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INTERVIEW

2024.04.24

“らしさ”と自由な表現を詰め込んだ、聴けば自然と元気が出る1枚に! DIALOGUE+「ユートピア学概論」リリースインタビュー

“らしさ”と自由な表現を詰め込んだ、聴けば自然と元気が出る1枚に! DIALOGUE+「ユートピア学概論」リリースインタビュー

1月7日にユニット史上最大規模のワンマンライブ“LIFE is EASY?”を見事成功させ、さらに勢いに乗る声優アーティストユニット・DIALOGUE+。彼女たちの11枚目のシングルとなる「ユートピア学概論」が、4月24日にリリースされる。表題曲がTVアニメ『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』のEDに起用された本作は、近年の彼女たちのシングルとしては珍しく、カップリング曲と楽曲の雰囲気を揃えたハイテンションで楽しいナンバー揃いの1枚となっている。今回はメンバーの中から稗田寧々飯塚麻結に、本作にまつわるエピソードや開催近づく5周年ツアーの話題を中心に語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

聴けば自然と元気が出る表題曲に、歌声を通じて詰め込んだものとは?

――1月の“LIFE is EASY?”開催から約3ヵ月が経ちました。今改めて振り返ると、お二人にとってはどんなライブでしたか?

稗田寧々 ライブにはいつも全力で取り組んではいますけど、過去最大規模のライブだったというのもあって「絶対に今までで一番すごいライブにする!」みたいに開催前から割と自分たちで煽っていた部分もあったので、普段以上に“物語性”のようなものをすごく感じました。だから準備の段階から気持ちもすごく入って……。

飯塚麻結 ライブ当日までの期間もすごく印象的だったよね。発表から開催までの期間がすごく長かったので、それまでにログっ子(=DIALOGUE+ファンの総称)と過ごした時間とか、メンバーやスタッフさんと工夫して色々取り組んできた思い出が強いんです。「当日までこういうカウントダウンをして、みんなにわくわくを膨らませてもらおう」と色んなことをやったりしたので。ひとつのことに向かうまでの準備や過程が今までのライブと一番違っていたところで……とても大事にしてきたライブでした。

稗田 そのぶん当日は、これまでのライブよりもプレッシャーみたいなものをすっごく強く感じていたんです。なので終わった直後はやっぱり「……はぁー!」みたいな感じで(笑)。

飯塚 肩の荷が下りたみたいな感覚は強かったよね(笑)。

稗田 でもちょっと時間が経った今振り返ると、良い意味で割と普段のライブに近い感じでできたようにも思うんですよね。本当にひとつの大きなステップではありましたけど、活動が活発なのもあって、3ヵ月くらい経った今では「まだまだ通過点だったんだなぁ」という感覚があります。

飯塚 うん。私もそんな感覚。

――そんな“LIFE is EASY?”後にリリースが発表された、ニューシングル「ユートピア学概論」がいよいよリリースとなりました。

飯塚 きょん(=守屋亨香)の歌い出しから皆さんも感じると思うんですけど、最初に曲を聴いたときから「速っ!高っ!」っていう印象が強くて(笑)。でもエールを送るようなサビからは、やっぱり「“THE・DIALOGUE+”だな」という素直な印象もありましたね。……あとは歌詞が長いというか、文字数が多いです(笑)。

稗田 レコーディング前からアニメの主題歌だとは聞いていたんですけど、速くて楽しい、テンションの高い曲だからOPじゃないことにびっくりして(笑)。インタビュー時点では放送前なので、EDとして流れたときに印象がどう変わるのかもすごく楽しみにしています。それに私もまゆ(=飯塚)と同じように、背中を押してくれるしいわゆる“田淵(智也)節”みたいなものが歌詞にもたくさん登場するので、“THE・DIALOGUE+”とも感じました。みんなで掛け声のできるところもあるので、ライブで披露したらまためちゃくちゃ盛り上がる曲のひとつになりそうな予感がしています。

稗田寧々

稗田寧々

――ちなみに、歌詞中のいわゆる“田淵節”が感じられるなかで、印象深かったり気になっているところはありますか?

