステージとフロアが一体となったパフォーマンスを見せた。

「本番を想定してリハをやってきたんですけど、今日は何倍も上をいっちゃって、楽しすぎます!」と意気を整える坂田。「ライブ、超好きなんですよ」と思わず本音が漏れる森蔭には同意するかのように声が上がり、助川と坂田も大きく頷く。そもそもダンスパフォーマンスでの活動をしてきた助川、坂田と違い、このプロジェクトに参加して初めてダンスや歌をやり始めたという森蔭だが、2人に遜色なく見事なパフォーマンスを見せ、大歓声を浴びていた姿が印象的だったが、彼のたゆまぬ努力とそれを支える2人で作り上げてきたステージなのだ、と彼らの絆の存在を感じさせた。

コーレスに続いてライブ再開。新曲「MAGIC」はファンと一緒に踊る場面もあり、その軽快で爽やかなオールドスクール的なダンスチューンが会場を温かな空気で包み込む。LEGITのメンバーが口を揃えて“好きな曲”と挙げることも多い「Twenty Four」では観客と共に「Twenty Four!」と声を重ね、都会的なダンスナンバーを軽やかに歌い上げた。オリエンタルなミクスチャーエレクトロチューン「FIRE」では炎のような熱気の渦がフロアを浸食していく。LEGITらしいクールとホットとが内包されたエモーショナルな1曲で、灼熱より熱いパフォーマンスで「LEGITここにあり」と高らかに歌い上げる3人のグルーヴに満たされた時間だった。

息をもつかせぬ怒涛のライブにフロアの歓声は止まず

LEGITに同じくAnelaによる紹介に続いて大毅からマイクを受け取った楽翔の姿。そしてステージに光が注げばそこにバンドセットのJAXX/JAXXの5人の姿。大歓声が沸くなか、masaが歌い出したのは「SuperStar」だ。軽やかな桂 ほまれ役の下前祐貴のキーボード、鼓動を叩きつけるような香椎一澄役の馬越琢己のドラム、力強くビートを刻む若桜 潤役の坪倉康晴のベース、そして空を駆けるように爽快な森ノ宮奏太役の高本 学のギターのリフが響けば、masaも笑顔で伸びやかな歌声を響かせた。

アッパーな1曲に続いたのはメロウで切なさを滲ませる「ライアー」だ。イントロから「キャアア!」と声が上がった人気曲を、masaが切々と歌い上げるも、ラップはフロアも声を重ねて一緒に歌い上げ、楽曲に力強さを添えていく様子が印象的だった。続いたのは「STORM’s EYE」、BURNOUT SYNDROMESの熊谷和海プロデュースの1曲。フェス会場で鳴らすようなスケール感の大きなロックナンバーがフロアを席捲する。大きく手を上げてクラップするメンバー、そしてオーディエンス。世界中に台風の目である彼らの鼓動が響く、心がひとつになる瞬間がそこにはあった。

「こうやってみんなとひとつになって声を出すのがライブの醍醐味だよね」とmasaが語ると、高本がギターを奏で、バンドも音を鳴らして煽るために「新曲聴きたいってこと?」とmasaも観念。そのままライブは新曲「JOKER」へと突入する。これまでのJAXX/JAXXにはなかった新たなカラーを感じさせるジャジーでアーバンな1曲だ。甘さあるギターとベースのグルーヴに躍動するドラム、そして感情豊かに感じさせるキーボードの旋律で紡ぐJAXX/JAXXの内面を思わせる1曲が終わると、MCへ。

「JAXX/JAXXでパフォーマンスができることをすっげぇ楽しみにしていました」とmasa。「チャオッピー☆」も決まったところで、自己紹介は続いていく。下前が「お前誰だ?」からの「一歩前二歩前三歩前、下前です!」というお決まりの挨拶で大きく盛り上げると、馬越は「みんなに会えて本当に本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。続いた坪倉は「つぶ貝、赤貝」と叫び、会場から「いにしえ貝」と声が上がるコール&レスポンスで満足そうに頷くと、高本は「盛り上がってますかー?」と会場を煽ったあとに「なんでやねーん!」と盛大にツッコミを入れ、JAXX/JAXXらしさを見せた。

masaもアニメのセリフを、と「俺も飛んでみたかったんだよねぇ。バンジージャンプ♪」と再現をやると、フロアから「もう1回!もう1回!」と声が上がり、最後はJAXX/JAXX全員で同じポーズを取る、というスペシャルな時間も。ラストはバンドセットではなくダンスパフォーマンスで見せる「A.P.P.L.E.」で、フロアとステージは酸いも甘いもすべてを分かち合い、会場一体で歌声を響かせた。

Anelaの2人の声が響く。「今の時代を駆ける希望の光だ」という凛と真音の声に誘われるように、マイクを握った明良の姿に大歓声が起きる。スクリーンのPROTOSTARコールにフロアの声が重なり、1曲目は「星瞬My wish!」。歌い出しの瞬間から大歓声に包まれる会場――あの日のライブに残してきたものを取り戻すような、3人揃ってのパフォーマンスだ。映像も有明のステージでファンを照らした光と同じ。指を開き、重ねて星を作り、華やぐ歌声で煌めきを生み出すPROTOSTARの3人。戸谷と視線を合わせると、直江万里役の山口諒太郎も五十鈴川千紘役の平井亜門も零れるような笑顔を見せた。

「みんな、この3人を待っていたでしょ!?」と山口が声を上げると「待ってたあああああ!」と大きな声が会場を震撼させた。「やっと3人で揃うことができました!」と戸谷も続き、「めっちゃ嬉しい~!」と叫ぶ平井。この瞬間を待ちわびた彼らに大きな拍手が送られた。最後のピースがはまったPROTOSTARはコール&レスポンスも完成形を披露したあとには、彼らの絆の3連符「トリプレット」、アニメでは大雨の中、配信で披露した「YOU」を歌う。歌声に3人の感情がのり、共に歌えることの喜びがその歌声から溢れ出せば、ペンライトを振るオーディエンスにも喜びが伝染していく。「準備はいい?」の曲中セリフをようやく明良の声で聴けると、会場を揺らすほどの歓声が起きた。

続いたのは新曲「シュガーHi Hi!」だ。振付動画の復習とばかりに一緒に振りの練習をして、準備万端で新曲のライブが幕が上がると、右へ左へと観客と歌声を上げながら移動する3人と一緒に会場が一体となって「Hi Hi!」と声を上げ、かわいらしくも元気な1曲を楽しく歌い上げた。

PROTOSTARパートの最後の曲は「吠えろ!クロスファイヤー」だ。「UniteUp!」の世界では国内のみならず海外でも知られたアニメソングであるこの楽曲では力強いピッチングを思わせる振りでPROTOSTARの雄々しさをも見せた3人。軽快なギターリフに合わせて体を揺らす3人と共にフロアも楽しさいっぱいに飛び跳ね、会場の熱を上昇させていった。

次ページ:「Unite up!」が見せた初合同ライブの完成と、未来へと繋ぐ「ELEVEN」

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