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INTERVIEW

2024.05.13

【連載】音楽原作プロジェクト「響界メトロ」第7回:じん×廣澤優也 対談――「轍 – Qlover from 響界メトロ」じんが語る「物語」×「音楽」における“葛藤”と“選択”

【連載】音楽原作プロジェクト「響界メトロ」第7回:じん×廣澤優也 対談――「轍 – Qlover from 響界メトロ」じんが語る「物語」×「音楽」における“葛藤”と“選択”

リスアニ!独占質問

――タイトルを「轍」にした理由を教えてください。

じん 一番最初にご依頼いただいたときから、僕が感じたのは作中の様々な葛藤でした。その葛藤を経て得られる答えは、道を選ぶことに似ていると思います。誰にとっても、選んだ道を進んでいくのは怖いことなので、タイトルを「轍」にしました。

――「響界メトロ」の中で、ご自身の立ち位置をどのように考えていましたか?

じん 物語の中で一番最後にあたる曲を担当すると聞いたとき、個性的なクリエイターたちがすでに音楽を届けていることもあって、自分の「轍」が到着するまでにみんなお腹いっぱいになっているだろうと思ったんですよ。なので、最後の一杯を作るイメージで、ここはカツ丼を作るのではなくて、スープだ、と(笑)。僕は単に自分の作品を作るのではなくて、みんなで「響界メトロ」を共同制作することを意識していました。そのスープは淡麗な味わいでも、無味ではないような、強烈な印象を残すものにしたかったんです。それによって、お腹いっぱいが幸せなのか、不幸せなのかが変わってくると思ったので。

――じんさんの楽曲の持つ人間味は「轍」にどの程度反映されていたのでしょう。

じん 今回は「響界メトロ」をゼロから構築するプロセスで、自分の楽曲ライブラリから、どのメロディが「響界メトロ」と調和するかを考えていました。特に頭のメロディで決まったなと感じますね。僕らしい要素を持っている一方で、通常無意識に作るメロディよりも、洗練されていて地味さがないんです。

――結果的に自分自身を変化させたことで、今回のパズルの最後にあたる1ピースが、綺麗にはまったんですね。

じん メロディを作曲するときは臭いにおいを嗅がせたい感覚に近いものがあるんです。僕はあまり人生で、美しかったり、綺麗だったり、良い香りのするフレグランスみたいなものに救われることは少なくて、むしろ日常生活の中で嗅ぐ生臭い匂いや土のにおいに安心感を見つけてきたような気がします。そうした日常的なにおいから発せられる、人間のいた痕跡に何か特別な魅力を感じていて、恐らくそれが僕の表現したい作品なんです。普段はそういう光景を頭に浮かべながら作曲していて。でも、今回はほかのクリエイターの方がこの要素を担当するだろうと予想して、あえて控えめにしました。今回の僕のポジションにおける役割は、ストーリーに込められた意味をより立体的にすることだったんだと思っています。


●配信情報
「轍 feat. リンネ(CV:内田真礼),セツナ(CV:konoco),イツカ(CV:秋奈),カナタ(CV:わかばやし)」
配信リンクはこちら

轍 – Qlover from 響界メトロ【Music Video】

Lyrics & Compose: じん
Sound Produce: 廣澤優也(APDREAM/HANO)
Illustration: SOLANI
Movie: INPINE
Logo Design: 4pe

▼リリース情報
https://kyoukaimetro.jp/music/wadachi/

●作品情報
『響界メトロ -SOUNDary LINE-』

<INFORMATION>
「ボーカル」✕「ボカロP」✕「ストーリー」
「声優」「歌い手」と「ボカロP」のタッグでおくる音楽原作プロジェクト。
感覚を研ぎ澄ませ、楽曲のストーリーを読み解いた先に待っているものとは。
新進気鋭のクリエイターの音が響く物語世界へようこそ。

関連リンク

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