稗田 結果的に自分のパートになったんですけど、2番の「“コペニクソラシド♪”ってなんやねん!」って思いました(笑)。1番は“そこのけソラシド♪”だからまだなんとなく感覚的にわかるけど、「『コペニク』ってなんだ?」って。でもすごく声に出したくなる口馴染みの楽しいところですし、ほかにもDメロの“不確定に足が生えて 僕らの街を茶化し回る”も、「不確定」を人として捉えたことがないから面白く感じたり……すごく読み解き甲斐のある歌詞になっていると思います。ただ、前に田淵さんに歌詞についてお聞きしたら「いや、語感が良かったから」って答えられたことがあったんですよ(笑)。そういうことも結構あるみたいなんですけど。

飯塚 私、最初歌詞を見たときに「前半戦、なんでこんなクエスチョンマークばっかりなんだろう?」みたいな印象がありました(笑)。それに、例えば“ドンパチあり?”というフレーズみたいに、歌い方的には別に疑問形ではなかったりもするんですよね。ほかにもサビの“今っぽくないか?”とかも含めて、最近の田淵さんって、最後をちょっと不確定な感じにしてふわっとさせることがあるように感じていて。それは「聴く側に預けられてる部分なのかな?」と思ったりもしています。

飯塚麻結

飯塚麻結

――そんなこの曲、レコーディングの際にはどういうことを大事に歌われましたか?

稗田 やっぱりこれは、勢いですかね?すごく速い曲ですし、こういうときは私の場合はよく“パンチ力”みたいなことを言われるので(笑)、それを今回も意識しました。あと、私はレコーディングのときはニュアンスや表情を結構考えるタイプなんですけど、この曲は「みんなで楽しく!明るく!」というイメージが強かったので、特にソロ部分ではそういうニュアンスを意識していたような気がします。

飯塚 私も、明るく楽しくそのまま真っ直ぐにやれば上手くいきそうな印象があったので、今回は基本的には素直に歌っていったと思います。サビは特に後半部分の音が結構高かったんですけど、「この曲は全部地声でいいだろう」と考えて、スパンといってみました。あと、今回はオーディションがすごく多かったよね?

稗田 うん。多かった。

飯塚 それも「このブロックをソロ3人くらいでやりたいから、3人・3人・2人で」というところが多くて、録る部分もいつも以上にあったんです。その中に「もしかしたら、私が入ったらいいんじゃないか?」というところが1箇所だけあったので、そこは自分なりに考えてレコーディングしました。自分のパートにすることができたので、「よっしゃ!」ってなりましたね。

稗田 それ、2-Bメロの“太陽も地球も”のところ?

飯塚 あ、そうそう。リズムがちょっとスウィングっぽく変わるところ。

稗田 やっぱり。そういうところはめっちゃまゆのイメージがあるから、私も「まゆだろうな」って思ってた。あと、まゆの「最後はみんなで!」の言い方が、めっちゃまゆらしくてかわいくて好き(笑)。

飯塚 ほんと?あれは「ライブの終盤、喉がヘトヘトなときの発声ってどんなだろう?」っていうのを想定しながら歌ったの。

稗田 そうだね!言われてみたら、たしかにめっちゃライブっぽいわ……!

飯塚 そこもオーディションで、音源っぽくない歌い方だから取れるかどうかドキドキもしたんですけど、採用してもらえて嬉しかったです。

――稗田さんは、オーディション部分でどういうことを大事にされましたか?

稗田 この曲に限らず、田淵さんとオーディションの箇所についての話をすると、私は「やっぱり稗田はいつものように堂々と、バンッ!って歌えばいい」みたいなことをよく言われるので(笑)、今回もそういう感じで臨みました。ただ、“コペニクソラシド♪”で大事にしたのはまたちょっと違う要素で……。

飯塚 そこ、かわいいよね(笑)。

稗田 ここは色んなバージョンを持って行ったんですよ。めっちゃふざけて「(オペラ調に)コ~ペニクソラシドォ~!」ってやったり、「るんるん♪」みたいにすっごくかわいく歌ってみたり……(笑)。それに、自分がオーディションを受けてほかのメンバーが選ばれた部分も、毎回すごくしっくりくるというか。

飯塚 うん、わかる!

