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INTERVIEW

2024.04.25

Ave Mujicaが世界に与えた衝撃――渡瀬結月、岡田夢以、米澤 茜が1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」とバンドの広がりを語る

Ave Mujicaが世界に与えた衝撃――渡瀬結月、岡田夢以、米澤 茜が1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」とバンドの広がりを語る

次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」発の新たなリアルバンド・Ave Mujicaが、我々を新たな世界に誘う1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」をリリースした。“破壊”をテーマにした表題曲、“創造”をテーマにした「Angles」、対照的な2曲を収録した今作は、彼女たちが描き出す激しくも美しい物語を紐解くうえで欠かすことのできない、様々なアングルを内包した1枚だ。今回はメンバーのうち、モーティス(Gt.)こと若葉 睦役の渡瀬結月、ティモリス(Ba.)こと八幡海鈴役の岡田夢以、アモーリス(Dr.)こと祐天寺にゃむ役の米澤 茜を迎え、バンドが楽曲やライブを通して現在進行形で紡ぐAve Mujicaの世界の広がりについて、たっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

Ave Mujicaが世界に与えた衝撃、ファンからの反応・反響

――前回のインタビューは、TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』#13にAve Mujicaが登場してキャスト情報が解禁される前に行ったので、まずはその後の反応・反響について聞いてみたいです。

渡瀬結月 (若葉)睦ちゃんはキュウリのイメージが強いらしくて。「モーティス=渡瀬結月」と発表されてからは、SNSのリプライや配信の生放送でキュウリの絵文字をお見掛けすることが多くなって、キュウリがあると私のことなんだなってわかりやすくなりました(笑)。あとは家族以外には話していなかったので、友達から「ギターいつからやってたの?」みたいな連絡がくるようになりました。

米澤 茜 私は元々ドラマーなのでメンバーの中で一番予想されにくいキャストだったと思うんですけど、0th LIVE(2023年6月4日開催の“Ave Mujica 0th LIVE 「Primo die in scaena」”)のときから「アモーリス=米澤 茜」と予想していた人がいて、キャスト解禁してから「当てた人、すごい!」という反応をよく見ました。私がミュージシャンになることをずっと心配していた親も喜んでくれて。実は親にはドラムを辞めたと言っていて、「バンドリ!」の役が決まってから、まだドラムを続けていたことを伝えました(笑)。

渡瀬 そうだったんだ!

岡田夢以 私はブシロードさんのほかのコンテンツでキャラクターを担当させていただいていることもあって、0th LIVEの時点で私だと予想している人が結構いらっしゃって。私は目元に印象があるとよく言われるんですけど、マスクの形が口だけを覆うタイプなので、(顔の特徴が)ほぼ出ちゃってるんですよね(笑)。ただ、アニメを通して「本当にめいしゃん(岡田)なの?」という反応もありました。(八幡)海鈴ちゃんのキャラクターと声が私と合致しづらいみたいで、ファンの方からも未だに「わかっていても一致しない」と言われることがあります。そろそろ一致してほしいなあって思うんですけど(笑)。

渡瀬 来年のアニメ(『BanG Dream! Ave Mujica』)が始まるまでには一致してほしいね(笑)。

――リアルバンドとしてのAve Mujicaも、今年3月にはFear, and Loathing in Las Vegas主催の音楽フェス“MEGA VEGAS 2024”に出演されるなど、活動の幅を広げていますね。

渡瀬 予想以上に皆さんから褒めてもらえることが多くて、にわかに信じがたい気持ちです。「その言葉、本当に心の底から受け止めていいんですか……?」っていう戸惑いもあって。もちろん嬉しさもありますし、この期待をずっと超えていけるように今後も頑張って、もっと色んなライブにも出たいです。

岡田 ね。“MEGA VEGAS 2024”では、ほかのバンドを目当てに観に来ていた人も私たちのライブを褒めてくださっていたみたいで。特に女性の方が反応してくれていたことを、ファンの方に教えてもらいました。

渡瀬 最初は私たちもどういう反応が待っているのか未知数で、私は「ゴミを投げられてもいいや」くらいの気持ちで臨んだら(笑)、予想外の温かい反応をいただけたんです。

米澤 私たちの普段のライブにはないモッシュやダイブも起こって嬉しかったです。

岡田 (客席の)後ろから人が流れてきたもんね。

渡瀬 そうそう!びっくりした。私、そのときに声を出して笑ってしまって(笑)。マスクをしていたからわからなかったと思うんですけど。初めて見た光景でした。また見たい!

