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INTERVIEW

2024.04.20

自身のバースデーにアーティストデビュー!デビュー曲「ラベンダー・ブルー」に込めた想いを直田姫奈に聞く

自身のバースデーにアーティストデビュー!デビュー曲「ラベンダー・ブルー」に込めた想いを直田姫奈に聞く

4月17日、誕生日当日に「ラベンダー・ブルー」をデジタルリリースし、ソロアーティストデビューする直田姫奈。声優としては、TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』のギャルなヒロイン・喜多川海夢役などで活躍。また『BanG Dream!』プロジェクトで、Morfonicaの桐ヶ谷透子役として、ギターを演奏している。アーティスト活動でも、得意なギターは活躍することになりそうだ。新曲「ラベンダー・ブルー」について、たっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

――デビューの話が届いたときの気持ちをお聞かせください。

直田姫奈 「音楽の活動をしたいですか?」と聞かれたとき、「できるんだったら、やってみたいです」と軽い気持ちで答えたんですけど、そのときはまだまだ先の話だと思っていたんです。それがどんどん身近な話になってきて、デビューをすることが決定しても、まだどこか自分事ではないような感じでした。だから喜びというより驚いた気持ちのほうが強かったです。ただ、そこから曲ができたり、具体的な話が進む中で、ようやく本当にデビューするんだなという気持ちになってきて、「頑張ろう!」ってなりました。だから、すごくふわふわしていたんです(笑)。

――でも、聞かれたときに「やってみたい」と答えていたのは、音楽活動に興味があったからですよね?

直田 そうですね。もともとすごく音楽が好きですし、2〜3年前なら心情的に「ちょっと…」となっていたのかもしれないですけど、声優としての活動も何年かしてきて、新たなことに挑戦したい気持ちも芽生えてきた頃でもあったので、興味はありました。

――コンテンツでのライブは何度も経験していますし、ステージから見る景色も知っていますからね。

直田 ステージがどういうものなのかというのは知っているんですけど、やっぱりそれはキャラクターがいたからで、キャラクターを背負って立つということには慣れていたんですよね。だから、ただの直田姫奈としてステージに上がるというのは、ものすごく緊張するだろうし、マインド的にもキャラクターが支えてくれていたところを自分が支えることになるので、どんな感じなんだろうと、楽しみなところもあります。

――新曲のお話の前に、ギターも弾ける直田さんの音楽のルーツをたどっていきたいのですが、そもそも音楽にハマったのはいつ頃ですか?

直田 高校生のときです。中学・高校くらいからYUIさんが大好きで、YUIさんに憧れて自分でアコースティックギターを買ったんです。それがギターとの出会いであり、そこから高校の3年間、音楽にのめり込んでいました。ジャンル的には、バンドサウンドの音楽を聴くことが多かったんですけど、そこでコレサワさんの音楽にも出会い、コレサワさんもすごく好きになりました。カヴァー企画の第1弾でコレサワさんの「たばこ」を歌わせてもらったり、個人のファンイベントでもコレサワさんの曲を弾かせてもらったりしているので、女性のシンガーソングライターが好きなのかもしれません。

――それはなぜですか?

直田 自分で歌えるかどうかで聴くことが多かったから、女性の歌が多かったのかもしれないです。それに女性の心情を吐露する曲が多いので、歌詞がすごく響くんですよね。それで好きな曲が多かったんだと思います。

――自分で歌いたいからギターを弾こうということに繋がっていくんですね。

直田 そうですね。でも、ギターをやりたいと思ったのは、YUIさんになりたかったからというのが大きいと思います(笑)。

――ギターって挫折する人も多いですよね?

直田 それがしなかったんですよ。放課後、学校に帰ってから毎日3時間くらい、ずーっと弾いていて、ギターが一番楽しい遊びでもあったから、習い事という感覚もなかったんです。漫画を読むとか、アニメを観るのと同じ感覚でギターを弾いていて。最初にFのコードでつまずくってよく言うんですけど、それが鳴るようになってからは、もう一生弾いているみたいな感じでした。

――アコギが最初で、エレキギターは弾いていなかったのですか?

直田 エレキは、Morfonicaで弾くまで触ったことがなかったんです。そのときも、アコギが弾けるならエレキも弾けるよってよく言われたんですけど、全然そんなことない!と思って(笑)。エレキはエレキの難しさがあって、別物の楽器だと思いました。「誰だよ、簡単に弾けるって言ったのは!」って、ちょっと恨んでるくらいでした(笑)。

――ちなみにギターは、独学で覚えたのですか?