稗田 表現方法とかニュアンスが曲の世界観にピッタリなメンバーが選ばれているので、私も毎回「こういう表現の仕方があったか!」とハッとするんです。特に今回は楽しい曲だからこそ、自由に個性を出せる部分がたくさんあったように思います。

――だからでしょうか?今回のシングルは今まで以上にメンバーごとの役割分担がはっきりしていた印象があります。

稗田 そうですね。それこそ2-Bメロのまゆが歌っているパートは仮歌段階から「めっちゃまゆー!」というイメージでしたし、ほかにも頭の“腹が減った 飯をよこせ”も「めっちゃ(村上)まなつ!」と思っていました。

――さて、この曲ではMVも制作されていますが、テーマなどについてお教えいただけますか?

稗田 タイトルにちなんで、ログっ子さんの大好きな制服を着て(笑)、学校にみんなで学びに行っています。

飯塚 本を読んでいたりテストを受けたりするようなシーンもありつつ、終盤はみんなで理科室で「ユートピア」という何かを探し出して……。

稗田 最終的にはポンポンを生み出して、それを使った久しぶりになる屋外でのダンスシーンへと続いていくんですよ。撮影では実際の大学の校舎を使わせていただいて、色んな場所で撮りまして。8人のリップシーンも、順番にみんながセンターになるように色んなバージョンで撮ったりと楽しいMVになっています。

飯塚 ソロシーンの場所も色々違うんだよね。

稗田 そう。例えばやかん(=鷹村彩花)は図書館だったりと、それぞれ“らしい”ところに当てはめてもらって。私とまゆは視聴覚室だったんですけど、それこそ映画を観られるような大きなスクリーンがあったので、「やっぱ私は映画好きだからだろうなぁ」って思いました。でもあそこでのダンス、めっちゃ大変じゃなかった?

飯塚 すごい大変だった(笑)!私たちがカメラ目線で踊っているときに立っている、段々になっている椅子がすごく狭いんです!しかもダンス自体が結構激しくてラインダンスくらい足を上げていますし、すぐそこに柵があるし……そんなところで「体の角度はこっちで、照明が当たるから顔はこっち」みたいなディレクションもいただきながらの撮影でした(笑)。

稗田 この記事を読まれた方には、それを踏まえたうえで改めてMVを観てもらいたいね(笑)。

――ちなみに脱線してしまうのですが、この曲のタイトルにちなんで“概論”から学んでみたいと思っているものって、お二人にはありますか?

飯塚 私はシンプルに、「世の中」をもっと知らなきゃな、と思っていて……この間「朝・昼・夕に使う目薬」を処方してもらったとき、「普通の人の朝食の時間」がわからなさすぎてマネージャーさんに聞いたくらいなんですよ。

稗田 たしかに、わかんないかも。

飯塚 なので最近、ニュースを見たり知らない経済の言葉を毎回調べるようにしていたら、「私、本当に知らないんだな!」と改めて思ったんですよね。もちろん知識の量とか範囲は人それぞれですけど、あまりにも知らないことが多すぎると感じたので、最近はそういうことを勉強しようとしています。

稗田 私もそれに近くて、「皆さんの生活概論」といいますか……私は逆に同業者の方が、どういうふうに仕事の準備をしたりプライベートと仕事を両立させているのかとかが気になるんです。めっちゃくちゃ忙しそうなのに、趣味の時間も持って自炊とかもちゃんとされている先輩の時間の使い方や、あとは音楽の作家さんみたいな周りのお仕事関係の方も。皆さんがどんな生活を送っているのか、気になってます!

次ページ:カップリング曲では“らしさ”の中に新鮮さも

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