“破壊”と“創造”――バンドの物語と多面性を象徴する新曲たち

――そんななか、バンドとしての初Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」をリリースされました。まずは表題曲について、皆さんの印象をお聞かせください。

岡田 初めて聴いたとき、イントロが「ダダッダッダダッ!」という感じなので「えっ!?ダークヒーローきた?」と思いました(笑)。冒頭からかましてくる感じがAve Mujicaっぽいけど、歌詞は繊細なんですよね。重厚さのあるサウンドと、美しさも感じさせる歌詞のバランス感がすごいなあと思いました。あとは“破壊”というワードが強く出ていたので、1st LIVE(2024年1月27日開催の“Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」”)にも合っているなと思いました。

――1st LIVEで初披露された楽曲でもありますものね。

渡瀬 (1st LIVEの劇中劇で)「壊せ 壊せ」とも言っていたし。この曲、2サビが終わったあとに(サウンドが)ものすごく重くなるんですけど、多分、ここはハンマーとか持って壊してるんだろうなあと思いました(笑)。

米澤 えー、すごい!私もハンマーって言おうとしてた。私はその部分でチャイナシンバルを叩いているんですけど、ハンマーとかを持ってビルをぶち壊しているイメージで演奏しています。

渡瀬 この楽曲は“破壊”をテーマにしているので、その部分ではすごくド派手になるんですけど、めいしゃんが言っていたようにすごく美しい部分もあるので、繊細な曲だなと思いました。今までのAve Mujicaの楽曲は、激しい曲はとことん激しく、美しさを重きにしている曲はとことん美しく、悲しい曲はすごく悲しく、楽曲ごとに1つのモチーフがあったのが、この曲に関しては色々な要素が合わさっているように感じて。破壊とか美しさとか。

米澤 歌詞では“壊せ 壊せ”と歌っていて結構パンチがあるのに、メロディだけを聴いたら「まさかそんなことを言っているとは」と思うような美しさや儚さがある。それと、イントロはみんなと同じリズムやメロディを演奏するので、みんなとの一体感をより感じられる曲です。

――ちょうどライブのお話しが出てきたので、この楽曲の演奏面でのポイントもお伺いしたいです。

米澤 私は今お話した、みんなで合わせて演奏するところを、いかに一体化してやるかがポイントだと思います。

岡田 ベース的には、2番終わりのハンマーで壊しているようなところを8分で刻んでいるんですけど、感じ方は4分になるように、踏ん張りを効かせているような演奏をしていて。聴いている人に重さを感じさせるように弾いています。

渡瀬 壊す武器がさらに大きそうだね、大砲とか(笑)。ギターはミュートをすごく頑張りました。それこそイントロもそうだし、サビ終わりに「デデデッ、デデッ、デッ、デデデッ」と弾くところがあって、そこはミスすると絶対に目立つのでミュートを大事にしています。

岡田 でも、昨日バンド練習があったんですけど、逆にミュートが上手くなりすぎて「そこまでカチッとしなくて大丈夫だよ」みたいな話をされていて。

渡瀬 そうなの(笑)。「あ、なるほど!」と思って、ギターって奥が深いなあと思いました。バチッとミュートしたほうがいいところもあるし、ちょっと余韻が残るくらいにしたほうが重みが出るときもあって。

渡瀬結月

渡瀬結月

――カップリング曲の「Angles」も1st LIVEで初披露されたナンバーで、こちらは“創造”をテーマにした楽曲だそうですね。

渡瀬 「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」で壊したあとの楽曲というか、なんだか悟ってますよね(笑)。余韻を感じますし、これもまた美しくて。最初の2人が良い味を出しているんですよね。

――冒頭から1番終わりまではピアノの音だけをバックに佐々木李子さんが歌う形で、1st LIVEでも、高尾奏音さんの伴奏に合わせて佐々木さんが腰掛けながら歌っていたのが印象的でした。