直田 独学です。部活にも入っていなかったし、別に人前で披露したいという希望もなくて。自分の部屋でYUIさんの音楽を流して、それに合わせて弾いているだけで十分だったんです。

――ストリートで弾いてみようとも思わず。

直田 まったく思わず。むしろ、親にも見られたくないくらいでした。

――引きこもってひたすら弾いていたんですね(笑)。しかもその頃、アニメも好きだったんですよね?

直田 はい。夕方6時に大好きな『銀魂』を見て、6時半から8時くらいの夕飯ができるまでの時間でギターを弾くのがルーティンでした(笑)。高校生活は高校生活で、友達もいたし楽しかったんですけど、誰よりも早く家に帰って、そこからは私の時間がきたー!って感じで、ギターと遊んでいました(笑)。

――ひとりで完結しているという意味で、バンドで合わたときは苦労されたのではないですか?

直田 そうですね。アコギも譜面はあるけど、強制されないから好き勝手弾くことができたんです。でも、バンドで合わせるときは譜面をしっかり見て、他の楽器と合わせないといけないんですよね。そういう概念がそもそもなかったので、バンドを始めた頃は窮屈でしかなかったです。何で譜面通りに弾かなきゃならないんだ!って、生意気にも思っていました(笑)。

――そう考えると、ギター歴は相当長いですよね。

直田 でも、まだまだギターは奥深いですし、難しい楽器だなって思います。最近はずっとエレキばかり弾いていますけど、難しいです。

――先ほど、歌詞も自分に響いていたと話していましたが、歌詞からも影響を受けているのでしょうか?

直田 そうですね。中・高のときって、みんな尖っているじゃないですか(笑)。そういう尖っている人が聴くと、YUIさんの曲も尖っているから刺さるんですよ。あと、女性シンガーソングライターからは離れちゃいますけど、当時だとRADWIMPSさんやBUMP OF CHICKENさんの曲がすごい人気で、みんな聴いていたので、私もこの歌詞やばいよね! みたいな話を友達としていました。

――そういう自分のルーツ的なものを、自分の音楽活動に繋げていこうと考えているのでしょうか?

直田 最初に音楽の方向性を決めるとき、YUIさんが好きだから、やるとしたらそういう音楽がいいですという話をさせていただきました。今回リリースする「ラベンダー・ブルー」を筆頭に、今作っている曲も、自分の好きな世界観に寄り添った楽曲なので、ある意味、女性声優があまり歌ってなさそうな曲だなとも思っています。そこも尖っているのかもしれない。

――シンガーソングライター路線っていうのは、あまりないかもしれないですね。

直田 だから最初に「ラベンダー・ブルー」が届いたとき、めっちゃテンションが上がったんです。まずは歌詞をあまり見ないで曲を聴いたんですけど、曲調がすごく明るくて、かわいい曲だなと思ったんです。でも歌詞を見てみたら、言葉遊びがたくさん散りばめられていて、何だこの歌詞は!と。何度も何度も読みながら聴いていたら、どんどんハマっていってしまって。

――金子麻友美さんの歌詞ですよね。韻を踏んでいますし、歌詞カードを見るとこっちの漢字なんだと思ったりしました。

直田 読み直すたびに新しい発見があるんですよ! 私、もともと考察がはかどる歌詞が大好きなんです(笑)。そういうところも含めて、私が「こういう音楽が好きです」と言っていた世界観を表現してくれている曲だったので、この曲をデビュー曲として与えてくださったことを嬉しく思いました。

――考察というのは、どのあたりのことでしょう。

直田 金子さんがレコーディングのときに来てくださって、そこでいろいろお話をさせていただいたんですけど……これ以上は、ちょっと言えないんですよね(笑)。この曲だけ見ると、女の子の失恋ソングなんだけど、ただの失恋ソングではないと言ったらいいのかな。相手から見えていた世界と、自分が見えていた世界が違うということが書かれていると思うんですけど、それがどう違うのかというところがキーになってくるのかな?と思います。

――デビュー曲にして失恋というのがいいですよね。

直田 そこも結構攻めていますよね(笑)。でも、失恋したことがある女の子は、この曲を聴いて刺さってくれるんじゃないかなって思うし、男性も同じように刺さってくれたらいいなと思います。ただ曲調は明るいから、吹っ切ろうとしているのか、強がっているのか、というところでも想像のしようがあるというか。

――そこまでイメージが膨らむ歌詞に対して、歌はどうアプローチしていったのでしょうか?

