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INTERVIEW

2024.04.25

Ave Mujicaが世界に与えた衝撃――渡瀬結月、岡田夢以、米澤 茜が1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」とバンドの広がりを語る

Ave Mujicaが世界に与えた衝撃――渡瀬結月、岡田夢以、米澤 茜が1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」とバンドの広がりを語る

キャラクターとしてのステージ表現で各々が意識していること

――メンバー愛の感じられるエピソードをありがとうございます。皆さん本当に仲が良くて、劇中で描かれるAve Mujicaとは全然違いますよね。

岡田 こんなにもギャップがあるのは珍しいよね。

渡瀬 真逆です(笑)。楽屋とかすごいもんね。

米澤 いつも祭りだから(笑)。

渡瀬 みんなドンチャカやっていて。ご飯食べてるときもそうだし、座ってるだけでもずっと楽しくて。

岡田 メイクはみんなそれぞれ離れた位置にいるのに、お弁当を食べるときはみんな真ん中に集まって食べるよね。給食みたいに(笑)。

――Ave Mujicaのライブは世界観があるので、そのモードに切り替えるために何か準備したりはしないんですか?

米澤 奏音たんに言われたよね。

岡田 そうそう。“MEGA VEGAS 2024”のときに、気持ちを切り替えるタイミングを決めようって。

米澤 私はそういうのがあまりなくて。みんなはあるのかな?

岡田 多分キャラにもよるよね。

渡瀬 オブリビオニスはライブの主軸になっていくから、切り替えがないと大変なんだと思う。

岡田 逆にアモーリス、にゃむち(祐天寺にゃむ)はリラックスしている感じの柔らかさがあるから、そのままでも合っていると思う。

渡瀬 でもたしかに、楽屋にいるときの自分たちと、Ave Mujicaとしてステージに立つ瞬間は絶対に違い過ぎるので、一度精神統一する時間を設けてみるのもいいかも、という話をしたことがあって。もちろんわちゃわちゃする時間があるのもいいんですけど、切り替えをしっかりできるようにしたいです。

――仲の良さもバンドのアンサンブルに繋がると思いますし。あと、個人的に気になっていたのが、ステージに立つときの皆さんの気持ちの作り方で。ライブではキャラクターを演じる意識で演奏しているのでしょうか。

岡田 私はその気持ちが強いです。

渡瀬 めいしゃんは憑依型っぽいよね。

岡田 海鈴ちゃんと自分が違い過ぎるから(笑)。なので、集中して(役に)入らないと動きとかが反映できないんです。それに素を見せてはいけないキャラクターなので、私(岡田)が見えた瞬間にみんな冷めるんじゃないかなと思っていて。なので(役に切り替わる)スイッチを押す圧は強いかもしれないです。でも、睦ちゃんはどうなんだろうね?

渡瀬 私はステージに立つとアドレナリンが出て「ウワーッ」てなってしまうタイプなので、Ave Mujicaのライブではそうならないように、とにかく気持ちを抑えながらやっていて。でも、Ave Mujicaはマスクがあるので、一歩距離を置いて自分を見ることができて、だいぶリラックスできています。ただ、“MEGA VEGAS 2024”の最後でりこちがワーッてやったときがあって。

――なんですか、それは?

渡瀬 最後は「黒のバースデイ」で終わったんですけど、りこちがアドリブでシャウトをしたんですよ。私たちも知らされてなかったので「えっ!」ってなって、そのときに私もアドレナリンがバーッてなって走り出してしまったんです。我慢できなくなってしまって。

米澤 いやぁ、あれはすごくかっこ良かった。

渡瀬 一回誰かが面白いことをし出すとワーッてなってしまうので、そこはまだまだだなって思います。

――でも、ライブでのそういったアクションが逆にキャラクターの奥行きを広げることに繋がる気もします。

渡瀬 ああ、たしかにそうですね。睦ちゃんは結構未知数な子で、来年のアニメでだいぶ印象が変わると思っています。その伏線を私自身がライブで張れるようにできればいいなと思っていますね。答え合わせは来年になりますけど(笑)。

――米澤さんはステージ上でアモーリスらしさを意識することはありますか?

米澤 こんなことを言うと怒られるかもですけど、私はあまり演じているつもりはなくて。自分で「こういうふうに叩きたいな」と思ってやっていることは、多分、アモーリスにも当てはまるんだろうなと感じているし、実際にライブのリアクションを見ていても「演じてないじゃん」みたいな感想は見ないので、割と思うままに叩いています。

――岡田さんと海鈴はタイプが全然違うという話でしたが、その意味で言うと、米澤さんとにゃむちは似ている部分があるのでしょうか。

米澤 たしかに似ている部分はあると思います。それこそ(アニメのライブシーンの)モーションキャプチャも自分で担当しているので、ということは普段のライブも自分が楽曲に合うように叩いたら、それがアモーリスになるということなのかな、と。普段のにゃむちと私にも共通点を感じることがあるんですけど、それは今公開されている内容には入っていない部分なので、まだ言えないことが多くて(笑)。

渡瀬 Ave Mujicaはまだ話せる材料が少ないよね(笑)。

1st LIVE、配信シングル、どこまでも燃え上がるAve Mujicaの炎

――SingleのBlu-ray付生産限定盤には、今年1月に開催された1st LIVEの映像が収録されています。そこで改めて、どんなライブだったか振り返っていただけますでしょうか。

岡田 アニメのライブシーンとそっくりのシャンデリアを用意してくださって、お芝居のパートもアニメに寄せた内容になっていて。海鈴ちゃん的には「チクタク」が忘れられない(笑)。

