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INTERVIEW

2024.04.27

小倉 唯、こだわりの“作詞術”とは?声優としてのキャリアから放たれる、自身も声優として参加するアニメタイアップOPテーマ「君色のキセキ」に迫る

小倉 唯、こだわりの“作詞術”とは?声優としてのキャリアから放たれる、自身も声優として参加するアニメタイアップOPテーマ「君色のキセキ」に迫る

小倉 唯、2024年のアーティスト活動を彩るニューシングル「君色のキセキ」は、自身もリリーシュカ役で出演するTVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』のOPテーマ。ベランダに舞い降りた天使とのピュアなワンルーム生活を描いたアニメの世界観にベストマッチな、これぞ王道と言えるポップでまばゆい楽曲に仕上がっている。さらに小倉自身が作詞を手がけているのも本作のポイント。様々な女の子像を描いたカップリング曲を含め、彼女らしいクリエイティブが詰まったこだわりの本作について、たっぷりと話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

ついに天使が降臨!小倉 唯が描く、君色に彩られた日常のキセキ

――「君色のキセキ」は、TVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』のOPテーマ。小倉さんはリリーシュカ役で出演もされていますが、タイアップのお話をいただいたときの印象はいかがでしたか?

小倉 唯 物語や絵の雰囲気を含めてすごくかわいらしい印象があったので、そんな作品の主題歌を担当させていただけることを嬉しく感じました。そして、私は今までリリーシュカのような中二病感のある役の経験があまりなかったので、そういった役柄を演じられることも楽しみでした。

――リリーシュカはオカルト研究部所属の吸血鬼ということで、かなり個性的なキャラクターですよね。演じる際に意識したことは?

小倉 一番は作品のテイストに合わせてかわいく演じることですが、そのなかでリリーシュカらしさを表現するために、「中二病感って何だろう?」ということをたくさん考えました(笑)。例えば、好きなことを語り始めると自分の世界観に浸る感じの子なので、しゃべり出したときにそういった空気感を出せるように意識していました。

――作品自体は、主人公の徳光森太郎(CV:梅田修一朗)が天使のとわ(CV:遠野ひかる)と出会ってワンルームで同居するというお話しですが、「君色のキセキ」はその世界観にマッチした爽やかな楽曲になりました。

小倉 今回はコンペで楽曲を選ばせていただいたのですが、アニメサイドから曲調のリクエストが事前にあったので、そういったテーマに沿った楽曲の中から、私が特に気に入っていた楽曲に決まりました。この曲は明るさの中にもちょっと切なさを感じる部分が入っていたり、朝日やワンルームに差し込む光のような情景が浮かんだので、この楽曲なら見せられる世界観のイメージが膨らむなと思って選びました。

――今回は小倉さんが作詞を担当していますね。

小倉 作品側から「あまり恋愛寄りの楽曲にはしないでください」という要望をいただいて。一度提出した歌詞に対して「これだと恋愛っぽく映りすぎるかも」というご指摘もありました。なので、どちらかというと生活するうえでの幸せだとか、毎日過ごしていくなかでの小さなハッピーの発見に焦点を当てて書いていきました。色んな人との出会いによって、何気ない日々が色づいていくような世界観を自分の中でイメージして。

――森太郎ととわのように、誰かと一緒に過ごす日常の喜びも表現されているように感じました。

小倉 まさにそういうイメージもありました。その“誰か”は家族でも友達でもいいですし、どんな人が聴いても共感できるように、キラキラした世界を描けたらと思って。歌い方は柔らかく伸びやかな感じで、声色もかわいらしいトーンを意識して歌いました。

――「君色のキセキ」というタイトルも小倉さんが付けたのでしょうか。歌詞の中にも同じワードが使われていますが。

小倉 私は歌詞を書くとき、タイトルから入ることが多いのですが、「今回はどんな曲にしようかな」と考えていたときに浮かんできたのが、「色」や「キセキ」といったワードでした。『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』は主人公たちがひょんなことから出会って、どんどん仲間が増えていく。その出会い自体が奇跡に近いのではないかと思って、「キセキ」というワードを入れました。

――「君色」というのは?

小倉 とわちゃんは天使で真っ白なイメージがありますし、作品からもイメージ的に白を感じていたので、天使の無垢な色としての「白」に、色んな人と出会うことで少しずつ色が加わって自分の色になっていく、というイメージが私の中で浮かんで。それを「君色」というワードで表現しました。「君色」って何色なんだろう?ということも含めて、出会う人それぞれによって変わる色、というイメージです。

――サウンド的にもキラキラ感と愛らしさがたっぷりで、個人的には小倉さんの王道ともいえるアプローチの楽曲に感じました。

小倉 そうですね。意外とこういう王道な曲は久々で、1周回ってまた戻ってきた感じがあります(笑)。

――MVには色んなシーンの小倉さんが登場しますが、どんなコンセプトで撮影されたのでしょうか。

小倉 MVも“毎日のさりげない幸せ”がテーマで、“THE 王道”というテーマで上げていただきました。日常シーン、ダンスシーン、天使っぽいシチュエーションなどで構成されていて、デビューして数年頃の自分を彷彿させる雰囲気もあると思います。歌詞を書くときは“理想の休日”を思い浮かべながら書いていたのですが、このMVみたいに、私も朝起きて、伸びをして、外を見たら空が晴れていていい天気だったりすると、すごく幸せを感じます。

――MVにも登場しますが、今回のシングルのアーティスト写真やビジュアル周りでは、小倉さんが天使の恰好をしているのも大きな話題となっています。

小倉 天使の羽を付けるのはデザイナーさんのアイデアでした。あの羽は合成とかではなくて本当に付けているのですが、結構大きくて、撮影時に歩いて移動するときは神経を羽までめぐらせていました(笑)。背景は真っ白のほうが素敵かなと思って、あえて色を付けずに白で統一して撮っていただいたのが個人的なポイントです。

――実際、天使になってみていかがでしたか?

小倉 最初は「違和感が出るんじゃないかな?」と思って少し心配だったのですが、羽と上手く馴染むような衣装を作っていただいたこともあって、いざ当日に羽を背負ってみたら、スタッフの方たちに「自然!」と言っていただけたんです。「自然ってどういうことだろう?」と思いながらも(笑)、褒め言葉としてありがたく受け止めながら撮影しました。ファンの方々からも「ついに羽が生えましたね!」という感じのリアクションをたくさんいただいて。

――小倉さんは声優としても天使役を演じる機会が多いですよね。『プラチナエンド』のナッセ役とか。

小倉 そうなんです。天使にはこれまでもゆかりのあるタイプで(笑)。

――たしかに小倉さんのフワッとした唯一無二の声質は、天使役にピッタリな印象があります。

小倉 自分ではよくわからなくて……どうしてでしょうね。たまに「なんでそんなに素敵なお声を出せるんですか?」と聞かれることがあるんですけど、自分では意識しているわけではないので「なんでだろう?」って困ってしまうことがあって(笑)。でも、自分にしかできない声やお芝居のテイストは大事にしたいなと思いながら演じています。

――ちなみに小倉さんが「天使」を感じる存在は?

小倉 やっぱり純真無垢でかわいらしいものや人を見たときは、「天使みたい!」と思うことが多いです。それこそうちのワンちゃんも天使のようにかわいいと思いますし、天使は「かわいい」の究極バージョンという印象があります。

次ページ:多彩なカップリング曲と小倉 唯こだわりの作詞術に迫る!

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