直田 絵がすごく浮かぶ曲で、MVのイラストみたいなものが想像できたので、歌うとしたらそれにナレーションをあてる感じになればいいなと思いました。それを歌に変換する形で歌えばいいと思ったので、Aメロは、女の子が歩きながら口ずさんでいる感じで歌っています。で、後半にいくにつれて、女の子の本心というか、強がっていうところが剥がれて、心が見えてくる歌詞だと思ったので、その感情は入れたいなと思いながら歌っていました。

――それはつまり、歌の主人公になるような感覚なのでしょうか?

直田 そうですね。自分が想像して作り上げた女の子として歌っている感じだと思います。でもキャラソンにならないよう、なるべくナチュラルにナチュラルに、自分に落とし込んで、という方向性で攻めていく感じでした。

――先ほど金子さんがレコーディングに来られたということでしたが、何かディレクションなどはあったのですか?

直田 金子さんが唯一と言っていいほどこだわっていた部分は、1番の終わりの〈ラベンダー・ブルー〉と2番の〈くすぶる〉を同じように表現できないかということで、そこは何度も録り直しました。

――では、直田さん的こだわりポイントというと?

直田 やっぱり1番よりも2番、2番よりもそのあとと、だんだん感情が大きくなっていくようにしたいと思いました。ただ、皆さんが最初に聴くのは1番なので、そこで物足りなくならないよう、1番だけできれいに完結できるようにしたい気持ちもあったので、そこの感情をどうコントロールするのかというのは、結構挑戦したかもしれません。

――サビあたりで感情が出てきて、それがだんだんと積み重なっていく感じがいいですよね。

直田 そこは自分がどうしても表現したかった部分でもあります。

――そして、直田さんのギターも入っているそうですね。

直田 はい。アコースティックギターでレコーディングさせていただきました。初めてのギターレコーディングだったので、めっちゃ緊張しました! 歌よりも緊張していたかも(笑)。

――それは確かにそうですね。

直田 自分では練習したつもりだけど、このギターは、はたして録音してもいいレベルなのだろうか?みたいな気持ちでレコーディングをしたんです。ただ、思っていたよりも早くレコーディングが終わったし、自分のアコギとバンドの皆さんの音と私の歌が合わさった音源を聴いたときに、私のギターが結構聴こえてきたので、すごい!って思いました。あれは感動です。

――デビュー曲で自分のギターが入ることもなかなかないですからね。ちなみにアコギはご自身のアコギで?

直田 はい。高校生のときに自分で買ったアコギなんですけど、そのときは、このアコギが録音されるものになるとは思っていないですから、すごいなと思ったし、高校生のときにギターを弾きたいと思った自分にありがとうと言いたくなりました。とても感慨深かったです。

――そして、5月4日には『直田姫奈 1st LIVE -Sings-」が開催されます。

直田 全曲オリジナル曲でやることは発表しているんです。なので曲は鋭意制作中なんですけど、ギターは、エレキを弾く予定です。アーティスト活動用にフェンダーの白いテレキャスを手に入れたので、私のテンションも上がっています(笑)。もちろん生バンドでのライブになるので緊張もしています。お客さんは、「ラベンダー・ブルー」以外、聴いたことがない曲になるので、特に昼の部は大変だと思うんですけど、今のお客さんって、1番を聴いたら、2番でもう乗ってくる強者さんたちなので、それをやっていただけたら幸いです(笑)。


●リリース情報
直田姫奈 デビューシングル
「ラベンダー・ブルー」
作詞:金子麻友美 作曲:柴田 尚 編曲:リアジュボーン

4月17日発売
※音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて配信予定

●ライブ情報
直田姫奈 Hina Suguta 1st LIVE – Sings –
2024年5月4日(土)
場所:SUPERNOVA KAWASAKI
開場/開演:
<昼公演>14:30/15:00
<夜公演>17:30/18:00

料金:全席指定 8,800円(税込)

<直田姫奈プロフィール>
・出身地 兵庫県
・誕生日 4月17日
・俳協所属
主な出演作は『その着せ替え人形は恋をする』(喜多川海夢役)、『BanG Dream! Morfonication』(桐ヶ谷透子役)、『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』(アゲぴぴ役)など。

関連リンク

直田姫奈オフィシャルサイト
https://columbia.jp/sugutahina/

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