――劇中劇でAve Mujicaが“世界”を壊して時間さえもなくなってしまった場所で、ティモリスが時計の代わりに「チクタク」言っているシーンですね。

岡田 それを取り上げて「海鈴はずっとチクタク言っていてヒマなのか?」って言っているファンの方もいらっしゃって(笑)。そのお芝居パートの中で掘り下げられるキャラ感も、結構深くまで行った印象がありますし、楽曲的にもオリジナル曲が2曲増えて、進化した新しいAve Mujicaを見てもらえたと思います。

渡瀬 そうだね。それこそ1st LIVEの最初は、アニメで「Ave Mujica」を披露するまでのシーンから始まって、実際に私たちが出てきて「Ave Mujica」からライブを始める流れだったので、アニメの第13話の続きというか、キャラクターがアニメでやっていたステージを模した内容になっていました。詳しい情報がゼロのまま行われた0th LIVEとは違って、お客さん的にも色んな発見があったんじゃないかと思います。あとはボーカルのりこちがヘッドセットマイクになったので、動きが増えてキャラクター同士の絡みも多くなって。

岡田夢以

――「神さま、バカ」の曲中で渡瀬さんが逆サイドの高尾さんのところまで歩いていく場面もありましたね。

渡瀬 私たちが演じる祥子・睦は結構接点があるので、アニメをご覧になっている方からしたら「オッ!」となるかなと思ってやってみました。みんなたくさん考察してくれているから、それをチェックするのも楽しくて。

米澤 芝居パートが次の曲へのイメージを湧き立たせる、良い演出になったと思います。あと、今回の私たちは口を閉じたままのお芝居をしていて、ファンの方のリアクションを見たら、その理由が「人形だから」というのを理解してくれている方がたくさんいて、すごいなと思いました。私だったら難しくてわからなかったと思う(笑)。

渡瀬 お芝居の部分はボイスを1人ずつ録ったので、「この子はどう反応するのかな?」というのを予想をしながら収録しつつ、最終的にみんなで各々練習したものを持ち寄ってすり合わせていきました。アモーリスが腕を折るシーンは結構何回も合わせたよね。

米澤 そうだね。SEとのタイミングが難しくて。あれもファンの方から「怪力」っていうリアクションがたくさんありました(笑)。

――米澤さんはステージ上での演技の経験ってあまりないですよね?

米澤 Ave Mujicaのライブが完全に初めてでした。でも、小さい頃から鏡の前で何かを演じるのは好きだったので、楽しかったです。

――シアトリカルな要素がさらに濃くなって、Ave Mujica独自のライブを確立したのがこの1st LIVEだったのではないでしょうか。

渡瀬 そうですね。でも多分、Ave Mujicaはこれだけに留まることなく、もっと色んなことをしていくと思うので、ぜひ期待していただければと思います!「世界」を壊して、創って、果たしてこのあとどうなるのか……!

――今回のSingleには未収録ですが、4月7日には5ヵ月連続デジタルリリースの第1弾「Symbol I : △」がリリースされました。

岡田 これは新しい推し曲です!聴いた瞬間、早く弾きたいなと思った。

渡瀬 聴けば聴くほど魅力的な曲です。楽曲が発表される前に、炎が上がっているジャケット写真が公開されたので、皆さんどんな楽曲か予想されたと思うんですけど、本当に燃え盛る炎のような楽曲で。

米澤 私もデモをもらった瞬間からとても好きだと思いましたし、これを私が叩けると思ってもらえていることが嬉しかったです。まったく遠慮を感じさせない、多分今までで一番激しいドラムだったので、(ドラマーとして)信頼されていると思ったし、それがAve Mujicaの今後の活動へのモチベーションにもなりました。

渡瀬 たしかに!その考えはなかったから、今、自分も嬉しくなった!私も演奏する身としては「嘘だろ……」と思ったけど、でも、それ以上に「やってやる!」という気持ちが強いので、絶対に弾いてやろうと思いました。

岡田 私は新曲の資料をいただくたびに、ベースの先生に「これはAve Mujicaの楽曲で言うとどれくらいの難易度ですか?」って聞くんですよ。その先生は「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」や「Choir ‘S’ Choir」を難しい曲として挙げているんですけど、この曲は「まあまあかな」と言っていて。

渡瀬 「まあまあ」ってどういうこと…?真ん中あたりかな。

岡田 簡単ではないというのはたしかだと思う(笑)。お話によると、1曲の中に難しいところとそうじゃないところがあって、決めかねていた感じでした。でもベースの先生の「まあまあ」は、私にとっては「めちゃ難しい」ということだと思うので、頑張ろうと思います!

――それとこの楽曲は、後半の迫りくるようなコーラスもトピックですよね。

米澤 あれ、ヤバかったよね。聴いたときに「ええっ!」と思った。

岡田 レコーディングもめちゃくちゃ難しかったよね。苦戦した。

渡瀬 私も過去一で大変だったかもしれない。コーラスを録る場合、1サビと2サビは同じフレーズ、ということが多いんですけど、この曲はラスサビの途中から「えっ!? なになになに?」みたいな感じになって(笑)。

米澤 そのラスサビの部分だけ、資料が別紙になっていて、「歌詞に書いていないパートがあるのでご確認ください」って書かれていたんですよ。それでチェックしたらすっごいコーラスで(笑)。

渡瀬 しかもそのハモも録ったからね。でも、ずっと頭から離れない。

米澤 あのあと、みんなで歌ってたもんね。

渡瀬 プロデューサーも一緒に歌ってました(笑)。

渡瀬結月

次ページ:バンド活動を通して見つけたそれぞれのチャレンジとやり甲斐

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