――カップリング曲についてもお聞かせください。「sympathy」は熱のこもったロックチューン。
水樹 この楽曲もコンペで出会ったのですが、満場一致で「これだ!」と即決でした。特にサビの“sympathy”とリピートされるフレーズがクセになって、1度聴いたら耳から離れなくて。ぜひライブで一緒に歌いたいです!
――作詞にはAMAMOGUさんと水樹さんのお名前がクレジットされていますが、歌詞の内容に目を向けると、かなり複雑な感情が表現されているように感じました。
水樹 自分の中でずっと悶々としてますよね(笑)。デモの段階で“sympathy”という仮歌詞が入っていて、それがあまりにも耳に残るフレーズだったので、そこはそのまま使わせていただきつつ、そこから私がブラッシュアップする形で歌詞を書かかせてもらいました。思春期の煮え切らない恋心、伝えてしまったらこの関係性が崩壊してしまうかもしれない、だからこのままでいいんだ!と思いつつも、本当は前に進みたい、でもどうしたらいいのかわからなくて……という心情を描写してみました(笑)。この楽曲を聴いたときに、不器用な青さを感じて。思春期特有のなんとも煮え切らない気持ちや、澄ました顔をしているけど、心の中は大変なことになっているギャップを表現しようと思いました。完全に私の妄想です(笑)。
――楽曲を聴いたときに受け取ったインスピレーションを膨らませて、歌詞を書かれるんですね。
水樹 「これだ!」と感じてセレクトした楽曲は頭の中に映像やストーリーがバッと浮かぶんです。この曲の主人公は男性/女性で、年代はどれくらいで、今どういう気持ちでいるのか、取り巻く環境はどうなのか…など、作家さんに歌詞をお願いするときは、そういった要素を細かく伝えて言葉にしてもらうようにしていますし、自分で歌詞を書くときもそれを元に言葉を書き出し構成しています。
――ということは、この楽曲をレコーディングする際は、その思春期の煮え切らない気持ちを歌に投影されたのでしょうか。
水樹 はい。この曲は斜に構えた、素直になれない主人公になりきって歌っています(笑)。私はこういう悶々とした楽曲が好きなんですよ(笑)。今までも両想いの楽曲は少なくて、大体片想いで一方的にもがいている曲が多いです。カップリング曲は自由度が高いので、私の好みがかなり反映されています(笑)。
――もう1曲の「優しい記憶」は、かつての想い人への気持ちや思い出を昇華したような、切なくも温かいパワーバラード。水樹さんのブログによると、8年前に出会った楽曲らしいですね。
水樹 そうなんです。8年前のコンペで出会って、素敵な楽曲なのでいつかぜひ形にしたくて大事に取っておいたのですが、なかなかタイミングが合わなくて。今回のシングルは「ADRENALIZED」がアドレナリン大放出!みたいな過激な楽曲ですし(笑)、「sympathy」も攻め感のある楽曲なので、もう1曲はホッとしていただけるような楽曲にしたいなと。新しい環境に身を置くなかで、ちょっと一息つきたいときに寄り添えるような、そして自分の地元や故郷を思い出せるような、ノスタルジックで柔らかい雰囲気の楽曲にしたくて、歌詞は岩里(祐穂)さんに書いていただきました。
――岩里さんとは、最近も「HOLY TALE」(2022年)や「ALL FOR LOVE」(2019年)といった“愛”を感じさせる楽曲でご一緒されています。
水樹 岩里さんには、今回「ALL FOR LOVE」のように壮大な愛を歌うのではなく、もっと身近で、過ぎ去った恋を思い出しながら、でも決して未練があるわけではなく、それが自分の中でエネルギーになるような、良い思い出に昇華されているイメージで歌詞を書いていただきました。大人になってから学生時代の恋を振り返るような気持ち、その当時は照れくさくて言えなかったことを話せるような関係性、というような設定をお伝えして。
――悶々とした雰囲気の「sympathy」とは違って、この楽曲の歌声からは慈愛や優しさが感じられます。
水樹 常に穏やかな笑顔を湛えながら、口角を上げて歌いました。親しい友達に自分の本音を届けるような、学生時代に恋の相談に乗ってくれていた友達に「あのときはごめんね、色んな相談をしたよね」と話している感覚、「今ならあの人に素直に言えるかな?」と思いを馳せるようなイメージで。不安になったり、心が癒しを求めているときって、ふと故郷や昔の友だちのことを思い出したりするじゃないですか。そんなときに寄り添える楽曲になれたら嬉しいです。
――この時期に相応しいシングルになりましたね。そして初夏には新たなライブツアー“NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024”の開催も決定しています。今回は“ジャングル”というタイトルですが……?
水樹 “ジャングル”と聞いてパッと浮かぶのは熱帯雨林のような緑だと思うのですが、今回は「共存」や「融合」をテーマにしていて、ツアーのメインビジュアルも自然と人工物が融合したものになっています。というのも“PARADE”という声出し解禁ツアーを経て、今回はようやくマスクも取って、コロナ禍前と同じ状態でライブを開催できるので、「THE 水樹奈々」というステージにしたいという想いから、このタイトルを付けました。私の楽曲は歌謡曲をベースに、色々なジャンルが融合されています。デジタルサウンドが強いパートもあれば、歌謡メロが際立つパートもあったり、きっと様々な融合を感じていただける私らしい激しいステージになると思います(笑)。
――しかも今回は全公演アリーナ会場を回りますものね。
水樹 そうなんです!いつもホールとアリーナが入り混じっていたので、アリーナだけを巡るツアーは初めてです。アリーナのみだからこそ凝れることがあるので、色々と検討している最中です。ぜひ楽しみにしていただければと思います!
●リリース情報
New Single
「ADRENALIZED」
4月24日発売
品番:KICM-2150
定価:¥1,430(税込)
初回製造盤:特製カラーケース仕様
初回製造盤封入特典:
「水樹奈々 LIVEオーディオコメンタリー公開収録」チケット抽選用シリアルナンバー
<CD>
01. ADRENALIZED(TVアニメ『HIGHSPEED Étoile』OPテーマ)
作詞:水樹奈々 作曲:光増ハジメ 編曲:光増ハジメ
02. sympathy(TOKYO FM「水樹奈々のMの世界」EDテーマ)
作詞:AMAMOGU、水樹奈々 作曲:TOTEM HIM’S 、ユミエダタクミ 編曲:TOTEM HIM’S
03. 優しい記憶
作詞 : 岩里祐穂 作曲 : 園田健太郎 編曲 : 園田健太郎
●ライブ情報
2024年アリーナツアー「NANA MIZUKI LIVE JUNGLE 2024」
6月15日(土)開場15:00/開演16:00【三重】三重県営サンアリーナ
6月16日(日)開場14:00/開演15:00【三重】三重県営サンアリーナ
6月22日(土)開場17:00/開演18:00【宮城】ゼビオアリーナ仙台
6月23日(日)開場15:00/開演16:00【宮城】ゼビオアリーナ仙台
6月29日(土)開場17:00/開演18:00【和歌山】和歌山ビッグホエール
6月30日(日)開場14:00/開演15:00【和歌山】和歌山ビッグホエール
7月6日(土) 開場16:00/開演18:00【神奈川】Kアリーナ横浜
7月7日(日) 開場14:00/開演16:00【神奈川】Kアリーナ横浜
チケット料金:¥12,100(税込)
※開場/開演時間は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
特設サイトはこちら
https://www.mizukinana.jp/special/2024_livejungle/
水樹奈々 オフィシャルサイト
https://www.mizukinana.jp/
水樹奈々オフィシャルYouTube
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