渡瀬 その間、私たちはじっと聴いているんですけど、もう耳中にずっとりこち(佐々木)の心地良い歌声とのんちゃん(高尾)の心地良いピアノが流れるので、寝てしまいそうになってしまって(笑)。コーラスもたくさん録って、みんなで“don’t be serious”や“so curious”と歌っている部分がきれいで好きです。

岡田 私は“生と死”をモチーフにしたワードが多い印象があって。楽曲の構成的にも、最初はボーカルとキーボードのみ、初華ちゃんと祥子ちゃんだけというのが対比になっていて、2人の特別な関係性を掘り下げている楽曲という印象があります。あと私は1番終わりでバンドがインするところまでは、いつもジリジリした気持ちで「早く弾きたい!」と思っています(笑)。

渡瀬 そうだったんだ(笑)。

米澤 次回から注目します(笑)。あとはMVもお気に入りで。「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」もこの曲も1st LIVEのビジュアルが使われているんですけど、背景やフォントの出し方で印象が全然違うんですよね。「Angles」のMVは、ほかのMVに比べてキャラクターがそこまで出てこないので、歌や歌詞に注目して楽しんでもらえると思います。

岡田夢以

岡田夢以

――「Angles」はリズム的には三拍子ですが、演奏面でまた違ったポイントはありますか?

米澤 私の中では「Angles」は歌を聴かせたいと思っているので、自分もフルで歌ってみたり、りこちの気分になったうえで「こう叩いたら気持ち良いだろうな」ということを考えて演奏しています。ライブのときも口パクで一緒に歌って、「りこちはここで歌に入りたいだろうな」というタイミングで叩いていて。「神さま、バカ」もゆっくりしたペースの曲ですけど、この曲は最初がボーカルとピアノだけというのもあって、歌を聴かせるのが大切だと感じました。

――米澤さんはライブ中によく口ずさんでいる印象ですが、もしかしたらそれも佐々木さんの歌うタイミングを計っているのでしょうか。

米澤 それもあります。自分が歌っている気分になったり、叩く前に息を吸ってみることで、歌のタイミングにもっと寄り添えるかなと思っていて。まあ一番は普通に歌っちゃうだけなんですけど(笑)。

渡瀬 へー!今、口が見えるっていいなって思った。

岡田 私たち2人は(マスクで覆われていて)口が見えないもんね(笑)。

米澤 そうか。私、口が覆われていたらどうなっていたんだろう?

岡田 かっこいいと思う。目力があるから。

米澤 ありがとう(笑)。

米澤 茜

米澤 茜

――岡田さんと渡瀬さんが、この曲の演奏面で心がけていることは?

岡田 ベースは白玉の部分、音を伸ばすところが多いのでビブラートを入れたりして波を作りつつ、安定感のある低音で支えられるように演奏しています。やっぱりベースですから(笑)。

渡瀬 この曲のギターはアルペジオが多くて……。それまで私は(ストロークで)ジャカジャカ弾いていたので、ずっと「コードを押さえてジャーンって弾いたら音が出る」というのがギターだと思っていたんです。でも、突然「単音というものがありまして……」という話になって、アルペジオの壁にぶつかりました(苦笑)。気付いたら3~4時間経っているくらいずっと練習して、一番練習した曲かもしれない。まだ周りを見れるくらいの余裕はないので、個人的にまだまだ伸びしろのある曲だと思っています。頑張ります!

――でも、1st LIVEではバッチリ演奏していましたよね。「Angles」はライブの締めの曲でしたが、最後は佐々木さんのリードギターと渡瀬さんのアルペジオが響き渡るなか、幕が下りてきて終演するという演出で、すごくかっこよかったです。

渡瀬 そうなんです……!プロデューサーからその演出を聞いたとき、本当に震えました(笑)。「これはガチで弾かないと……!」と思って。終わったあと、メンバーのみんなに抱き締められて、愛に包まれました。

米澤 「大好き!」と思って。あの演出、みんなでドキドキしたよね。涙が出かけた、本当に。

岡田 私も応援するしかないから、「頑張れ!」って念を送ってた。りこちもリードを頑張ってくれたし、本当によくやったと思う、2人とも。

次ページ:キャラクターとしてのステージ表現で各々が意識していること

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